2011年1月25日火曜日

課題解決型医療機器とは!?

ちょっと???な資料が送られてきました。「課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」とありますが、、、


平成22年度 課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業 


資料を読むと「事業の目的」には次のように記されています。

我が国医療機器産業は、輸入超過で推移しており、日本が誇る中小企業の「ものづくり技術」が活かしきれていない状況。この主要因としては、
  1. 医療機器は規制産業である(例:治験及び承認審査に時間がかかる等)
  2. 参入リスクが高い(例:人命に直接関わる分野であるため、製造責任が重い等)
  3. 医療現場が有する課題・ニーズがものづくり現場に行き届いていない
とあります。なるほど、お役所もやっと問題を認識し解決に動いているんだなと思いきや、おっとこれは経済産業省の支援事業、厚生労働省ではありません。

これらの中で最も大きな障壁は1です。上記(例:〜 の治験〜承認までの信じられない程の時間以外にも、何10cmもの書類の山とその再提出、理不尽としか言いようの無い多額の費用(このお金はどこへ行くのでしょう?)が課せられます。どんなに良いアイディアがあっても中小企業に参入の余地はありません。医療系国内企業が海外に販路を求める理由はこれです。

さらに以下のように続きます。

このため、課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業(以下「本 事業」)では、厚生労働省及び文部科学省と連携し、
  1. 医療現場からのニーズが高く、課題解決に資する研究課題の選定 
  2. 地域の特色あるものづくり技術(切削、精密加工、コーティング等)を有する中小企業等と、それらの課題を有する医療機関や研究機関等とが連携した「医工連携」による医療機器の開発・改良 
  3. 臨床評価、実用化までの一貫した取り組みへの支援 
を目的とする。


という事は経済産業省が厚生労働省に働きかけ、治験〜承認をスムーズに行う支援をするという意味でしょうか。にわかに信じられません。あの高額な費用はどこまで負担してもらえるのか解りませんが、それが国費とは言え経済産業省からというのもおかしな話です。

さらに、たとえ商品化されたとしても、それが保険承認され広く国民に享受され、企業にせめて開発費だけでも回収できる利益をもたらす事ができるのでしょうか?今の行政の体質では考えられません。あのPanasonicが撤退するくらいなのですから。

文面にあるように医療機器は明らかに輸入品の方が多く優れているものが目立つ、私の所のような小さな診療室でも総額でみると輸入品の方が圧倒的に多い、日本でよい物が造れない土壌は明確です。「課題解決型医療機器」とは技術的な課題の事ではなく、実は制度的な課題に他なりません。

さて縄張り意識の強い官僚が、本当にこの事業を受け入れるのでしょうか?今後の推移を見守るしかありませんが、新しい一歩に期待を寄せずにいられません。がんばれ、経済産業省!