2011年5月24日火曜日

コンシューマーは「すぐに結果を知りたがる」

これは本当にその通りだと思います。すべての産業がこれを基準とし、人々がそれを求め続けている、これは事は医療の現場でも日々実感することです。このままでは医療はますます難しい方向に行ってしまいます。

【デジカメWatch】

診療室でも活躍中のEye-Fiカードの新製品発表会の記事ですが、この中でCPOのYuval Koren氏は次のように述べています。
  • 21世紀のコンシューマー動向について「辛抱強くない」、「すぐに結果を知りたがる」といった傾向があるように思うと話す。インスタントのニーズに関する歴史を紹介するとともに、インスタントアップロードはこれまでのインスタントと異なり、何かを犠牲にする意味合いを持たないとアピールした。
これは一見医療と無関係のようで、実は大有りです。「コーヒー・麺・写真」と、インスタントの歴史を振返り新しいビジネスを模索する、経営者として当然の事が書かれています。

今日多くの産業は以下のようなキーワドで動いているように思います。
  • 即時性
  • お手軽
  • 低コスト
そして医療にもそのようなニーズが存在し、多くのチャレンジがされてきました。結果はどうだったか、最近あまりに患者さんに迎合した治療を受け、おもわしくなり結果で再治療を依頼方が増えています。つまりこんな患者さんです。
  • コストやスピードばかり気にして、中身を考えない
  • 困難な治療で進めてみなくてはわからないのに、何回で治療が完了するかを知りたがる
  • 治療は何度もやり直しができると思っている
これは偏に医療が何をやっているのか解らない・難しい・説明し理解していただくのに時間がかかる事も問題だと思います。

歯科の場合は「再治療」というのは非常に困難で、特に根っこの治療(歯内治療・根管治療)の再治療は困難で、顕微鏡やCTを用いて長時間費やしたとしても決して良い結果ばかりにはなりません。「悪くなったらまた治してもらえる」という誤ったイメージを誰もが持っていると思います。

もちろん気持ちは良く解るのですが、私も人間ですからやってみなくては解らない事はたくさんあります。ですから安易に「だいじょうぶです」「治ります」とは言えないのです。言えるの「今ある技術で最前を尽くします。やることはすべてやって、それでもダメなら次を考えましょう」と。

言うまでもなく人の生き方は一つではなく、もちろん答えはありません。なのに最近みんな答えを欲しがる、誰かに何かを言ってほしい・決めてほしいように感じます。

そうではなく、まず現状をしっかり把握し、いっしょに考えて進む、たった一つしかない自分の体なのですから、本当はもっと時間をかけて考え抜いていただきたい。

なのに世の中はそれとは逆の方に動いている、とっても気になる今日このごろです。