朝日新聞さんから転載させていただきました。こういう技術は日本でこそ推進していただきたいものです。
【朝日新聞 2011-01-02】
これは「パラジウム」という金属の代替品として開発された合金の写真です。「銀」と「ロジウム」というパラジウムのお隣さん同士の金属を均等に混ぜ合わせた結果、パラジウム特有の水素を吸着する特性を半分実現したのだそうです。そんな事あるんだ。。。驚きです。
記事にもあるようにパラジウムは車の排気ガスの浄化触媒に必ず使われるもの、しかしレアメタルなので国際情勢の変化で価格が大きく揺れるものです。日本は輸入に頼らない新しい技術開発が必要だったのですが、これは新しい一歩です。パチパチパチ!
さてこのパラジウム、実はあなたのお口の中にも入っているかもしれません。しかもかなりの確率で。実は健康保険で金属での修復を受けた方のほとんどは、このパラジウムを20%含んだ合金が使われています。ちなみに残りは金が12%、銀が60%ほどです。ですから日本は世界最大のパラジウム消費国なのです。
保険で使われる歯科用金属、これはJIS規格の「金銀パラジウム合金」と呼ばれます。本当は金や白金を多く使った金属が理想なのですが、それでは高価なため代替品として開発された経緯がある日本独自の合金です。ところがその後パラジウム価格が急騰し、時には先の金や白金を使った合金の方が安くなるという、異常な現象がおきたりします。本末転倒です。
保険で使われる歯科用金属、これはJIS規格の「金銀パラジウム合金」と呼ばれます。本当は金や白金を多く使った金属が理想なのですが、それでは高価なため代替品として開発された経緯がある日本独自の合金です。ところがその後パラジウム価格が急騰し、時には先の金や白金を使った合金の方が安くなるという、異常な現象がおきたりします。本末転倒です。
ところがこのレアメタルをふんだんに使った貴重な人工物を削りとってまで再治療をしなくてはならない歯が後を絶ちません。まったく資源を無駄にしているとしか思えない事が、日本中の歯科医院で当たり前の光景になっています。これはもっと問題にされてよいのではないでしょうか。
保険のインレーを外してコンポジットレジンで修復【YouTube】
吉田歯科診療室 顕微鏡からの治療動画一覧【YouTube】
新聞に掲載された新合金が健康保健用の金属に置き換わるとはとても思えませんが、日本が国際競争力を維持するためにも、一人一人が歯の健康を考えパラジウムを使わないでも済むよう考えなくてはならない時代であると思います。パラジウムは他の産業優先で使えれば良いのですが。