2012年9月26日水曜日

NHK記者とバッタリ!



こちらからの続きです。

今回の大会で私が一番楽しみに(?)していたのが、日曜朝一のシンポジウム「患者目線からみた 安心のインプラント治療とは」です。

今年1月18日に放送され大きな反響を呼んだNHKクローズアップ現代「トラブル急増 インプラント  ~自由診療の陰で~」、その担当記者の米原氏がシンポジウムの一人目として登壇するわけです。これは見逃せません。

今まで伏せていましたが、実は私もこの番組制作のために取材を受けた一人です。だから皆様よりちょっとだけ情報が早かったんですね。

そのシンポジウム、正直に言えば登壇者は難のある組み合わせ。さらには会場からの質問を意図的に排除したと思われる座長の進行はまさに痛恨

実はここで一言言っておかなくてはならない事があるだろうと、質疑応答の時間に即座に挙手するつもりでいました。また同じ事を考えている人は大勢いたようで、質疑が拒否された事に終盤会場は怒りにも似た異様な雰囲気でした。

私はシンポジウム終了後直ちに別会場に移動しなくてはならなかったので解らなかったのですが、会場に残っていた方の話では終了後に米原氏を捕まえてトクトクと話をする先生がおられたそうです。そりゃそうですよね。

で私はというと、実はその前日の懇親会でバッタリと米原氏とお会いしてしまい、事前に言おうと思っていた事を先にぶつけてしまっていたのでした。だから当日は無理して質問しなくてもいいかな〜という感じだったのです。どのみち当日の質問はできませんでしたが、ある意味ラッキーでした。


さて番組放送後の反響はというと、それはもう大変。私も意見をメールしたのですが返事もナシ。「うーん、無視かよ」と思っていたのですが、それどころではなかったと弁明されました。まぁしかたがないか。。。

反響は被害(?)に遭った歯科医師からの苦情はもちろん、肯定的な意見も少なからず。もちろん市民の方からもメールやFAXがたくさん。

しかし驚いた事に歯科医師よりも反響の数が多かった職種がありました。それはなんと現場の歯科衛生士! その内容はもちろん「その通りだ!」というもの。実情を良く観ていてもう我慢ならない、声にならない声が先にマスコミに届くわけです。

講演では「インプラントが治療戦略ではなく、経営戦略になっている」という表現がありました。必ずしもインプランにする必要がない症例を、あるいはやってはいけない症例が、お金のためにインプラント治療にされているという解釈でしょう。批判は解るがしかし待ってもらいたい、歯科医師を避難する前に考えてもらいたい。

いかなる治療も経営と一体でなくてはなりません。しかし日本の歯科医療には治療の対価が経営に反映されるのが、インプランに代表される自由診療以外にない、これが根本的な原因です。

健康保険できちんと対価が得られればこのようなトラブルはおきないわけです。インプラントラブルの根底には日本の医療システムの不備がある、それを「クローズアップ」してもらわなくてはなりません。あたかも義歯やブリッジにはトラブルが無いような騒がれ方ですが、まったくそんな事はないのです。

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番組には第二弾を期待する声が多いと聞きます。しかしこれだけ日常的に事件や問題が多い昨今、なかなか入り込む余地が無いようです。

それに米原氏、実はすでに番組担当から離れ、今は古巣の厚労省記者クラブ詰めに戻ったのだそうです。「そんな所に居ても、役所に都合の良い情報を横流しするだけなんじゃないですか?」と聴くと、そうでもないそうです。逆にそうならないように自分たちがいるとの事です。

さてこれから厚労省も学会も、不適切なホームページには積極的に警告を発するとの構えです。どうなるか期待したいものです。そして歯科医療が正当な評価が得られるよう、私たちはマスメディアと協力してきちんと訴えて行かなくてはならないと改めて思いました。

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さてコチラで書いた事ですが、ご存知でない方がほとんどだと思いますのでもう一度書きます。NHKのサイトには相変わらず重大な欠落があります。「放送した内容すべてテキストでご覧いただけます」とありながら、番組冒頭のインプランにして良かったという方の話がカットされ、いきなりトラブルの話から始まるのです。


これでは悪意を持って報道していると思われて当然です。私は2月に修正を要望したのですが、なしのつぶてです。

事情を聞くと、このサイトは別部門が造っているそうで、反映されないのだそうです。。。おぃおぃ、NHKの社員でもですか?

これはもう皆で言うしかありませんね。サイトの苦情受付はどこなんでしょう?

江戸バスに載ってみよう!


中央区が運行する「江戸バス」をご存知ですか?たった¥100で中央区内はもちろん、東京駅などいろんな所に行けてしまう、とっても便利なバスです。

患者さんに知っていただきたくフロントに「江戸バスマップ」を置いたところ、あっと言う間になくなってしまいました。今日、区役所まで行ってもっともらってこなくては!!!

写真をクリックすると拡大します

江戸バスには「北循環」と「南循環」の2ルートがあり、乗り継ぎもできます。吉田歯科診療室から近いバス停は、電通前にある「祝橋」か「東銀座駅」。

中央区が誇る数々の観光名所
写真をクリックすると拡大します

中央区は見所がたくさんあります。診療にお越しになるついで(?)に載ってみてはいかがでしょう?詳しくは下記をご覧ください。バスってけっこう楽しいですヨ!


中央区コミュニティバス(江戸バス)運行情報

インプラントチェックリスト・インプラントカード


こちらからの続きです。

今回の大会では、去年からお話している懸案事項「インプラント治療のためのチェックリスト」が配布されました。すでに4月に発表されていたものですが、改めてその重要性を示しています。また埋入したインプラントのメーカーやサイズを記入して患者さんにお渡しする「インプラントカード」も大量に配布されました。

このチェックリストは表面が【初診時:適応症であるかのどうかの評価】、裏面が【検査後:インプラント治療前の評価】となっています。

それぞれの項目に【問題少】【問題有】のチェックを入れて行きます。必ずしも全ての項目にチェックを入れなくてはならないわけではなく、必要に応じて調整します。

私は個人的に項目を羅列したものを使っていたのですが、自分自身あまり重要視していなかった項目もあり、たいへんありがたく思っています。

その一つに【期待度】という項目があります。予想される治療効果と患者さんの期待度とのギャップについての評価です。不適切なホームページが横行している事もあり、誤った情報に翻弄され重大な誤解をされている患者さんはインプラント治療に限らず普通におられます。あまりに期待度が高いまま施術すると、現実とのギャップにクレームがでる可能性が高いからです。

しかし最初からインプラント治療を希望していらっしゃる患者さんがどれほどおられるのでしょう。私たちの場合は逆にインプラント治療をこちらからお勧めする方が多いのです。この場合は期待度ではなく【恐怖心度】とか【半信半疑度】なんて感じになると思います。

このチェックリストはおそらく大学病院や口腔外科専門の先生が中心になって造ったもの、開業医の実情からはちょっと離れている所もあるのです。

逆に開業医と言えどもきちんと実行しなくてはならないのが、血液検査等の評価です。直近に検診があればそのデーターで良いのですが、そうタイミング良くあるものでもありません。ですから近隣の内科さんと連携したり、歯科医院で採血ができる体制が必要です。以前にも書きましたが歯科医院で採血ができるところは非常に少ない、そこをどうするかが課題になります。


さてこのチェックリストの前降りとして、学会では「治療指針」を発行しました。もちろん良く出来ています。しかしこの内容を機械的に当てはめても、短絡的な感情指向に慣れてしまった患者さん・マスコミ・社会に訴えて行く事は難しいと思います。歯科医師一人一人が夢と希望を持って語り、確かな技術を還元して行くしかありません。

しかしこのチェックリストが公開された事で患者さんも医療に対する理解が深まり、少なくとも「初診即時インプラント」なる非常識な施術が行われなくなるでしょう。このチェクリストを自分なりにアレンジして活用して行こうと思います。作成にあたりご尽力いただいた先生方に感謝いたします。


2012年9月25日火曜日

第42回 口腔インプラント学会に行ってきた

今年も行ってきました、日本口腔インプラント学会。場所はお馴染みの大阪国際会議場です。


インプラントの上部構造が大阪城!!!というぶっ飛んだデザインはさておき、テーマは重いです。「インプラント患者目線での安心医療とは」、、、です。

昨年末から頻繁にお話しているように、インプラント治療に関わるトラブルが表面化している事から来たテーマである事が誰にもわかります。

【Blog:歯界良好】

基調講演や理事長講演はそれを反映した内容であることは当然、それ以外にも「インプラント治療における情報提供を考える」「インプラント治療従事者が理解しておくべき倫理観」など、今までなかった講演が並びます。

学会といとどうしてもテクニカルな話が前面に出てしまいます。高度な知識や技術を学び情報交換をする場ですので、内輪の自慢大会のような感じになってしまいます。それが医療の閉塞感を助長し、患者目線で物事を考えられなくなってしまう原因になっています。

医療はやはり技術論が先行します。そのためあまりに一方的になりすぎて生活者から離れた存在になりやすい、これは専門性の高い分野の共通した問題点です。政治なんかも同様です。

特に歯科医療は自営業者のような形態が多いせいか独善的な治療が横行しやすく、そこに自分にだけ都合の良い勝手な理論が入ってくるとトラブルになるわけです。第三者機関が必要な理由はそこにあります。

そこで、と言ってよいのかどうかわかりませんが、今回の学会のような取り組みが必要になります。厚労省が著しく不適切なホームページに対し警告をすることも発表され、状況は大きく変わる事は間違いありません。

【厚生労働省】

さて、学会で見聞きした話を小出しにして行こうと思います。


2012年9月24日月曜日

サイン本、いただいてしまった(^o^)


先月ご紹介いたしました書籍「僕は、だれの真似もしない」。なぜかアクセス数が増えておりまして、実は出版社さんがご覧になっていたようです。怖いですね〜、もちろん承知の上で書いているのですが。

で、さらに驚いた事に著者の前刀さんはウチの患者さんのお友達という事がわかりました。私の話題が出たそうで、サイン本をいただいてしまいました。ものすごーいウレシいです!

2012年9月6日木曜日

新作歯ブラシ ハローウィン仕様


前伝のように、夏仕様歯ブラシの在庫一掃セール中。そのワケはこの「ハローウィン仕様」が入荷したからなんですね。5種類あります。皆さんはドレをお使いになりますか?ちょっとプレゼントにもいいですね!

こんな歯ブラシを使って、今日も楽しくまいりましょう。


2012年9月5日水曜日

特売!夏バージョン歯ブラシ


こちらでもご紹介した、あの夏バージョン歯ブラシですが、売れ残ってしまった!!!

別に賞味期限はないのですが、既に秋バージョンが入荷したため、なななんと3本で¥210の破格でお分けいたします。4組限定です!



2012年9月2日日曜日

医療とブランディング


ちょっと遅い夏休みをいただいておりました。といっても診療が休みだっただけで、資料整理や学会の仕事など、普段なかなかできない仕事をさせていただきました。

さて目を通していなかった資料やメールを仕分けして思ったのは「誇大評価した自己紹介文」が非常に増えて来た事。そして「そのような文章を書く事を教えるセミナー」がけっこう人を集めている、つまり「いかに自分をブランディングするか」が加熱していることが伺えます。

例えば、、、
  • 〇〇の分野で特異な能力を発揮し、次々と奇跡を起こし続けている
  • 数々の伝説を造り上げ、顧客から絶大な支持を得ている
  • 〇〇のカリスマと呼ばれている
と、歯が浮くような(?)文章が平気で並ぶのです。ちょっと長い文章になると、、、
  • ダメ社員だった私がなぜ年商5億円をあげる事に成功したのかを公開します
  • 劣等感の固まりだった私をここまで変えたある習慣を今だけお教えします
みたいな。おそらく過去と現在の落差を強調し共感を誘う手法だと思うのですが、たとえ本当だとしても私はこのような事を言う人達とは距離をおきたいと思うのです。

しかしそのような人、もしくはそのような文章を読んでも何も違和感を覚えない人が患者さんとしていらっしゃる時代に、自分はどうあればよいのか悩んでしまいます。

また困った事に、上のような文面に近い表現をしている歯科医院さんが本当におられます。これでは厚労省がホームページ規制をかけてきて当然です。

【厚生労働省】

【m3.com】

なぜ医療機関ではそのような表現をしてはいけないのか?おそらくこの問いには誰もが答えられると思います。上記の自己紹介文にはかなりウソが含まれているからです。

必要以上に自分を大きく見せたい、そうでなくてもそれくらいの事は許されるし、真に受ける方が悪いくらいにしか思っていないわけです。

私は一頃異業種交流会というものにずいぶん顔を出しており、いわゆる「自分プレゼン」というものをかなり体験してきました。コーチングや自己啓発・経営セミナーなどが急激に増えだした時期でもあり、そのような肩書きの名刺がたくさん集まったものです(今もそうですが‥‥‥)。

当時そういう集まりに顔を出す歯医者は珍しかったのか、私の職業を知るなりアプローチしてくる人が少なからずおられました。しかし話をしていると「付け焼き刃」の知識だけの人は、素人の私でもすぐ解ります。たとえ需要があったとしてもこの人には頼みたくないなというのがほとんど。

十数年の時を経て、今この状況はますます加速しています。その手のセミナーはだれかの二番煎じかもしれませんが、決して悪い事ではありません。しかし競争も激化している。だからこそ彼らにも「自分ならでは」のブランディングが必要となり、それが行き過ぎになっているのではと感じます。

それにしても嘘に近いセールストークが幅をきかせていることに危うさを感じます。「この前の講演会が大成功で!」と言っていながら、主催者から全然そんな事はなかったという話を聞く事があります。自分を大きく見せたいがために、そのような事を平気で言う人は確かに昔から存在するのですが。

よく考えるとそういう人達の仕事は、たとえうまく行かなくてもそれを他人のせいにする事ができる逃げ道が用意されています。そんな人が医療のブランディングの話を薦めて来る時代です。

医療には確実な話は一つもなく、不都合な真実も含めて真摯に可能性について話すしかありません。お互いに不本意な結果になる事は想定内。なのに周りからは完璧を求められる。結果患者欲しさに自分を大きく見せる人もいるのです。

医療機関を選ぶのも非常に難しい時代です。しかしあまりにブランディングされた臭さに溢れたホームページくらいは見抜けるよう、患者さんには冷静になっていただきたい。企画されたブランドではなく、当事者の熱意から来る実績と共に湧き上がって来たブランド以外、医療には不要だと思うのです。

医療はやはり特殊な商売(?)で、他業種との感覚は今まで以上に開いて来たと感じるのは私だけでしょうか?

2012年9月1日土曜日

夏の新潟 2012

9月になってしまいました!ちょっと遅い夏休みをいただいており、一日だけ新潟の実家に帰省していました。写真の羅列ですが、お楽しみいただければ幸いです。画像をクリックすると拡大します。



















さてこれから東京に帰ります。たった2時間ですが。明日は休日診療当番です〜