2010年5月23日日曜日

巧みの逸品 エレベーター

エレベーターと言っても、あのエレベーターではありません。


この見るからに怪しげなモノ、実は歯を抜く!ためのエレベーターという道具です。そんなものをいちいちblogに載せなくてもとお思いでしょう、しかしこれはタダモノではありません、感激ものです。


2年ほど前、とある外科系の学会にでかけていた私に先輩から電話があり「展示会場に良いエレベーターがあったら教えて!」との事。ふだんエレベーターなんて気にもかけていなかった私ですが、改めて物色してみると、それはそれはいろんな形のものがあります。

で、私が目を着けたのがこの写真、ドイツUSOTOMED社のもの。一目見ただけでピンと来ました。これはイイゾ!その場で写真を撮ってメールで先輩に知らせると、すぐに発注してくれとの事。

その後先輩と話すと、これが本当に良いらしい。とにかく手に馴染む、力をいれずにスッと抜けると言うのです。フフフ、私の目には狂いはなかったと嬉しくなります。

抜歯に限らず歯科の治療は無駄な動きはせず、スマートにささっと行いたいものです。その方が早く、痛くなく、患者さんも私達も楽なんです。鈍ければ逆に痛いんです。道具は大切です。

ところが先輩曰く、あまりにこのエレベーターの使いこごちが良いので他の先生がこればかり使い、消耗が激しいと言うのです。自分が楽しみに使おうと思った時にはすでにボロボロ、もう一本買うと。ソコマデイイノカ・・・

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ならばとういう事で、私も一本揃えててみました。うーん、なるほど、いいです。



下段がずっと使っていたエレベーターで、実は先輩のお下がりです。上段がUSTOMED社のもので、ナス型のグリップが手の掌に馴染みます。そして人さし指の位置がサッと決まります。こういうのを人間工学的に優れていると言うのでしょう。

しかし改めて考えると、お下がりのエレベーターは手入れは全くしていませんでした。というより、手入れをしている人はほとんどおられないと思います。必要性そのもが重要視されていないだけでなく、専用の特殊な砥石が必要だからです。

で研いでみると、あーやっぱり全然違います。良いものをメンテナンスしながら永く使うという私達のコンセプトを思い出させられます、恥ずかしいです。

しかしこのグリップ感だけはどうしようもありません。ドイツ人の方が手が大きいと思いますが、この馴染みは不思議です。直接手に触れる部分の探求心は、日本人はまだまだなのではないかと思います。モノヅクリ大国ニッポン、まだまだやる事はいっぱいあるぞ!

なおUSTOMED社の製品、日本ではオーラスさんで扱っています。小さな会社ならではの暖かみを感じる会社です。