2009年8月31日月曜日

選挙結果はこうだったが、、、

いやぁ、まさかここまで極端な結果になるとは思いませんでしたね。民主党が勝つとは思っていましたが。。。

さてでは日本が良くなるかといえば、もちろんあまり変らないという見方が多いようです。その考え方はいろいろありますが、私は次のように思います。

まずはいわゆる「バラマキ」はあってもいいと思いますが、もちろんその効果が長く続くわけではありません。なぜならバラマキで助けられた人達は、その後で「ありがとう、では次に自分は何ができるのか、何をしようか」という所まで考えないからです。結局バラマキだけで終わってしまうところが悪い、政治だけが悪いわけではないと思うのです。

例えばエコポイントで盛り上がる家電業界ですが、彼らはその後で何が出来るかと言えば何もないわけです。エコポイントに救われた、で終わってしまうのです。結局この不況は政治が悪いからと考えて、自分は待つだけという人があまりにも多い、だから政治家はバラマキで有権者を釣ろうしているのだと思うのです。

この不況を自分自身の事と思う、人のせいにしない、自分自身から改革をすることこそ日本の原動力に繋がるのではないでしょうか。自分自身が始める、一番大切な事だと思うのですが。

さて、私は残念ながら今の民主党には政権を担う資格はあっても実力はまだないと思います。一方の自民党は実力はあってもその資格はないと思います。

しかし立場は人を造ると言います。民主党は野党の時みたいなウケ狙いばかり言わず、国民にやる気を出させるコンダクターとなっていただきたいものだなと思います。この事は12日のオープンセミナーでも触れたいと思います。

しかし福田さんが当選するなんて、やっぱりへんですよね。落す選挙があってもいいと思ってしまいます。。。

2009年8月26日水曜日

謀られた虫歯 再発は繰り返される!?


9月12日(土)のオープンセミナーのご案内を造りました。まずはダウンロードこちらから。

デザインは変わっていませんが、文章はちゃんと変わっています。で、テーマは「謀られた虫歯 再発は繰り返される!?」とまあ、なんと恐ろしいタイトルでしょう。。。けどこれって現実なんですね。

しかし考えてみてください、医学がこれほど進歩しているのにもかかわらず、病人は一向に減っていません。これはなぜなのでしょう?

答えは簡単です。それは「医学」が進歩しているのに「医療」が変わらないからです。いや、日本に限って言えば、医療は後退しています。医師不足と言われていますが、その対策のしわ寄せは歯科に波及し、状況はさらに悪くなっているのです。

まぁそんな話をしなくてはならないのは悲しい事なのですが、現実をきちんとお知らせし未来に備えていただくのは大切な事です。

時の話題を交えてジャーナリスティックにお届けするオープンセミナーは、月に一度の土曜診療の後、17:30より行われます。お友達お誘い合わせの上、是非ともお越しください!

移転のご挨拶

遅くなりましたが、診療室では移転のご挨拶を配布しています。以下はその全文です。


***


【始めてご来院になられた方へ

はじめまして。私達は8月上旬まで日本橋で診療を行ってきましたが、この度ここ銀座3丁目に移転してまいりました。この診療室では今までにない新しい試みをもって、本当に価値がある歯科医療をご提供してゆく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。


【日本橋から継続しておいでいただいてる患者さんへ

ようこそいらっしゃいました。ここが新しい貴方のための診療室です。今まではずいぶん狭い所で診療していましたが、今度はちょっぴり空間に余裕があります。プライバシーに配慮できなかった今までと違い個室化されています。カウンセリングルームや衛生士専用ルームもあり、旧診療室での不備もこれで一期に解消されました。スタッフ一同気分を新たにして邁進する所存です。今後ともよろしくお願いいたします。


【旧銀座時代からの患者さんへ

ただいま。吉田格は12年半ぶりに銀座に帰ってきました。こうしてまた銀座で診療できる事をたいへん嬉しく思います。日本橋時代に養った新技術を、改めてこの地で具現化してまいります。よろしくお願いいたします。



平成21年8月吉日

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック

代表 吉田格


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2009年8月24日月曜日

Open Seminar Vol.32


銀座に戻ってきた理由の一つに、オープンセミナーを再開するという目的がある事はすでにお伝えした通りです。

で、22日の土曜診療の後、とっても久しぶりにオープンセミナーをやりました。記録を見ると、前回は題31回で平成15年11月26日とありましたので、6年近くもサボっていた事になります。

日本橋では待合スペースに24インチのディスプレイを置いて映画を流していましたが、今度の診療室では40インチのテレビになっています。これはもちろんオープンセミナーを前提とした設備で、これにプレゼンを映そうというわけです。

ところが最近のテレビというのは本当に複雑で、実は前日までまったく使えなかったのです。HDMI という端子にコンピュータを繋げば、普通のプロジェクターと同じように使えるものだと思っていたのですが、どうも勝手が違います。コンピューターがぜんぜんテレビを認識してくれないんですね。

格闘すること2時間、ケーブルを繋ぐタイミングなどを工夫してようやく稼動するよになったというわけです。いや、まいりました。動かなかったらどうしようと思っていました。

歯科医師というのはけっこう学会や研修会でプレゼンをたくさんやるので、私もPowerPointやKeynoteといったプレゼンソフトの扱いは慣れています。オープンセミナーでもそれらを活用しています。

当日は12名の方にお集まりいただき、移転のご挨拶や私たちの今後のロードマップ、どうしても知っておいてもらいたい歯や健康の知識について一時間ほどお話させていただきました。

その後診療室内の設備をざっとごらんいただきましたが、まだ移転後間もないためすべてが揃っているわけではありません。次回までには椅子やブラインドくらいは揃っていると思います。

さてさてこの日もお話したい事はたくさんあったのですが、なかなか話しきれませんね。というわけで次回のオープンセミナー(9月12日)はもっと細分化し、どうしても知っておいてもらいたい歯や健康の知識を少しずつお話しして行きます。お楽しみに!

2009年8月20日木曜日

工事進捗状況・6

移転が終わっているのに、まだ工事が続いています。。。

今日は22日の土曜診療の代休日ですが、いやぁ本当に今日を休診にしてよかったなぁと思います。実はまだ終わっていない工事や、修正が山のようにあり、今日も早朝から業者さんがいっぱい出入りしています。診療室内はまたゴチャゴチャです。

何をしているのかというと、エアコンや照明の取付け位置の変更・壁紙の張り替え・技工台の付け替え・配線の穴開け etc................

そしてトリはクリーンエリアの設置です。これが着いてやっと設備が揃います。そして既存設備の設営ですが、広くなったとは言え置場所にはさんざん苦慮します。ここはみんなでアイディアをどんどん出して行くしかありません。

2009年8月19日水曜日

ただいま


「ただいま」

2009年8月17日、月曜日の朝、近隣のホテルから出勤した私は、見慣れたとはいえ懐かしくもある銀座の街並みに向かい、小さくそうつぶやきました。

そして、「吉田格、12年半ぶりに銀座に帰ってきました。」と続けました。まるで兵士が戦場から故郷に帰ってきたかのように。本当の戦争はこれからなのに。

けど本当に、本当に帰ってきました。この日私は日本橋の廃院届けを出すと同時に銀座の開院届けを提出し、同日診査を経て受理されました。これで吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックは、法的にも正式に移行を完了させる事ができました。銀座が私の生きて行く場所として復活したのです。

あの2月20日からほぼ半年、多くの方々のご尽力を得て、吉田はまた銀座で活動する機会を与えられました。このチャンスを活かし持てる能力を社会に還元すべく、スタッフ一同気持ちを新たにして邁進する所存です。今後ともよろしくお願いいたします。

2009年8月16日日曜日

壁面サイン


工事進捗状況などでお伝えしてきた通り、受付カウンター背面の壁にはあのロゴが入ります。

位置・大きさ・色などをあれこれ考えてきましたが、文字数が多く複雑なため制作にはだいぶ制限があったようです。

しかしそれをものともせずに、予定より早く13日にめでたく壁面にサインが着きました。ここではその一部をお見せいたします。(←だしおしみ)

2009年8月14日金曜日

引越完了


↓  ↓  ↓  ↓  ↓


昨日多くの方々のご協力を得て、日本橋の設備・段ボールの山はすべて銀座へ移設いたしました。ご協力いただきました方々に心より感謝申し上げます。

既に12日に既存ユニット(治療用椅子)の移設は完了しており、いつでも稼動できる状況です。しかしそのユニットの周りにまで段ボールの山なので、これからどんどん片づけて18日のグランドオープンに備えます。みなさん、お楽しみに!

なお17日は対処可能な急患み受け付けます。電話番号は以下の通りです。

03−3248−0418

2009年8月11日火曜日

後輩がYouTubeに顕微鏡治療動画をアップ

突然ですが、母校の後輩が顕微鏡による治療をYouTubeにアップしたと伝えてきました。早速見てみると、やられました、、、素晴らしい!


私も新ネタがあるのですが、今はとても編集できません。移転が一段落したらどんどん造るつもりです。

このような正しい治療が普及してほしい物ですね。菅原先生、次も期待してるぞ!

工事進捗状況・5


今朝の地震、東京もけっこう揺れましたが皆様の所はだいじょうぶでしたか?

日本橋では引越のために山積みになっている段ボールが崩れそうになりました。まぁそんないいかげんな積み方している私がいけないのですが。

で、被害がないなと思って外に出ようと思ったら、なんと扉が途中までしか開きません!エレベータホールに置いておいた傘の束が倒れ、つっかえ棒にになっていたのです。隙間から手を伸ばしてどかす事ができましたが、あやうく脱出不能になるところでした。アブナイアブナイ・・・

さて銀座の現場はどうだったのでしょうか?まだ見に行っていないのですが、仮設中の部分もあり、何か壊れていなければ良いのですが。で、上の写真が昨日の夜の状況です。受付背面がほぼ完成し、カウンターを設置しました。ここにはINAXのエコカラットを使いました。これでやっとフロントらしくなりましたね。

さてまた現場に行って、配線など細かいレイアウトのチェックです。はたして引越準備は間に合うのか?実は明日から本格的に機材の移設作業が始まるのです・・・

2009年8月10日月曜日

工事進捗状況・4

東京はバケツをひっくり返したような豪雨です。

さて現場は多くの職人さんが入り、内装がどんどんできています。什器類も次々と運びこまれ、取付けが急ピッチで進んでいます。

受付カウンター上には試験的にペンダントライトが吊るされ、間接照明と合わせていよいよ怪しい雰囲気が出てきました。背面の壁が完成したところでカウンターを設置し、夜には全体のバランスを見る事になっています。

2009年8月9日日曜日

Nobel Biocare Esthetic Forum 2009



ちょっと息抜きに(?)研修に来ています。

Nobel Biocare Esthetic Forum 2009 、場所は去年と同じグランドプリンス新高輪。去年は受付が激混みで当日受付の方はたいへんな目に会ったようですが、今年は事前にQRコード入りの参加証が送られてきておりスムースそのもの。

当日受付はしない事になっていたようですが、どうもしているような感じでしたが?まぁしかたがないですよね。

引越作業の合間の講演会なので疲れて寝てしまうのではないかと自分で自分を心配していましたが、そんな事もなくネタは非常に濃いものでした。特に一席目の診査診断は最新の情報も網羅され、けっこうメモをとってしまいました。

実は9月からインプラント外科関係のセミナーをやるので、そのためにもたいへん参考になる話しが満載。パクリと言われないようオリジナルと混ぜて造らなくてはなりません。移設作業が一段落したらすぐにそのネタの仕込みをしなくてはなりません。まったく、忙しい時には忙しい事が続くものです。ありがたい話しです。

今年は8月開催ということで、こんなグッズもついています。みんなパタパタやっておりますね。そしていつものボールペンです。


オリジナルグッズはこの他にも、なんとインプラント型のUSBメモリーがあるのだそうです。アバットメントがコネクターになっており、上部構造はコンピュータになるそうな?

このEsthetic Forumは日本独自の企画ではなく、世界中のNobel Biocare社で行われているものだそうです。であれば海外からの招待演者、あるいは日本から世界へ発信する場であってほしいのですが、どうもそうはならないようです。これは残念ですね。携帯とかいろんな産業がそうであるように、どうも日本は日本でまとまっちゃう傾向が強いので考えてもらいたい事です。「日本発」大切です。

で、今日はその二日目、またまた濃い内容でしょう。昨夜の梱包作業は途中でクジけてしまいました、その分睡眠をとったので(4時間くらいですが・・・)今日も集中して行きたいと思います。

2009年8月8日土曜日

やはりがんばれ!吉田拓郎(そこそこでいいぞ)

ここに以前から気になっていたCDがあります。吉田拓郎の「午前中に・・・」です。

引っ越しの準備をしながら聴こうと思って買っておいたのですが、ついに登場です。しかし聞き入ってしまい、ぜんぜん捗りません。。。ハッキリ言って、心に滲みます。


このCDに関しては「日経 Web Goethe」に自身が詳しく語っています。ご存知のように吉田拓郎最後のツアーは残念ながら体調不良のため中止となってしまいました。つま恋時代を知る私はこのツアーを嬉しく思っていた一人でしたが、志し半ばで中断を余儀なくされファンもさぞかしがっかりでしょうが、誰より残念なのは本人自身でしょう。

日経 Web Goethe でのインタビューは読み応えたっぷりで、ぜひ皆さんにも読んでいただきたい。63歳を迎えたあの吉田拓郎が「老い・加齢」とどう向き合って行るか、それがどうアルバムに反映され、さらにツアーで拓郎は何を問いかけたかったのかが伝わってきます。

しかしエイジング(加齢)をテーマにしたアルバムなんて、聴いたことがありません。しかも発売元はAvexですからイメージはとことん合いません。拓郎自身も悩んだそうですが、その上で完成したアルバムは流石としか言えません。他のアーチストには到底できない離れ業、実は「がんばった」のではないかと疑いたくなります。

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私が好きな拓郎の曲の一つに「人生を語らず」というのがあります。

朝日が昇るから起きるんじゃなくて 目覚める時だから旅をする
教えられるものに別れを告げて 届かないものを身近に感じて

発売は私が中三の時、当時は何も解らずにただ「かっこいい曲だなー」としか思っていませんでしたが、15年程前からよく旧友達とカラオケに行くようになり、唄える曲を探している時に偶然見つけたのがこの曲でした。

ハモンドオルガンの美しいイントロから一転、ふてぶてしいの絶叫調の歌声が続くこの曲は今聴いても新鮮で、私の心に突き刺さったままです。上記のように歌詞は、世の道理に反し良く解らない状況で何かに引き寄せられながら勝手に物事が進んで行く、良くも悪くも今の私にちょっと当てはまるような情景を謳っています。

その拓郎が今「がんばらない、がんばる必要はない」と説いています。大病から復帰して悟ったからこそ見える何かが歌詞に凝集されています。昨今の楽曲は歌詞が聞き取れないようなものがほとんどですが、これは一言一言がちゃんと聞き取れ、語りかけるように響いてきます。iPhoneで聴いていると道端で泣きそうになるかもしれません。

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エイジング、我々はそれとどう向き合ってゆくべきなのでしょう。商売上手な方は「アンチエイジング」と称し、いろんな物を売ろうとします。それはそれで良いところもあるのですが、拓郎はそれより重要な生き方を提示しています。

「ガンバラナイけどいいでしょう」

私は今引っ越しの梱包をがんばらなくてはならないのに、拓郎は止めに入ります。無理せず自分らしく行けよと。それは「目覚めの時だから旅を」してきた拓郎が、自然に身を任せつつも自分を見失わない生き方をしろと、今も昔もそんな事を言っているような気がします。

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さて今私は多少無理はしていますが、幸せです。自分が好きな事を、ある程度オリジナリティを持ってやりたいようにやらせてもらっています。そんな環境に感謝し、自由であるがゆえの苦しみと戦っています。

ここで拓郎が言う「がんばる」とは、たとえば他人を気にして無理をするとか、介護で疲れて自分自身を追い込んでしまうようなタイプの人をさしているのではないかと思います。だとすれば疲れたらすぐ寝てしまうタイプの私には関係ない話しです、がんばるしかありませんナ。

あの当時「人生を語らず」だった拓郎は今、この「午前中に・・・」で人生を語っているように思います。時の流れに逆らわず、あるがままの自然体を大切に、老いるのも病気をするのもあたりまえ、時代を淡々と見つめている拓郎があるような気がします。

しかしやはりがんばれ、吉田拓郎!と言いたい。無理をする必要はないが、そこそこのがんばりはしてほしいし、実はしているはずだ。「がんばらない」というのはたぶん拓郎流のテレなのでしょう。過去がんばってきた人だからこそ言える言葉です。

私達は早くあなたの声を聴きたい。それに私はまだ生で聴いた事がないぞ。そしてあなたの考える「生病老死」とは何かをギターにのせて聴かせてほしい。

吉田拓郎という存在、それはもしかして多くの人にエイジングとは何かを真剣に考えさせるきっかけになるのではないかと思うのです。あ、実はこれ Open Seminar のちょいネタにするつもりです。とっても大切な話しです。

さてさて、こんな感じで私の「夏休み」はスタートしています。みなさんはいかがですか?

2009年8月7日金曜日

工事進捗状況・3

一週間ぶりの現場です。壁紙が貼られています。また、受付スペースは実は塗壁になっています。ちょっと質感が違いますね。

今日はカウンター背面ロゴの位置や色決めをしました。間接照明やスポットライトが当たるので、影を利用して文字を浮き上がらせようという事になり、文字色は白となります。できあがりが楽しみですが、貼付け工事は診療期間にずれ込んでしまうそうです。

また外看板のデザインもいくつか提案いただきました。看板だけ先にできていれば良かったのですが、だいぶ遅れてしまいました。

次の打ち合わせは月曜日、既に床が貼られカウンターが設置されている事でしょう。お楽しみに!

2009年8月6日木曜日

日本橋・閉院しました

12年半の長きに渡って診療してまいりました日本橋本町四丁目の診療室を、本日13時をもって閉院いたしました。いろんな思いでが詰まっているこの場所での出来事が懐かしく思い出・・・・・している時間はありません。段ボールを出してきて、移設作業が本格化しています。

なおこちらでもお知らせした通り、現在対応可能な急患のみ受けつけております。

2009年8月3日月曜日

週刊ポスト 顕微鏡歯科の3回目は、


本日発売の週刊ポスト(8月14日号)です。再三お伝えしていますように、顕微鏡歯科の特集の3回目です(本当に再三ですね)。今回は最後のリスト以外にも、文中でインタビューにも答えています。

さて週刊朝日MOOKにも書きましたが、顕微鏡がもっと普及し保険導入されれば良いと誰もが考えます。「顕微鏡を使えば○○点」と評価があれば良いのですが、そう簡単には行きません。

文中の問題以外にも、実は医療費の予算枠組みが最初から決められている事が大きな問題です。現行の考えでは、新たに顕微鏡に点数を配分すると他の歯科治療の点数が減らされる仕組みになっています。ただでさえ低い点数がこれ以上減らされれば、歯科保険医療は完全に崩壊します。

これを例えば「公共事業費を削減した分を、歯科顕微鏡治療に充当する」というのであれば良いのですが、それはありえません。予算の範囲内でやりくりするしかないのです。

去年の改定でレーザー治療が一部保険適用になりましたが、機器の価格や手間を考えなくとも信じがたい低い点数になっているのはそのためです。

そんな事はしないで基本的な治療の点数をきちんと確保した方が、よほど良い結果になる事をわかっていないのです。

結局医療の事を知らない(知ろうとしない)人達が、学会の意見も聴かずに密室のなかで決めてしまうような制度自体が悪いのです。

もうすぐ選挙がはじまりますが、この問題については一部論議が行われているようです。今後の動向を見守りたいと思います。

何はともあれ、私達にはもう顕微鏡なしの治療は考えられません。その技術を充分に活かすために、銀座の診療室には様々なアイディアが溢れています。どうかご期待ください!

2009年8月2日日曜日

歯科医師は本当に過剰なのか?

すでにご紹介しました週刊朝日MOOK Q&Aでわかる「いい歯医者」、お手にとっていただけた方も多いようです。だいぶ反響があるようで、一般向けにここまで突っ込んだ内容の本はまさに完全保存版ですね。

おそらく今までタブー視されてきた問題にもズバリ切り込んでいる事もすばらしい。しかし、一点非常に気になったQ&Aがあります。4番目の「歯医者が余っていると聞いた」は一般論ではあるものの、私の見解とは大きく異なります。


歯科医師過剰の問題は今に始まった事ではありません。少なくとも20年以上は言われ続けてきた事です。なのに有効な手が打てないまま一般的な歯科医院の収益は悪化を辿り、今では歯科医師とは魅力ある職業とはおよそかけ離れた存在となっています。本年度の大学歯学部の著しい定員割れは、他学部のそれと比較しても目を覆わんばかりです。

しかし「過剰」とは何でしょう?歯科医師が余っているとは、イコール病人がいないという事なのではないでしょうか?

しかし現実的に病人はたくさんおれます。病人なのに患者にならない、それも我慢しているのではなく必要性を感じていない人が多いと言う事が問題なのです。

歯科医師が増え、医療がすべての国民に正しく奏功し、病人がいなくなって始めて「過剰」だと言われるはずです。ヘンだと思いませんか?

**

病人がいるのに過剰、これは治療の必要性がまったく理解されていない、あるいは歯科治療の優先順位が極めて低いという事です。言換えると「歯科治療とはこの程度でよい」と考えられており、それを基準に保険は決められているのです。国の規格である健康保険の物差しで測れば、歯科治療とはこの程度で良いわけです。

すなわち再発の原因は放置され、治療は5年程度でやり直しが続き、一生再治療の悪循環から抜け出せません。つまり歳をとれば入歯になるのは当り前で、そんな事に何の疑問も持たないのが保険の基本理念です。ですから「悪くなったら医者が治してくれるはず」とタカを括られてしまうのです。

保険料を毎月徴収されているとは言え、確かに保険は安いです。ちょっと考えればだれでも解るように、激安以上です。

これが国が用意したビジネスモデルであり、それにいつまでも甘んじて経営努力を怠ってきた歯科界の過ちがあったわけです。いわゆる親方日の丸、公共事業と変りません。そしてその安さを武器に、看板だけ出していれば勝手に患者さんが集まってきた良き時代(?)があったわけです。


歯科医師は決して過剰ではありません。過剰なのは「保険医」なのです。しかし保険医には誰もがなりたがります。それは安さを武器に患者さんを楽に集める事ができるからです。

しかし全体として歯科界は保険という目先のビジネスモデルに甘え、歯科医療本来の大切さを訴えるタイミングを逸しました。そして他の産業に優秀な人材をとられ続けてきたツケが廻って来たのです。

私は歯科医師過剰などと言う前に、保険の限界を正しく伝え、健康を自分で守ろうとする行動が文化となるよう医療が支援する必要があったと思うのです。誰もが健康の大切さや難しさに気付けば結果として医療費は下がり、生産性の高い国家が持続していたでしょう。その結果病人が減った時はじめて歯科医師過剰と言われれば、それが本望なのではないでしょうか。

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47 News(河北新報)にも報道されているように、一般的な歯科医院の収益は危険なほど悪化しています。機器の老朽化・人員の削減など医療の安全に直接関わる質の低下が無視できないほど露呈していると言う事です。

皆様に知っていただかなくてはならないのは、保険だけで全うな歯科医療が提供出来る事はありえないという事です。どこの歯科医院も保険の赤字を自由診療で補填しています。しかし自由診療の利点や必要性はほとんど理解されていません。

私も保険医の一人ですが、保険を使ってすべてを治療しようとは思っていません。それは保険治療が患者さんを幸せにできるとはとうてい思えないからです。それは既に多くの高齢者の方々の口の中を見れば明らかです。保険医療は健康を維持するには全く役不足だったのです。


ですから私達は歯科医療が文化に昇華する事を支援します。それが「メンテナンスを標榜する、ただ一つのクリニック」である私達の使命であり、オープンセミナーの目的です。

インプラントや矯正だけが評価される偏った歯科医療ではなく、予防や小さなむし歯治療も同じ価値観で接する事で社会に微力ながら貢献する事が私達の喜びです。

上に立つ人は歯科医師が余っているなどという認識を捨て、国民に理屈抜きで評価される歯科医療に変える努力をしてほしいと思います。であれば私は今こんなに苦しまなくてすむんですがね。。。

今週の映画 Allways 続・三丁目の夕日


しばらくお伝えしていなかった今週の映画です。今週は、というより先週からですが「Always 続・三丁目の夕日」を流しています。原作の漫画はもう20年くらい前からですから、ご存知の方も多いことでしょう。

「昭和」うーん、いい響きです。私も古い人間です。ご存知のように、この映画には古いモノがたくさん出てきます。オート三輪や手回し脱水機 、都電に特急こだま号と、私より少し上の世代の方にはまさに泪モノ。CGくささはありますが、充分すばらしいです。

さてなんで今この映画を流しているのかと言うと、日本橋が出てくるからです。

薬師丸ひろ子演じるお母さんが日本橋の上で昔好きだった人と偶然出逢うシーンや、最後の夕日を3人で見るシーンなど、日本橋はこの映画の時代背景の象徴として使われています。歩いてきた方向を考えると、デパートとは高島屋の事でしょうか?

日本橋を去るに当たって、私は最後の1週間はこの映画を流そうと決めていました。そしてついにその週がやってきたということです。


この映画を観ていて面白いと思うのは、戦後の日本の価値観です。モノが人の幸せを造るという日本復興の原点を垣間見る事ができます。

と同時に健康観がどうだったかも解ります。堤真一演じるお父さんたちがタバコをプカプカふかすシーンなどは、おそらく今の時代を描いた映画ではあまり見ない事でしょう。

昔のハードボイルド映画などは、キャラクターに迫をつけるために意図的に主人公がタバコを吸うシーンを多用したそうですが、これは一般人です。何の疑問も持たずにタバコを吸っていた時代を思うと隔世の感があります。

しかしそれでも喫煙者が減らないのは(特に女性に)、やはり文化として根付いてしまったものの改善は難しいなとしか言いようがありません。

**

さてその日本橋は、ご存知のように東京オリンピックを機に整備された首都高速道路のおかげで、その架橋の下に河川ごと隠れてしまいました。

上の写真は上流の河岸橋からの撮影です。ちょうど一枚目の写真の黄色い服の女の子の頭の上に見える橋からです。つまりこの写真の奥に見えるアーチ状の橋が「日本橋」です。情けないです、かわいそうです。

日本文化の良い所を無視し、ただ車を走らせれば良いと言う愚策の象徴に成り下がってしまったのがこの日本橋なのです。

こんな状況を見るに見かね、首都高速を地下化して日本橋に青空を取り戻そうという動きがあります。時の小泉総理大臣の掛け声もあり私は期待しているのですが、ただ川があるだけでなく隣を地下鉄半蔵門線が並走しており、それらの安全を確保しながらの工事はとんでもなく難しいでしょう。

しかし川と半蔵門線の間には既にけっこう更地があり、ここがそのための用地である事は間違いありません。

***

患者さんの中には日本橋在勤40年の方がおられ、映画を観ながら昔の日本橋付近の話しをしてくださいます。ココにはアレがあったんだと、懐かしそうに話してくださるのはこちらも嬉しい事です。

今週6日(木)で日本橋の診療室は閉院です(その後は11日までは対処可能な急患のみお受けいたします)。くしくも移転先の銀座は「三丁目」。夕日はビルに隠れて見える事はありませんが、私はいつまでもあの美しい日本橋に思いを馳せ、ずっと見守って行こうと思うのです。まぁ、たった地下鉄で5分ですしね。

2009年8月1日土曜日

カレーうどん

先の現場での打合せの後、近隣のカレーうどん屋さんに行きました。


ずはこちら、山本ちゃんが頼んだ、スタンダードなカレーうどん。いいですね〜

私が頼んだのはコレ、ナスのチリソーストマト。けっこう辛いです〜。

中島さんが頼んだのはスタンダードなカレーうどんに激辛オイルがたっぷり入った逸品。
見てるだけで汗が出てきます。しかしそれをモノともせずに平らげる中嶋さん、さすがです。

百瀬さんが頼んだのがコレ、付け麺タイプで黒胡椒入り(だったかな?)。
次はコレを食べようと画策中です。

このお店は5月11日に掲載したように、元はカレー屋さんでした。カレーうどん専門店に模様替えしてちょっとガッカリだったのですが、そんな事はありませんでした。カレーうどんもアイディア次第でこれだけ変れるものなのですね。勉強になります。

工事進捗状況・2


7月30日(木)現在の工事進捗状況です。上の写真は受付カウンター背面で、ロゴの大きさを確認するために紙が貼られています。ちょっと大きすぎたので、これより小さくなります。

しかし文字数が多く複雑なため、制作が極端に難しいとの事。日本一長い名前の歯科医院は、ディスプレイもたいへんです。

上は設計の中島さん、アシスタントの山本ちゃん、現場監督の百瀬さんです。みんな汗だくでがんばっています。

今のところ天井配管も終わり、各部屋が石膏ボードでしきられ、レントゲン室には鉛が貼られました。

この日は部分設計変更をし、内装材の選択・床暖房の位置決めをしました。

本当はもっとマメに現場に足を運びたいのですが、なかなか難しいですね。たった2kmしか離れていないのに、診療・事務処理・引越準備に追われると厳しいです。百瀬さん、頼んまっせ〜!