2010年6月30日水曜日

ありがとう!サッカー日本代表!

もう悔しいったらないですね。トーナメントですからPK戦は解っていますが、それにしても。。。

【朝日新聞】

そう、120分間、集中力を切らさずに戦いきる!全くすごいです。

実は私は昨日夜8時から学会の打合せがあるのを知らなかったのです、なんでこんな大切な日に!

しかし運が良い事に場所は銀座、歩いて5分ほどの所でした。「今日の打合せは10時半までに終わらせましょう!」と高らかに宣言したものの、結局終わったのは10時50分過ぎ。気がつくと客で居るのは我々だけ、これはいけない、急いで診療室に戻らねば!

さて今回の4戦は、直前の強化試合とはシステムをだいぶ変えてきた結果であるとはすでに報道されている通り。MFの本田をワントップに据えるための変更。一見これは大手術、ところがどうもそうではないそうです。

長く代表合宿を続けてきた結果、その場に応じて最適なシステムにいつでも変更できるようにしていた、なるほど臨機応変とはこの事です。一朝一夕には行きません。長くやってきた成果です。こういう事はとても大切だと思います、我々も見習わねば!

結果は残念ですが、胸を張って良い結果だと思います。次に繋がる素晴らしいワールドカップサッカーでしたね。あ、まだ終わっていませんね。決勝まで目が離せませんが、まずはブラジルvsオランダに注目です。

PS:朝日新聞さん、トップページの背景を青に変えていましたね。今はもう白に戻っていますが。気がつきましたか?

2010年6月29日火曜日

新しい白衣(赤や黄もあるが)

私が好きな曲に大貫妙子さんの新しいシャツというのがあります。しみじみとした良い曲です。こういうイントロが大好きです。


「新しいシャツに袖を通しながら〜」と独特の声が身にしみますね。

さてそれとは全然関係ないですが、本日は全員そろって新しい白衣に袖を通しました。特に意味はないのですが、たまたま発注をかけていたものが昨日届いた、ただそれだけですがやはり嬉しいです。

実は私たちが着ている白衣はイタリアからの輸入モノ、発注してもなかなか届きません。今までずいぶん我慢して着ていましたが、やっと新装です。


うーん、いいもんです。キモチいいです。白衣は私たちが一日8時間以上着ているものですから、機能性はもちろんデザインも大切です。気に入ったものを着続けて行きたいものです。

しかしもちろん白衣は毎日着替えるもの、洗濯は殺菌剤を併用しますので生地の痛み方も半端でありません、すぐにボロボロになってしまいます。ボロは着てても心は錦、しかしあまりボロボロでも、、、


ところで「袖を通す」事からもわかるように、私たちの白衣は日本では珍しい長袖です。そして女性陣もスカートではなく、パンツです。正しくは白のジーパン、これは頻繁な洗濯にも耐えられるようにするためです。

一般的な歯科医院では半袖・スカート・寒いときにはカーデガン、場合によってはエプロン、そしてあの意味の解らないナースキャップなど、実に様々です。

靴もいわゆるナースシューズではありません。白のローファータイプです。ナースシューズでは診療室を敏速に動けませんし、何かモノを落とすと刺さる可能性もあり危険です。

日本の歯科医院での白衣はなぜか上記のような感じのものが主流です。特に女性が良く使うカーディガン、あれは毎日洗うものなのでしょうか?

またよくネクタイに白衣で診療をする先生がおられますが、どうでしょう?私もそういう風にしてみた時代がありましたが、どうもいただけません。

ネクタイ姿は確かにかっこは良いです。偉そうに見えます。これならヘタな腕も外見がカバーしてくれそうです。そもそもスーツにネクタイとはそういうもの、実際よりも良く見せるのためのものだと思います。しかし動きにくい。したがってこれは医療の現場にはまったくなじみません。

歯科診療とははっきり言って肉体労働、少なくとも診療中はドラッカーの言う知的労働者にはなれません。ネクタイはジャマ以外の何者でもありませんでした。

しかもそのネクタイが汚れる!実は診療は患者さんの口元から相当な返り水を浴びています。胸元はものすごく汚れてしまいます。

でそのネクタイを毎日交換し洗濯に出すような先生はおられるのでしょうか?私はたいへん疑問に思っています。

実は歯科ではなく内科の先生のネクタイを細菌検査したデータがあります。その結果は惨憺たるもので、ネクタイ感染と言われた事があります。そんなネクタイをして家庭に帰ってはいけませんよね。内科はまだ歯科よりも汚れないと思いますが。

しかし、そんな事情を知らない歯科コンサルさんが、ネクタイをして診療しましょうと言っている記事を見た事があります。まったく恐怖です。そこまでして信用ある人間に見せなくてはならないのか、本末転倒です。



白衣、というか診療着は私達の身を守る大切なもの、そして僅かながら自己表現のアイテムでもあります。機能的でかっこよくなくてはなりません。私達の着ているものが、私達の答えです。

私の白衣は一種類だけで毎日同じデザインですが、実は女性陣はほぼ毎日色が違います。ちょっと注目していてくださいね。

ハローキティの戦略

皆様は旅行に行った時、どんなお土産を買ってきますか?名菓・地酒、いろいろありますが私はコレ、ご当地キティちゃんです。

そんな私を知っているスタッフからいただいたお土産はもちろんコレ、北海道のお土産です。


しかしこのキティちゃんに限って言えば、どうみてもリラックマに対抗しているようにしか見えません。サンリオSan-Xの攻勢を無視できない、熾烈なキャラクター戦争が繰広げられています。

しかしそこはサンリオ、一日の長があります。なんとAgipの車のエンジンオイルにまでキティちゃんを使ったというニュースが。。。


【Response】

驚きです。という事はカー用品屋さんに行くとコレが置いてあって、あまり車に感心がない彼女が突然目を輝かせ「コレにして!」と彼氏に言うのでしょうか?で、空き缶だけ彼女の部屋に飾ってある、、、とか?

お土産屋さんには他にもキューピーやドラえもん・マジンガーZ、そして彦ニャンなどその地域独自のキャラクターが大活躍です。

しかしこの手のキャラクター商品って意外に高いんですよね。単価は安いですが、数を買うと相当です。利幅はかなりあるものと思われます。


さて歯科でもキャラクターを造ろうという試みは多数存在いたしました。しかしそのほとんどはあえなく玉砕、理由はどうしても歯や歯ブラシをキャラクターに据えざるをえず、それがどうにもこうにも可愛くない、ある種不気味にしか見えなかったからです。

しかしそれでもこの二つは頑張っています。


予防さんはご当地予防さんを作るのだそうです。ちなみに東京のものは予防さんが東京タワーに抱きついています。。。

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特に必要ではないものに付加価値をつけて売る、そのようなイメージをつける事の意味は十分解るのですが、あまりにそれが行き過ぎて本当に大切なものが解らなくなっている、私にはそんな風に世の中が見えます。

売る人の罠にまんまと嵌まるだけならよいのですが、それが全てと思い込まされ、大切な事の価値観が失われて行く、こういう事に流されないようやはり教育や親の躾ってたいせつなんだろうなと思います。ブランド物にハマる人もまた同じです。

しかし面白いものは面白い、可愛いものは可愛い、診療中のふとした瞬間に目に入るキャラクターが心を和ませる、ある意味幸せな時代ですね。

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それにしてもこの袋もすごい!これだけを買う人がいるのもうなずけます。。。すごいです。

ハローキティの北海道お土産バッグ(クリックすると拡大します)

2010年6月25日金曜日

攻める事の大切さ

やっと、見たかったサッカーが見れた、そんな感じです。決して守りに徹しず、攻めた結果。嬉しいです。

【読売新聞】

開始15分くらいはけっこうボールを廻されてはスペースに走り込まれ、デンマークはうまいなぁと思いましたが、徐々に日本の形ができてきましたね。

今大会はボールがぶれたりと不自然な動きをするようですが、FKが2本も入るとはだんだん球に慣れてきたという事でしょうか。

しかし相変わらずテレビのアナウンサーは「引き分けでもだいじょうぶ」とか「壮行試合4連敗」とか、マイナスの話をずいぶんしていて、いやな気になりました。そんな事は言わず前向きに攻める、攻めた結果のカウンターでのピンチをも吹き飛ばす。これでしょう。簡単な話ではありませんが、気持ちで引いたらやはりダメです。

勝っていても守りだけを固めるわけでなく、やはり攻める。過去の日本のよくあるサッカーでなくなった事が見れた事がとても嬉しいです。早起きは三文、いや、三万くらいは得してますよね。

今日は一日中患者さんとそんな無駄話で盛り上がりそうです。

2010年6月23日水曜日

クリニカルMリポートに特別寄稿


ちょっと古くなりましたが、株式会社モリムラが発行するクリニカルMリポート、通称Mリポ新聞に寄稿しました。まぁ頼まれ事ですけど。


ここにはオーストラリアSDI社の新製品set P/P の使用レポートを掲載しているのですが、それと同時に私達の診療の考え方と、業界の苦言を少々書いてあります。

今の歯科とは「接着」抜きに語れません。歯科の世界ではそれほど画期的な事なのですが、しかしメーカの言う事を鵜呑みにしていると失敗します。だいたいメーカーさんは調子のいい事を言いすぎで、偉い先生方もなぜかそれを批判しません。

ここでは「そんなに簡単には行かないよ」と、ちょっと釘を刺しています。だって困るのは最前線である私達と患者さんですからね。また辛口をやってしまいました。

***

さてこの寄稿をしたところ、意外な方からお手紙をいただきました。それはわたしの叔父、亡き父の兄です。

そのご長男、すなわち私の従兄も歯科医師なので(実は次男も)、近くにこの新聞があったのです。私が出ているのを見てとても感動したらしく、一筆いただきました。

叔父にはいつもなぜか気にかけていただいており、こうして喜んでもらえるのは嬉しい話です。父も少しは私の事を褒めてくれるかななんて思い上がってしまいました。

今更親孝行はできませんが、叔父が喜んでくれるだけで良い機会を与えてもらったなと思います。豪クン、感謝してまっせ!

次回のオープンセミナーは7月21日(水)13:00から


オープンセミナー、平日昼時間を利用した第二弾です。今まで参加できなかったすべての方に、とっても楽しい話をご用意いたします。

しかしこのオープンセミナー、聞いても聞かなくてもどっちでもいいようないいかがんなお話ではありません。あくまで治療の一環です。しかしそれでももタダ!ぜひご近所お誘い合わせのうえ、いらっしゃってください!

Open Seminar vol,41
〜〜〜  知ってる人は悪くならない 〜〜〜
7月21日(水) 13:00〜14:00

オープンセミナーとは
限られた診療時間内ではお伝えできない、歯や健康のちょとした知識・時の話題をジャーナリスティックにお伝えする時間です。これから治療を始める人も、すでにメンテナンスに入っている人にも、私たちがどうしても知っておいてほしいと思っているお話が満載です。フロントにある大画面テレビに映る貴重な画像があなたを釘付けにします。


たとえばこんなお話をいたします
病気のスイッチに触らない・ 悪い事って楽しい・ 医療の限界を知る・お菓子をスイーツと言うな・人の体は機械じゃない・8020とPPK・医者任せにしない生き方・ 食から始める自己防衛・1ヶ月300円の健康法・世界一安心して病気になれる国ニッポン・最近よくきく顕微鏡歯科とは・自分自身に投資する・インプラントが泣いている・高齢社会を生抜く・吉田歯科診療室の便利な使い方 etc...


参加は自由、もちろん無料
参加は自由で無料、お友達お誘い合わせの上いらっしゃってください。ただし、立ち見の可能性もあるかも?なお、お昼時間ではありますが飲食はご遠慮ください。




2010年6月20日日曜日

予約のとり方についてのお願い



これはもう、どこの歯科医院さんでも同じだと思うのです。「予約」という意味を軽くお考えの一部の患者さんのために、みんなが迷惑してしまう事態が無視できなくなってきました。

たいへん不本意なのですが、このようなパンフレットを制作しています。仕事のアポイントを間違える人はいないと思うのですが、歯の治療も同じようにお考えいただけないものなのでしょうか。

以下、その文章を先行してアップいたします。キャンセル待ちをしている緊急性の高い患者さんが控えておりますので、どうかご協力いただけますようお願いいたします。


予約のとり方についてのお願い

いつも当診療室をご利用いただきましてたいへんありがとうございます。 

私達は主に一般の歯科医院様では対応が難しい再治療・再々治療を多く手がけておりますが、最近そのような需要がたいへん増えております。そのため皆様のご希望時間に予約を入れる事がたいへん困難な状況にあり、ご迷惑をおかけしている事をお詫び申し上げます。

私達は診療時間の適正化と公正化に努めておりますが、すでにその努力だけでは困難な状況にあります。すなわち大切な診療時間を突然キャンセルなさりお待ちの患者さんが入れなかったり、ご連絡いただけずに予約時間に遅れたために次の患者さんの診療時間帯に割り込んでしまうなど、予約時間にかかわる患者さん同士のご迷惑が容認できなくなっています。

患者様それぞれが忙しい時間を都合しあってご来院いただいている事をご承知いただくとともに、「予約」という意味をよくご理解いただいたうえで診療時間をお決めいただけますようお願い申し上げます。

詳しくは以下をご参照いただき、皆様に効率的な治療が行き渡りますようご協力賜りますよう切望いたします。




  • 診療は時間予約制です。 皆様がそれぞれ時間を都合し、譲り合ってご来院いただいております。 お忙しい事は重々承知しておりまが、忙しいのはすべての患者様に共通です。 
  • ご予約いただいた時間に有効に診療が行われるように、私達は何日も前からその準備をしてお待ちしております。 
  • 診療の予約は、ホテルやレストランを予約するのと同じです。当日キャンセルや無断キャンセルはやむを得ない場合以外はなさらないようお願いいたします。 
  • もしどうしてもキャンセルしなくてはならない場合は直ちにご連絡いただき、キャンセル待ちをしている緊急性のある患者様に時間をお譲りください。 
  • ご来院がたとえ5分遅れそうな場合でも、ご一報いただけるとたいへん助かります。その時間は直前の患者さんの大切な時間に使わさせていただきます。 
  • 遅れて来院されますと、一回で終わるはずの治療が二回になってしまったり、場合によっては次の患者様の診療時間にずれこんでしまう事があります。 
  • 予約時間にはどうか余裕をもって、5分前には到着いただけますようお願いいたします。 
  • 予約時間忘れを防ぐために、予約確認メールの自動配信サービスにご登録いただく事を強くお勧めいたします。 
  • ご連絡はお電話の他、メール・ファックスでもお受けしております。電車の中からでもメールでのご連絡をお待ちしております。

2010年6月14日月曜日

「はやぶさ」が還ってきた

私はぜんぜん知らなかったのですが、たいへんな苦労の連続だったようですね。諦めずに努力し英知を結集した結果、予定より3年も遅れましたが最後は感動的な光景だったようです。


しかしこの記事を見ると、はやぶさに励まされ現地まで行った人が、しかも私の近所、、、いろいろな事に人間感動をするものです。

あとはカプセルに何が入っているのか、ドキドキです!


「酸性水」でのウガイに気をつけて!

この土日は東京国際フォーラムでの「日本顎咬合学会」に参加をしていたのですが、ちょっと不穏な話しがチラホラ。「酸性雨」ならず「酸性水」誤用による歯の被害が出ているようなのです。

とある先生の講演を聞いていると、「なぜか最近、口の殺菌のために酸性水を用いている方が増えているいようで、歯が溶けている人がよく来る」という話しが。

その後何人かに聞いて見ると、確かにそうらしいのです。という事は、恐れていた事が本当に。。。

「パーフェクトペリオ・カリエスシステム」という特殊な電解水をご存知の方も多いでしょう。ここ2~3年、マスコミにかなり登場し、実は私達の患者さんでも自己責任で試用している方がおられます。

具体的にはその水を用いる事で歯周病菌やむし歯の原因菌を撲滅しようという夢のような水なのですが、もちろん実際にはそんな簡単に行くはずはありません。今のところ私の評価は積極的な治療やブラッシングができない一部の方にのみ有効で、ある程度基本的な治療を行える方には無効、効果は極めて限定的というものです。

しかしパーフェクトペリオ・カリエスシステムは強い塩素臭がする電解水でありながら極端な酸ではありません。ですから少なくとも歯が溶けるような事はありません*。

ところが「電解水」=「酸性水」と解釈した便乗業者がおり、安価な機械を売るために歯周病に効くとは書かないものの販売でそのような言い方をしており、その被害が表面化しているのではないかという事なのです。もちろん確証がとれているわけではないのですが。

私は日本橋時代に器具の消毒に強酸性水と強アルカリ水を使い分けていましたが、今ではもっと良いものがあるので銀座では使っていません。酸性水を口に含むと誰にでも解るのですが、レモンをかじった後の状態と同じように歯の表面が侵食され、ギシギシになります。これが日常的に続いたら目に見えるくらい歯が無くなって行きます。

弱者につけ込む安易な商売は私達の敵、くれぐれもお気をつけください。甘い言葉に騙されず、きちんとした治療を受けていただきたいものです。

* 2010年時点での話ですが、長期使用者のエナメル質表面全体に脱灰傾向が認められました。ご注意ください。パーフェクトペリオはつかわないでください(2016-10-08)


2010年6月6日日曜日

前原さんの本音をどう読むか・・・

兼兼思っていた事ですが、一般ウケを狙うと偉い人でもこの程度なのかと嘆きたくなります。この記事は本音が表れておりまだ好感が持てるとは言え、複雑です。私達はやはり人の心の裏を読まねばならないのでしょうか?


【Responseより】

できもしない事をできるように振る舞う、大風呂敷を広げて契約をとるが、結局できなく迷惑をかける。そういう人に私も振り回された事がありますが、政治家でも野党なら許されるという事です。

しかし与党になって責任が発生しそれができなくなる、あまりに真剣味がなすぎると思います。かといって野党になった今の自民党もまた同じ。共産党も旧社会党もまた同じ。現場の厳しさと対峙しない者は、何を言ってもいいのでしょうか。とりあえず選挙に勝ちさえすれば、後の事はまた考えるという方針です。本音を言った前原さんはまだエライかとも思います。多くの人に噛みしめてもらいたい記事です。

政権交代前の民主党は、誰が聴いてもできもしないような事を言っていました。批判だらけの子供手当ては引っ込みがつかなくなって実行されますが、高速道路無料化などはあまりに稚拙な発想。そういうところにしか政権を任せられないのがなんとも情けないですね。

私達医療人は患者さんにできもしない事や夢物語は話せません。現時点で解る事と、予想される未来を正しく示し、最良の方法を模索します。私達は患者さんから託された政権与党です。けっして浮き足立った行動はできません。ですからウケがいいとは言えません。

しかしもし患者さんが勢いや夢物語で医者も選んでるとしたら、、、ちょっと怖いです。私は夢を語るのは好きですが、現実には厳しくありたいと思います。

2010年6月1日火曜日

6月15日(火)12時はオープンセミナーへ


既報のとおり、オープンセミナーを再開します。今回は平日お昼の時間帯です。今まで参加できなかったすべての方に、とっても楽しい話をご用意いたします。しかもタダ!ぜひお誘い合わせのうえ、いらっしゃってください!

Open Seminar vol,40
〜〜〜  知ってる人は悪くならない 〜〜〜
6月15日(火) 12:00〜13:00

オープンセミナーとは
限られた診療時間内ではお伝えできない、歯や健康のちょとした知識・時の話題をジャーナリスティックにお伝えする時間です。これから治療を始める人も、すでにメンテナンスに入っている人にも、私たちがどうしても知っておいてほしいと思っているお話が満載です。フロントにある大画面テレビに映る貴重な画像があなたを釘付けにします。


たとえばこんなお話をいたします
病気のスイッチに触らない・ 悪い事って楽しい・ 医療の限界を知る・お菓子をスイーツと言うな・人の体は機械じゃない・8020とPPK・医者任せにしない生き方・ 食から始める自己防衛・1ヶ月300円の健康法・世界一安心して病気になれる国ニッポン・最近よくきく顕微鏡歯科とは・自分自身に投資する・インプラントが泣いている・高齢社会を生抜く・吉田歯科診療室の便利な使い方 etc...


参加は自由、もちろん無料
参加は自由で無料、お友達お誘い合わせの上いらっしゃってください。ただし、立ち見の可能性もあるかも?なお、お昼時間ではありますが飲食はご遠慮ください。




インプラント手術は誰がする?


最近あった困った話しを2つ。程度の差こそあれ、根源的なものはどちらも似ています。あえてご紹介したいと思います。


旧知の某メーカーの営業さんから相談を持ちかけられたのは、去年のデンタルショーでの事でした。聞くと最近インプラントの埋入手術を受けたそうで、私は彼の歯がいかに悪いかを知っていたので、やっと踏み切れたのかと思い一瞬安心したらそうではありません。埋入があまりにお粗末で、どうしたら良いのか困っているというのです。

最初はどういう意味なのか解らなかったのですが、その場でコンピュータを広げて見せられたCTには、なるほどこれは困ったなという画像が写っていました。入れたばかりのインプラントだというのに、骨から大きくはみ出していたり、隣の歯と接触していたり、そして10mmのインプラントがなぜか5mmしか入っていなかったり。なるほど、これはおかしいです。

冷静に考えればこれは失敗とまでは言いません。しかし言い方は悪いですが、まるで初心者が練習で行ったかのような施術です。ところがこの手術、大学在籍のインプラント科の先生が行ったと言うのです。にわかに信じられません。

インプラントと骨の関係は外からは見えません。ですから何があっても患者さんには解かりようがないはずです。ではなぜ発覚したのか、それは手術中に、その手術をしていた先生と院長先生との会話がどうもおかしく、不信感を持った事に端を発します。

この患者さんは歯科メーカーの方ですから、かなりの歯科知識をお持ちです。そしてCTをお持ちの先生を何人も知っています。で、そこで自身のCTを撮影してもらったのだそうです。それも複数ヶ所で。

私は最初は興味本位で見ていたのですが(ゴメンナサイ)、だんだん事の重大さに気がついてきました。問題はこの手術担当の先生がどのうような気持ちで手術に臨んだのか、そしてそこの院長先生はどのような条件で手術を依頼したのかです。

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2つ目の話しです。これは私の所ではないのですが、インプラント埋入手術を受けてから3ヶ月たった患者さんが初診でお見えになったのだそうです。

レントゲンを診ると、きれいに2本のインプラントが入っています。これから二次手術をしてインプラントの上に冠を乗せる手立てになるはず。ところがそこにはもう行かないというのです。なぜ?

で、こちらも手術をしたのはそこの院長先生ではなく、依頼で大学病院から来てもらった先生なのだそうです。詳しくはわかりませんが、その手術担当の先生と何かあったそうです。

***

2件の話しに共通するのは、その院長先生は以前はインプラント手術を手がけていたのですが、最近は忙しいのか手術を任せており、大学からそれこそ敏腕の先生に出張してきていただいて施術している事です。もちろんそれ自体は何も悪くはありません。問題はその依頼された先生が、どのような気持ちで手術に望んだのかです。

はっきり言えば、依頼された先生はアルバイトです。大学の給与とはサラリーマンの初任給以下(!)ですから、皆何かしらのアルバイトがなければ生活できません。出張インプラント手術は良い収入源になることでしょう。

しかし大学の手慣れた先生と言えども、手術準備はたいへんです。ちょっと顔をだしてすぐに手術ができるというほど簡単ではないはずです。しかしもしそんな事があったとすれば、この2件のトラブルは十分起き得る事です。

インプラント治療はその診断や治療計画の立案にはかなりの時間を要します。そしてそれらを患者さんと協議し、同意書にサインしてもらわなければ手術に入れません。例えば私はこれらをすべてを自分で行っています。

しかし分業体制になるとこうは行きません。だれがどこを担当するのか、責任の所存はどうなるのか、難しい事だと思いますが最終的に責任は院長先生にあるはずです。ですから院長先生は手術担当の先生をきちんとマネジメントする必要があります。2件ともそれができていなかった不幸があるように感じます。

さらに1件目は準備不足か連絡の不備による不完全な結果まで誘発してしまいました。修正はできません。

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私もたまにですが出張手術に行っています。しかしこれはアルバイトではなく、先輩を助けに行っているつもりです。準備はたいへんですが、先輩は私の考えや手順をよく汲んでくれているので事は順調です。私はそこにどんな機材があるかを知っていますし、今では顕微鏡もあるので安心です。

患者さんとは手術直前に顔を合わせるのでお互い緊張します。しかしその間には先輩である院長先生が入り、マネジメントをしています。もちろん手術は私に丸投げではなく、治療計画の相談・準備からスタッフ教育、そして手術助手に入ります。ここまでしなくては出張インプラント手術はできないと思っています。

現在インプラントの信頼性はそうとうな所まで上がりました。ヘタをすると、自分の歯より良いのではないかと錯覚しそうになります。それだけに安易な施術や依頼が増えているのではないかと思います。

インプラント手術は誰がするのか、技術を持った人がするのは当然ですが、そのためにもう一つ大切な事があると思います。

今回たまたま分業体制の問題点に2件遭遇しました。それぞれが得意分野に集中するのは良いかもしれませんが、それだけで治療が完結するわけではありません。他との連携がなければ強みは活かせません。それを取持つシステム、すなわちマネジメントが重要な事が改めて浮き彫りになりました。

という事で、しばらくドラッカーから抜け出せそうにありません・・・