2011年7月29日金曜日

日本歯内療法学会に期待する・4


さてコレは去年の日本歯内療法学会学術大会の抄録集です。な、なんと歯が燃えています!熱気ありすぎで、恐ろしすぎます。

これは学会終了後に先輩から見せてもらったものなのですが、内容は『おー、これは!』ととっても面白そう、できれば行ってみたいなと思わせるに充分な内容です。

また、私は会員ではありませんでしたが、学会に付随するように外部で行われるセミナーには誘われて出席してみたのですが、これがまたおもしろい!ならばというわけでこの度会員になってしまいました。

新しく入った学会がどのようなものか、興味津々です。ただし私が抱える歯内療法の課題は、おそらく学会での主要な話題とはちょっとかけ離れているのではないかと予想しています。

まず私には抜髄は大きな課題ではありません。ニッケルチタンという”しなる”材料を適切に使えば、それほど問題になる感じではありません。だいたい「神経をとる」という行為自体が私の診療スタイルからしてほとんどないのです。地域柄もあるでしょうが、一般に保存が厳しいと言われている場合でもでも保存できるケースが多いのです。

大きすぎるムシ歯、けど神経はとらない【吉田歯科診療室VideoCast vol.4】

では何が問題なのか、それはもう圧倒的に「再治療」、いや「再々治療」「再々々・・・・治療」をどうするかです。これはどうも筋書き通りには行かない、顕微鏡やCTで情報を集め、細心の注意を払い、時間をかけて治療しても結果がついて来ない、これでは患者さんから納得して対価をいただく事ができません。

CTから【歯界良好2011-07-28】

こんな事だから、面倒な事はせずにさっさと抜歯してインプラントにした方が… 多くの先生がこのような選択をなさっています。

前述の1のように、日本では法の下できちんとした歯内治療を進めるにはあまりに困難です。この理不尽な状況で成果を上げるにはどいうしたら良いのか、みんなが苦しんでいます。

だからこの学会員でありながらラバーダムを使わない、手袋をしない、まして顕微鏡やCTを使っていない先生が大多数であることは、非難できるとは思えません。

ただいつまでもそうではいけない、未来を、ビジョンをもって、内輪の自慢大会でない、患者さんの方を向いた学会であって欲しいのです。これからいったいどうするんだと。

さてさんざん生意気書いてしまいましたが、それもこんな思いがあっての事だからです。

さぁ明日からいよいよ日本歯内治療学会学術大会が長崎で始まります。私は久しぶりの新鮮な空気に期待を膨らませ、羽田の搭乗口に向かいます。