2013年3月25日月曜日

VideoCast16 インプラントも修復も、歯周病が治ってから!




久しぶりにVideoCastの録音をしてYouTubeにアップいたしました。一発録りなので話がイマイチなのですが、歯周病の怖さや歯が磨けていない状況とはどういう事なのかを解説しています。合わせてインプラントが緩むとはどういう事なのかもご覧いただけます。

このビデオは以前テレビ出演したときに用いたものなので、覚えてらっしゃる方も多いと思います。

この患者さんは初診時にはすでに大型の人工の修復物(補綴装置って言います)が入っていました。レントゲン上ではとりあえず骨もしっかりしており、インプラントも数本入っていました。

ところが歯肉は腫れ、押すといろんな所から「膿み」がはっきり出てきます。「膿み」が「漏れる」と書いて「膿漏(のうろう)」、つまりこれが歯槽膿漏という状態です。

また人工物の境目もよく触ると、歯との境目がよく合っておらず、段差があることがわかります。つまり造る時の型取りには歯肉圧排が行われていなかった事が予想されます。

最近とくに増えているのが、歯周病の治療をまったくせずに大型の補綴やインプラントを行い、トラブルとなってくる方です。歯周病とはこちらから教えて差し上げない限り、本人が気がつく事はなかなかありません。治療もある程度時間が必要で地道なものとなり、早く修復をしてほしいと思っている患者さんには不評です。どうせ本人が気がつかないなら、省略して早く治療を終わらせる方が親切だと思う歯科医師がいても不思議はありません。

しかしごらんのように歯周病とは膿みが出て、その先は骨が破壊されるたいへんな病気です。進行しても痛みもなく、本人が気がついた時には手遅れ、病気に限らずそのような例はいくらでもあるのです。専門家はそのために警鐘をならさなくてはなりません。

しかしいくら熱心に説明しても、患者さんにはまったくピンと来ません。歯周病の治療は、本人の自覚がどれほどあるかが成功の鍵です。歯科医院側がどんなに努力しても、患者さんの協力がなければ治療はできません。ですから歯科医院には表現力と伝達力が必要です。顕微鏡による動画説明はそのための切り札です。

この患者さんはインプラント上の修復(冠・被せもの・クラウン)がグラグラしているのが不便という事でいらっしゃいました。もちろんこれは歯周病とは何も関係ないですが、修理のために冠を外すと、歯肉が強い炎症をおこしている事がわかります。インプラント周囲は自分の歯の周囲よりもはるかに炎症がおきやすいので、事前に歯周病の治療がされないままのインプラント治療はたいへん危険です。

このように顕微鏡はあなたのお口の中で何がおきているのか、いかなる方法よりも説得力をもって事実お伝えします。吉田歯科診療室では顕微鏡を使えるのは私だけではなく、3名の歯科衛生士も同じように使えるようトレーニングされています。あなたに本当の事を知ってもらいたいと、今日もがんばっています。

さてこのVideo Cast、今回からノリちゃんにお相手をお願いしてあります。4月中にもう1本アップする予定です。どうぞお楽しみに。