2009年12月28日月曜日

とっても小さなむし歯、と思っていたら実は中では、、、続編

いやぁ、驚きました。1年前にYouTubeにアップしたこちらのVideoCast、知らないうちに67,000アクセスを超えています。

しかしこのビデオ、見ての通り製作段階ではまだ結果が出ていないので途中で終わっています。高山さんが「楽しみですね〜」と言って終わったまま、続きはどうしたんだ!?

ご安心ください、実は結果は7月には出ていたのです。本当は早くお見せしたかったのですが、移転や研修が重なりやっと本日公開となりました。




いきなり引越の話題をふられ焦りましたが、一番最初の部分は1ヶ月後の様子、その後はおさらいで前回のダイジェストを見ていただいています。

ラバーダム(緑色のゴムシート)を装着し、ほとんど手作業で丁寧にむし歯だけを除去し、水酸化カルシウムを入れてフタをします。こちらのように神経が露出している場合は成功率は落ちるので、あまり思い切って除去するわけに行きません。グッと我慢です。

でその結果はご覧の通り。最小限の削除でこのような形に仕上がります。第二象牙質が出来るのを待つわけですから治療には半年以上かかりますが、私はたいへん価値ある治療だと思うのです。神経をとってしまうとどうしても将来的にトラブルが出やすくなります。それを止められるかどうかは、その人の一生に大きな影響を与えます。

テレビでも紹介されている3Mix-MPという3種類の抗生物質を主体とした薬を用い、神経をとらずに終わらせる治療法が一部で積極的に行われていますが、私はこの方法にたいへん疑問を持っています。それは耐性菌を作る可能性が非常に高いと思うからです。

これを最初の一回目に使うのは良いかもしれませんが、それを入れっぱなしで封鎖する事はまったく賛成できません。日本人の薬好きもここまで来たかという感じです。細菌はバカではありません。ほんの数日で進化し、抗生物質は効かなくなります。これが将来命にかかわるような事態にならないよう祈るしかありません。

水酸化カルシウムの有効性と安全性は、もう何十年も前から認められています。歯科医師であればだれでも知っています。ただその力を100%引き出すのが難しかったので、積極的に使う人が少なかったのでしょう。だけど今は顕微鏡があります。よく見て、まだ生きている神経に無理がかからないよう、そっと使ってあげればうまく行く事が多いようです。私が良く言う「モノから行動の時代へ」とはこういう事でもあります。

さてそれでもこちらのVideoCast.4のように神経が露出している方がどうも見ごたえがあるようなので、いずれそれらを集めたVideoCastもアップしようかと思います。移転や研修で半年間お休みしていましたが、来年は趣向もちょっと変えてどんどんアップして行こうと思います。中村さんも気合いが入っています。オタノシミに!

PS:今回のVideoCastの記録には、一部HD画質の横長画面を用いました。高速回線をご利用の方は、ぜひHD画質ご覧になってください。撮影はこちらでお伝えした Canon EOS 5D Mk2 で、なんとか実用段階に入っています。不便な所もありますが、しばらくこれで撮影して行こうと思います。