この企画は日本レーザー歯学会の研修・安全講習委員会と北海道医療大学の合同企画、当日は強力な寒波が襲いどうなるかと思いましたが、無事敢行し記録として残していただけました。WHITE CROSSの照井先生には本当にお世話になりました。改めてお礼申し上げます。
このBlogにも良く書いてきたように、日本はレーザー教育がまったくされていないのに国家試験に出題されたり、健康保険に導入されたりと、まったくチグハグです。学会ではそれを是正しようと研修会を開いてきましたが、やっと学生教育までこぎ着けました。これ、本当にやりたかったんですよ。
実はレーザーの研修会をやるのって、すっっっっっつごい大変なんです。
まず機材、一台数百万円する装置を何十台も集めるのはたいへんです。しかしこれはメーカーさん3社のご尽力にてクリア。
次に場所、どこでもいいってわけではないのです。レーザー治療は安全管理が基本、ちゃんと波長(機種)ごとにパーテーションが区切った部屋が必要であり、換気ができて、大容量の電源が確保できるところでなくてはできません。
そして人員。そこは我々研修・安全講習委員会には、各波長のスペシャリストが在籍しており、万全です。そしてメーカーさんからは、選りすぐりの社員に手伝いに来ていただけました。
おかげさまですべてがスムーズに進行いたしました。しかしスムーズに行った理由はそれだけではありませんでした。
実はちょっとビックリしたのですが、普段私たちは一般開業医さんに対して講習を行っており、トラブルも想定して時間を設定していました。ところがどこの実習でも、予想よりぜんぜん早く終わってしまったのです。
よく考えてみると、トラブルがほとんどなかったのです。これだけの大人数でありながら。
たとえば半導体レーザーなら、ハンドピースを所定外のところに置いてサファイヤ製のチップを折ったとか、設定を間違って進まないとかが起きるのです。ところが学生にはそれがないのです。どのスタッフも一様に同意見です。
やはり学生は素直というか、言われたことが頭にすぐ入り、その通りに実行するのでしょう。
普段対象にしている一般開業医さんはいくら優秀であってもすでにいろんな癖がついており、先入観から間違った方法で実行してしまったり、ということがあるのではないでしょうか。やはり学生教育はとても大切だなと実感いたしました。
実習では切開などを行うのですが、豚の顎を用いての実習は初めてだということもあり、アンケートの結果は非常に良いものでした。
さて日本レーザー歯学会では今回の北海道医療大学での研修をモデルケースに、他大学歯学部へも研修を働きかけて行くことになります。次に手を上げてくれる大学はどこでしょうか?とっても楽しみです。
なおWHITE CROSSからは当日午後に行われた、炭酸ガスレーザー・半導体レーザー・エルビウムヤグレーザーの研修それぞれの模様を15分程度にまとめたダイジェストが、今月より順次アップされます。ぜひ注目してくださいね。
それから前日に行われた症例報告会の模様もすでにアップされています。こちらはちょっとコミカルに2分弱のビデオでまとめられています。
レーザーはCTや顕微鏡の出現で購入優先順位が下がり、若い先生には興味がない方が大勢いるのは残念な話です。私自身は診療スタイルからしてレーザーがないととても不便なのです。お持ちでない先生はどうやっているのか、実は不思議なのです。
さぁ、これからレーザー教育が加速して行きます。どんな展開になるのか、とても楽しみですネ!
謝辞:この研修会は以下の皆様の多大なるご協力で実現いたしました。雪の中お手伝いいただきました企業の方々に感謝申し上げます。
・長田電機工業株式会社
・株式会社モリタ
・株式会社ヨシダ
・WHITE CROSS
・北海道医療大学