過去にもこのような事がありましたが、、、
【Blog:歯界良好】
いわゆるヤラセも同じで、人の意見を訊きにくるのではなく、最初から答えを用意しており、それに都合の良い事を言ってくれる人を捜しているわけです。これでは取材と言えません。
実は先週とあるサイト掲載の診査で「マスコミの取材をどう思っているか」と訊かれ、以下のように答えました。
「みんな答えを最初から用意しており、記事になるのに都合の良い事を言ってくれる専門家を探している。答えが合っているのなら良いが、そのような事は少ない。」
それを聞いてその方から「ハィ、全くその通りです。これで診査は合格です」と言われました。面白い会社だなと思いましたが、どうも皆そう思っているようです。しかし改善される事はないでしょう。
同じような事が患者さんにも起きています。例えば神経はもう無いのに「神経を残す治療をしてください」とか、適応を大きく外れているのにも関わらず「コンポジットレジンだけで治療してください」とか。
マスコミやネットで見た断片的な情報を元に自分で勝手に診断して治療方針を決めて来る、都合の良い事を言ってくれる所を探しているわけです。
なぜ人はこうもマスコミやネットに弱いのでしょう?最も知識があり現状を把握している専門家の意見を聴こうとせず人の言った事に振り回される、今に始まった事ではありませんが、発信者にエンターテイメント性を強く求めると物事は歪曲します。しかし愚直に発信するだけでは、誰も見向きもしてくれないでしょう。
最近メディアリテラシーという言葉を良く耳にします。情報を評価し見極める能力の事です。このような言葉が生まれる事が、そもそも皆が目利きできなくなっている証拠ではないでしょうか。もちろん私も含めてです。
今日情報は自由に入り、その判断も自由です。しかし自由とはそもそも責任の上に成り立っているものではないかと思います。無責任な発信や無責任な解釈、これらの解消にはひたすら時間をかけるか、現実を見せてあげるしかないと思います。
診療においては私たちはできるだけそのような事を心がけています。一方的な思い込みは非常に危険で、自分だけでなく他人にも迷惑をかける事になります。メディアも患者さんもどうか時間や心に余裕を持ってお越しいただき、私たちを目利きしていただきたいものです。