2012年5月6日日曜日

レーザー治療を成功に導くために 5/17は広島へ


5月17,18日に開催される日本口腔科学会における、日本レーザー歯学会のサテライト会場で不肖私が教育講演なんぞをやらさせていただきます。以下が抄録です。

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第66回 日本口腔科学会学術集会サテライト 日本レーザー歯学会教育講演
2012年5月17日(木) 広島国際会議場

レーザー治療を成功に導くために

吉田格 Itaru Yoshida 
吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック(東京都中央区) 

レーザー治療に限った話ではないが、臨床を成功に導くための条件とは「目的を明確化する・理論的に正しい・過信しない」の3点に集約されると思う。

一方ビジネスの世界では成功に導くための条件を「夢・やる気・コミュニケーション」など精神論的な考え方をする人が多いようである。それはそれでおおいに結構だが、レーザーをよくご存知でない先生方には少なからずはそのような夢のあるセールストークで高額なレーザー機器を導入してきた経緯があり、未だその夢からから醒めない方も多いと聞く。

確かにレーザーと聞くと非常に未来的ですばらしい治療が実現しそうなイメージがあるが、その物理特性を一つ一つ紐解いて行けば自ずと適応症と禁忌症が分類され、実験的・冒険的な治療はなくなるはずである。

しかし我国においてその教育を系統立てて受ける機会は少なく、侵襲性が高い治療法であるにもかかわらずメーカー主催の研修会主導で臨床導入され、そのまま健康保険に収載され今日に至っている。 このような現状を踏まえ日本レーザー歯学会では研修委員会を設け安全講習会を定期的に開催し好評を博しているが、まだまだ周知に至っていない。

今回このような機会を与えられた事を機に、改めてレーザー治療を成功に導くために必要な条件について整理する事にした。特に私が過去見聞きした偶発症を元に、レーザー治療に従事する者特有の心理状態について考えてみたい。

【演者略歴】
昭和60年 日本歯科大学新潟歯学部 卒
平成 9年 東京都中央区開業

【所属学会等】
日本レーザー医学会 認定歯科医1種 
日本レーザー歯学会 認定医 評議員 研修委員
Academy of Laser Dentistry Category-3 取得
日本顕微鏡歯科学会 理事 認定指導医
…他

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日本のレーザー事情についてはこの「Blog:歯界良好」でも何度もお話してまいりましたが、今回は40分もいただきましたので、ちょっと新しい切り口でレーザーの安全使用について考察してみようと思っています。

今までレーザーの安全使用については物理学的な側面でしか語られて来ませんでした。それは最低限必要なのですが、もう一つ重要な事があります。それは使う人の情報不足から来る「思い上がり」がある事です。

数百万円の投資をして手に入れたレーザーですから、過信してしまうのです。適応を外れてちょっと使ってみたくなったり、効かないはずはないとつい長時間使ってしまったり、、、過去私が見聞きしたアクシデントの多くは、特有の心理状態にあったものと考えらるのです。

口腔科学会とは初めてお聞きになる方がほとんどだと思いますが、実は歯科ではなく医科の学会で口腔外科の先生が多く集まるのです。サテライトは全部で6つあり、日本レーザー歯学会のサテライトでは私の教育講演の他に認定医講習会も開催されます。認定医を目指す先生はぜひともご参加いただきたいものです。

私は広島駅に16日(水)22時すぎに着きます。初めての広島なので、良い情報がございましたらお教えいただければ嬉しいです!