2020年11月3日火曜日

アメリカの顕微鏡歯科学会へオンライン配信


アメリカの顕微鏡歯科の学会、AMED(Academy of Microscope Enhanced Dentistry)で発表するために、シカゴに行ってきました!

…と言いたいところですが、既報の通りコロナリスクのために、オンライン講演となりました。

現地から写真が送られてきましたので、合わせてご紹介いたします。


日本で作ったビデオを事前に送り、映写してもらっています。壇上は会長のDr.Bill Linger。



学会を代表しての登壇ですので、まずは来年の日本顕微鏡歯科学会の宣伝。

残念ながらオンラインのみとなりますが、英語通訳もつけて、海外からの視聴者も募ります。


日本顕微鏡歯科学会には多くの「HENTAI」がおり、活発な討議や技術開発がされていると紹介。

もちろんHENTAIは褒め言葉で、昔の変態とは意味が違うことを強調しています。仲の良い間柄でのみ通用するJOKEです。

ただし、女性には絶対に使うな!と釘をさします。でないとアナタは怪我で帰国が遅れますと脅し(?)ます。

ここは笑いを取るところなのですが、オンラインなのでリアクションがまったく判りません…

謝辞:写真をご提供いただきましたHENTAIの皆様、ありがとうございました。上の写真ではボカシを入れていますが、実際にはちゃんと写してありますのでご安心を。



で、自己紹介。

実は私、6歳の時に半年間だけアメリカに住んでいました。コロラド州のボルダーという街です。

写真は2004年に訪れた時のもの。母と買い物に行ったスーパーはまだ健在でした。今もあるのかな?

写真左上は私が住んでいたアパート、右上は通っていた幼稚園です。



さて、日本の現況について。

これはもう、原文を載せちゃいましょう!

In Japan, ignorant and pessimistic media reported that "dental treatment has very high risk of infection and should not be done."
However, Japanese dentists have long practiced Standerd Precaution.
So far, no infections through dental treatment have been reported.
This is very encouraging for us.

無知で悲観的なマスコミが「歯科治療は感染の可能性がとても高いので、やってはいけない」と報道した。 
しかし日本の歯科医師はスタンダードプリコーションを以前から徹底してきた。 
だから今まで歯科治療を通しての感染は、全く報告されていない。 
この事実に、われわれは大変勇気づけられている。 

まったく、マスコミの無責任さには呆れますね。



で、ここから本題です。タイトルは、

Beyond Microscopic Practice
Considering from troubled implant cases.

顕微鏡治療の向こう側
インプラントトラブルから考える

でした。長年インプラント周囲炎などのトラブルを考えてきたことをまとめたプレゼンテーションです。





顕微鏡でインプラント周囲炎を診ていると、いろいろな疑問が湧いてきます。

特に「骨補填材」とよばれる「のちに骨に置換される材料」は100%置換されるわけでなく、残存したものが感染源になってしまうケースが散見されます。そんな事に警鐘を鳴らします。




その他の詳しい内容は学会内での有料配信ですからお伝えできませんが、結論は…

顕微鏡は確かにグレイトだ
見えなかったものが見え 
できなかった事ができるようになった
私たちはその技術の普及に努めている
しかしそれだけで満足していてはいけない
顕微鏡が使えるようになったら  
その先に何をしなければならないかを考え 
実行しなくてはならない

日本の学会を代表して話しているわけですから、単なる症例発表にとどまることなく、フィソロフィカルなことを入れなくてはいけません。



配信があったのは、日本時間で10月24日(土)の22時過ぎ。

いろいろ変更があって、私はやむを得ず新潟の実家からの生出演。だからこんな服装になってしまいました。こんな大映しにされてしまいまして…

しゃべったのは「私は英語のヒヤリングが苦手だから、質問はメールでくださいねー」でした。

なおAMEDの全講演は日本語訳がついて、まもなく配信される予定です。すでに参加申し込みをしたかた、お楽しみに!