ちょっと懐かしいモノが実家の母の机の上にあったのでパチリ。さてこれは何でしょう?
答えは「電動鉛筆削り機」! 節電が当然な今日でなくとも、こんな事に電気を使っていいものだろうかと思いますよね。手で削れよって。でこの類いのものはまだ製品としてあるのだろうかと思い検索すると、いやいや、あるんですね。驚きました。買う人がおられるようです。
この写真の電動鉛筆削り機は実は私のもので小学校低学年の頃誕生日に両親から贈られたもの、つまり既に40年が経過しています。見ての通りナショナル(現パナソニック)製で、その未来的なデザインと、当時としては斬新なターコイズブルーの本体は眺めているだけで満足感に浸れます。カッコイイ!当時テレビコマーシャルでは、
「削〜れる〜 と 光が走る!」「たった二秒できれいに削れる!」
しかしこれを見た友人のウケは最高で、皆鉛筆を突っ込んではおもしろがり、ムダな鉛筆削りをしては「スゲー!」と感動して行きます。そして家に帰ってお母さんに「新しい鉛筆がなんでこんなにもう短くなっちゃうの!?」と怒られます。そう、面白い事と相まって削りすぎてしまうのです。
その後シャープペンシルが登場し、鉛筆の役割はちょっと変わった所に移ったように思います。私はあまり鉛筆は使いませんが、実用品というよりはちょっとオシャレなデザイン用品という感じでたまに登場します。4Bくらいの柔らかいものでクロッキー帳に図を描くのはアジなものです。
今でも学生は鉛筆を多用すると思いますが、さてどうやって削っているのでしょう?かなり前の事ですが、小学生に切り出しナイフで鉛筆を削れるよう練習させたら、保護者が危ないから止めるようにとクレームをつけた事で激論がかわされました。
ずいぶんくだらない議論だと思っていましたが、そんな事が問題になるからいまだに電動鉛筆削り機なんかがあるのかもしれません。鉛筆ひとつ削るにもいろいろな方法や考え方がある、これは認めなくてはなりません。
診療でいろんな人のお相手をする私には、その人がより良くなるよう多用する価値観を許容できるようでなくてはなりません。いろんな存在は認めなくてはなりません。
幼少の私に両親がどのような思いでこの機械を買ってくれたのか、おそらくたいした意味はなかったのでしょうが、こんなことを40年後の私に教えるためではなかったのかなと、ふと思いを巡らせてしまいます。
けどやっぱり、電動は…