アバクロ銀座上陸!値段高めも行列600人(スポニチ)
しかし近隣とは言え私はまだ行っていません、というかユニクロ銀座店すらまだ行ってません。完全に時代に取り残されています。。。
とにかく銀座は高級ブランドの勢力が衰え、代りにカジュアル系がずらりと顔を揃えました。年末はこれらのためにまた多くの人々が銀座を訪れることでしょう。しかししかし、是非ともご注意いただきたい、それはあなたの財布を狙う「スリ」の暗躍だ。以下は13年前の実話です
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私が日本橋の前にも銀座にいた事は、このblogを読み続けている方ならご存知でしょう。これはその頃の話です。
当時私がいた医院はすでに再開発でなくなってしまいましたが、場所は三越にほど近い晴海通り沿い、立地条件は今の私の診療室よりずっと上でした。
その代りというわけではありませんが、建物は昭和20年代のとっても古いビルで、その老朽化はたいへんなものでした。
象徴的なのはエレベータで、網格子のシャッター状の扉といい、ガツンという唐突な動き出しと停止といい、今にも落っこちそうなスリル満点の代物でした。
そんなテナントですから今のようなセキュリティシステムなどなく、出入りは自由です。では夜はどうしているのかというと、ポストに札が着いていて在室時には白・帰宅時には札をひっくりかえして赤にし、最後に出る人がビル全体の施錠をするという決まりになっていました。
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その年の最後で大掃除も終わり、一杯行くかという日でしたからたぶん12月28日くらいの事です。鍵当番だった私がポストの札を確認するために赴くとすでに他のテナントの札は赤、すなわち最後にビルを出るのは私でした。
札を白から赤にひっくり返し、さて帰ろうかと思った時です。突然ポストが何かの重みでガバッと空き、それが床にバタバタバタと落ちる音が!驚いた私が振り返って見てみると、なんとそこには大量の財布が散らばっているではありませんか!
「こ、これはいったい、、、?」一瞬何の事だかわかりませんでしたが、すぐに解りました。「ウチのポストが財布捨て場にされてしまった・・・」
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110番すると、3分もしないうちに自転車に乗ったお巡りさんがやってきて言いました。「あ〜、こんな所にねぇ・・・」
とりあえず調書を取らなくてはならないので、第一発見者である私は交番へ行かなくてはなりません。どこかなと思ったら銀座四丁目交差点にある、あの何とも不思議な立地の交番の中に案内されました。こんな事は機密事項でもないと思いますから書きますが、あの狭い交番の中でも2階はちゃんと話しができるスペースがあるのです。
で、お巡りさんが言う事には、この日の銀座地区でのスリ被害の通報は約80件、実被害はこの倍はあるだろうとの事です。被害者のほとんどは女性で、バーゲンの人だかりに入ろうとしてショルダーバッグを背中側に回した時にやられるのだそうです。
ポストに入れられた財布はたしか13個、そうするとこの日銀座地区だけでも10人以上のスリ犯がいた事になります。
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犯人の目的は現金ですからお札はすべて抜かれていますが、カード類はそのままです。身元がわかる財布はもちろん持主に報告されるのですが、後日1通の礼状が送られてきました。
文面はていねいな筆遣いで次のように書いてありました。あの財布は母の形見でとても大切にしていたもの、返ってきて本当に嬉しい、自分の不注意を恥ずかしいと思うと。
私は別に何か努力をしたわけでもなく、ただポストに捨てられた財布を見つけただけなのですが、ここまで感謝されるとは思ってもいませんでした。
その一方、なんと財布の引き取りを拒否する人もかなりいるのだそうです。世の中いろんな人がいるものだな、同じ財布でも価値観とはこんなにも違うものなのかなと思ったのです。へんな話しでですが、スリに人間の難しさを教えてもらったようではあります。
しかし皆さん、特に女性の方、ファッションとは言えあの無防備なショルダーバッグは絶対に良くないと思います。この年末、特にお気をつけください。