2015年3月29日日曜日

顕微鏡がもたらした新たな術式


先に書いたように、顕微鏡を用いた治療は私たちの特徴の一つです。根管治療やコンポジットレジン修復などには必要不可欠、これは自由診療では当然です。

しかし外科手術、特にインプラント治療においては、全体を広く見渡してバランスを考える必要がある事などから、私は拡大鏡の方が便利なシーンが多いと考えています。インプラントの埋入時にはほとんど使いません。

しかしそれ以外のインプラント治療に付随する処置ともなると、話は違います。歯肉移植などの細かい処置、埋入窩からの上顎洞の開窓、そしてインプラント周囲炎の処置などは、顕微鏡がもたらした新たな術式と言って良いと思います。

またこのような手術を補佐する助手のスキルは、顕微鏡を使った手術をスムーズに行ううえでたいへんに重要です。手術助手は歯科衛生士です。当然常勤スタッフで、普段から顕微鏡を使って患者さんのケアに当たっているヘビーユーザーです。だから私が顕微鏡でどのように見えており、次に何が必要なのかを理解しています。

手術にはこのような見えない配慮がとても重要になります。

(写真は、インプラント埋入窩から直接上顎洞を開窓し粘膜剥離を行っている私。助手はよそ見をしているのではなく、顕微鏡からのモニター画像を見てアシストしている。)

***

以上、5回に渡って私たちの手術の考え方について書いてみました。自由診療専門の医療機関であればさらに厳しくして行かなくてはならないと思いますので、今後とも努力と工夫を重ねより良い診療体制を目指して行きます。