2015年8月21日金曜日

歯科的不定愁訴とは…


8月28日(金)のオープンセミナーの準備をしていたところ、栄養解析のお手伝いをしていただいている会社の方がご丁寧にも、当診療室で血液検査した方のうち最初から20人目までの抜粋データーの表を作ってきました。ありがとうございます!

で、それをザッと見て改めて思うのは、、、
  1. かなり多くの方が、低タンパク
  2. さらに、胃にピロリ菌感染があったり胃切除をされた方は、やはりそれ以上の低タンパク
  3. 会社役員などの男性で会食が多い方はけっこうタンパク質が摂れてるが、尿酸値が高すぎる
  4. 女性だけでなく、男性にも鉄不足の方がそこそこおられる
  5. 亜鉛は全体的に不足している
  6. 予想通り血糖値の乱高下の傾向は強い
  7. ストレスによる影響が見られる
…という感じです。

1の低タンパクは、健康を気にして野菜を多くしているのは良いものの、体を造る原材料であるタンパク質が非常に少ない事が食事記録で読み取れます。これだけでも新陳代謝が低下し、様々な不定愁訴が出る原因になってしまいます。

その不定愁訴、具体的にどのようなものが多いかといえば…
  1. 麻酔の圧力に負けて、針を刺した跡が潰瘍になる
  2. ラバーダムクランプが歯肉を圧迫した跡が残る
  3. 20分以上の診療に耐えられない
  4. 虫歯治療で神経が露出していなかったにもかかわらず痛みが出て神経をとらざるをえなくなる
  5. ちょとの刺激で歯肉から出血し型取りが困難になる
もちろんこれらが栄養改善で解決するかと言われれば、まだ検証段階で多くは語れませんが、「歯肉が弱くすぐ出血する」とか「体調不良で予約の変更が頻発する」方はたいへん多く、今思えば明らかに栄養状態に疑問な方が思い浮かびます。

ほとんどの医療は「患者さんは正常に栄養が摂れている」事を前提で進めています。私たちのところでも、多少の体調不良はあっても技術力でカバーできるものと考えていました。そしてそれは、ある程度うまく行ってきたと思います。

しかし、自由診療顕微鏡レーザーを駆使した丁寧な治療を心がけると、どうしても治療時間や期間は延長します。しかし、それに耐えられず、思うような治療が難しい方が増えています。私たちが栄養医学療法を導入した理由の一つがこれです。

血液検査をすると、隠れ栄養失調の実態が明らかになります。できるだけ多くの方に、この検査を通じて信頼性の高い治療やメンテナンスを提供して行きたいと考えています。

私たちは「形を変えるだけの歯科治療から、体の中からも支える歯科医療へ」と転換して行きます。オープンセミナー vol.58「誰にでも解る!栄養医学療法」は、8月28日(金)17:45~19:00、入場は無料です。