2011年9月19日月曜日

口腔インプラント学会に行ってきた・1


今年も日本口腔インプラント学会に行ってきました。所は名古屋国際会議場、facebookからレスをいただいたみなさん、ありがとうございました。

さて本会は今や歯科系の学会としては最大規模、人の数が違います。演題が多すぎて聞けないと文句を言ってはいけません。展示も充実、いろんな方とお話しする事ができました。

いつも書く事ですが、学会とはお祭り的なところがあり、突然懐かしい人と合ったりして楽しいものです。ゆっくり話す事はできないものの「あ、コイツ元気でやってるな、俺も頑張らなきゃ!」と思いを新たにする事ができます。

しかし気になるのはなぜ本会が「歯科界最大」になったのか?開業医に限った話ですが、今の日本の歯科界はインプラント頼みでなければ経営的に厳しいと言う先生が多いのが背景にあります。だから勉強するんだと。

もちろんインプラント学は歯科医学の総合力の結晶みたいな側面があり、非常に興味が湧く分野です。いずれにせよ人が集まる理由があります。

インプラントは当然ながら、歯がない所に適用されます。つまり歯を残すために一生懸命やってきたが成果はでなかった、あるいは努力をさせてもらえなかった、それがいっぱいあるという背景が浮き彫りになります。

もちろん人には得手不得手があります。歯の保存が得意でない先生も当然おられる事でしょう。であるならば、セカンドオピニオンがもっとあって良いと思うのです。

これは本当にインプラントの適用なのだろうかという問題提起は、大学教授など一部の先生からは積極的に発信されているのですが、まだまだ足りないと感じます。

とは言うものの、総人口におけるインプラントの本数を比率で見ると、日本のそれは諸外国に比べて圧倒的に低く、需要はまだまだ拡大するという試算があります。コストの問題こそあれ、必要とされる人に行き渡っていないと仮定してよいかもしれません。

では入れ歯もブリッジもダメかと言えばそんな事はなく、持てる技術を患者さんに還元する制度や習慣がない事が日本の一番の問題点です。インプラントにしか夢や希望を持てない歯科医師が多いことはたいへん憂慮される事態です。

歯の保存の価値観ややりがいが上がる事が、患者さんの本当の幸せに繋がる事だと思います。事が大きくなってから辣腕を振るう人に評価が集中するようではいけないはずです。

けど実はそんな事はこの学会に来ている人はみんな知っている、それくらい勉強熱心な方が集まる会だと信じたいものです。

さて、学会で見た・聞いた事を小出しにして行こうと思います。