しかしですね〜、無理はいけないんです、何事も。インプラントだって無理してやってはいけません。選択肢はブリッジや入れ歯もあるでしょう。もしかしたら移植や矯正で解決するかもしれません。だけど無理な歯を使う事はやっぱり損をする事が解っているのです。
インプラントを批難する人は決まって「インプラントは異物である」という事を前面に出し、あたかもインプラント治療とは非人間的な医療であるかのように評します。しかし事実誤認とはこの事、つまり「異物=有害」と短絡的に結びつけているのです。これは大きな間違いです。
ほとんどの異物は体内に取込まれれば、それは有害です。ケガをしてばい菌が入ればもちろん有害ですね。
「異物」の反対は「自己」です。では自己とはすべて有益無害かというと、実は違います。癌やリウマチは「自己」なのに「有害」です。
ではチタン製であるインプラントはどうか、これは事実上「無害」です。
一方、感染が進みすぎて治療が奏功しない歯は?これは「有害」です。例えば進行した歯周病、歯は原形を留めていますから表面上は「自己」であり、まだ使えるように見えます。
しかし自分の歯に見えるそれは、実は細菌が乗っ取った状態なので「異物」であり「自己」ではありません。従って体はをれを排除しようと反応する、これが炎症や腫れです。「自己」のように見えますが、実はそれは長い時間をかけて「異物」に変身してしまっていたのです。それにいつまでも気がつかないと、自分で自分の首を締めてしまいます。気がついた時には、すでに取り返しが着かない事に。。。
ではインプラントが無害から有害に変身する事があるのはなぜでしょう。これは歯周病と同じで、歯垢(プラーク)がインプラントの周りにこびりつき、それが感染源となった時です。あたかもインプラントが悪いように見えますが、実は違います。歯磨きが大切というのはこういう訳です。
これは本にも書いたのですが、本当に悪い奴とは一見あなたの味方のように振る舞います。そして最後に本性を現し牙をむく、歯周病とはそういう病気です。人間界もそうですよね。ホントの悪人とは、外見上とても良い人に見えます。そういう人に騙されないよう、注意しなくてはなりません。
一般に歯周病が進行すると、歯に見えるそれは「一見自己だが、実は異物」なんですね。「無害で有益な異物」であるインプラント、それは感染がある「有害」な”元”歯と比べ、どちらが未来のあなたのためになるのでしょう?