2010年12月31日金曜日

今年もありがとうございました

今年の締めを書こうと思っていたらこの時間になってしまいました。

今私は診療室のフロントのテレビの前に陣取り、一人でビールを飲み紅白を見ながら残務整理をしています。平日にやり残した事をまとめて休日に片付ける性分は治りません。

で何で家に居ないのかというと、受験生を抱えているもので、しかし紅白が見たい!桑田圭祐の復活(?)が見たいというだけなのですが。

紅白をまともに見ているのは十何年ぶりでしょうか、自分が時代から離れた所に居た事が良くわかります。良い歌がたくさんあります。

さて残務整理の中に治療の写真整理があります。どうもただ撮っているだけで、その後の活用が甘いというのがいつもの反省点です。例えばムシ歯一本治す場合でもその前後で数枚の写真を撮っています。場合によっては顕微鏡から動画を撮っています。これらは一本のストーリーを持っているので、編集して患者さんにお見せしたいといつも思っています。

しかし診療が複雑化して行くに連れ、整理がどんどん難しくなってきます。特に機材が高画質化して行くにつれデーターが重くなり、診療後にすぐにお見せする事も難しくなってしまいました。やはり治療後にすぐお見せして、お口の中で何が起きていたのか、今後どうすれば良いのかをお話したいのです。来年はこのあたりをなんとかできないかと考えています。

写真の整理をしているとこう思います、「なぜこうも再発が繰り返されるのか?」私はこの事に対し診療時間内やオープンセミナー・著書・ウェブ・そしてこのブログでもいろいろお話をしてきました。衛生士も同じようなお話をしています。しかし効果はというとどうでしょう?なかなか難しいです。

本当はこれは理屈の世界の話です。しかし人は理屈では動きません。ただ今までは直球が多すぎたかもしれません。遊び玉も必要かな、けどファオボールは出せません。フォアボールとは再発の事です。やはり病気はアウトをとらなくてなりません。

来年はちょっと違うアプローチも考えています。あ、もうこんな時間ですね。紅白はもうSMAPがトリを唄っています。今年もいろんな事がありました。すべての方々に感謝いたします。皆様、よい新年をお迎えください。私はこれから湯島天神へ行ってきます。

2010年12月30日木曜日

世田谷朝市

実は11月頃からけっこう体調が下がり気味だったので、休みを利用し早朝ランニングを再開しました。今日は再開二日目です。



で、ふと見ると川向の農地に人だかりが。近所のおばさんが足早に向かうので何かと思い訊くと、朝市だそうな。野菜の直売です。え、そんなのやってたの?15年以上も住んでいて初めて目にします。

東京と言えども私が住む世田谷にはけっこうな農地があります。私のマンションの近くにもいろいろあり、葡萄園なんかもあります。

ここの柵の中では何を作っているのかぜんぜん解らなかったのですが、人参、大根、葱、ブロッコリー、カリフラワー、里芋などが売られています。なかなか旨そうです。



年末というわけではなく、たまたまいろんなミーティングがこの時期に集中してしまったため、かなり不健康になっていました。でランニングを再開した所にこの野菜パワー!嬉しいです。いろいろ買ってしまいました。


たとえば肉を食べたらその3倍は野菜を摂らなくてはならないと言われています。韓国で焼き肉を食べるとかならず大量のサンチュが付いてくるのはそのためです。

しかし日本は肉という表面的な文化だけを輸入し、体のバランスを考えていないお店が目立ちます。サンチュがない焼き肉屋があるのは困ったことです。

さてこの機会に野菜をたっぷりと。体調を万全にして新年に備えようと思います。皆さん、体調はいかがですか?野菜って、ホントおいしいですよ!

日本顕微鏡歯科学会ポスターが完成


実は10月頃から広告関係の交渉やらをいろいろやっていました。形になると嬉しいものです♪

モノクロですが良い出来映えです。もちろんデザインしたのは業者さんですが。私の名前もちっちゃく出ています。

日本歯科評論The Quintessenceの1月号には巻末にもっと詳しい広告が出ています。QRコードを読めば携帯から参加登録ができます。すごい楽しい大会になりますので、多くの方にご参加いただきたいものです。

それにしても立派な会場です。仕分けの対象になっているそうですが。。。

2010年12月29日水曜日

ありがとう、S先生

ちょっと湿っぽい話にはなってしまいます。今年もいろんな方との別れがありましたが、まさかこの人がとは。若すぎます。


このBlogをご覧になっている方は去年まで私が日本橋にオフィスを構えていた事をご存知と思います。そしてその前はまた銀座に居た事も。これは銀座から日本橋に移る時の事です。

1997年1月、独立開業を考えていた私は材料屋さんから一件の企画書を渡されました。そこには「日本橋α歯科医院居抜物件」と書かれていました。

「日本橋か〜、悪くはないがどうだろう、、、」と、あまりピンと来なかった私でしたが、いつもの銀座線に乗って10分弱の三越前にあるその歯科医院へ下見に行ったのでした。

行ってみるとそこは実は「S歯科」という名前でした。そして雑然とした院内の奥から現れたのはどこかで会った事があるような顔。「S歯科」という名称から、「あっ、S先輩ですよね!?」偶然とは恐ろしいものです。

「お〜、そういえば君は!」向こうも気がついたようです。と言っても学生時代には話はした事はなく、卒後5年くらいの時に新潟のJONという店で偶然いっしょになり30分ほど話し込んだ事があるだけ。ちょうどその時「日本橋でおじさんがやっていた歯科医院を引き継いで開業した」と聞いたのを思い出しました。

その頃このS歯科を買おうと積極的にアプローチしていた先生がおられたそうですが、先輩後輩とあればそんな話は蹴ってトントン拍子に交渉が進みます。そして2月20日にはもうS歯科は「吉田歯科診療室」と名前が変わっていたのでした。


しかし困った事に、2~3週間の引継後S先生は行方不明になります。こちらは患者さんの事などいろいろお聞きしたい事があったのですが、連絡がとれません。

そんなある日、NTTから一通の手紙が届きます。開けてみると、なんと私が居抜でいっしょに買い取ったはずの電話加入権が競売にかけられ使用停止になると書いてあります。「しまった、そうだったのか!」私はあいかわらず鈍い。

このままでは電話が不通になってしまいます。運が良ければ競売に出入りする業者から買い戻す事ができるかもしれませんが、それには時間がかかるしいくら請求してくるか解りません。私はできない時の被害を想定しさっさと新しい電話を引き、電話番号が変わる旨患者さん全員に手紙を出し事なきを得たのでした。


S先生の消息を知ったのはドイツででした。2000年7月、インプラントの研修で同じグループにいらっしゃったE先生はS先生と同期で同じクラブ、昔は東京でも頻繁に会っていたようです。

E先生は「あ〜、な〜んだ、引継いだのは君だったのか〜、あいつ元気にしてるから今度言っておくよ〜」と。なんだ、それなら連絡の一つもしてくれればな、けど言いにくい事情もあるんだろうなといろいろ考えていました。

そしてついに再会の日が訪れます。2007年9月、熊本で行われた口腔インプラント学会の前日、E先生の計らいで繁華街の馬刺屋に呼ばれた私はS先生と対面します。「いや〜吉田君、悪かったね〜」もうとっくに済んだ話ですし私も過去については何もいいません。それより今何してるんですか〜と。


S先生の訃報を知ったのは昨日の夜、ちょうど五反田での反省会中に馬刺を食べている時でした。3年ぶりの馬刺に私は熊本での事を思い出していました。何かの偶然でしょうか。

S先生は武道系クラブの主将をしていました。小柄ながら隙のない動きで周囲を圧倒するタイプだったと記憶しています。その後は反動で酒飲みオジサンになってしまい、引継期間中は私もずいぶん連れ出されたものですが、その人の良さは見習う所がたくさんありました。

銀座に移転した今も、吉田歯科診療室にはS歯科にあった機材がたくさんあります。そしてS歯科時代からの患者さんも大勢おられます。私がスムーズに開業できたのはもちろんS先生のおかげに他なりません。

今私のコンピューター画面の右端には白衣を着てVサインを出すS先生の写真が出ています。前述の初めて訪れた時に撮った写真です。初期のデジカメなので写りは悪いですが「吉田君、後は頼んだぞ」と言っているように見えます。

53歳というのはあまりに早い、さぞや無念であった事でしょう。ありがとう、S先生、あなたのおかげで私はここまで来れました。
合掌

2010年12月24日金曜日

顕微鏡歯科ネットワークジャパンが始動


ついにというか、やっとというか、なんとか年内公開にまでこぎつけました。「顕微鏡歯科ネットワークジャパン」のサイト、本日オープンです。


このサイトを造るのに今年の初めくらいからミーティングを重ねてまいりました。未完成ながらもついに公開です。何が未完成かというと、それは私のページです。。。

顕微鏡歯科ネットワークジャパンは、治療技術と表現力を持ち合わせた歯科医師の集まりです。『v Super Dentist』の『v』とは visual の事、治療を公開するに値する優れた者のみの称号です。まぁウチワの事ですが、しかし審査の流れはこちらにかいてあるように、厳しいです!

何はともあれ、趣旨にご賛同いただけた先生方と、サイトを造ってくださった方に感謝です。

今日本の歯科医療は変革期にあります。顕微鏡は今までブラックボックスだった歯科医療を変える起爆剤となる事でしょう。できるだけ多くの方に信頼性のある治療を受けていただきたい、そんな思いでこのサイトは運営されています。

さて、あなたの街の近くに v Super Dentist はいらっしゃいましたか?これからも認定者が増えて行きますので、ぜひブックマークしておいてくださいね。

なお、顕微鏡歯科治療についての詳しい解説がこちらに載っています。「アレレ?どこかで見たような文体だな!?」と思った方は鋭い!自分のホームページそっちのけで書きました。ボランティアなので原稿料は入りません (T_T)...


2010年12月23日木曜日

CTによる即時精密診断を開始

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックでは、歯科用コーンビームCTによる即時精密診断を開始いたしました。また外注撮影依頼も承ります。


  1. 使用機材は KaVo社 3D eXam i です。
  2. 撮影範囲は標準撮影で、直径85mm × 高径85mm の円柱形です。通常はこの範囲での撮影をお奨めしており、ほぼ上下顎全歯列をカバーいたします。
  3. 解像度は0.125mm, 0.2mm,0.25mm, 0.3mm, 0.4mmです。通常のインプラント診断には0.3mmの180度撮影を、根管治療や前歯唇側の骨量診断など細部の診断にまでご利用の場合は0.125mmの360度撮影をお勧めいたします。
  4. 標準撮影では水平埋伏知歯の根尖部までは入りません。この場合は拡張撮影で直径140mmの撮影をお勧めいたします。ただし解像度は0.2mmとなります。
  5. ご希望により狭範囲撮影をいたします。直径は85mmで変わりませんが、コリメーターにより高径を絞り、上顎のみ・下顎のみの片顎撮影をいたします。
  6. データーはCD-ROMでお持ち帰りいただけます。添付フリーソフト(3D eXam Vision)にてご家庭のコンピューターでご覧になったり、他の医療機関でのセカンドオピニオンにご利用いただけます。
  7. 外注撮影依頼をお受けいたします。この場合必ず医療機関からの撮影依頼書が必要です。詳しくは電話かメールでお問い合わせください。
  8. 撮影料は、標準撮影と拡張撮影が¥23,100(税込)、片顎撮影が¥18,900(税込)です。
  9. 診断には別途費用がかかる場合がございます。例えばSimPlant Pro を用いる場合は画像加工料が発生いたします。
3D eXam Vision のスクリーンショット

《 関連記事 

超モンブラン


砲弾ではありません、モンブランです。しかし、、、でかい!高さ10cmはあろうというこのモンブラン、驚きです。食べるのに嬉しい悲鳴をあげてしまうケーキは初めてです。

Yさん、いつもありがとうございます。みんなでおいしくいただきました!

GC PLANMECA DX-1

忘れちゃ行けない、デンタルエックス線照射機も一新、 GC PLANMECA DX-1 です。本当に良く使うのはこちらの方です。


ようやくデジタルセンサーに対応した直流70kV仕様となりました。やはり細部の再現性が良く、ヒストグラムを見ると濃淡分布がぜんぜん違います。

この製品、フィンランドのPLANMECA社の管球とコントローラーに、GC社が椅子とアームを付けたという変わり種。

写真右の黒いコードが伸びているのが口の中に入るPLANMAECA社DIXIというセンサーで5年前から使っているもの。性能アップが著しい電子機器でありながら、未だに一番の写りの良さと薄さを誇ります。

さて、新しい機械が入ると何か嬉しくなりそうなものですが、管理しなくてはならないものが増えてけっこうたいへんです。あまりウキウキした気分になれないのは歳のせいか?あー、こんな事言っていてはダメでね〜

しかしモノに投資するのもうはこれで終わりにしたいものです。これからはもっと「人」に投資しなくてはなりません。自分自身も含めて。

CTがやってきた [KaVo 3D eXam i]


既報の通りレントゲン設備を一新、CTがやっと設置されました。しかしまぁ、すんなりとは行かないものです。コンピュータ側の不具合が続き、日曜も月曜も作業が終わったのが0時過ぎ。。。

しかしそれでもダメ、不具合でご迷惑をおかけしてしまった方には申し訳ない事をしてしまいました。ゴメンナサイ。

で稼働しはじめたのが昨日(22日)の午後。お待ちの患者さんがおられたのでヒヤヒヤものでしたが、3度目の正直でようやくOK。


設置されたのは KaVo 3D eXam i という機種。高い買い物という事もありさんざん悩みましたが結局この機種に落ち着いたのは、

  • 撮影範囲がそこそこ広い(標準で直径85mm x 高径85mmの円柱)
  • 撮影時間が短い
  • 照射線量が少ない
  • 座って撮影する
  • 360度回転タイプの中では小型
  • 擬似的だがある程度信用できるCT値が読める
  • コンピューターが一台で済む
  • 拡張設定で直径140mmの撮影が可能
  • そこそこの解像度
  • 意外に価格が手頃

なんてところでしょうか。思えばCTの選択に京都まで試写しに行ったり、いろんな機種で自分を試写してみたものでした。まさかこの機種に落ち着くとは思いませんでした。

実はこの機種は2007年3月、ドイツのケルンで行われたIDS(国際デンタルショー)で発表されたものの廉価版、その場に居合わせた私は「またかっこいい機械がでてきたものだなぁ」と口を丸くしていたものでした。しかしその原型はアメリカのiCatで、これはそのOEMです。

オリジナルは今も高価でとても手がださませんが、その後円高や廉価版の影響でなんとか手が出せたという感じです。

さてまだ二名しか撮影しておりませんが、期待通りの画像を出力してくれます。外注と違いすぐに説明に入れる所は本当に便利で、患者さんにも喜んでいただけました。

外注も受け付けますので詳細が固まり次第お知らせいたします。

2010年12月19日日曜日

i-gel

いまだに"i-xxx"という名前が流行っているようですね。これはおよそ皆様の身近なものではありませんが、あまりに画期的なのでちょっとご紹介。

喉頭周囲にピッタリフィット カフを膨らませる必要がありません
【日本光電】

AHAの研修で見てきましたが、なんか気持ち悪いですよね〜。けどコレ、すごいんです。何かというと、気管内挿管という、けっこう難し事をいとも簡単にやってしまうという、全身麻酔や救急医療の現場ではとてもありがたい器具です。色もエグイです。



喉には胃と肺へと分かれる分岐路があります。肺に向けて管を入れて酸素や麻酔ガスを入れるにはけっこうな訓練がいります。ところがこれは大きさをだいたい合わせて、滑り込ませるだけでOK! そんな馬鹿な?ところがこれが本当なのです。

ものすごい数が売れているのだそうです。医学会今年のヒット商品です。

体温で柔らかくなるのだそうですが、するとスキー場では使えないのかな?

AHA BLS ヘルスケアプロバイダーコース 2010

救急蘇生のインストラクター更新の研修に行ってきました。こういう場面には遭遇したくないものですが、このような機会を利用していないと忘れてしまいます。当然研修でできない事は、本番ではできません。

胸骨圧迫

2010年の改訂の目玉は、とにかく胸骨圧迫(昔で言う心臓マッサージの事)を優先に考える事。周囲の安全確認や感染防御、そして助けを呼ぶ事ができたら直ちに胸骨圧迫に入ります。そしてその強さや回数は今までよりも厳しいものとなっています。昔教わったABCとは今ではCABという順番になってしまいました。救命率を上げるための科学的な根拠がそろってきた結果です。

AHA(アメリカ心臓協会)主催のBLSヘルスケアプロバイダーコース、次回は来年3月13日(日)場所はたぶん東京の中野です。

医師•歯科医師だけでなく、歯科衛生士さんにも受講する事を強くお奨めいたします。

〜関連記事〜
【歯界良好】

2010年12月18日土曜日

さらば2つのレントゲン (3) CTの時代に向けて

こちらからの続きです。

さて時代は変わり、歯科界はCT撮影がどうしても必要な時代になってしまいました。5年前、その導入を諦めていた私でしたが、移転する時にはCT導入が大前提でした。

しかしそれはできませんでした。理由は新機種がいろいろ出てくる直前である事が解っていた事、そして移転に思いのほかコストがかかってしまった事でした。

今までCT撮影は外注で主にインプラント手術前の方には必ず撮影をお願いしていました。歯周病や難しい根管治療の方にもお願いしており、月平均7~8件の撮影依頼を出していました。しかs事務手続きは煩雑で、受付業務を圧迫していました。

「そろそろなんとかしなけりゃな。。。」

で、もったいないけど、残念だけどここまでにしよう、次のステップへ行こう、これはもうしかたがない。。。

金融機関との折衝はたいへんでしたが、なんとか目処がつきました。5年前に買ったデジタルパノラマレントゲンは先輩の所へ、そして13年間使ったデンタル用照射機は中古業者さんが引き取り発展途上国で第二の人生をおくる事が決まっています。医療機器は中古販売の規制が厳しく、国内では市場がないのです。おかしな話です。

スイッチをoffにし、手を合わせ、「ありがとな」と小さく呟く。時代の流れに目が潤んでくるのがわかります。

明日19日(日)、この2つのレントゲンは取り外され、新しい機械が設置されます。私は研修のためいないのですが、帰ってきた頃には新しい設備が入っています。その様子はまた改めてお知らせいたします。

REX-601とダイマックス、今まで本当にありがとう!

さらば2つのレントゲン (2) PLANMECA ダイマックス

こちらからの続き、レントゲンの思い出です。


歯科界のスーパーブランド、フィンランドのプランメカ社のデジタルパノラマレントゲン、プロラインダイマックス。5年前に導入したこの機械がどれほど私を助けてくれた事でしょう。

それまでのアナログ仕様のパノラマレントゲンは、私が先輩から居抜きで買った設備のまま。高額医療機器であるパノラマレントゲンを新しく買う余裕は私にはありませんでした。

良いものをメンテナンスしながら永く使ってゆくのが吉田歯科診療室のコンセプト、その機械も修理しながらがんばって使ってゆくつもり、、、だったのですが、どうもこれがうまく行かない。「良いもの」とはちょっと言いがたいものだったようです。

管球はしっかりしているものの、他がすべてガタガタ、可動部分はキーキーいい、アライメントは狂いやすく、椅子は不安定で患者さんが落ちそうになる始末。アナログですから現像も不安定で管理もたいへんです。インプラントの比重が高まるにつれてこのままではダメだと思い、設備を新しくする必要に迫られていました。

当時はまだ価格的に歯科用CTにはとても手が届かず、レントゲン室の大きさにも制約があり、さらには移転が難航していたこともあり、安定した品質のデジタルパノラマレントゲンを購入する事にしました。


数社を巡って最終的に決定したのがこの機械、国産に比べて多少高価ではありましたが、満足度はまさに120%、写りは本当に最高で当然画質も安定、文句のつけようがありません。

機種選定のために自分自身を被写体として試写し、比較検討した結果ですから当然です。実はもっと安価な国産機もたくさんあったのですが、試写してみると???な画像ばかりでカタログにあるような美しい写真がまったく撮れない、これでは意味がありません。そこで選んだのがこの機械でした。

設計の古い機械ではありましたが、熟練のメーカーの凄みを感じる機械で「おー、最新式ですね!」と驚かれる患者さんの多いものでした。すでにその頃次世代機が出回っていたのですが。その最新機種は残念ながら大きさの関係で設置ができませんでしたが、もし移転が早まりその機械を買っていたなら、今またぜんぜん違う事をしていた事でしょう。

古いパノラマレントゲンを騙し騙し使っていたのとは訳が違い、美しい画像がスパスパ出てきます。デジタルの一番のメリットは患者さんに直ちに大きくして見せてあげる事ができるです。顕微鏡からのライブ映像と合わせて、私たちの意図がお伝えしやすくなり、診療スタイルまでも変えてしまいました。それがちょうど5年前の12月25日の事でした。


さらば、2つのレントゲン (1) ヨシダREX-601

既にお知らせしているように、レントゲン設備が更新されます。「デンタル」と呼ばれる歯科用の小さなレントゲンの照射機と、「パノラマ」と呼ばれる大きな機械の2つ、本当はまだまだぜんぜん使える機械なのですが、残念ながら本日までのお役となりました。思い出がいっぱい詰まっています。



レントゲンなんて一度買えば一生そのまま使えるもの、ほとんどの歯科医師がそう思っているのではないでしょうか。私もその一人でした。

1997年3月、日本橋で開業する私に当時の勤務先の院長先生が開業祝いにと贈ってくださったのがこの機械、ヨシダ製作所のREX-601という普及機です。96年製と刻印されており、14年間まったく普通に動いてきました。もちろん今も。

ではなぜ手放すか、それは5年前に行ったレントゲンのデジタル化に対応できなくなってしまったからです。

それまでのレントゲンはいわゆる銀塩というアナログ、あの透かして視るものでした。しかしアナログは自分で視るのはともかく、患者さんにお見せするにはあまりに小さく不便なものでした。

自動現像機を使っていたものの、やはり現像や定着ムラがあり、保存性や検索性も悪いものでした。膨大なアナログデーターはもはや管理が不可能、そこでそろそろ標準化されてきたデジタルに一気に変更をしたのでした。

自動現像機がなくなり、代わりにレントゲン用のコンピューターが入りました。これで確かに管理はラクチンになりました。しかし肝心な写りはというと、ちょっと細部の再現性が???な時があり、特に根管治療の時に判断に窮する事にもなりました。

原因は簡単で、アナログ用の照射機をそのままデジタルに流用したからです。やはり仕様が違うのです。具体的には「波形」と「管電圧」というのが違います。

ご存知の方も多いとは思いますが、今私たちの所では「再根管治療」の依頼がとても多く、高度な診断が求められます。普通の治療を普通にやっていくだけではうまく行かないという事は顕微鏡が教えてくれました。ではどうする?

アナログに戻す事も考えたのですが、他の診療設備との兼ね合いでそれはできません。という事で、デジタルに適応した照射器に変更、贈り物のレントゲンは残念ですが売却となってしまったのでした。


2010年12月17日金曜日

初診受付を再開しました


たいへんお待たせいたしました。混雑のため10月17日から中断しておりました初診の受付ですが、昨日から受付を再開いたしました。2ヶ月間、ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。

診療をご希望の方はまずお電話にて直接日時をお決めになられてください。そして予約した時間にはどうか余裕をお持ちになっていらっしゃってください。

電話 03−3248−0418

なお顕微鏡を用いた治療をご希望の方は下のリンクをご一読いただき、治療が円滑に行えるようご協力いただきたくお願い申し上げます。


なお12月20日(月)よりCTによる即日精密診断を開始いたします。ご希望の方は予めお知らせいただければ幸いです。

2010年12月13日月曜日

OpenSeminar in 宮城をやってきた

先輩の医院でインプラン埋入手術を、そして夕刻よりオープンセミナーをやってきました。


実は私が普段行っているオープンセミナー、銀座と云えども人集めはけっこう難しいものがあります。そして本当に聞いてほしい方はなかなかいらっしゃってもらえません。

しかし佐藤歯科医院、初回にもかかわらず20人以上を集めます。さすがです。。。


佐藤先生の話を聞くのは初めてなのですが、なかなかノリノリです!


実はこの日はこちらでの久しぶりの手術、スタッフも新しくなり準備や練習はたいへんだったそうです。それにこのオープンセミナー、先生もスタッフもたいへんな気合いだったそうで、最後は泣きながら成功を祝ったのでした。

このような形でお役に立てるとは思ってもいませんでした。やってみて本当によかったと、こちらも嬉しくなってしまいますネ!

2010年12月12日日曜日

クリスマス一色 vol.2

こちらでお知らせしたように、11月25日に診療室内もクリスマスの飾り付けをしました。去年より派手です。。。(クリックすると拡大します)


暗がりで撮った写真なんて幻想的ですね。ちょっと歯医者に見えません。怪しいです。けど写真が好きな人の気持ちがちょっとわかりますね。

2010年12月6日月曜日

CTがやって来る(やっと...)

メールニュースをご覧になった方にはすでにお知らせしておりますが、年末にレントゲン設備を一新いたします。やっとCTが入ります。たいへんたいへんお待たせいたしました m(_ _)m


CT、日本語では「コンピュータ断層撮影」、Comupted Tomography の頭文字です。通常のレントゲンが二次元の透過像(こっちから向こうまで透かして見た状態)であるのに対し、CTは上の写真のように輪切りのような断面が診れるのが最大の特徴です。

例えていえば、厚さ0.1mmのハムを透かして見たような状態がCTです。どういう理屈でこのような断面が映るのか全然わかりませんが、まったく頭のいい人というのはすごいなと思います。

実はCTを最初に開発したのは日本人で、1953年弘前大学の高橋信次先生がその人と言われています。ところがその発表は日本国内にとどまり論文も日本語だけだったので、世界に認知されたのは相当後の事だったそうです。

今日CT開発の父と呼ばれているのはイギリスのゴッドフリー•ハウンズフィールドさんで、1979年にはその功績によりノーベル賞を受賞しています。ノーベル賞は一般に生みの親より育ての父を評価する傾向にあるそうで、これもそのせいでしょうか?

しかし日本では断層撮影の価値が認められず、当初海外で評価発展した機械を逆輸入していました。なんとももったいない話です。こういうのは他にもいっぱいありますよね、八木アンテナとかフロッピーディスクとか。


さて歯科でもCT診断の威力はたいへん強力です。いままでわからなかった事の多くが「えっ、そうだったの!?」というくらい解ります。顕微鏡とは違った意味で驚きをもたらします。

例えば下の写真、実はこれには根っこの先端になんとなく病巣がありそうだなという事は解りますが、、、CTを撮るとさらに明らかになります。





根っこの先端の黒い部分の病巣がはっきりわかります。しかも病巣が上顎洞(鼻の穴の続きの空洞)の骨を丸く押し上げている状態がはっきりわかります。そして粘膜も腫れて膨らんでいる様子も解ります。このままではいずれ骨が破れ、炎症が鼻にまで広がってしまいますので早急な治療が必要です。

白いのは中を詰めた人工物(天然ゴム)ですが、通常のレントゲンで視る限りそれほど悪い治療とは思えません。つまり今までの根管治療の常識は通用せず、私たちはもっと厳密な治療を時間をかけて行わなくてはならない事が解ります。

この他にもCTを視る事ではじめて解る事はあまりにおおく、顕微鏡と合わせてさらに良い治療が行えるようになります。

今までCTは外注撮影で結果をお見せするのに数日かかってしまいご不便をおかけしておりましたが、これですべて即日診断が行えるようになります。設置工事は来週です。


2010年12月4日土曜日

オープンセミナー in 宮城のお知らせ

今年の吉田歯科診療室でのオープンセミナーは今日で終わりましたが、今年はもう1本、先輩の診療室でも行います。


・日時    12月11日(土) 16:30~18:00            
・場所    佐藤歯科医院 
宮城県黒川郡大和町吉岡字館下30
TEL 022-345-2237
FAX 022-345-1547
http://www.dente-sato.com/
・参加費   無料でございます

佐藤歯科医院でのオープンセミナー情報はコチラ

私は今日とほぼ同じ話しをする事になると思うのですが、注目はやはり佐藤先生の約20分のミニ健康セミナーですね!私も始めて聴きます。とっても楽しみですね〜!

実はこの日は日中依頼で出張手術なので、その後のオープンセミナーです。体力が持つか!?

2010年12月3日金曜日

認定医審査会に行ってきた

この木曜日と先週の木曜日、休診にして何をしてきたかと言いますと、学会の認定医審査をやってきました。

認定医とは学会で専門性の高い先生に与えられる称号ですが、その基準とはひじょうにアヤフヤなものです。詳しくは以前ココにも書いたのですが。

【歯界良好 2009-9-27】

このブラックボックスをなんとか外す事ができないか、という思いが私にはあります。で、その切り札が「ビデオ診査」です。

日本顕微鏡歯科学会の認定医審査とは、診療のビデオを提出してもらう事で、嘘偽りのないその先生の日常を評価します。これにより本当に技術を、さらには表現力がある先生だけが認定医になれるという世界でも希に見る厳しさです。

各先生方のビデオを観るとどれも本当に素晴らしく、審査しているこちらが勉強になります。ただ表現力というとなかなか難しく、他人にみせるものという部分にまではなかなか配慮するのは難しいと感じます。

これらの審査ビデオ、本来なら一般の方に向けて公開できれば良いのですが、いろんな制約があって会員のみの限定公開にせざるを得ないのが現状です。これでは本当に国民のための認定医制度にはなりません。なんとかならないか?

実は解決策がいくつかありまして、その企画も着々と進行中です。なんとか年内には公示できると思いますので、楽しみに待っていてくださいね!

追記:こちらのリンクをご覧ください

2010年12月1日水曜日

来年の日本顕微鏡歯科学会のホームページがアップに

学会の準備をしていますが、やっぱりたいへんです。実は私、準備委員長をやっておりまして、吉田歯科診療室は大会準備室でもあります。

ほぼ開業医だけによる手作りの学会です。会期まであと4ヶ月、アッという間に来そうです。歯界良好:では準備の進捗状況もお知らせして行こうと思います。まずは大会ホームページとご挨拶から。



〜ご挨拶〜


顕微鏡が日本の歯科臨床に登場してから10年以上が経過いたしました。その 間、先人達の卓越した指導によりその効果は確実に患者さんの未来を築く礎と なり、我々に自信と希望を与え続けています。

顕微鏡歯科の普及と教育を目的 に発足した当学会も設立から8年を迎え、認定医制度も発足し、情報公開などを視野に入れ、あらたな変革期を迎えております。

2011年東京大会は「Get Visual and Open Your Dentistry!」を大会テーマに掲げ、治療の映像化を通して内容を具体的に検証することに主眼を置いた新しい試みの学会であります。

また本大会は初めて会期を二日間とし待望のテーブルクリニックや歯科衛生士シンポジウムを行うなど、新しい時代に相応しい大会を目指しております。

顕微鏡歯科という大きな流れを掴む絶好の機会になると確信しております。

大会長 三橋純  次期学会長 辻本恭久

大会準備室専用メール:2011tokyo@kenbikyoshika.jp

クリスマス一色

11月9日の「深夜の銀座情報」、バレバレのネタでしたが今現在どうなっているかといいますと…



【MIKOMOTO】

毎年恒例の風景です。みなさん写真撮影に夢中、あ、私もですね。。。皆様も診療のお帰りに、ちょっと寄ってみたらいかがでしょうか。

診療室でも11月25日にクリスマスの飾付けをしました。今までは12月に入ってからだったのですが、世間に流されて早めにしてしまいました。その様子はまた後日アップしたいと思います。

2010年11月27日土曜日

豊洲でお買い物


東京の豊洲という所に来てみました。銀座から非常に近い事もあり、診療室で使う雑貨類を物色しています。

豊洲は石川島播磨重工業などが立ち並ぶ工場地域の面影はなく、今やニューファミリーの生活の拠点として発展し続けている街です。

ららぽーとに行くと良くわかるのですが、夜8時過ぎにもかかわらず客層が「お母さん+小さな子供」というパターンが非常に多いのに気がつきます。特にレストランのテラスでは幼稚園ママ同士と子供同士の楽しそうな会話が響いています。

お父さんはどこかで呑んだくれているのかもしれませんが、けなげな子供を見ていると日本の明るい未来を信じたくなります。

豊洲は今後鉄道の進展や築地からの市場移転計画があったりと、まだまだ変化が起きそうな所です。良くも悪くも新しく開発されたオシャレな街です。

しかしそんな街角に軽トラックの焼き芋やさんが来ているのもちょっとホッとするところです。



銀座で買いにくい日用品を買うのに、またちょくちょく来てみようと思います。

2010年11月24日水曜日

ありがとう、深町純!

長生きするような人だとは思っていませんでしたが、早かったですね。あのピアノはもう聴く事ができません。とってもとっても残念で泪が止まりません。

【朝日新聞】

深町さんのお店FJ'sは、自宅からそう遠くない所にある小さなお店です。お父さんがお造りになったという風変わりな動くオブジェが印象的で、もちろん深町さんのライブが堪能できるご機嫌なお店です。

私は3年くらい前に和田アキラさんとのDuoを見に行った事があります。最近ではライブがUSTREEMで配信され、話題になっていました。



上の動画はこの10月31日に行われた模様ですが、相も変わらず前衛的なピアノタッチが冴え渡っています。和田アキラとの数十年の付き合いからくる空気感が圧倒的かつ爽快です。

私にとって深町さんは、学生の頃に聴いたKEEPの「Rock’n Rocked Rock」という曲がとにかく強烈な印象として残っています。その後ずいぶんたってから録音されたライブアルバムは、「これは世界に出て行ってほしい希有なアルバムだ」と心底思った物でした。カッコイイってったらありゃしない。

しかし深町さんのピアノはただ前衛的なだけではありません。「・夏・秋・冬」「花・鳥・風・月」という8枚のアルバムは長い間私の通勤時間の愛聴盤で、診療室でも流していた時代がありました。

よく言えば芸術家、悪く言えば変人だったかもしれない深町さんですが、PRISMのライブの後でちょっとだけしゃべった事がありました。気難しいイメージがありましたが、とっても話し好きなオジサンだったとの印象があります。



その彼が一番言いたかった事、それは自身のホームページに大きく書いてあります。


時をほぼ同じくして隣国の横暴がエスカレートしている事に、彼は最後の警告を発していると思わずにいられません。

深町さん、素晴らしい楽曲の数々をありがとうございました。あなたのCDやDVDを私は一生の宝物としていつまでも聴いて行く事でしょう。 合掌

2010年11月20日土曜日

ディズニーランドにある歯科医院とは!?

以前iSpotに掲載されていたこのコンテンツ、今ではリンク切れになっています。再掲載の希望がありましたので、まずここに掲載いたします。

なをこれは2002年6月に行われたWALT(世界レーザー治療学会)の時に書いた「無痛治療ってホントかな? 痛みを和らげる私達の挑戦」が原文で、それを短く編集したものです。原文はこちらからお読みいただけます。合わせてお読みいただければ幸いです。

さて皆さんは「無痛治療」って信じますか?そういう広告に私はまったく感心しません。

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ディズニーランドにある歯科医院とは!?


東京ディズニーランドの中に歯科医院があるのを知っていますか?入口からビッグサンダーマウンテンに向かうと、ウェスタンランド内で右側に看板を見つける事ができます。

その名を”Painless Dentist”つまり「痛くない歯医者」といい、Dr.I Teetheさんという方がやっておられます。痛くないのならぜひ行ってみたいと思うでしょうが、残念ながらそれはもちろん架空の歯科医院、遊園地内の偽装でした。期待を持たせてしまった方、ゴメンナサイ。


Painless=痛みがない マジックキングダムと言えどもこればっかりはかなわない、痛くない歯科治療は古今東西人々の夢である事に違いありません。さて痛みを少なくするために、現代医療はどこまで進んでいるのでしょう?

一番簡単なのが「表面麻酔」という塗薬です。塗るだけで効く~というほど都合が良い物ではありませんが、続く注射麻酔の痛みを和らげる力はあります。

でその注射麻酔ですが、この評判がよろしくない!しかしこれが無いと治療ができません。もちろん麻酔が効いてしまえば痛くないのですが、注射する時はまったく痛くないはずありません。ただその程度をやわらげる事はできます。

たとえば今の針、これはとっても細い!だから痛みが少ない。蚊が刺しても痛くないのは細いからです。もちろんそこまで細くはないのですが、日本の製造技術は素晴らしい。

それから表面麻酔の代りにレーザーを使う事もあります。半導体レーザというものがあって、これは昔から痛みの治療に用いられているほどですから、表面麻酔と同じかそれ以上の効果があります。これを誇大表現して「無痛」と言う人がおられますが、それはいくらなんでも言い過ぎです。しかしレーザは表面だけではなく深くまで効きますので、いつ注射麻酔が入ったかわからない方もおられます。

麻酔の入れ方も改善が進んでいます。歯科の麻酔はいろいろ理由があり、まるで握力計のようになっています。つまり30Kgくらいの圧力をかける場合があるのです。すると当然手は震え、それが痛みを助長します。そこで出てきたのが電動注射器。誰がやってもゆっくり静かに麻酔が入ります。この効果もけっこうあるようです。

もう一つ凄いのが鍼(針)。鍼麻酔って聞いた事ありますか?そこまできちんと効くわけではありませんが、例えば歯を抜いた後の麻酔が切れた後の痛み、鎮痛剤も完全ではありません。しかし事前に鍼を使っておくとけっこうな効果があります。ツボを押すだけでも効果があります。


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以上のように私達も様々な工夫をしているのですが、一つだけ大切な事があります。それは緊張しているとだめなのです。緊張状態だと痛くないものも痛く感じます。それから治療に消極的で、しかたがないからと諦め気分でいても同様です。

一方治療の必要性を理解し「私はこれから良くなるんだ」と前向きな人には、少々の痛みは何でもありません。ですから私達は患者さんに説明し、励まし、そこから得られる物語を造ります。実はこれが痛みをやわらげるために最も効果があるのです。それを省略していきなり治療に入るから「痛くされた・歯を抜かれた」とまるで強盗にでもあったかのような言い方をされてしまうのです。


きっとDr.I Teetheさんとは、患者さんを励まし未来を語るコミュニケーションの達人なのでしょう。だから”Painless”なのだと思います。もしかしたら故ウォルト・ディズニーは生前歯で苦労し、そのような名医にディズニーランドに出店して欲しいと思っていたのかもしれません。さて本当にディズニーランドで開業できるだけの力を持った先生は出てくるのでしょうか?

オープンセミナーは12月4日(土)17:40より、さらに…!


予告通り、次回のオープンセミナーを以下の要項で行います。

  • Open Seminar vol,44
  •  テーマ:口は災いのもと 〜「とくダネ!」を復習しよう〜
  •  日 時:12月4日(土) 17:40〜19:00
  •  場 所:吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック
  •   (東京都中央区銀座3-11-16 銀座Saliceビルディング2F)
  •  参加は無料です。録音・録画などはご遠慮ください。

前回に引き続き今回も「とくダネ!」を復習し、わかりにくかった部分を補足します。歯周病と糖尿病の関連、TNF-αとは何か、さらに皆様にも実際に顕微鏡を覗いていただき従来の治療とどう違うのかをご体験いただけます。

久しぶりの土曜開催、すべての方にお聴きいただきたいとてもたいせつな内容です。ぜひお越しください。


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今年のオープンセミナーはこれで終わり…ではありません!なんと番外編を一本行います。場所はこちらでもご紹介した、宮城県の佐藤歯科医院さんです。

日時は12月11日(土)の夕方、詳しくは間もなく佐藤先生のBlogで公表される予定です。決まりしだいこちらでも公表いたします。

でこの日の目玉は、なんと佐藤先生もお話をするという事です。宮城県の方、要チェックです!

2010年11月17日水曜日

マスメディアが注目する歯科医院になる

実は、ずーーーーーーっと前からこんな企画が進行しておりまして、やっと実現します。しかしこんなタイトルになるとは思わなかった…(-。-)  確かにちょっとテレビに出はしましたが…

【クレセルマーケティングセミナー】

思うにメディアとは両刃の剣、良くも悪くも世論を左右します。民主主義とは言いますが、今や民とはマスコミの事、政治もスポーツもメディアのウケを考えます。そして医療もという事でしょうか。

さて皆様はマスメディアのあり方をどのようにお考えでしょう?私たちはメディアから良い情報の恩恵を受けながらも、同時に誤った情報にも振り回されます。ですから取材する側の「質」は重要です。そして見る人はその記事がどのようなコンセプトで取材されているのかを見抜かなくてはならない場合もけっこうあるのです。

たとえば有料の記事広告というのがあります。これには正しい情報を伝えようという意図がどれほどあるのでしょう?またこの手の記事と取材記事との見分け方をご存知の方がどれほどおられるでしょう。

実はただ金儲けのための記事は多いのです。お金を払ってくれたら載せてあげますよというもので、中身はどうでもいいのです。本当に記者の眼で調べて良いものだ・価値があると認めて掲載されているものではありません。

しかもその記事広告と本当の取材記事がいっしょになった本があり、これがけっこう売れています。一般の方には同じように見えてしまいます、いや、それを意図して売っているのだと思います(*1)。

さてそれは本当に正しい情報なのでしょうか?そういう「目利き」はとても重要です。しかしメディアはその勘をほとんど奪ってしまいました。それどころか専門家であり最も親身になって考える私達の意見より、テレビが短く言った事の方を信じる、意図した事ではないにしろマスメディアの影響力はそれほど強いのです。

「雑誌にこう書いてある」「テレビで何かこう言っていた」私達が多く聞く話しです。私自身より受付で衛生士の方が多く聞きます。人はそれぞれ違います。あの人がこうだったから私もそうだ、とは行かないのです。

マスメディアの誤解に洗脳された患者さんを元の冷静さに戻すのはたいへんで、不可能な事も多々あります。しかしきっと誰もが自分に都合の良い解釈をしてしまう、そういう弱さを人は持っていて、特に医療はその傾向にあるのではないかと思います。

さて、たまたまここ1~2年は本やテレビに出る機会がありましたが、それはつき合い上の成り行きがほとんど、実際ジャーナリストさんの眼に私がどう写ったかは解りません。しかし取材されるされないに関わらず、良い物をきちんとお解りいただいて提供してゆくのは変りません。誰かに見られているという緊張感は大切です。

けど現実は、下のリンクを見てみてください。こういうトラブルが全国で日常化している事を、皆さんはどうお考えでしょうか?(閲覧には無料の会員登録が必要です)

【日経メディカルオンライン】

医療はメディアに振り回されるのではなく、こちらからの要望を出しコントロールするくらいでなくてはならないのかもしれません。それが健康を守るという事に繋がるのですが。

だけどそんな事言うとメディアの方はみんなこう思うんでしょうね「あなた達の勝手にはさせないよ」と。。。

さぁ、このような機会はまずないので、セミナーではいろんな質問をしてみたいと思っています。メディアは何を考えているのか?とっても面白い討論になると思います。対象は歯科医師ですが、メディア関係の方にも聞いてもらいたい内容です。何と言ってもゲスト講師は良識あるマスメディアの筆頭、別格です。本当に楽しみにしています。

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クレセルマーケティングセミナー
「マスメディアが注目する歯科医院になる」

◆主な内容
・取り上げたい歯科医院は
・今、注目している歯科治療は
・評価できるインプラント歯科医院は
・歯科医院のホームページの評価は
・医院紹介本の売れ行きと反響は
・商業誌で取り上げたい歯科医院は
・出版界が評価する歯科本の価値は

◆講師
・吉田格 中央区銀座 吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニック院長(*2)
・飯山浩靖 草加市 いいやま歯科医院院長
・五條和郎 歯学博士 横浜市金沢区 五條歯科医院院長

◆ゲスト講師
・富家孝(ふけたかし)   医師・ジャーナリスト
・渡辺勝敏 読売新聞メディア編集部次長(前医療情報部次長)

◆日時
2011年2月10日(木)18時30~21時

◆会場
お茶の水・中央大学駿河台記念館 330号室
東京都千代田区神田駿河台3丁目11−5

さらに詳しい情報は http://www.crecer-m.com/seminar/index.html まで。

*1 けっこう大きな本で充実した内容なのですが、値段は¥1,000もしません。それも売れる理由だと思いますが、これが膨大な記事広告収入のせいだという事に気がつかない人がほとんどだと思います。広告収入がなければ薄くて高い本になり、取材記事すら世に出ない事にもなりますね。

*2 あ、私は講師だったんですね、もっと軽い役だと思ってましたが。。。

2010年11月16日火曜日

豆子郎


久々の甘い物シリーズは、山口銘菓 豆子郎です。上品な甘さの和菓子です。なるほど、こう来たか!と思わされる逸品ですね。ゴチです!ありがとうございました。

次回のオープンセミナー

速報です。次回のオープンセミナーは12月4日の土曜診療の後、17:40より行います。

そして番外編として、12月11日に宮城県の佐藤歯科医院でも行います。詳しくはまた後で!

2010年11月15日月曜日

日本レーザー医学会 & 日本レーザー歯学会

同じ名前に見えますが「医」と「歯」の一字違いです。この金土日は名古屋でドップリとレーザー漬け、日本レーザー医学会日本レーザー歯学会の同時開催、盆と正月がいっしょに来たとはこの事です。

うっ、どっちに行ったらいいんだ、、、あ、両方だ!
実は私はこの両方の会員、ちょっと医学会の方はご無沙汰だったのですが、やはり医学の方が演題も多く盛り上がっています。

今回の目玉は「医・歯・薬・工の連携」、とかく閉鎖的になりがちな各界が互いに課題をぶつけたり、成果を発表します。

このような連携がなぜ日本では行われにくいのか、興味深い意見がありました。例えばアメリカでは他の大学を卒業し活躍してきた人の医学部入学者が非常に多い、すなわち最初から他科の知識や人脈・興味の対象の広さが下地としてあるので交流が行いやす。しかし日本はただ暗記力だけ優れた人が医学部に集まる傾向にあり、応用が利かない、、、あまりに早く枠を決めすぎているという事でしょう。

確かにアメリカは未だにチャンスの国です。やる気のある者には門戸を広く開けて待っています。図書館なんて24時間営業の所があります(今はちょっと危ないから減っているそうですが)。しかし中は厳しく出口は狭い。結果40歳を過ぎても本当に優秀でやる気のある人材が生まれるのです。日本とは大違いですね。

これは学会の懇親会の模様、学会の本体ではありませんヨ。 
さて同じ趣旨の医科と歯科の学会が併催されることはやはり希です。今回は歯学会の理事長である愛知学院大学口腔外科の吉田憲司教授が医学会の大会長(ちょっと紛らわしい)という事で実現した離れ業。

「医」と「歯」は法律的に別れてはいますが、歯は人間の体の一部ですから別けること事態間違っています。しかし法律も教育もしっかり別れているせいで、おかしな事になっています。それをなんとかしたいという思いが伝わってきます!

***

さて去年に引き続いて、今年も私は研修委員として5分間だけ半導体レーザについて話しをしました。去年の資料に少し変更を加えての発表です。

約130名を集め、この研修会の大切さや意義を伝える事 もできたのではないかと思いました。来年は大阪、今年のように開催できたらなと思います。

2010年11月14日日曜日

TNF-α(ちょっと難しいと思うんだが…)

とくダネ!で歯周病と糖尿病をとりもつ悪い奴として紹介された「TNF-α」、うーん、難しいです。こんなに難しいものが朝の番組で取り上げられるとは思ってもいませんでした。あまりに難しいので、アナウンサーの山本さんも一瞬つっかえてしまいました。

あの短い時間でコレを理解できた方はおられないでしょうね。そこで前回のオープンセミナーでその解説をしました。ここではその内容をちょっとだけご紹介いたしましょう。


TNF、英語の「Tumor Necrosis Factor」の頭文字をとったものです。日本語訳では「腫瘍壊死因子」、え、読み方がわからない?「しゅよう えし いんし」と読みます。

腫瘍、まぁ平たく言えば癌なんかだと思ってください。それを壊死させる(破壊しちゃう)因子です。具体的には白血球から出てくる特殊なタンパク質(サイトカインていうカッコいい名前がついています)の一種です。

「腫瘍を壊死させるんだから、これはいい奴だ」と思いますよね!?そう、これが発見された頃(1975年らしい)はそうだったらしいです。ところがいろいろ調べてみるとどうもいい事だけではない、つまりTNFの働きは腫瘍を破壊するだけではない事がわかってきました。

具体的には高脂血症・動脈硬化・間接リウマチなどの膠原病(これもちょっと難しい病気ですが)、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とかほんとうにいっぱいあります。

そしてテレビでも紹介されたように、インシュリンの活動を妨害して、糖尿病をさらに悪化させてしまいます。糖尿病は全身の蛋白質を砂糖漬けにしてしまいますので、白血球の動きも悪くなり、歯周病菌に対抗できなくなる悪循環に陥ります。

けどTNFにはまだいい面もいっぱいあって、腫瘍を壊死させる以外にもケガを治したり免疫の重要なステップの一部分でもあります。つまりTNFとは人間が生きて行く上で必要なものなんですね。最初からこんな名前つけなきゃ良かったと思いますが、今更変えられないんでしょう。

ちなみにTNFのうちαとはマクロファージという種類の白血球から出るサイトカインで、リンパ球という種類の白血球から出るTNFは、TNF-βといいます。


さてそれではTNF-αが増えすぎたら妨害する薬があればいいと考えますよね。それが実はあるんです。しかもかなり昔から。それがサリドマイドです。

「え〜ッ!」と思われた方もいるでしょう。あのサリドマイドですよ!若い方はご存知ないと思いますが、1960年頃に睡眠薬や胃腸薬に配合され、手足のない子供が産まれるというたいへんな薬害となった薬です。もちろん即販売中止です。

サリドマイドがTNF-αをたたく事が解ったのはその後で、現在は抗がん剤として、また糖尿病・リウマチ・エイズの治療に有効である事が解ってきました。薬とはホント、両刃の剣です。


さて、一般にTNF-αとは悪玉と捉えられているようです。しかしこれは人間が生きて行く上で必要なものであることは上で書いてきた通りです。

似たような考え方で活性酸素というのもあります。共にこれがないと人間は生きて行けません。

つまりどんなものでもそうですが、適量というものがあります。それからタイミングも大切ですね。病気でTNFのバランスが崩れて、それがずーっと続いているから悪いんです。自然なバランスを崩す生活をしている人間が一番悪い、決してTNF-αが悪いんじゃないんです。

皆さんもぜひTNF-αをへんに増やさないような生活を考えてみましょう。

それから脂肪が多い方、脂肪細胞が多いだけでTNF-αは増えてしまいます。見た目に太っているというのではなく、内蔵脂肪が多い隠れ肥満方、要注意です。

2010年11月9日火曜日

深夜の銀座情報


昨夜未明より続いていた中央通を交通規制してまで行われたこの作業、なんだかわかりますか?今年もこの季節がやってきました。まもなくコレに向けてみんな写真を撮る事にあるのでしょうね。

さてコレはいったいなんでしょう!?ヒントはコチラ。あ、バレバレですね。

2010年11月2日火曜日

11月 早くも年末モードに突入か

11月にもなると、気が早い業種はもうクリスマスモードです。STARBUCKS COFFEEも今日から恒例の赤いカップに変身です。

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赤いハットをかぶった雪だるまのようなペンギン(たぶん)がマグカップを持っています。最初はゴハンだと思いましたが。ちなみに去年はこんなカップでした。

当Blogもちょっと背景をいじってみました。Google BloggerからこのBlogをご覧の方は、秋らしい柄をお楽しみください。

それから吉田歯科診療室の昭和通りガラス面、今年も電飾がONになりました。16時から21時までの5時間、青と白のライトツリーで和んでいただければ幸です。


さてこの時期になると、だんだん治療が立て込んできます。今は初診の受付を一時中断させていただいておりますが、それでもいっぱいいっぱいです。師走という言葉は十一月から使ってもよいのではないかとすら思います。

そしてなにより、歯の治療が一番やりにくくなる時期でもあります。これはどういう事かというと、皆様が仕事以外にも忙しくなるからです。

なんの事かって?それは忘年会です。特に用もないのに、年末だからという事で呑みに出る、いや何かに理由をつけて呑みたがっている、そんな感じです。

私はこの時期、患者さんに必ずこう訊きます、「今年の忘年会の予定はどうですか?」と。実は歯の治療は体調を伺います。特に手術系は酒を呑んで免疫が落ちている時にはできません。手術当日の飲酒も厳禁です。

「いや〜、もうそんなご時世じゃないよ〜」とお答えの方でも、いざ予約をとろうとすると「あ、この日はダメ、あ、ソコもダメ、いつ空いてんの〜?」という会話が途切れません。結局会社付きあいの忘年会は減っても、仲間内の忘年会は減っていません。

また手術を躊躇し、ダラダラしているとタイミングを逃します。夏に「涼しくなったら手術しますよ」と言っていた患者さんは、もう11月下旬にしか予約がとれません。善は急げです。

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この時期の風物詩(?)に、胃腸薬のコマーシャルがあります。私は昔からこれは不健康を助長するようなもので、困るなと思っていました。

あまり疑問視する人はいないでしょうが、これは「どんどん気にせず呑んでください、食ってください。そして社内で良好な関係を築いてください。苦しくても当社の薬が助けますから安心でっせ!」と言っているわけです。

これはオープンセミナーでも良く話すのですが、薬という字は「楽になる草」と書きます。または「楽しい草」……これはちょっと危ないですが。

とにかく薬の語源は楽になる事に端を発します。不可抗力の病に薬はありがたいものですが、自業自得の症状に薬!?、それが健康保険で賄われるなんて、やはり日本の制度はおかしいです。テレビで宣伝される市販の薬は自由診療なのでまだ罪はありませんが、それでも効かなければ保険を使います。やっぱりヘンです。

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さて街はこれからどんどんきらびやかに、そしていつもにも増して騒がしくなって行きます。

体調管理も難しくなり、歯を磨かずに寝てしまう日もあるかもしれません。それもたまになら大丈夫ですから、朝はしっかり磨いて出勤いたしましょう!

年末から年明けに向けて、私達はさらに新しい企画を進めています。公表できる日が来るのをオタノシミに!

2010年10月28日木曜日

メインストリートの憂鬱


本日オープンした洋服の青山銀座本店、松屋裏手からメインストリートへ大々的に移転です。同社の悲願達成、パチパチパチ!

【日テレニュース24】

小雨などものともせず、オープン記念セールに行列ができます。銀座の行列もアップルストアやアバクロなんかでもう珍しくなくなってしまいましたね。


しかし解っていた事ではありますが、いざ見てみるとやはり違和感タップリです。特に女子の皆様には大不評。景観保護条例や広告規制も無力です。

それもそうでしょう、どうも節操がないというか浮いている、いや浮きすぎだ?こうも統一感がない街並みになってしまうと渋谷新宿と変わらない、考えてしまいます。銀座らしさってなんだろうと誰もが勝手な思いを巡らせます。

簡単にご説明いたしますと、洋服の青山銀座本店のお隣は写真のとおりCartierです。マロニエ通りのネコで書いた場所こそこの場所です。そして上の写真左端に写っている交差点(銀座二丁目)にはCartierの他に、BVLGARI, Louis Vuitton, CHANEL と泣く子もさらに泣き出す高級ブランドが鎮座します。

この現実離れした場所に、庶民の味方、青山の登場です。高級ブランドで買い物をする奥様に対し、隣の青山でスーツを買うご主人の姿が目に浮かびます。複雑です。


私のように成り行きで銀座に居る者には、未だに銀座ブランドというものが良く解っていません。しかし多くの人や企業は銀座には他にはない何かを求めています。特に中央通り(銀座通り)というメインストリートに出店する事は、その企業の信用度やステイタス、そして社員の満足度や雇用に大きな変化をもたらします。

青山としては銀座は別ブランドで出店してはどうかという議論もあったと推察します。しかし変えなかった、郊外の国道沿いの店舗と全く同じアイデンティティで臨みました。

社員の覇気や忠誠心を高める効果と、逆に銀座のイメージを壊した悪いイメージを与えたリスク、それでも銀座で安くスーツを替える需要を取り込めるのか、難しい選択だった事でしょう。

さてこのメインストリートを歩いてみて、皆さんのご感想はいかがでしょう?いずれ気にならなくはなるでしょうが、いろいろ考えてみたくなる一件でした。

PS:15年ちょっと前だったと思いますが、紳士服はるやまが銀座に出店した時もすごい行列でした。四丁目交差点を曲がってまで行列が繋がっていたな〜