2013年12月31日火曜日

平成25年大晦日


今年も残す所あと数分、師走とはよく行ったもので、12月は本当に慌ただしくてあまり好きではないのですが、しかし12月31日というのはとても落ち着いた一日で大好きです。

一年何があったかなぁと、そんな時にはこのブログやfacebookを見てみると面白いですね。

今年は診療以外にも原稿の量が多く、けっこうたいへんでした。特に久しぶりの英文の原著論文は応えましたね(笑)

そのせいもあり、ブログの更新がおろそかになったのは反省です。来年はもっと発信力を強くして行こうと思います。

皆様、良いお正月をお過ごしください。

「若しゃん会(宮崎)」に行ってきた


12月1日に「若しゃん会」という宮崎の若手の先生が運営する勉強会に招かれて、初めてかの地に行ってきました(もう一ヶ月経っちゃいますが…)。

内容は顕微鏡治療の話で、巨匠こと三橋先生との初コラボ。実は私は顕微鏡関係で数時間の話をするのは初めて、しかも学会以外で顕微鏡の話をするのも初めてなんですね。レーザーやインプラント関係ではいろいろ話をする機会はあったのですが、自分自身初ネタに近い事。しかも初コラボはやっているこちらも勉強になります。

講演は日曜日なので、前ノリして金曜の夜から宮崎入りしたのですが、その夜から現地の先生にはたいへんお世話になり、たいへん美味しいものをいただいたり、土曜昼は観光に連れて行っていただいたりと、ものすごくお世話になってしまいました。




宮崎と言えば、一時期知事さんが先頭に立って郷土をしっかり売り込んでいた事で有名ししたが、地鶏以外にも素晴らしい料理がたくさんあり、感動です!



到着した金曜夜は非常に寒かったのですが、さすがに土曜は暖かく気持ちよい観光ができました。

肝心な講演ですが、九州一円から多くの先生が集まり、ちょっとビックリ。実は以前顕微鏡関係の講演があったときは3人しか集まらなかったそうです。

しかし企画や広報をきちんとやれば人は集まるし、東京以外で顕微鏡の普及は難しいと言う人の考えはやはりおかしいなと感じました。

さて来年はこのノリで顕微鏡未開の地と言われる沖縄でできないかという野心的(?)な話もチラホラ。良い治療の普及のために、まだいろいろやれる事があるようです。

来年は4月に博多で顕微鏡歯科学会があるのですが、その打ち合わせもできてたいへん有意義な時間を過ごす事ができました。宮崎のみなさん、とくに土田先生と岡先生、ものすごくありがとうございました!

2013年12月15日日曜日

メディアリテラシー

ここ数年で何倍にも増えたような気がするのは私だけでしょうか?マスコミやネットのせいだとは思うのですが、とにかく自分に都合の良い解釈を押し付ける人が増えています。

過去にもこのような事がありましたが、、、

【Blog:歯界良好】

いわゆるヤラセも同じで、人の意見を訊きにくるのではなく、最初から答えを用意しており、それに都合の良い事を言ってくれる人を捜しているわけです。これでは取材と言えません。

実は先週とあるサイト掲載の診査で「マスコミの取材をどう思っているか」と訊かれ、以下のように答えました。

「みんな答えを最初から用意しており、記事になるのに都合の良い事を言ってくれる専門家を探している。答えが合っているのなら良いが、そのような事は少ない。」

それを聞いてその方から「ハィ、全くその通りです。これで診査は合格です」と言われました。面白い会社だなと思いましたが、どうも皆そう思っているようです。しかし改善される事はないでしょう。

同じような事が患者さんにも起きています。例えば神経はもう無いのに「神経を残す治療をしてください」とか、適応を大きく外れているのにも関わらず「コンポジットレジンだけで治療してください」とか。

マスコミやネットで見た断片的な情報を元に自分で勝手に診断して治療方針を決めて来る、都合の良い事を言ってくれる所を探しているわけです。

なぜ人はこうもマスコミやネットに弱いのでしょう?最も知識があり現状を把握している専門家の意見を聴こうとせず人の言った事に振り回される、今に始まった事ではありませんが、発信者にエンターテイメント性を強く求めると物事は歪曲します。しかし愚直に発信するだけでは、誰も見向きもしてくれないでしょう。

最近メディアリテラシーという言葉を良く耳にします。情報を評価し見極める能力の事です。このような言葉が生まれる事が、そもそも皆が目利きできなくなっている証拠ではないでしょうか。もちろん私も含めてです。

今日情報は自由に入り、その判断も自由です。しかし自由とはそもそも責任の上に成り立っているものではないかと思います。無責任な発信や無責任な解釈、これらの解消にはひたすら時間をかけるか、現実を見せてあげるしかないと思います。

診療においては私たちはできるだけそのような事を心がけています。一方的な思い込みは非常に危険で、自分だけでなく他人にも迷惑をかける事になります。メディアも患者さんもどうか時間や心に余裕を持ってお越しいただき、私たちを目利きしていただきたいものです。

ウェアラブルこそ医療現場に

年末になり、いろんな所で来年以後の展望が聴かれるようになりました。

みんな好き勝手な事を言って、いや失礼、それなりに仕事で真剣なのでしょうが、なんかそういう仕事をしている人を時々羨ましくなったりします。

さてそんな中、野村総合研究所が先月末に出した「2018年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望」という資料を見せてもらいました。そこには「ウェアラブル端末は2018年には475万台」とあります。すごい数です。

しかし私の周囲は「あんなカッコ悪いものがそんなに普及するはずがない!」と異口同音に唱えます。確かにその通りで、グーグルグラスなんてあのまま外に出たらどんなに奇麗な女性でもヘンな奴な人にしか見えないし、サムスンのギャラクシーギアもあれに向かって電話はしたくありません。ウルトラ警備隊になってしまいます。

だけど私はこの数字はあながち間違ってはいないのではと思っており、非常に有望な市場があると考えています。それが医療の現場です。

外科手術現場の新しい視野

ウェアラブルではありませんが例えばこのサイト、既に外科手術室にはiPadが入っており、大きな成果を挙げているとあります。さらにグーグルグラスなら手術中に患者さんの血圧やレントゲンを表示させたりできます。病棟回診中にギャラクシーギアがあれば院内での連絡は相当徹底されるでしょう。

その他、建設現場や研究室・厨房など、ウェアラブル端末が入り込む市場は非常に大きいと思います。ジャーナリズムはどうも個人消費や私生活にしか焦点をあてていないようですが、それはずいぶん狭い話だと思います。

野村総研がそこまで読んで予想したかどうかはわかりませんが、医療の現場は改善の余地が山のようにあり、遅れている分野だと思います。私のように個人経営の診療室ではなかなか導入が難しいのですが、ウェアラブル端末はいずれ視野に入ってくるでしょう。

13インチクラスのiPadが開発されているとの噂があります。そんなデカくして使う奴がいるはずないと言うジャーナリストが多いのですが、あれは病院でこそ必要な大きさだと思います。実は今私たちもカルテシステムをFilemakerに移行しようと実験中なのですが、現行iPad Airでもまだ小さいと感じています。

しかし来年はその新しいカルテシステムをなんとか稼働させ、皆様に解りやすく敏速な説明ができるようがんばります。

ところで、上記の横浜市立大学の先生、私と同じ名前ですね。珍しい!

治療なんて、もうこれを最後にしよう



歯の治療はどうしてこうも再発を繰り返すのか、治しても治しても悪くなる、苦労して治しても意味がないのではないか。お金をかけてもどうせ無駄、そう思う方は少なくありません。

たしかに一度治療した歯は、むし歯の再発を繰り返しやすい、事実私たちの診療室でも再治療や再々治療の割合は非常に高くなっています。

理由はいろいろありますが、その中に「原因を考えずにただ穴埋めなどの修理工事をしただけだから」というのがあります。

物事には必ず原因があります。なのに原因の解決もせず、そのまま修理を進めてしまっては再発はすぐおきます。

ところがその原因を知るのはなかなか難しい、しかも歯の場合それに気がつく事もまずありません。どうしたら知る事ができるのでしょう。

今、私たちは全ての患者さんに顕微鏡とビデオ眼鏡を応用した、お口の中の実況生中継を行っています。これが「ライブ」と呼ばれているものです。



同時に事前に印刷しておいたお口の中のカラー写真とレントゲンに、ライブでお話している内容を、すなわちお口の中の状況をペンで記入します。これらをまとめて一冊の資料「お口の診断書」を造るのです。

このライブでご自身のお口の中をご覧になった方で、驚かない方はおられません。


「磨いているのに、ぜんぜんプラーク(歯垢)が落ちていない」

「冠を被せてもらったが、これほどにも隙間があいているものなのか!」

「歯ぎしりで自分の歯を壊しているなんて気がつかなかった」

などなど。

磨けていない状態で治療が進められてしまっては、結果は悪くて当然です。しかしそれが普通に行われている事なのです。

たとえ歯科医師がそれを知っていてもお伝えしないのは、伝える方法もないし、口で言っても理解してもらえない、さらには健康保険はそもそもそのようにできていないなど、現状ではとても改善するように思えません。


一般的に、治療は治療・予防は予防と分けて考える方が多いと思います。保険診療もそのような考えでできています。しかし私達はそれではうまく行かない現実を見ています。

たとえば虫歯を削って型取りをする治療があります。型取りは正確に行わなくてはなりませんが、しばしば不完全になります。

特に歯茎に近い部分の型取りは、歯肉付近についたプラークや歯肉からの出血の影響をまともに受けてしまいます。

さらに深い虫歯にもなると虫歯は歯肉に埋もれます。このとき歯肉に炎症がちょっとでもあると、触った瞬間に出血してしまいます。これでは型取りはうまく行かず、接着剤も乗りません。皆様が期待する良いものはできないのです。

ではどうするか、実はそんな事を気にせずに進めて行くのが普通の治療で、その結果が「再発」なのです。

私たちはいつも顕微鏡を使っています。ですからそのような不備を未然に知る事ができます。そしてビデオ眼鏡を通し、リアルタイムでお伝えする事ができるのです。「これではうまく行かないですね」と。 

✥✥

私達の治療は、まず患者さんが治療に参加してもらえるようになっていただく事から始まります。ライブで改善点をお伝えした後、歯ブラシの方法を細かくお伝えするのです。これではじめてきちんとした治療がはじめられます。

ですから「歯磨きの話はいいから、早く治してください」という要望にはお答えできません。原因が解決していない状態では治療を進める事はできないのです。

また「歯肉は他の医院で治療するのでやらなくてよいです」というのも困ります。私たちが考える歯磨きの方法や歯肉改善のレベルは、ほとんどの場合他の歯科医院さんの考えとはずいぶん違うからです。

最近大きな問題になっているインプラントトラブルも、実は歯が磨けていない患者さんにいきなり適用したために生じたものが多いのです。

原因を除去してから治療を始める、こんな当たり前の事が、歯の治療ではなかなか難しかったのです。しかし今はそれができる時代になり、それが実現すれば治療は軽快になるのです。

歯ブラシをきれいに届かせる力を身につけるには、ある程度の時間が必要です。また人それぞれに習熟の時間が違います。ですから治療が終わるまでの期間は人それぞれ違うし、コストも変わります。

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックのスタッフは、全員有資格者である「歯科衛生士」、そして「秘書検定」合格者です。それだけ歯ブラシの重要性をお伝えすることに時間をかけているという事です。

「治療は医者がしてくれるもの、自分は何もしなくても口を開けていれば治してもらえる」というわけではありません。良い治療のためには、患者さんが積極的に治療に参加してもらう必要があるという事なのです。


私たちはみなさんにそんな方になってもらいたくて、毎日いろんなお話をしているのです。


2013年12月6日金曜日

1月11日(土)はオープンセミナーへ


次回のオープンセミナーのお知らせです。

よくある話ですが、ある歯医者さんに行ったら「歯を抜いてインプラントにしましょう」と言われ、他の歯医者さんに行ったら「まだ使えますよ」と言われ残してもらえた、けどその歯は結局一年でダメになって抜く事に。

この時に二つの考え方があります。一つは「なんだ、どうせダメになるならサッサと抜けば良かった」、もう一つは「一年使う事ができたんだから、ありがたい話だ」。あなたはどちらでしょう?

誰でも歯は抜きたくないもの、使えるものなら無理してでも使いたいと思う事でしょう。しかし無理をすると思わぬ落とし穴が待っています。しかし可能性があるならば、それにかけてみたいもの。どちらが良いのか、実は私たちも判断に苦慮するものです。

そして同じような事が「神経をとる・とらない」という時にも言えるのです。最近は顕微鏡や自由診療の普及で選択肢が非常に増えてきたのですが、人間の体は機械のように結果を約束できない事に変わりありません。

次回のオープンセミナーではこのような「人生の岐路」のような重大な決断の仕方(?)について、実例を交えてお話しようと思います。

オープンセミナーは吉田と関わりのある方に少しでもトクをしていただきたいという一心で無料で行っているものです。ぜひお友達お誘い合わせのうえいらっしゃってくださいね。



Open Seminar vol,53

「神経をとる・とらない」や「歯を抜く・抜かない」はどう決まる?
気になる歯の運命分かれ道!?

日 時:平成26年1月11日(土) 17:45〜19:00

場 所:吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック
    (東京都中央区銀座3-11-16 銀座Saliceビルディング2F)

    入場無料  録画・録音・撮影はご遠慮ください

オープンセミナーとは

私達は皆様に知っていただきたい事がたくさんあります。それはあなた自身の未来に関わって行く大切な事だからです。

たとえば治療を少しでもスムースに進めるために、効果を長持ちさせるために、いろいろなお話をしなくてはなりません。しかし限られた診療時間内ではなかなかお伝えする事はできません。

そこでこのオープンセミナーでは1時間ほどのまとまった時間を用意し、どうしても知っておいてほしい大切なお話をしています。フロントにある大画面テレビに映る貴重な画像があなたを釘付けにします。

オープンセミナーは吉田が平成7年より続けている健康創造事業の一つです。お友達お誘いあわせのうえ、ぜひ一度遊びにきてください。