2011年9月24日土曜日

マイクロスコープ初心者の疑問に答える【Dental Diamond 10月号】・1

11/26,27に行われる日本顕微鏡歯科学会のプロモーションを兼ねて、Dental Diamond さんにお頼みして対談を組んでいただきました。


スペシャル座談会
マイクロスコープ初心者の疑問に答える
高精度の診療と良好な信頼関係の構築のために

神田善姫・石川貴史・辻本恭久・三橋純・吉田格

震災の影響で4月開催を断念し、11月に向けて学会は鋭意準備中(?)ですが、プロモーションにかける資金はすでに使い切っています。新たな予算は組めません。

そこで企画したのがこの対談。出演者5名はノーギャラのボランティア、その代わりに学会の広告を掲載させていただきました。渥美様・編集長様、ありがとうございました。

実はこの手の企画は前々からやるべきだろうと考えており、来年の新潟大会に合わせてやろうかなと思っていました。しかしそんな事情で前倒しにしました。

さて顕微鏡の導入には様々なハードルが存在します。数百万の資金はもちろん、設置場所・スタッフ教育・周辺機器の整備 etc… そして一番たいへんなのは、診療スタイルをどう変えるかだと思います。

顕微鏡は肉眼とはケタ違いによく見えます。このままではイケナイと思います。そうするとやる事が何倍にも増え、それはそのまま治療時間に反映されます。保健診療のままでは大幅な赤字となり経営はできません。

しかし自由診療を念頭においた場合、もはや顕微鏡を使わない治療には疑問が生じます。そこをどうクリアするかに誰もが悩みます。

この対談ではそのための解決の糸口がたくさん出てきます。導入を迷っている方や買ったものの今ひとつ使いこなせていない方、そして後進の指導に当たる方にも是非お読みいただきたい12ページです。

2011年9月23日金曜日

その歯ブラシは本当に当たっているか?


この写真は、前回のオープンセミナーで使ったビデオの一コマです。最近はこんな映像を患者さんにお見せしていますが、患者さんにはビデオメガネをかけていただき、顕微鏡からのビデオ画像をリアルタイムでお見せいたします。ここまでやってはじめて歯ブラシがどのように当たれば良いのかがご理解いただけます。

ご覧の通り、「歯と歯肉の間」と「歯と歯の間」にきちんと毛先が入っている状況が解ります。私たちはこの位置を「スタートポジション」と呼び、これが定まらない事にはどのように歯ブラシを動かしても効果はないとをお話いたします。

特に「上の奥歯の内側」は鏡を使っても絶対に見えないため、このようなイメージを患者さんにご理解いただく事がとても大切です。

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックの女性陣は全員歯科衛生士、このような画像を見ながら楽しく歯ブラシのお話が続きます。

さあ、あなたも「磨いているつもり」の状態から「磨けている」状態に変わってみませんか?

2011年9月20日火曜日

口腔インプラント学会に行ってきた・3 チェックリスト

こちらからの続きです。

twitter には既に流してありますが、学会に参加していない方もこのニュースでご存知かもしれません。


【NHK News web】

インプラントが三流社会ネタでマスコミに取り上げられてしまうので、このような事になるのでしょうか。

本文には「治療の前に糖尿病や骨粗鬆症・金属アレルギーなど治療の障害となる持病がないかどうかを確認する」とあります。これらを公開するこれにより「初診即時インプラント」と言われるような短絡的で非常識な施術を抑止する事を狙っています。きちんと診断してくださいと言う事です。

しかし例えば糖尿病を確認するためにはどうしたら良いでしょう。問診表に正直に記載してくれる患者さんばかりではありません。隠していたり、また隠すつもりは無くとも「そんな事は歯科では関係ない」と思っている患者さんは少なくありません。気付かないまま進行している方も大勢おられます。

という事で最低限、血液検査をしなくてはなりません。直近に健康診断をされた方はそれを持ってきていただければ良いでしょう。けどそんな方は少数です。ですから内科に行って検査していただくか、こちらで採血するしかありません。

ではどれだけの歯科医院で採血ができるのか?これはまだかなり少ないと思います。チェックリストを公開するのは良いのですが、まだまだ短絡的と言わざるを得ないのが歯科の実情。患者さんにはもっと内科的な情報が歯の治療に必要な事を訴えて行かなくてはなりません。

2011年9月19日月曜日

シナモンちゃん現る

銀座にシナモンちゃん出現!と言っても、すみません、ウチのRoom-Aと呼ばれる診療室での話です。



ごらんの通り、エルビウムヤグレーザー の鍵に大きなシナモンちゃんが付きました。あ、それだけなんですが。。。

シナモンちゃんはサンリオのキャラクター商品の一つ、空飛ぶ垂れ耳系のワンコです。他にモカ・シフォン・ココ・ナッツ・カプチーノ・エスプレッソと、日頃 cafe 浸りの私を唸らせるキャラが並びます。

ご存知のように私はキティちゃんも好きなのですが、最近のあまりのスーパースターぶりに付いて行くのは実にたいへん。それに口が無く表情が「ちょん」としたキティちゃんに対し、シナモンちゃんには口があって楽しそうで解りやすい。


以上の2点は実はいただきもの、大切に使わせていただきます。え、誰からだって?それはもちろんこのお方です。キティちゃんを狙っていたのだそうですが、残念でした〜 そしてアリガトゥ!

シナモンちゃんは Room-A で皆様をお待ちしております!もちろん引き続き Hello Kity 情報もお待ちしております。


口腔インプラント学会に行ってきた・2 ガイデッドサージェリーの落し穴

こちらからの続きです。

今回一番驚いた話と言えば、ガイデッドサージェリー(注)の問題点が多数指摘された事です。ヨーロッパで発表されたその成功率の低さはちょっと「エっ!?」て感じです。70%台というのはいくらなんでも厳しすぎる判断とは思います。しかしそこまで言わなくても、うまく行かない理由が整理されてきたのは良い事です。


その前に歯科医師以外の方に、簡単にガイデッドサージェリーについて。

インプラントはそれを入れたい位置や深さを決定するために、手術の前には必ずマウスピースのようなガイドを作成します。通常は口の中を型取りして石膏模型上で造るのですが、さらに正確に造ろうとすると、CTデーターを元にコンピューターで設計されます。

こうやって造られたガイドは理屈で言えば極めて正確で、設計された位置にピタリとインプラントが入るはずです。加工料はまだまだ高いのですが、狭い所にフリーハンドでインプラントを入れるのが危険な場合や、フラップレスと言って骨を見ないで歯肉の上から直接インプラントを入れる事ができ、痛くないし簡単だというふうに捉えられています。


上の写真は私が行ったガイデッドサージェリーの一例です。設計通りの位置にインプラントが入っています。ところがいつもこうとは限らないという報告が、例えば…

  • ガイドが適合しない、つまり使えない
  • ガイドを完全に信用しきっていたのにずれていた
  • ガイドの穴とドリルはピッタリではないので、やはり少しはずれる
  • 本数が多いと深さを間違えやすい
  • 水が届きにくくオーバーヒートしやすい
  • フラップレスではインプランが歯肉を骨に巻き込む事があり成功率が落ちる
  • ガイドの穴とドリルに摩擦があり、骨の硬さの判断が難しい
  • 手術中にガイドが壊れる事がある

最後の「壊れる」というのはちょっと信じられないのですが、某大学でも3件あったとの事。これは「硬さの判断が難しい」というのと関連があるというのです。

例えば下顎の大臼歯(奥歯)では舌側(内側)の骨が硬いのですが、それがどの程度かの判断はガイデッドサージェリーでは難しい。それを無理に進めると、ドリルは柔らかい方に向いて斜めに入って行こうとします。そうするとガイドにネジレが生じて壊れる、そんな考察がされていました。

また設計とは違って骨からはみ出した位置に入ってしまったインプラントや、浅かったり深かったりと、ガイドの売り物である正確さがまったく損なわれている症例が。どれも骨を見ていれば有り得ない話。これが初心者ではなくそこそこの腕をお持ちの先生までがそのような経験をしている。何が間違っているのでしょうか?

***

結局ガイドをあまりに信用しすぎて、基本が損なわれているという意見で一致します。ガイドはあくまで誤差を見込んで安全域を確保したうえで使わなくてはなりません。

特にフラップレスでは骨の幅に余裕があるケースにのみ使うべきで、狭く細い部分は最初からドリルがずれて入る可能性があります。だからきちんと骨を見てやるべきだと。これを解決するにはガイドの穴から顕微鏡を使って骨を見るしかないのですが、そういう話は顕微鏡歯科学会でしかでてきません。

ガイドを用いたインプラント手術は安全で簡単で初心者でもすぐできるような触れ込みがあったと思います。しかしそれは大きな間違いです。さらにフラップレスは、特に熟練した人が慎重に使って始めて効果があるものです。

またフラップレスができないと判断された場合は直ちに中止し、通常の方法に変更する勇気が必要です。この場合、最初に患者さんに「痛くない、腫れない、すぐ噛める」と自信タップリに言ってしまっては引っ込みがつかず、押し切るとトラブルになります。ですから私たちは患者さんには不都合な真実を事前に説明しておく必要があります。それも止むなしと判断された場合に行われる、程度の差はあれ物事すべてはそういうものです。

毎度の事ですが、新しい技術は大いなる誤解とともに発展します。そして「簡単に見えるものほど難しい」我々が常に肝に銘じなければならない言葉ではないでしょうか。

(注) ガイデッドサージェリーと略していますが、正しくは「コンピューターアシステッド」とか「CAD/CAM」などの言葉が付きます。ここではDICOMデーターを元に設計されドリル径と一致した穴を持つサージカルガイドプレートの事をさしています。


口腔インプラント学会に行ってきた・1


今年も日本口腔インプラント学会に行ってきました。所は名古屋国際会議場、facebookからレスをいただいたみなさん、ありがとうございました。

さて本会は今や歯科系の学会としては最大規模、人の数が違います。演題が多すぎて聞けないと文句を言ってはいけません。展示も充実、いろんな方とお話しする事ができました。

いつも書く事ですが、学会とはお祭り的なところがあり、突然懐かしい人と合ったりして楽しいものです。ゆっくり話す事はできないものの「あ、コイツ元気でやってるな、俺も頑張らなきゃ!」と思いを新たにする事ができます。

しかし気になるのはなぜ本会が「歯科界最大」になったのか?開業医に限った話ですが、今の日本の歯科界はインプラント頼みでなければ経営的に厳しいと言う先生が多いのが背景にあります。だから勉強するんだと。

もちろんインプラント学は歯科医学の総合力の結晶みたいな側面があり、非常に興味が湧く分野です。いずれにせよ人が集まる理由があります。

インプラントは当然ながら、歯がない所に適用されます。つまり歯を残すために一生懸命やってきたが成果はでなかった、あるいは努力をさせてもらえなかった、それがいっぱいあるという背景が浮き彫りになります。

もちろん人には得手不得手があります。歯の保存が得意でない先生も当然おられる事でしょう。であるならば、セカンドオピニオンがもっとあって良いと思うのです。

これは本当にインプラントの適用なのだろうかという問題提起は、大学教授など一部の先生からは積極的に発信されているのですが、まだまだ足りないと感じます。

とは言うものの、総人口におけるインプラントの本数を比率で見ると、日本のそれは諸外国に比べて圧倒的に低く、需要はまだまだ拡大するという試算があります。コストの問題こそあれ、必要とされる人に行き渡っていないと仮定してよいかもしれません。

では入れ歯もブリッジもダメかと言えばそんな事はなく、持てる技術を患者さんに還元する制度や習慣がない事が日本の一番の問題点です。インプラントにしか夢や希望を持てない歯科医師が多いことはたいへん憂慮される事態です。

歯の保存の価値観ややりがいが上がる事が、患者さんの本当の幸せに繋がる事だと思います。事が大きくなってから辣腕を振るう人に評価が集中するようではいけないはずです。

けど実はそんな事はこの学会に来ている人はみんな知っている、それくらい勉強熱心な方が集まる会だと信じたいものです。

さて、学会で見た・聞いた事を小出しにして行こうと思います。


2011年9月15日木曜日

インプラントの疑問に答える OpenSeminar vol,47 予告


次回のオープンセミナーの予告です。久しぶりにインプラントの話題に戻ろうと思います。

OpenSeminar vol,47
インプラントの疑問に答える

平成23年10月29日(土) 17:45より
於 吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック

初診時にすでにインプラントを入れてらっしゃる方が来院する時代です。歯科はもはやインプラント抜きで語る事はできません。

しかし日本の歯科界の流れは明らかなインプラント偏重、これには虫歯治療や入れ歯など基本的な歯科治療を満足に行う事ができない健康保険制度の不備が根底にあります。

ですから私たちから見ると必ずしもインプラントが最良の選択肢とは言えないケースはたくさんあります。インプラント治療を後押しするような話が巷に溢れていますが、私たちはよくその逆の話をいたします。


著書「インプラントのすべてが解る本 正しくケアして長持ちさせるために」【保健同人社】を発刊して4年、その後インプラントはハードもソフトも多様に変化し、私自身もインプラントに対する考え方や施術法が変わってまいりました。そこで次回は最新のインプラント情報と共にお伝えする一時間にしたいと思います。

ちょうどこの金曜日から名古屋で日本口腔インプラント学会が開催されますのでその情報や新しく導入されたオールジルコニア製インプラント[Z-Systems]、他ではなかなか聞けないインプラント周囲炎やメンテナンスなど、すでにインプラントをご使用の方にこそ有益な情報についてもお伝えする予定です。

オールジルコニア製インプラント Z-Systems

なお次回のオープンセミナーに限り、事前登録制とさせていただきます。また終了後に個別のご相談もお受けいたします。参加ご希望の方は下記までご連絡いただきますようお願いいたします。


【予定しているコンテンツ】
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