2010年2月24日水曜日

中国製歯科技工物問題とは言うが、、、


今日は社会ネタです。心配はしていたのですが、ついに、しかし本当に起きてしまいました。


こんな事もあろうかと思って、なのかどうかは知りませんが、須山歯研さんから上のようなポスターをいただきました。タイムリーです。

皆さんのお口の中に最終的に入る人工物、これは技工物とか補綴装置とか呼ばれていますが、これを造るのが歯科技工士さんです。

ご存知のように、日本の歯科保険医療はたいへん大きな制限を国から受けています。それは技術や材料だけでなく、価格もです。多くの歯科医院の経営が厳しい以上に、その下請的存在の歯科技工所もたいへんな経営難です。

私はなぜこのような厳しい治療制限がまかり通っているのか不思議でならないのですが、それはさておき、なぜ厚労省が保険で中国製技工物を合法としてきたかが大きな問題だと思うのです。

日本ではどこへ行っても保険で治療費が決まっています。すべて規格化されており、それ以上もそれ以下もありません。ならば材料代も技工代もすべて統一でなくてなりません。

しかし現実は違い、それらの納入価格は自由です。すると安い中国製技工物もアリという事になってしまいます。だから安ければ何でも良いと考える歯科医院が飛びつくわけです。日本の技工所さんはひとたまりもありません。

今回の事件はベリリウムという毒性が極めて高い金属が入っていたから問題だと考えるのは早計で、日本の医療構造が間違っているためにおきた悲劇と考えるのが妥当です。

確かにその中国の技工所や材料を売っている日本の会社には医療という倫理観のかけらも見いだせません。金になれば何でもいいとう、医療の世界にあってはならない行動です。しかしそういう人がいるという事は予め解っていた事です。

問題は保険医療がすでに成り立たなくなっている事、それを放置したまま手が付けられない状況にまで追い込んだ行政の責任であると思います。

私はちゃんとしたものであるならば、中国製である事は何も問題はないと思います。少なくても自由診療であれば、どこにも問題はありません。

しかしこれは保険の話、国が決めた規格であるならば納入価格まできちんと決めてもらわなくては困ります。しかしこれがこの国際社会に通用するのでしょうか?行政はもう匙を投げているように見えます。

医療はある程度自由に運用させてもらわない事には、助かる人も助からない、それも日本だけという、既にとんでもない事になっている事に皆に気がついてほしいと思います。

2010年2月20日土曜日

開設記念日


今日2月20日は、吉田歯科診療室の開設記念日です。13年前の今日、私は日本橋で先輩の医院を買い取って開業しました。さすがにいろんな事がありましたね〜。時が経つのは早いものです。ちなみに去年の2月20日はこんな事がありました

お気付きになる方は少ないと思いますので、この機会にご紹介いたしましょう。今の診療室のフロントの棚の一番上には開設を記念してこのロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートが飾ってあります。日本橋時代にも、受付の一番上にかけられていました。

上にありすぎてよく見えませんので、脚立に上って写真を撮りました。こんな絵柄です。1997年の絵柄はロスキルド大聖堂という所がモチーフになっています。

13年間、ずーっと受付に来られる患者さんを見守っていたんですね。そしてこれからもずーっとです。

2010年2月19日金曜日

サーバー不調について

すみません、17日夜よりメインホームページへのアップロードがうまく行かずに困っています。所々リンク切れが発生しています。

プロバイダーに訊いた所、容量オーバーだとの事ですが、そんな事はありません。困ったもんです。

明日は土曜診療で、この日にしか来れない患者さんがいっぱい、下準備がたいへん、しかもオープンセミナーの準備もあります。そちらの方が大切なので、この障害復旧はちょっとお待ちくださいm(_ _)m

BiND3LinkClubの組み合わせの方、もしおられたら教えてください〜。。。

2010年2月17日水曜日

自由診療のパンフレットがダウンロードに



実は12月よりメインホームページから、自由診療のパンフレットがダウンロードできるようになっています。


これと同じものをホームページに挙げようと思っているのですが、なかなか実行に移せず、とりあえず診療室で配布しているものをそのままダウンロードできるようにしています。リンクはこちらから貼ってありますが、ここもまだ未完成です。。。


3ページの表は金属で修復する場合の保険と自由診療の差を比較したものです。かなり専門的な内容なので、おわかりにならないものばかりだと思います。しかしこれは、こんなに違うんだという事をご理解いただきたくて並べさせていただきました。

で、この中から一つだけ「歯肉圧排」という技術だけとりあげたのが2ページ目です。これは自由診療が保険と決定的な差をつける大きな要因です。おそらく保険でもやっていますと言われる他院様もおられるとは思いますが、顕微鏡を使うとその不確実さがよくわかります。レーザーを使わなくてはならない事もたくさんあります。それを解説したのがこちらです。


材料だけ変えて、技術は保険と変わらないという自由診療がたいへん増えているようで私は困っています。その原因はこの記事にあることも多いと思うのですが、とにかく原因を除去しないで形だけ変えても再発はすぐです。たいせつな歯、長い目で考えていただきたいものです。

実は配布しているパンフレットにはもう1枚、4ページ目があります。それはここから拝借してまいりました。いつの間にか有料サイトになってしまいましたが、ぜひお読みいただきたい内容です。


こんなバカな話を言っているのは日本人だけ、ちゃんと造って原因が片付いていればここまでひどい話にはなりません。

これでは「お金をかけて治療したって、どうせ悪くなるんがからムダさ」なんて人が多いわけです。これがどれほど日本経済の足を引っ張っているのか、経済学者さんは株や為替よりもこちらを試算していただきたいものです。

2010年2月11日木曜日

「私達のインプラント治療の特徴」を加筆


製作予定でリンク切ればかりだったインプラントのページを加筆修正しました。メンテナンスをベースにした私達のインプラントシステムの特徴をご紹介しています。

それからビルボードですが、今まではリアルなインプラントの写真を載せていましたが、今回はイメージ重視のものに差替えました。いかがでしょう?
この後、もう4項目追加します。お楽しみに!

2010年2月10日水曜日

立読みコーナーに追加:あなたのインプラントはだいじょうぶですか?


既に新聞やニュースでさんざん取り上げられていますインプラント使い回し事件、誠に嘆かわしい、まさかここまでやるとは驚きを通り越してしまいます。

医療とは一般に言う「コストダウン」や「エコ」からはちょっと離れた所にあります。それは安全のために「使い捨て=ディスポーザブル」が必要だと言う事です。ですからコストがたいへんかかります。もちろんだからといって無駄遣いをしていいと言うわけではありません。

しかし失敗で取り外したインプラントを、滅菌したとは言え他の患者さんに使うとは、、、


インプラントの表面とは骨とくっつきやすいように「ザラ目」になっています。ですから洗ってもきれいにはならず、滅菌してもタンパク質は残ります。少しでも汚れていれば骨とくっつきません。

下の写真はザラ目のインプラント表面に骨の細胞が伸びて行く様子です。これを見れば汚れが付いていればくっつかない事が想像できるでしょう。


インプラントは単体購入で一本3万円くらいはするものです。これを破棄するのはもったいない、、、と言ってはいけないのです。安全はコストより優先されなくてはなりません。そして患者さんもその事を知っていなくてはなりません。

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さてこの事件についてはまた機会を改めて書こうと思うのですが、とにかくインプラントにまつわるトラブルはアチコチで耳にします。どれもインプラントを、いや歯科治療をあまりに安易に考えている結果だと思うのです。これは患者も医者も行政も、みんなです。

ですからインプラントが付かない、取れるという話になるわけです。「インプラントって取れちゃうんですね!?」いえいえ、ちゃんとやれば取れないんです。

じゃあなぜ取れちゃうんだって?実はもうとっくに本に書いておいたのです。ここは大切な部分なので前々から公開しようと思い立読みコーナを造っておいたのですが、未公開のままになっていました。

で、この度公開予定でリンク切れになっていた部分を造り直しました。こちらにはインプラントを長持ちさせるためのヒントがたくさん書いてあります。
いかがでしょう?これらを無視し、あるいは解らずに施術されている治療が少なくないのではないかと思います。インプラントをお考えの方、すでにお使いの方、大丈夫ですか?

インプラントのすべてがわかる本(保険同人社)
インプラント治療の前に確認したい10項目

2010年2月8日月曜日

iSpot でポイントをゲットしよう!


みなさん、iSpotってご存知ですか?auとSoft Bankの公式サイトで美容院やスクールを紹介する情報系サイトなのですが、実はクリニック情報もあり私達も掲載されています。


一昨年の9月から始めたのですが、メインホームページ携帯用ホームページとはちょっと違った切り口です。ちなみに先月は2500アクセスありました。

iSpot の面白いところはクチコミ掲示板があり、ここに書き込みをするととポイントが貯まる事です。あまり宣伝していなかったので書き込みが少なかったので、ここで宣伝です。


またiSpotにはインタビューやコラムもあり、私も全部で6本提供しています。以下にリンクを貼りましたので、ぜひご覧になってみてくださいね!PCからも携帯からもアクセスできます。
  1. Dr.インタビュー
  2. インプラント直前チェック・10
  3. 発表!間違った歯磨き Top 3
  4. ディズニーランドにある歯科医院とは!?
  5. 割れるボタン、壊れる前歯
  6. ホワイトニング直前チェック・10

2010年2月6日土曜日

ハチミツレモンで歯周病撃退!?

以下の文章は、3年前に書いて患者さんに配ったモノです。

「納豆ダイエット」と題し、捏造問題で廃止になったテレビ番組がありましたよね。その時に私は「あ〜、またか〜」と思い、一気に書いたものなのです。たまたま書類を整理していたら出てきたのですが、今読んでも面白いのでこちらにアップいたします。

健康ってのは解りにくい事なのですが、ウケ狙いをしようとするとろくな事がないという事です。皆様が何かを考えるきっかけになれば幸いです。

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納豆でダイエット、ハチミツレモンで歯周病撃退?
~テレビと私の冷めた戦い~ 

以下は八年前にあった実話である。最近の事件と関わりがあるので、この機会にご紹介したい。電話の相手は懇意にしている臨床検査会社の営業の方からである。

営「先生すみません、ちょっとお願いがありまして。」

私「ハィハィ、何でしょう?」

営「実は私の友人にテレビの制作会社の者がいるのですが、制作に協力してくれる歯医者を探しているんです。」

私「ほー、で何をしたら?」

営「ハチミツレモンが歯周病に効くという話をして欲しいそうです。」

私「・・・・????」

営「いや、内容を聞くとですね、唾液を顕微鏡で見て、動いている細菌にハチミツレモンをたらすと細菌の動きが悪くなる所を先生に見てもらい、一言『あ、効いていますね』と言って欲しいのだそうです。専門家でなければ信憑性がないので出演していただける歯科医師を探しているというのです。」

私「おぃおぃ、そんなデタラメ言わんでくれ、だいたい歯周病原菌は歯周ポケットの中に居るんで、唾液中にはほとんどいないぞ。何か見えたらそれは他の菌だろう?」

営「はぁ・・・」

私「ハチミツレモンてことは、たぶんクエン酸の事だろうが、別に何をたらしても細菌の動きは鈍るだろうね。時間を置いたってなるだろう?」

営「そ、そ、そうですよね、で、その撮影を水曜日の二時から四時までの間でお願いしたいんだそうで・・・」

私「あさってじゃない、もう患者さんの予約入っているよ。」

営「放映は金曜日のお昼だそうです。」

私「お昼って、あぁ、あの番組?ひどいね、こんな事やってていいのかねぇ?だいたい何で自分の考えじゃない事を言わなきゃならないわけ?」

営「で、先生ダメですか・・」

私「あたりまえじゃないか!」

 

以上は私自身がいいかげんな番組制作会社に利用されそうだった時のやり取りである。

このような事もあり、私は健康番組や雑誌などはいいかげんな造りのものが多いと思ってきた。あれから八年、そのいいかげんさはさらに進化していたようである。今回の納豆ダイエット捏造事件にしても、私自身が毎朝納豆をかかさず食べているのにもかかわらず、件の番組が言う効果が全く現れていない事もあり、最初から冷めた目で見続けてきた。

健康番組や雑誌にはよく「○○に効く!」という薬事法抵触寸前の魅力的な言葉が並ぶ。そしてその言葉に人々はついつい惑わされる。冷静に考えればそんな事はありえないのだが、人々の嗜好は短絡的で結果を早く求める傾向にあり、悪質な番組はそれをあおる事でスポンサーフィーを得ている。

だいたいそのような革新的なネタが毎週々々上がってくるはずがない。件の番組は十年間も続いてきたそうだが、人気番組なだけに打ち切りもできず、視聴率をとるために意味のない芸能人をゲストに迎え、大げさなリアクションを繰広げる。ネタ切れをカバーするために捏造も日常茶飯、先の私の経験からしても低レベルの番組がやりそうな事である。

ひどいものはまだある。いわゆる「名医リスト」だ。本当に名医かどうかは実は関係なく、ネットや電話帳で適当に抽出した医療機関に電話をし、お金を払ってくれたら名医としてリストに載せてあげますよと掲載を迫る。信じられないかも知れないが、これはかなり普通にある。一件一件きちんと取材して造られたリストにはめったにお目にかかれない。

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しかし制作する側が悪いのは当然として、それを受け入れる視聴者側はどうだろう。臨床の現場から言わせてもらうと、専門家の言うことを信じずテレビや雑誌の言う事の方を信用する人達があまりに多いと感じる。

日々の診療で、誤った知識を持って訪れる患者さんは多い。歯を抜くと内蔵に悪いとか、虫歯を薬で治してくれとか、インプラントは体に悪いとか。一番多いのは○○を使えば歯周病が治るというものだろうか、どこで吹き込まれた嘘かは知らないが迷惑な話である。一度このような甘い言葉を囁かれた患者さんへの反応は本当に悪い。人の心はいつも楽をしようとする方に傾くものだ。正しい治療法が辛い事なら、なおさら逃げ出したいものである。

確かに専門家の言うことは難しく解りづらいかもしれない。特に歯科ではその内容は地道な努力を促す事が多く、治る代りに何かしらの努力を必要とする。患者さんも一対一でしゃべられると緊張もするだろうし、場合によっては怒られているように聞こえるかもしれない。しかしそれを説明する我々にはその人の未来を踏まえた真剣な話をする責任がある。

一方テレビなどで紹介される方法は地道な努力など見向きもされず、手軽で即効性がありそうなものが紹介される事が多い。そしてその効果が無くとも責任問題になるような事は無かったので、そうとういいかげんな話が野放しにされてきた。しかし今回は違う。度が外れすぎていた事もあろうが、とにもかくにも健康番組に社会責任の自覚を促すきっかけは出来たようだ。

専門家が患者さんに伝えなくてはならない事は辛いものも多い。しかし都合が悪いのは長い人生の一時期であり、長期的には大きなメリットとなって還ってくるものばかりである。そのような事を理解し実行に移せる人がいわゆる健康の勝組として快適な老後がおくれるのである。

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さて既に納豆騒ぎは一段落し、スーパーから消えた納豆は今また棚に並んでいるらしい。納豆業界もいいように振り回されかわいそうだなと思いきや、どうやら事件の発端は納豆業界の一部の人と大手広告代理店が納豆の売上げ増を仕掛け、制作会社はそれに従っただけらしい。

大手スーパーには番組放映予告前に、既に納豆の発注量を増やすよう促されていたという。納豆は受注生産なので、放映直後では需要に応えられないからだ。実に用意周到にしかけられたこの作戦、はたして八年前のハチミツレモンもそうだったのだろうか。

テレビ局には「自分が世の中を動かしている」と錯覚している人が大勢いると聞く。であるならば、地道な努力が最も大切と訴えていただきたいものである。少なくとも歯科治療とはそういうものである。

またそのような番組はつまらないし視聴率をとれないなどと言うスポンサーがおられるなら、テレビが日本人をバカにしたなどと言われないよう即刻退場願いたい。

さて、はたして今回の捏造事件を機にテレビは、健康番組は変われるのだろうか。専門家の言うことよりテレビの言うことの方を信じる、長らく続いてきたこの図式は改まるのだろうか。これからも健康番組からは目が離せそうもない。

なお、文頭の私が断った取材は別の歯科医師が引き受け、本当に放映されたそうである。そして当時のお昼の番組の司会者は今、朝の報道番組で今回の事件を激しく批難している。

2010年2月5日金曜日

「安心」誌の記事を全文掲載


12月3日にお知らせした「安心」誌2010年1月号の記事、けっこう評判いいんです。で、あのまま記事の中だけで終わらせておくのはもったいないので、ホームページに転載できないかとマキノ出版さんに頼んだところ快いお返事がいただけました。ちょっと修正してこちらにアップしました。


誌面はモノクロでしたが、こちらではカラーでごらんいただけます。また写真をクリックすると大きな画面になります。

気がついた方もおられるかもしれませんが、この写真は実はYouTubeにアップしたVideoCastの一本目なんです。動画も合わせてごらんになってください。