2010年7月21日水曜日

「インプラントで困ったら」が困った

こういう記事が出る事自体が困った。。。

【医療ルネサンス・読売新聞】

「異常があったら早く相談を」とは確かにその通り。しかし本来相談に行くべき所は主治医の元であり、大学病院ではないはずです。

ではなぜそうなるのか、それは患者さんが主治医に不信感を持っているからです。記事中の不幸な患者さんはインプラント治療について正しい情報を教えてもらえないまま治療に入っていたようです。また主治医の先生はインプラント治療のネガティブな部分を隠ぺいしたまま手術に入った、起るべくして起きた悲劇かもしれません。

そんな患者さんが最後にたどり着くところ、それが大学病院や地方中核病院の口腔外科です。私もたまに大学に行って話しを聞いたりするのですが、どこの大学もこのような話しでたいへんです。

さてそれではインプラントとはそんなに危険な治療なのでしょうか?答えはイエスでもありノーでもあります。その答えはコチラです。

【インプラントのすべてが解る本】

どんな治療でもそうなのですが、リスクと隣り合わせなのは当然です。しかし医師も患者さんも失敗や不都合な事は考えたくはありません。しかし人間のやる事ですから100%はありえません。

ですからネガティブな面や、インプラント治療が終わった後は何を注意しなくてはならないのかという話しをきちんとしておかなくてはなりません(もちろん入れ歯の時も同じですが)。治療を安易に考えていたり結果を急ぐとこのような不幸を招く可能性が格段に上がります。

私達はできるだけそのような事がないよう、インプラントのマイナスの話しもし、説明のうえ同意書を発行し捺印していただいています。しかしこのような事を行っている歯科医院がいったいどれほどあるのでしょうか?

これらができてさえいれば、不幸な事はほとんどなくなるはずなのですが。通常の保険治療と同様な考えでの自由診療が行われているケースが多いように感じています。そういうレベルではインプラントは危険ですが、インプラント自体が危険なワケではありません。

この特集の趣旨はわかるのですが、危険性も感じてしまいます。建設的な意見が出てくる事を期待します。明日以後の記事についても、できるだけ即日コメントしてみようと思います。