2015年7月30日木曜日

8月28日(金)はオープンセミナー 誰にでもわかる!栄養医学療法



5月に行ったオープンセミナーはお伝えいたしましたように満席で、エレベーターホールまで人でいっぱいでした。今までで一番人が集まったセミナーとなり、栄養医学療法の関心は相当高い!そう実感しました。

当日はどうしても来れなかった方も多数おられましたので、もう一度行うことにしました。今回は栄養医学療法のご紹介だけでなく、何かしら結果もお見せできたらと思っています。

かくれ栄養失調は、明らかに来ています。その実態を歯科の現場からお伝えしたいと思います。どなたでもお出でいただける無料のオープンセミナーに、ぜひお越しください!

Open Seminar Vol.❺❽
誰にでもわかる!
栄養医学療法
5月に行われたオープンセミナー、実は満席だったんです。入れなかった方、来れなかった方、ゴメンなさい。という事でもう一回やります。ここ2~3年でガラッと変わった栄養のお話です。
「栄養なんて、別にどうという事は?」と言う方も「摂りすぎて困ってます」という方も、とにかく一度聴いてもらいたい、なぜならあなたもかくれ栄養失調の可能性がとても高いからです。
戦後日本国民の栄養状態は改善されたと言われており、私たちもそれを信用し、体に必要な栄養は普段から問題なく摂れている事を前提で治療を進めてきました。
しかし最近「Blog:歯界良好」にも書いたように、今私たちの所でも不定愁訴で治療が中断したり歯ギシリで歯を壊す方や歯周病やインプラント治療に難渋する方がたいへん多く、そのような方に栄養に重大な問題がある事が解ってきたのです。
今回のオープンセミナーは、最近よく聴く糖質制限オーソモレキュラー療法=分子整合栄養医学などの栄養の話をベースに歯科特有の話を交え、薬に頼らない健康の考え方と、すでに始まっている栄養医学療法の概要と、結果についてもお話いたします。
また今回もスペシャルゲストにアンチエンジングカウンセラーとしてご活躍の看護師 赤須知美さんをお招きし、栄養医学療法の現場の実際についてもお話いたします。
このような話が無料で聴けるチャンスはめったにありません。ぜひご参加ください。
828(金) 17:45スタート



2015年7月22日水曜日

SHOFU 歯メイトコラム 第5回が一般公開に



松風がお贈りする「SHOFU 歯メイトコラム 吉田格の歯界良好・5」が一般公開されました。「症例数の多さは自慢になるか?」と題し、偏った治療方針がもてはやされる現実に警鐘を鳴らしています。

このコラムは次回で最終回。会員には8/15に、非会員には9/15に公開されます。夏にふさわしい内容ですので、ぜひ会員登録(無料)をして早く読みましょう〜!

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吉田格の「歯界良好」 第5回 症例数の多さは自慢になるか?

突然ですが、あなたに命に関わる重大な病気が見つかり、早く手術をしなくてはならないとします。インターネットで調べてみると、手術症例数が多いという病院がいくつか上がってきます。そこにおられる経験が豊かな先生に執刀してほしい、あなたもそのように思うのではないでしょうか。

口腔インプラントにおいてもホームページや記事体広告誌には、症例数や埋入本数の多さをアピールしている医療機関がたくさんあります。経験値が高い先生はこれからもきっと素晴らしい手術をするに違いない、おそらくそう思う患者さんがほとんどではないでしょうか。しかし私は以前から、これはどうなのかと思っています。

前者はすでに確定診断がくだっており選択の余地がなく、しかも緊急性が高いことが前提で話が進んでいます。一方後者は選択の余地がまだあると思うのですが、インプラトしかないような状況で話が進んでいます。両者を同列に扱うのはいかがなものでしょう?

一般開業医で埋入本数が多いというのであれば、全体の来院者もそれなりに多いでしょう。だからインプラント以外の症例数も気になるところです。たとえば、欠損に至はらず保存された歯はいったい何本だったのでしょう。

症例数の多さは確かに大切です。ただしそれは最新の知見に基づいた正しい診断の元に行われていなくてはならず、施術者の好みや誘導によりそれ以外の選択肢が伏せられているとしたら問題です。インプラント症例の多さを広告(?)する場合、同時に「保存ができ、欠損にならずに済んだ症例数」が備わっていてほしい、それをもってして医療機関の評価になると思うのです。

今日顕微鏡の実用化により歯の保存限界は急激に高まり、抜髄や抜歯は明らかに減りました。それに呼応しインプラント補綴に移行する症例は激減しています。もちろん口腔外科専門で紹介患者ばかり診ている先生のところは違うでしょうが、それ以外のところであまりにインプラント症例数にこだわると、逆に信頼を損ねるような時代に移行しつつあるのではないでしょうか。

ところが逆に、近年「反インプラント」とでも言えそうな無理な保存を行う傾向もあり、どう見ても病変が変わっていない症例を「治った」と言っている発表を目にする事もあります。

無理なインプラントはいけませんが、無理な保存も、もちろん無理な義歯もいけません。オールラウンダーたるGPこそ中庸を旨に、特定の症例数の多さで集患(?)するのではなく、患者さんを幸せにした数で評価されたいものです。しかしそうすると今度は「患者満足度 No.1!」とか言うような人がたくさん出てくるのでしょうか?

【おまけ情報】6月28日(日)の日本顎咬合学会(東京国際フォーラム)にて「修復治療の限界を再考する」と題し、顕微鏡下での修復治療の実際についてデモと臨床動画を用いてプレゼンします。吉田の臨床をチラ見できますので、ぜひご来場ください!


MKさんが退職しました→歯科衛生士募集!


歯科衛生士のMKさんが、この17日に退職いたしました。上の写真はその歓送会の時のもの。わずか1年半でしたが、多くの方のメンテナンスに関わり、また日本顕微鏡歯科学会の認定歯科衛生士の資格を取りました。

元から日本臨床歯周病学会の認定衛生士だったこともあり、彼女の活躍は私たちにも大きな刺激になったものです。

11月にはお母さんになりますが、家が近いという事もあり、非常勤で来ることもありますので、見かけたら声をかけてあげてくださいね!

ということで、歯科衛生士に欠員が一名でましたので、新規募集が始まります。正式には8月末からの募集ですが、今からでも見学を受け付けます。私たちと一緒に、完全自由診療ならではの信頼性の高い治療・予防を実現させませんか?下記までご連絡お待ちしております!

2015年7月21日火曜日

「くる病」が来る!?顕在化する栄養失調


更新が滞っていてすみません、言い訳はともかく、ちょっと放っておけない新聞記事ですのでご紹介を。朝日新聞7月14日の朝刊、「くる病」が来る!?という怖い記事です。


かくれ栄養失調が顕在化してきた、その一端が記事になりました。くる病は、ビタミンDがかなり不足した状況で発症します。戦後のモノ不足の時代に多かったそうですが、食糧事情が改善されたと言われる現代では、まったく無縁と思われてきました。

記事では「消えたはずでは…」とあっけにとられていますが、そんな事はありません。ビタミンDに限らず、また子供に限らず、ほぼあらゆる栄養素が不足している、これが「現代型栄養失調=かくれ栄養失調」です。

ビタミンDは小腸と骨に作用し、主にカルシウムの濃度を維持する働きがあるとされています。不足すれば骨が造られなくなり、小児では成長障害が出て、外見的にはO脚やX脚になります。

記事にあるお子さんは母乳のみで育っています。という事は、そもそもお母さんにビタミンDが不足していたという事になります。食品にビタミンDは少なく、UVカット製品の普及で紫外線からビタミンDが造られる事もなく、またビタミンDを壊したり浪費したりするものの影響も大きい、それが現代社会です。このお母さんはその典型だったのでしょう。

ビタミンDは、何も骨に関わるだけではありません。実は免疫や成長に深く関わっている事が最近注目されています。積極的にサプリメントで補った人では、インフルエンザの発症率を42%も減らした!という研究も報告されています(UrashimaMetal,AmJCIinNutr2010;91;1255-60)

今、私たちのところでは血液検査で「25-OH ビタミンD」というのも計測させてもらっています。これはビタミンDの元となる物質で、ほぼそのままビタミンDの量を反映しています。基準値は7~41とありますが、実際には50~80が理想的と言われ、下の写真のように20以下の方は明らかな不足と考えられています。


よくある血液検査は、明らかな欠乏による最終的な症状にしか焦点をあてていません。鉄は貧血が起きなければ正常、ビタミンCも壊血病がおきなければ正常、亜鉛も味覚異常がおきなければ正常…すべてが基準値内にあれば正常とみなされる、小学生でもできる判断が、医者の仕事とされている事になります。

かくれ栄養失調は、かなりのところまで来ています。それは戦後レベルであり、今回新聞がわかりやすくビタミンD不足の記事を掲載しました。しかし記事ではお母さんの栄養に焦点は当てず、成人全般の栄養不足に言及していません。

私も検査結果を見るたびに、確かにこれでは治療はうまく行くはずはないなと思う事ばかりで、なんとか食事改善やサプリメントの内服を勧めています。具体的な改善例はまだ少ないのですが、メンテナンスを正式に標榜する唯一の歯科医療機関として、このような情報発信も必要だなと感じています。

とにかく皆様、食べ物は簡単にすまさずに、よく考えて摂るようにしましょう。かくれ栄養失調は、明らかにそこまで来ています。