2013年5月6日月曜日

GIDORA で CT からアーチファクトをとってみた

以前にも話題にした、CTからアーチファクトという読み取り不能エリアを削減するソフト「GIDORA」、先の顕微鏡歯科学会のシンポジウム1でもその写真を使いましたが、その写真を掲載します。分りやすい写真を用意したつもりですがいかがでしょう。

アーチファクト除去前。金属の影響で骨が欠損してるように見えます。

アーチファクト除去後。骨だけでなく、歯も浮かび上がってきます。

正直に言えば、これはデンタルと呼ばれる通常のレントゲン写真で読めるアングルです。ところが最近は手間を避けるため、デンタルを撮らないでCTだけで診断する医療機関が多いそうです。しかしそれでは特に歯周病では誤まった診断の原因となってしまいます。そういう時にせめてこのソフトがあればと思うのです。

歯周病のCT診断のために、わざわざすべての金属を撤去してから撮影をする事もあるそうですが、それはあまりにたいへん。私にはちょっと考えられません。

私はCTを撮るとは言え、デンタル撮影は必要だと思います。やはり長年培ってきた方法の読影は省略できません。いろいろな考え方や方法があるのは解りますが、古い方法を否定するのもどうかと思います。

CTはあたかも万能の装置のように宣伝されていますが、このようにアーチファクトという大きな欠点がある事はあまり知られていません。しかしこのような装置も活用しながら、できるだけ価値ある情報を提供できたらと思っています。