2009年2月21日土曜日

I want to be a Dentist.(←?)

Grand Funk Railroad なんて書いたら歳がばれてしまいますが、この70年代を代表するアメリンロックバンドのCDが今私の手元にあります。

「Caught In The Act」、1975年のライブですからもう30年以上も前の音源です。この金曜日、私はたった¥1,796で感激と不思議(後述)を買ってしまいました。


事は金曜日の朝、なぜかわかりませんが頭の中を、とあるベースのリフが走りました。曲は"Black Licorice"、ドラムから入るこの曲はその特徴的なベースラインに続いて、今思えばずいぶんと軽めの歪みを効かせたギターのカッティングが入ります。

中判のオルガンソロが美しく、ドスがきいた粗削りな音造りとのコントラストが絶妙で、そのわけのわからないパワーに押されながらフォーク少年だった私はしだいにロック少年に変わって行ったのです。

この曲はレコードではなくNHK-FMで聞いて知ったのですが、さすがにアルバム全曲などとはいかず、美味しいところだけを選んで放送します。"Black Licorice"から哀愁漂う"The Railroad"、全米1位に輝いた"We're An American Band"、テンションコードを効かせた"T.N.U.C"と、このライブの最も盛り上がった所を選んでます。

私はこの時始めて「ロックってカッコいいなぁ」と思い、その録音を繰り返し聞き続けていたものでした。発売から何年か経った高校一年の頃です。

その曲がなぜ今頭をよぎったのかは、脳科学者の茂木健一郎さんもわからないでしょう。いったいこの曲は何だったのだか、私は朝の7時に突然コンピュータを開き検索を始めました。

私は古くからのファンの曲評ページを期待していたのですが、まず引っかかってきたのはAmazonでした。で開いてみると、何と視聴ができるではありませんか。私は恐る恐る"Black Licorice"をクリックしました。

2秒後にスピーカーから流れてきたそれは、まぎれもなく10分前に私の頭の中を走った、そして30年以上前に聴いたあのイントロでした。40秒ほどの視聴を何回も聞直し、次の曲も、次の次の曲も、朝のバタバタの時間を気にせずに聞き入ってしまったのです。


さてここで一つ気がついた事がありました。それは'~~~American Band"の直前に入っている、子供らしき声です。そう言やそうだった、確かにこんな声が入っていたな、しかしライブなのに変だな?と。

そして何といっているのだろう?良く聴くと一部だけは聞き取れます。それは、

  I want to be a Cowboy,
  I want to be a Dentist.(←?)
  I want to be a Rock'n Roll !

そして1,2,3,4, の掛け声とともに"~~~American Band"が始まり、ライブは最高潮に達します。ロックらしい5度和音のギターリフが印象的なこの曲は単純にカッコよく、当時どこの高校の文化祭に行ってもコピーバンドの定番としてとりあげられていました。

それはそうと、これは何度聴いても"Dentist"です。いったいどういうことなのでしょう?私は迷わず購入ボタンを押しました。そしてその日の夕方にはもうCDが届きました。



診療が終わり、一人になった診療室で、いつも診療中にインターネットラジオを流しっぱなしにしているコンピューターにCDを入れました。まだ聴いた事がなかった1曲目が始まります。しだいに私の頭は高校一年生に戻って行きます。そして朝方突如頭をかけぬけたベースラインが流れます。涙がでてきます。

そして"I want to be a Dentist"。やはり私には何度聴いても Dentist としか聴こえません。間違っているかもしれませんが、Dentist にしておきましょう。前後に何と言っているのかは私の語学力では聞き取れませんが、たぶんRock'n Rollが一番したいと言っているのでしょう。

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私は今、Dentistをしています。高一の私には想像もつかなかった事をしています。朝方頭を走ったベースライン、そして今気がついた"I want to be a Dentist"とは?

もしかしたらあの時に自分は歯科医師に運命づけられたような、そしてRock'n Rollと同じくらい大好きなDentistという仕事、それに気がつけと神にでも言われたような気がするのです。まぁそういう事にしようと勝手に心に決めたのでした。

時は2月20日、吉田歯科診療室12回目の開設記念日でした。

・・・だけどやっぱり"Dentist"でなかったどうしよう〜!誰かおしえてください〜。。。