2016年10月14日金曜日

糖分が多い清涼飲料水への課税…日本はどうする?


WHO urges global action to curtail consumption and health impacts of sugary drinks

WHO(世界保健機関)が、砂糖の摂取に対し、従来よりも数段踏み込んだ警鐘を鳴らして注目されています。パチパチパチ(←拍手です)

分かりやすく報道したのがコチラでした。

糖分多い飲料に20%以上課税を 肥満など減らすため《NHK news web》

砂糖は個人の健康にだけでなく経済にも悪影響を及ぼすことが、やっと周知されようとしています。砂糖を含む糖質全般は、必ず食べなくてはならない重要な栄養素と言われてきましたが、実はぜんぜんそんなことはないことが分かっています。そのため提言には次のように記されています。

Nutritionally, people don’t need any sugar in their diet. 
栄養的に、人は食事に少しも砂糖を必要としない。

砂糖はすでに文化として強固に根付いています。それを使わない食文化への移行は産業構造が根底から覆るため、急激な変化は起こせないだろうと考えています。それでも今回のWHOの提言は、山が動く大きなきっかけになりそうです。

砂糖の悪影響への認識は、文字通り甘すぎると思います。歯科はムシ歯の原因として直接患者さんに話す立場にあるのですが、さらには肥満・二型糖尿病・脳血管障害・酸化ストレス・鬱・副腎疲労・癌…と、いわゆる生活習慣病のほとんどに関わっています。

私が最近特に問題視しているのが腸管への影響、つまりカンジダの感染です。カンジダは糖質を直接エサにして勢力を拡大しますので、糖質に慣れきった体の方は糖質がカンジダに奪われると甘いものをさらに欲しがります。カンジダが腸管に根を生やして穴を開けてしまうのがリーキーガット(腸管浸漏)症候群ですが、こうなると不要なものがどんどん体内に入り不定愁訴の発端となります。

嗜好品として個人の自由・裁量権に任せていた砂糖の摂取でしたが、さすがに病気による経済損失を無視できなくなった、WHOの行動の背景にはそんな危機的状況を変える目的があるはずです。

提言では「糖分が多い清涼飲料水への課税」をすることで、消費を抑え病気を予防できるとしています。抑える動機付けとしてはいかがなものかと思いますし、なぜ清涼飲料水だけ?との意見もあることでしょう。しかしここはまず、分かりやすい第一歩として良いのではないでしょうか。

当然そのあとは砂糖そのものへの課税が来るはずです。それから果糖ブドウ糖液糖にも、これはさらに危険なので急いでもらいたい。

さて、この提言に日本はどう反応するでしょうか?相変わらず鈍いと思いますし、諸外国より強力な反発があるのではないかと予想します。

和食は世界一の健康食、と聞いた事がありませんか?ところが、和食にはかなりの砂糖が使われています。砂糖を使わないと、どうしても味に角が立つのだそうです。

しかしそれが本来の和食の味だったのでしょうか?私にはそうは思えません。意外にも日本人こそ、砂糖の文化に甘やかされてきたのではないでしょうか?

砂糖をはじめとした糖質の摂取を抑えるだけで、あなたの健康度はまるで変わります。それが将来への投資となることも間違いありません。

世間が変わるのを待ってしかたがなく始めるのか、先に気がついて安心するのか、今すべての人が帰路に立っている事は間違いありません。あなたはどちらを選びますか?

追記:ペプシコーラが減糖を発表しました。(2016-10-19)