2009年7月6日月曜日

ラバーダムがないと困るんです


過日、雑誌の取材を受けました。詳しい事はまたお知らせするのですが、そこで話題になったのは顕微鏡とラバーダム。ラバーダムとは上の写真の緑のゴムシートの事です。これを金属製のクリップ(本当はクランプと言います)で歯にひっかけて留めます。

なんでこんなものが必要なのかと言いますと、一番の理由はゴムが歯肉を押し下げる事で歯の削りシロが露出する事です。この部分はこのままでは出血や唾液もかぶってしまい、接着剤が乗りません。また舌や頬が迫って来て治療がうまくゆきません。それをすべてこのラバーダムが除けてくれるんですからありがたい話です。

下の写真はその拡大ですが、削りシロがきっちり露出している様子が解ると思います。これがなければ治療ができないんですね。

この写真はこれからコンポジットレジンを詰めようという所です。ところがラバーダムなしで治療しても、外見上は結果がどうだったかは誰にも解りません。しかしコレがなければ絶対に接着しないんですね。つまり隙間が空くという事、ですから5年くらいで再治療になるようなケースがたくさん出てきます。

日本ではコンポジットレジン治療は「簡単な治療で安物で早くダメになる」と考えられており、健康保険でもその程度の点数しかついていません。ラバーダムも事実上使う事ができません。

どんなに大きな虫歯も、最初は小さかったわけですから、その時にこのような方法できっちり抑えられれば虫歯で苦しむ人はほとんどいなくなるのですが、現状は全く理解されていません。悔しいです。

で、さらに詳しくはコチラをどうぞ。といってもまだ造りかけですが。