2015年8月24日月曜日

歯科衛生士、募集開始

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックでは、新しく歯科衛生士を募集します。完全自由診療制ならではの、やりがいのある仕事をしてみませんか?詳しくは以下の「とらばーゆ」の募集要項にアクセスしてみてください。


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患者さまにとって最適な解決策をご提案できる、「完全自由診療」の歯科医院。
保険診療と自由診療では、時間・技術・材料などに違いがあります。保険医療機関では設備・混合診療の問題で難しい治療も、当院であれば可能。歯科衛生士も顕微鏡を使って楽しく診療しています。「難しそうだな…」と思うかも知れませんが安心して下さい。院長吉田を始め、先輩が機材の操作や治療について、丁寧に指導します。もはや「贅沢な治療」ではない自由診療で、私達と一緒に患者様を笑顔にしていきましょう!


診療室はまるでカフェみたい!
ケア用・キュア用と2つの入口が設けられ、
フラットな床面に高い天井が開放感を演出しつつ、
プライバシーがしっかり保たれたおしゃれなカフェのような診療室。

それぞれのユニットやケア用の衛生士専用室には「顕微鏡」が完備され、
患者さまにわかりやすい説明と施術ができるつくりになっています。

広い待合室では月に一度、オープンセミナーが行われ、
多くの患者さまにご好評をいただいています。
※当院のblogに詳細が記載されております。

写真のように、休日はみんなで楽しく
学会や研修会に参加することも。



YouTubeに公開中!
自由診療により、
インプラントや矯正だけではなく、
顕微鏡やレーザーを用いた
高度な保存・補綴が多いのも当院の特徴。

インプラント手術にも対応したクリーンエアシステムがあり、
リラックスできる雰囲気のなかで衛生面もしっかり配慮されています。

そんな私達の治療実績やインタビューが
YouTubeに公開中。
楽しい会話で紹介されています。

このような治療を通して、
患者さまを「患者」でなくし、お客さまとして
予防管理のお手伝いをさせて頂くことを目標としています。



プライベートも充実させてください!
完全週休2日・残業ナシ。
いわゆるシフト制ではなく、
全員で仕事を開始、終業も全員一緒です。

仕事終わりには銀座でショッピングや
スタッフ同士お食事を楽しんだりと楽しみがいっぱい!
"仕事とプライベートを両立させ、どちらも充実させる。
そうでなければ楽しく仕事ができるはずがない"
これが、吉田院長の経営哲学です。


2015年8月21日金曜日

歯科的不定愁訴とは…


8月28日(金)のオープンセミナーの準備をしていたところ、栄養解析のお手伝いをしていただいている会社の方がご丁寧にも、当診療室で血液検査した方のうち最初から20人目までの抜粋データーの表を作ってきました。ありがとうございます!

で、それをザッと見て改めて思うのは、、、
  1. かなり多くの方が、低タンパク
  2. さらに、胃にピロリ菌感染があったり胃切除をされた方は、やはりそれ以上の低タンパク
  3. 会社役員などの男性で会食が多い方はけっこうタンパク質が摂れてるが、尿酸値が高すぎる
  4. 女性だけでなく、男性にも鉄不足の方がそこそこおられる
  5. 亜鉛は全体的に不足している
  6. 予想通り血糖値の乱高下の傾向は強い
  7. ストレスによる影響が見られる
…という感じです。

1の低タンパクは、健康を気にして野菜を多くしているのは良いものの、体を造る原材料であるタンパク質が非常に少ない事が食事記録で読み取れます。これだけでも新陳代謝が低下し、様々な不定愁訴が出る原因になってしまいます。

その不定愁訴、具体的にどのようなものが多いかといえば…
  1. 麻酔の圧力に負けて、針を刺した跡が潰瘍になる
  2. ラバーダムクランプが歯肉を圧迫した跡が残る
  3. 20分以上の診療に耐えられない
  4. 虫歯治療で神経が露出していなかったにもかかわらず痛みが出て神経をとらざるをえなくなる
  5. ちょとの刺激で歯肉から出血し型取りが困難になる
もちろんこれらが栄養改善で解決するかと言われれば、まだ検証段階で多くは語れませんが、「歯肉が弱くすぐ出血する」とか「体調不良で予約の変更が頻発する」方はたいへん多く、今思えば明らかに栄養状態に疑問な方が思い浮かびます。

ほとんどの医療は「患者さんは正常に栄養が摂れている」事を前提で進めています。私たちのところでも、多少の体調不良はあっても技術力でカバーできるものと考えていました。そしてそれは、ある程度うまく行ってきたと思います。

しかし、自由診療顕微鏡レーザーを駆使した丁寧な治療を心がけると、どうしても治療時間や期間は延長します。しかし、それに耐えられず、思うような治療が難しい方が増えています。私たちが栄養医学療法を導入した理由の一つがこれです。

血液検査をすると、隠れ栄養失調の実態が明らかになります。できるだけ多くの方に、この検査を通じて信頼性の高い治療やメンテナンスを提供して行きたいと考えています。

私たちは「形を変えるだけの歯科治療から、体の中からも支える歯科医療へ」と転換して行きます。オープンセミナー vol.58「誰にでも解る!栄養医学療法」は、8月28日(金)17:45~19:00、入場は無料です。


2015年8月18日火曜日

Cute 登場 ヨシダも参考出品 半導体レーザーの夜明けは近い!?

このBlog:歯界良好をお読みいただいてる方ならば、吉田が半導体レーザーの強力なファンである事をご存知と思います。

半導体レーザーは幾つかある歯科用レーザーの中では最も私の臨床スタイルに合っており、Er:YAGレーザーと共に世界的に普及しているレーザーです。しかしなぜか日本では鳴かず飛ばずで、炭酸ガスレーザーにばかり人気が集まっています。このガラパゴス化の理由はまるで判りません、、、

過去にPanasonicがそこそこ良い半導体レーザーを販売し、古参のオサダ社と競合する構図となるはずだったのですが、ご存知のとおりPanasonicは家電不況の影響をまともに受け、事業整理のために歯科用レーザーから完全に撤退してしまいました。同製品は一時期GC社がOEMとして狙っていましたが、行政が認可に消極的で待ちきれずに白紙となってしまった経緯がありました。

しかしここに来て流れが変わってきました。ついに新型の半導体レーザーの認可が降りたのです。その名も「Cute」です。


発売元は富士SLIという、聞いたことのない会社です。所在地は山梨、、、ここでピンときた人がいたら、かなりレーザーに詳しい人です。そう、20年ほど前にパワーパルスレーザーというかなり極端なピークパワーを誇るNd:YAGレーザーを出荷していた、今は無きSLTジャパン社と社名が似ており、そして山梨、、、

聞けば、会社の出資者には共通の方がおられるそう、レーザーに対する情熱は消えていなかったのです。素晴らしい!

さて製品ですが、見た目がキュートかどうかは微妙ですが、ベースはすでに獣医科用に出荷していた980nm 10W の機器を、歯科用に810nm 7Wに載せ替えてきたとの事です。


操作はタッチパネル、下のiPodのようなスイッチでも操作できるのですが、コレいらないですよね?何のためにあるのか分かりませんが、設計者の趣味なのでしょう。

さてスペックですが、ありがたい事にこの装置は断続波の設定を「出力時間 1m秒・休止時間 1000m秒」という極端な設定にまでできるようになっています。ですから7wくらい出ないと使い物になりません。連続波より、断続波の方が明らかに痛みがなく低侵襲なのです。


側面は当然の事ながら保安基準を満たす設計です。今となっては形骸化したものですが、これは仕方がありません。


背面はこんな感じで、表示を見ると中国の企業らしき名称が貼られています。製造は中国である事は間違い無いでしょう。

それから本品はバッテリーパック仕様となっており、下部が取り外し式のバッテリーになっています。ただし外すと機械は机に置いても倒れてしまいます。なぜ?

ファイバーは巻き取り式のリールが付いてますが、これは掃除機の電源コードのように引っ張れるものではありません。巻きつけるものです。無理に引っ張るとリールが回転し、ファイバーは根元から折れそうになりますので、注意が必要です。


製品名はあっけないステッカーです。今後のOEMも考慮しての簡素化でしょうか?せっかくの高額製品なのですから、もっとワクワクするようなカッコよさが欲しいと思うのは私だけ?

ハンドピースは海外の半導体レーザーでよくある、スリーブを装着する仕様で、使用後に破棄します。ファイバーは通常の長いタイプで、こちらも使用後に切断して行きます。

ここまで読むと、まぁ海外で普及している平凡な半導体レーザーと同じかなと思います。しかしCuteには、大きな隠し球があったのです。それは「加工ポッド」が付属している事です。

SLTジャパン社の流れを汲む同社は、半導体レーザーでもしっかりこれを用意していたのです。実はこれは製品カタログにもサイトにも掲載されてない「雑貨扱い」のものなのですが、簡単に言うとファイバーチップ先端を熱加工し、先端そのものをレーザーにより発熱体とするための粘土のようなものです。

半導体レーザーはチップ先端の状態で発熱量が刻一刻と変化するので、なんらかの加工を最初に行う必要があります。それをワインのコルクでやる人もいれば、私のように黒マジックや墨を使ったりする人もいます。

しかし基本的には先端だけが発熱体となるために点状の切開となりやすく、出力も集中しすぎて、過剰照射になりやすいのが欠点です。

この加工ポッドを使うと、ファイバーの先端から2~3mmは発熱体となる加工が手軽にできるので、過去パワーパルスの時代にはこれだけを欲しがる人もいたほどです。

今回は富士SLIさんのご好意で一週間ほど使用ささていただきましたが、装置の感触は概ね良好、ただしこの加工ポッドでの加工特性がよく把握できず、使用勘を掴むまでには至りませんでした。

この加工ポッドを有効に使う事で、オサダ社のLightSirge Square5のサファイア製チップのような抜群の使い勝手とまでは行かないでしょうが、相当近いところまでできるような感じです。定価¥1,800,000、実売¥1,600,000くらいとの事を考えると、かなり競争力のある装置と言えるでしょう。

しかし世界を見ると、出力を自動制御するあのAltaとは勝負になりません。各社がどのようにしてAltaの性能に追いつくかが課題となります。

そしてさらに、ここに来てさらに新たな半導体レーザーの発売が見えてきました。なんと炭酸ガスレーザーの売り込みにあれほど熱心だったヨシダ社が、東京デンタルショーで開発中の新型炭酸ガスレーザーと共に、共通のデザインの半導体レーザーも参考出品していきました。


どうやらハンドピースに照射スイッチがあるようですね。炭酸ガスレーザーと半導体レーザーを共用する事はちょっと疑問なのですが、しかし最大勢力の参入という事で非常に興味があります。

他の大手もおそらく半導体レーザーのプロトタイプくらいは当然持っていると思いますので、あとはトップがいつゴーザインを出すかです。半導体レーザーを出すという事は、他のレーザーが売れなくなる可能性があり、投入のタイミングを見ていたのでしょうが、ヨシダ社の決断は大手では一番で素晴らしいと思います。しかし弱小メーカーが先にチャレンジしたという事では、遅すぎたとも思います。

さてこのブログで再三とりあげているように、レーザーは大学教育がなく、メーカー主導の短絡的な知識だけで臨床に普及していった経緯があり、いまだに改善されていません。今回新たな勢力が登場し、興味を持つ先生が増えると思います。しかし売りたいばかりに安易な販売がされないか、それにより事故が起きないか大変心配です。

日本ではやっと半導体レーザーの夜明け迫ってきたような感触があります。しかしメーカーは安易な売り方をせず、安全許育をしっかりやった上で解っている人にだけ販売してもらいたい、特に大手は過去自分たちの売り方がどうだったかを振り返り、社員教育を徹底的にやって責任を持って販売してもらいたいものです。

レーザーは買ってすぐ簡単に結果が出せるような装置ではありません。歯科医師の先生方も営業マンの口に乗らず、理論や安全管理ができた上で臨床応用してもらいたいものです。

しかししかし、これからの半導体レーザーの普及、非常に楽しみです。

なお日本レーザー歯学会では11月29日(日)東京医科歯科大学にて教育研修会を行います。私も委員の一人として裏方をやっています。このような機会を逃さず、多くの先生方にレーザーを安全に有効に使って行ってもらいたいと願っています。


SHOFU 歯メイトコラム 第6回(最終回)が会員に配信

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毎度お馴染み、と思ってたら、ついに最終回を迎えてしまいました、SHOFU歯メイトコラムの第6回が会員向けに配信されました。非会員には9月15日に公開となりますが、今回もチラミセいたします。

「夏のウルサイ奴の生き様」と題し、夏におなじみの、あの生き物の生態から私たちの生き様(死に様?)を考えます。

シリーズ物の執筆は初めてで、1200文字程でどれだけ自分の思いを入れられるかが課題でした。最初に話をいただいた時は軽い気持ちで受けたのですが、いざ書いてみるとそれはそれはたいへんたいへん、原稿料はいただいていますが、費やした時間や苦労を換算すると、もう大赤字でした。実は徹夜をした号もあったのです(-_-;…

しかし苦労した甲斐あって、何人かの方からご評価をいただき、たいへんありがたい事と思っております。やはり思いは形にしなくては意味がありませんね。

このコラムはここまでですが、9月からはまったく歯科とは関係のない畑違いのところで、さらに短い文章を毎月提供して行く事になりました。まだ詳しい事はお知らせできないのですが、掲載されしだいお知らせいたします。お楽しみに!

なおこのSHOFU歯メイトコラムの第1~5回目はこちらからご覧いただけます。

夏季休診


今週はちょっと遅い夏休み、吉田は新潟の実家に来て、雑用をアレコレ片付けております。

次回の診療は8月24日(月)9時からです。なお緊急のご連絡はメールにてお願いいたします。

2015年8月8日土曜日

どうする、うどん県!小児糖尿病は他人事か?

先々週の「くる病」の話題につづき、今度は小児の成人病の話題が報道されました。これもたいへん困った話です。

【読売新聞(ヨミドクター) 8月3日】

香川県が小学校4年生に行った成人病検査で、肝機能・脂質・血糖値の異常値を示した子どもの割合がそれぞれ1割にもなった、、、という驚くべきものです。いや、ある程度予想はできたかも、だから検査が行われたわけですね。

記事に出てくるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、直近2カ月くらいの平均血糖値を反映するもので、よく糖尿病の指標に用いられれる検査項目です。で、これが、、、男子で12%・女子で10.9%が高値、、、

ALTも測定しているとのことですが、私たちは普段これを健常人のたんぱく質代謝の指標に用いているのですが、一般的には肝臓の炎症を表す指標として用います。つまりALTが40以上、、、小学校4年生がですよ?

総コレステロールや、中性脂肪などの脂質も測っていますね。しかしこれらの評価は最近ずいぶんと変わってきて、悪玉や善玉というのは実はなくて、これらの検査では出て来ない低比重のコレステロールこそが真の「悪玉」とされています。だからちょっと評価ができませんね。

検査には独自の基準値を用いたとあり、それがいくつなのかはわかりませんが、いずれにせよ約1割の小学校4年生の食生活にたいへん大きな問題があることは明らかです。


香川県といえば「うどん県」。私もずいぶん前に一度行きましたが、たしかにウマイ。要潤をイメージキャラクターに県の魅力をアピールしていますが、実は「糖尿病率第1位」という不名誉な記録も。炭水化物であるうどんを大量に消費する事と糖尿病の因果関係は、別の記事では否定はされています。しかし糖尿病発症リスクの低減にはうどんなどの麺をはじめ、米・パンの量も減らす事が重要です。もちろん砂糖や果物も。

香川県はうどん消費量が多い代わりに、米やパンは少ないのでしょうか。だとしたら、うどんは悪者です。しかし、うどんを含めて炭水化物摂取量が多すぎるのであれば、この結果はうなづけます。子供の頃からうどんに親しみ、事あるごとにうどんが出てくる文化圏であれば、食生活をどこまで改善できるかはなかなか難しいと思います。

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私が子供の頃は三大栄養素と言って「たんぱく質・脂質・炭水化物」が重要と習ったものです。その後「ビタミン・ミネラル」を加えて5つになりました。しかし現在は米・パン・麺などの「主食」という考え方がなくなり「炭水化物」はほとんど必要がない嗜好品であるという考えが台頭してきました。これは激しいスポーツをする人以外は、今後常識となって行くでしょう。

しかし、文化や経済として根付いてしまった事は、変わるのが非常に難しい。少なくとも社会の風潮がそのようになり、行政が動くまでには数十年はかかるでしょう。その時にやっと行動、、、では遅すぎます。

気づく人は気づいています。解る人は解っています。主食と呼ばれていたものは、実はいらなかった、有害であると。

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香川県での結果は日本の縮図なのでしょうか、それとも香川県だけが特殊なのでしょうか。例えば私の故郷の新潟県はどうなのでしょう。米処として知られ、子供達は将来日本酒の消費者となりますが、このような環境とどう付き合えば良いのでしょう。

1割の子供が成人と同様な疾患という事は、今後どうなってしまうのか。病気が発する警告を真摯に受け止め、次代に繋ぐ事が大人の責任です。この検査が今後どのように活かされて行くのかに注目したいと思います。

PS:この話題は、8月28日のオープンセミナーでもとりあげたいと思います。

追記:さすがは、うどん県!ここまでやります、さすがです!