2014年2月19日水曜日

VideoCast18 意外に知られていない、歯ブラシの選び方と当て方


VideoCast の18本目を作成しました。今回は基本中の基本である「歯ブラシの選び方と当て方」について、顕微鏡からの動画を用いて解説しています。お相手は今回もノリちゃんにお願いいたしました。

さてスーパーに行くと、それはそれはたくさんの種類の歯ブラシが並んでいます。皆様はどのような基準で選んでいますでしょう?コチラを見ると、売り場の前でけっこうアレコレ迷う方が多いようです。

しかし選ぶ基準は実に簡単、それは「まっすぐな、当たり前の形のものを選ぶ」それだけです。そうではない変形歯ブラシ、すなわち曲がっていたりわざと段差をつけた製品は、それなりに意味があるものもあるのかもしれませんが、多くは目立つための小細工です。

歯ブラシは、まず当たる時のスタートポジションが重要です。これがずれていると、いくら動かしても意味がありません。まっすぐな歯ブラシはであれば、メーカーが違ってもスタートポジションは変わりません。

しかしそうでない変形歯ブラシでは、買い替えるたびにスタートポジションをわざわざ確認する必要があります。これは無駄な努力です。

最近流行の「毛先が細い」製品も良くありません。ビデオをごらんになって一目瞭然ですよね。まったく掃けていません。突っついているだけで、歯垢を動かす力がありません。

しかしこの突っついている感覚を「磨けている」と勘違いしてしまう、これがも問題です。歯垢が固まりにくい高校生くらいまでならば、突っついているだけでも効果があるかもしれません。ところが中高年のように歯垢が固まりやすい方には、お勧めする理由がありません。

歯ブラシには「歯科医院専用」という製品があります(保健所は認めたがらないようですが)。専用品にはこのような毛先が細い製品はありません。同じ目的でありながら、スーパーで売られているものとは違います。それだけ消費者はバカにされているのだと思います。

歯ブラシのように単価が安く地味な商品で利益を出すには、まず目立つ事が重要だと思います。私が商売人であったらそう考えます。奇抜な形や色にして、広告をたくさん打つでしょう。そうやって、当社の製品を使えばムシ歯や歯周病を効果的に予防できるというイメージを消費者に訴え続けます。

しかし現実は違います。歯ブラシで一番大切なのは「モノ」ではなく「知識」です。自分の歯がどこにあり、そのどこがポイントなのか?これがわからなければ、先ほどのスタートポジションすら解りません。

これらの事は著書にはずいぶん詳しく書かせてもらいましたが、その部分の反響はあまり聞きません。実は歯ブラシについての出版は企画としては良く聞くのですが、出版社はますとりあってくれません。そんな本を出しても売れるはずがないという判断です。世の中で思われている歯ブラシとは、実はその程度なのです。

しかし私たちは思っています。歯ブラシ一本が日本の高齢社会を変えると。せめて私たちの診療室に来てくださった方、そしてこのVideoCastを見た方だけでも、気がついてくれたらなと思っています。

是非このVideoCastをご参考に、ご自身の歯の磨き方を変えて行っていただければと思っています。何かに投資するよりまず、自分自身に投資してみてはいかがでしょう。

なおVideoCast全18編とスペシャルインタビュー4編は、こちらからまとめてご視聴いただけます。ぜひご活用ください!