2010年10月11日月曜日

日本国際歯科大会に行ってきた

日本国際歯科大会、、、よくよく考えると何かおかしな名称ですが、中身はクインテッセンス出版さんが開催する学術大会、商業誌でお見かけする先生方が一堂に会します。当日参加費が¥43,000とはちと高く感じますが、元をとろうと頑張ります。所々寝てしまいましたが。。。


さて内容のすべてを報告する事はできませんが一つだけ、上顎洞底挙上(サイナスリフト)というインプラントにはかかせない手術のシンポジウムの話題を。

話しは専門的になってしまいますが、この手術にはアプローチの仕方が2種類あります。一つはラテラルと言って、横側から手術をします。多少大袈裟な手術にはなりますが、目で見て手術を行うため安全で確実です。予期せぬトラブルにも対策が可能です。

もう一方はクレスタルと言い、インプラントを埋入するための穴から直接上顎洞を挙上します。これは手術範囲が小さく一見楽なのですが、盲目的と言ってうまくいっているのかがよくわからない状態で手術が進みます。これは危険です。

このクレスタルは簡単であると紹介され、ラテラルができない先生が多用する結果となり、トラブルが多く報告されています。しかしここに来て安全にクレスタルができる器具が考案されるなど、サイナスリフトの主流となりそうな感じです。しかし私はどうしてもこの方法を信用しきる事ができません。

このシンポジウムではラテラルとクレスタルの優劣を問うものだったようですが、結局「得意な方でやれば良い」という玉虫色の決着となり釈然としない結果でありました。で、私は次のように思います。クレスタルはやはり条件付きだなと。


これは消化器外科の先生の話しですが、今消化器外科でも患者さんに負担ができるだけかからないように、内視鏡(腹腔鏡)を用いてできるだけ切らない手術を行おうとしています。しかしやはり盲目的な部分が多く万能ではない、何よりトラブルへの対処ができないと。

ですから内視鏡手術を行うにしても、いつでも開腹手術に切替える事ができるようにしておくべきだと。つまり開腹手術ができなければ内視鏡手術をしてはいけないと。これはサイナスリフトも同じだと思います。

つまりクレスタルで行うにしても、いつでもラテラルに切替えられるようにしておく、逆にラテラルが失敗してもいつでもクレスタルに切替えられるよう準備しておくべきだと思うのです。

私は状況に応じてこの二つを使い分けています。一般にはクレスタルでの失敗をラテラルでリカバリーする方が多いのではと思いますが、私は逆にラテラルでの失敗をクレスタルでリカバリーしています。その成果がすでに雑誌記事となったこのビデオです。


一般にクレスタルは盲目的で危険と言いますが、ご覧のようにこれは顕微鏡で確認しながら行いますので安全性が違います。

クレスタルが主流となって行くのはちょっと危険な話しだなと思います。手術はあくまで安全第一、きちんと予防線を張ってから患者さんの負担が少なくなる手術に着手するべきだと思うのです。

このシンポジウム、ラテラル推進組とクレスタル推進組の二手に分かれての討論だったのですが、ラテラル組の先生はその道の先駆者でちょっと防戦ぎみの発言でした。しかしクレスタルでの失敗のリカバリーを依頼された症例を提示され、やはりラテラルができない先生がクレスタルを行うのは危険だなと思いました。当然です。それは消化器外科の先生が言っている事と全く同じ、そのような結論が導き出されなかった事が残念な討論でした。

あ、歯科医師以外の方には難しすぎるネタでしたね、すんまへん。