2010年12月18日土曜日

さらば2つのレントゲン (2) PLANMECA ダイマックス

こちらからの続き、レントゲンの思い出です。


歯科界のスーパーブランド、フィンランドのプランメカ社のデジタルパノラマレントゲン、プロラインダイマックス。5年前に導入したこの機械がどれほど私を助けてくれた事でしょう。

それまでのアナログ仕様のパノラマレントゲンは、私が先輩から居抜きで買った設備のまま。高額医療機器であるパノラマレントゲンを新しく買う余裕は私にはありませんでした。

良いものをメンテナンスしながら永く使ってゆくのが吉田歯科診療室のコンセプト、その機械も修理しながらがんばって使ってゆくつもり、、、だったのですが、どうもこれがうまく行かない。「良いもの」とはちょっと言いがたいものだったようです。

管球はしっかりしているものの、他がすべてガタガタ、可動部分はキーキーいい、アライメントは狂いやすく、椅子は不安定で患者さんが落ちそうになる始末。アナログですから現像も不安定で管理もたいへんです。インプラントの比重が高まるにつれてこのままではダメだと思い、設備を新しくする必要に迫られていました。

当時はまだ価格的に歯科用CTにはとても手が届かず、レントゲン室の大きさにも制約があり、さらには移転が難航していたこともあり、安定した品質のデジタルパノラマレントゲンを購入する事にしました。


数社を巡って最終的に決定したのがこの機械、国産に比べて多少高価ではありましたが、満足度はまさに120%、写りは本当に最高で当然画質も安定、文句のつけようがありません。

機種選定のために自分自身を被写体として試写し、比較検討した結果ですから当然です。実はもっと安価な国産機もたくさんあったのですが、試写してみると???な画像ばかりでカタログにあるような美しい写真がまったく撮れない、これでは意味がありません。そこで選んだのがこの機械でした。

設計の古い機械ではありましたが、熟練のメーカーの凄みを感じる機械で「おー、最新式ですね!」と驚かれる患者さんの多いものでした。すでにその頃次世代機が出回っていたのですが。その最新機種は残念ながら大きさの関係で設置ができませんでしたが、もし移転が早まりその機械を買っていたなら、今またぜんぜん違う事をしていた事でしょう。

古いパノラマレントゲンを騙し騙し使っていたのとは訳が違い、美しい画像がスパスパ出てきます。デジタルの一番のメリットは患者さんに直ちに大きくして見せてあげる事ができるです。顕微鏡からのライブ映像と合わせて、私たちの意図がお伝えしやすくなり、診療スタイルまでも変えてしまいました。それがちょうど5年前の12月25日の事でした。