2016年3月16日水曜日

ビタミンDの効果に期待する


インフルエンザが一段落し、花粉症の季節となりました。隠れ栄養失調に気づかないままの方には、まだまだ厳しい日が続きます。

こんな時に何か一つだけサプリメントを試してみたいという方に、私はまずビタミンDを1日あたり5000単位はどうかと話します。

以前、朝日新聞の記事を元ネタに「くる病」の話題をとりあげましたが、ビタミンD不足はけっこう深刻なのではないかと思います。

ビタミンDは日光に当たる事で皮膚内で合成されますが、冬場は日には当たりませんし、夏場でもUVカットを塗っている方では、合成量はたいへん少ない事が知られています。食材からの補給も十分には期待できず、サプリメントに頼らざるをえない状況です。

私のところでは血液検査で「25OH Vit-D」という項目を用いてビタミンDの不足を診るのですが、基準値7~41に対し、10~20の方が圧倒的に多い。しかもこの基準値自体が非常に低く、じつは50以上欲しいのです。



栄養不足の概念は「欠乏症」の発見から始まりました。だからその欠乏症が表面化しなければ、足りていると判断されてしまいます。もちろんそれでは遅すぎです。

ビタミンDは骨と腸に作用して血液中のカルシウム濃度を維持する働きがが知られていましたが、それ以外にも免疫系と心臓血管へもかなり関与している事が解ってきました。

歯科口腔外科では、歯周病やインプラント治療で骨の代謝は重要ですから、治療前もメンテナンス時も25OH Vit-D の値を追い続けます。副次的にアレルギーやウィルスからの問題が解決される事もあるようで、期待しています。

実は今お一人ビタミンDのサプリメントを始められた方がおられ、ブログにアップされていますのでご紹介いたします。

《美肌へのアンチエイジングマニア》

一般に栄養は、具体的に欠乏症がでなければ「不足ではない」と判断されます。貧血がなければ鉄は十分・壊血病でなければビタミンCも十分とか、機械的な判断をされる場合がほとんどではないでしょうか。

そういう表面的な話ではなく、体の奥底で何が起きているのかが解らなければ、病気から歯を守る事はできない、今はそういう時代です。くる病になる前に、特にお子様をおもちの女性は注意してほしいものです。

ちなみに私個人の25OH Vit-Dは夏には70くらいあったのですが、12月の測定では50ちょっとまで落ちてきました。夏場は河川敷を走ったりしてそこそこの紫外線に当たっていたのですが、冬はまったく日に当たらないからでしょう。食材で摂るのは無理なので、今はサプリを入れて様子を見ています。おかげさまでカゼもひかず、花粉症もありません。

絶対に病気で休めない小規模医療機関ですから、せめてこれくらいはやって患者さんのお手本とならねばならないという事情もありますが。

体調が悪く、せっかくの診療をキャンセルするってもったいないですよね。皆さんもぜひ栄養医学療法を取り入れて、細胞ができるだけ正常な状態で治療を受けてみてください。