2011年2月7日月曜日

「膿を出しきる」とは!? 〜相撲界と歯周病〜

せっかくサッカーアジアカップで盛り上がっていたのに、先週のスポーツ系ニュースは相撲界の事件で散々でしたね。


今朝のニュースを見ていても、司会者もコメンテーターも街の人々も一様に「膿をだしきる」という言葉を連発しています。良く使われる言葉のようですが、コレってとってもおかしな話、誤用だとういう事にお気づきでないようです。

「膿を出す」、これは「悪いモノを出す」という形容なのだと思います。しかし膿自体は悪いものでもなんでもなく、悪いヤツがいた結果にすぎません。悪いやつ、それは膿を作る原因であるバイ菌です。そこに目が行かなくてはなりません。


例えばけがをして傷口からバイ菌が入ったとします。すぐ処置をすれば良かったものの放っておいたりすると白い膿を見る事があります。こんな時、傷口の周りを押して膿を出すと、それと同時に原因であるバイ菌も押し出されてくる事があります。これで原因は解決、傷は何事もなかったように治ります。毛嚢炎なんかもそういう事があります。しかしそういう例は非常に少ない。

例えばこのビデオの最後に出てくる膿ですが、出しても出しても決して治りません。


膿を出してもなぜ治らないのか、それは原因であるばい菌が歯の周りの奥深い所に定着していているからです。これは押しても出てきません。原因が解決していませんから膿をいくら出しても止まりません。

膿とは「感染源=悪い奴」がいた結果、生体(周辺)がそれを一生懸命無毒化してできたもの、具体的には白血球がばい菌を食べて死んだ残骸です。つまり膿事態は悪いものでもなんでもなく、悪い奴はその奥に隠れているのです。


さてもし今回実名が挙がっている力士たちが膿であるならば、それは相撲界に定着している感染の結果であり彼らは何も悪くない、一生懸命戦い表面化した犠牲者という事になってしまいます。しかしそうではない。

一方本当に悪いのは何(誰)か? 感染源は実は昔から定着していたのではないか、歯周病のように深いところに定着してしまっては膿は停まりません。それどころかそれを支えていた骨がなくなってしまう、相撲界にとって骨とはすなわち支援してくださっている人たちの事でしょう。

膿が停まらなく腫れを繰り返す、腫れとは表面に露呈しますので、今回のマスコミ報道がそれに相当しますね。

歯周病を根本的に治すには、歯の根の奥深い所についたバイ菌を手作業で除去するしかありません。相撲界の感染源はどうなのでしょう。抜歯にならなければ良いのですが。

**

以上のように今の相撲界は重症の歯周病ととても良く似ています。ですから膿を出しても治るはずはありません。

人間誰しも表面にばかり目が行くもの。膿がたまり腫れているので、それを出し切れば治るような気がするのは理解できます。だが問題はその奥にあるのです。

さて、日本相撲協会の現理事長の放駒親方は元大関「魁傑」、なんとかこの難病を「解決」してくれとクダランおやじギャグを思い浮かぶのは私だけではないでしょう。相撲協会が抜歯にならないよう、きちんとした歯ブラシ指導と的確な手術をお願いしたいものです。

PS:私はこの歳になってまだ一度も大相撲を見た事がありません。早くスッキリして両国まで駆けつけたいものです。