2011年6月30日木曜日

孫さんが、テザリンング解禁を宣言する日!?


今一番「顔が見える経営者」と言えば、ソフトバンクの孫正義社長を挙げるひとが多いのではないでしょうか。

ソフトバンクは今回の株主総会で自然エネルギーへの取り組みを盛り込んだ定礎変更を俎上に挙げる等、相変わらずスピード感溢れる姿勢を貫いています。

しかしですね、私はどうも孫さんのゲリラ的なビジネスのやり方が好きになれません。ADSL普及のために街頭で派手にモデムを配ったり、かってに有線テレビ受信機を送りつけてきたり…

そしてソフトバンク関連の事業所や子会社の社員がまったく良くない。とにかく何もわからない、ただいるだけ。上意下達がまったくできておらず、何を訊いてもチンプンカンプン。孫さんのスピードについて行ってません。

いやな思いをした事は数限りなく、ついに私はYahoo!BBを解約したのですが、その手続きがなんと解りにくい事か。できるだけ難しくて解約しにくくしているように思えてなりません。

2年前、iPhone使いたさにDoCoMo からSoftBankに変えたものの、なるほど電波が切れやすいという話は本当でした。800MHz帯を持たない同社にはしかたがない事かもしれません。しかしそんな不利な状況をものともぜず、売り上げを伸ばす手腕は確かに凄い。

私が一番驚いたのは、AppleにSIMロック版のiPhoneを造らせ、国内独占販売権を勝ち取ったことです。ま、競合相手がまったくタッチパネルに興味を持たない人が社長だったということも幸いしましたが。

しかし孫さんもただ指をくわえているだけではない、そしてついに…

【SankeiBiz】

やっと来たか!今度はちゃんと免許がおりるとよいのですが。

さてその次にはテザリング解禁の期待が高まります。他社の今夏スマートフォンには、ほとんどの機種でテザリングが使えます。

iPhoneには最初からその機能がついているにもかかわらず、SoftBankの回線が弱い事で使えません。これを早くONにさせてほしい。多少高額にはなるでしょうが、少なくとも今の私のiPhone + E Mobile という「実は2台持ち」状態よりは安価になるでしょう。携帯電話回線を1人で複数持つなんて馬鹿げてます。

自らが広告塔となり会社を引っ張る、なんか最近少ないですよね、そういう人。古くは本田宗一郎や井深大・松下幸之助。今では日本電産の永守さん、ジャパネットタカタの高田さん、ユニクロの柳井さん。後はどうでしょう、ホンダも最近はよく解らないですね。

翻って、自分も一経営者で創業者。既存の医療システムにいろいろ文句を言いながら、そこから離れた所に新しいビジネスを造り実行する、そして私が仕事の「顔」です。いろいろ文句はあっても孫さんのようにやっているか?

もし孫さんが歯医者だったら、どんな事をするだろう?きっと凄いスピードで様々なビジョンを具現化して行くんだろうなと思います。

さて私も今とある変革を進めています。というか、銀座に戻ってきてやろうと思っていた事がまだぜんぜん。それを押し進めるために準備を進めています。孫さんがテザリング解禁を宣言する前に、実行しようと思います。遅れているのを震災のせいにしてはいけません。

2011年6月29日水曜日

SOLARIA HOTEL 現れる


すぐそこで建設中の SOLARIA HOTEL ですが、徐々にその姿を現してきました。


西鉄グループが総力を結集して銀座に進出、どんなホテルになるのかとっても楽しみです。ソラリア西鉄ホテル銀座のオープンはこの秋

2011年6月28日火曜日

facebook からご覧の皆様へ


あ〜、ついにやってしまいました、、、ワケがわからないというのに、facebook に手を出してしまいました。で、なんとかこの「歯界良好」をRSSフィードにて(これもよく解っていない…)流し込む事ができるようになりました。

さて facebook  からこの「歯界良好」をご覧になっている皆様、コンニチハ!ユルネタからカタネタまで、吉田はこんな事をやっています。

しかし大学教授と「友達になる」とは、、、


日本歯内療法学会に期待する・2

こちらからの続きです。学会誌にはこう書いてあります。

  • (我が国では)根管治療に対する診療報酬が比較的安価に設定され、根管治療に十分な時間を割けない状況下からもその成功率は低く、再根管治療の頻度がかなり高い。
  • 術中感染についてはわが国に特化した問題を含んでいる。すなわち根管治療の原理原則である無菌的処置の達成度が低く、その原因の一部が個々の歯科医師のモラルや保険診療と絡み合っている。*1
ここで言う根管治療とは歯内療法とまったく同じと思ってください。さらにバックナンバーにはこのような記述もあります。
  • 無菌的処置原則を守らない根管拡大・形成は、単に感染経路を拡大しているにすぎない。
  • ラバーダムを必ず使用するのは一般歯科医師の5.4%、日本歯内療法学会会員でさえ25.4%にすぎない。
  • (日本の)歯科医師が歯内療法を行う環境は困難を極めている。保健診療における歯内療法の低評価は誰もが認める事実であり(中略)、米国は我国の社会保険診療報酬の7倍以上であり、(我が国が)それに近づけるのは不可能に近い。*2
・・・とまぁ日本の惨憺たる実情を、しかもとっても偉い先生方がよくぞここまで文章にしていただけたものと、涙が出てきます。とは言えあまりに遅すぎた。


あまり知られている事ではありませんが、これが日本の歯内治療の実情です。そしてそれ以外の治療(小さな虫歯治療から入歯まで)においても大差はありません。


日本人はなぜこうも低品質の歯科治療を強要されているのでしょう?そしてなぜこんな重大な事にみんな関心を持たずにすんできたのでしょうか?


〜つづく


*1 野扖由一郎 他 根管治療を再考する その成功と失敗の鍵 日歯内療誌 32(2):87~96 2011
*2 須田英明 わが国における歯内療法の現状と課題 日歯内療誌 32(1):1~10 2011




早起きはホテル朝食券の得?

これはナイスなアイディアだ!さっそく応募してみようと思います。

【読売新聞】

今までもやっていた事があったそうですが、毎日乗っているのにぜんぜん知らなかったなぁ。。。さてどれくらいの倍率になるのでしょうか?

2011年6月27日月曜日

日本歯内療法学会に期待する・1


私が日常苦労しいている治療のほとんどは、いわゆる「根っこの治療」。いろいろやってみましたが、やはり限界を感じます。難しい事はぜず抜歯してインプラントに走る方が大多数なのですが、諦めが悪いのは私も患者さんも同じ。

そしてもう一つ、どうも私の歯内治療に対する悩みは世の中で言われているものとはだいぶ違うなと。これはもっと突き詰めないと、経営的にも危ない… どうする?

そこでこの忙しいのに、もう一つ学会に入会してしまいました。それが日本歯内療法学会(JEA)であります。


固い話ですが歯内療法とはその名の通り、歯の内部の治療方法について学ぶ学問でございます。ココが感染してしまってはダメなんですね。

顕微鏡歯科学会には歯内療法のエキスパートが多数在籍しているのでいろいろ話を伺うのですが、意外に私の診療の実情とずれているのに驚かされます。具体的には神経をとる方の話が多く(抜髄って言います)、再治療の話があまりないのです。

抜髄はウチではほとんどありません。ふつう抜髄になりそうなものでも、水酸化カルシウムを丁寧に適用する事でかなり回避しています。(具体的にはコチラをどうぞ)

たとえなったとしても、今は良い器具がたくさん開発されており、技術的にはそれほど困難なことにはなりません。問題なのは再治療、つまりやり直しの方です。これは半端ではありません。

やり直しとは何か?なぜ再治療になるのか?


さてここに土曜日に届いたJEAの学会誌があります。そこにはたいへん面白い事が書いてあります。いや、面白いという言い方は良くないか?日本の特殊事情を的確に捉えたよいコンテンツです。それは…



2011年6月22日水曜日

さやえんどう

最後の新潟ネタになります。

今回は学会の打ち合わせがメインだったので、実家でもあまり時間をとる事はできませんでした。しかしちょっと寄ってゴハンを食べたのですが、その時母が出してくれたのがコレ。庭でさっき採れたばかりの「さやえんどう」です。


これがもうビックリするくらい「あまい」!旨いと言ったありゃしない。本当に驚きました。

実はみかづきのイタリアンを食べた時に、ちょっと少ないのでもう一品こんなのも食べてしまったのですが…


こちらは誰が見ても甘いもの。この落差はなんなんだろうと思います。自然の恵と、人工の… 何と表現したら良いのか解りませんが、私たちは効率や見た目を重視する短絡的な商売に目を奪われ、本当に大切なものを見失っているなとつくづく感じました。

自然は大事にせにゃならんです。そして日本はこれからそういう風に変わって行ってほしいと思うのですが…

2011年6月21日火曜日

新潟に咲く花

恒例のお花シリーズです。ま、花でないものもありますが。すべてiPhoneで撮りました。

来年の顕微鏡歯科学会は 4/14,15 新潟で

学会の打ち合わせのために新潟に行っていたと書きましたが、実は来年の日本顕微鏡歯科学会の打ち合わせで母校に行っていたのでした。震災の影響で今年の学会がまだ終わっていないというのに、掛け持ちです。


第9回 日本顕微鏡歯科学会 新潟大会
2012年4月14日(土) 15日(日)

大会長:五十嵐勝(日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第一講座教授)
実行委員長:菅原佳広
(日本歯科大学新潟生命歯学部総合診療科)

場所:日本歯科大学新潟生命歯学部 アイヴィホール
新潟市浜浦町1-8 
http://www.ngt.ndu.ac.jp/

14日(土)には懇親会がございます
 


顕微鏡治療を旨に新潟で参加者を集めるのはなかなか難しいかもしれません。しかし我が故郷こそ普及してもらいたい、そのための努力は惜しみません。

11月の東京大会は新潟大会のためのほんの前哨戦、そんな気持ちで望んでいます。

電動鉛筆削り

ちょっと懐かしいモノが実家の母の机の上にあったのでパチリ。さてこれは何でしょう?
答えは「電動鉛筆削り機」! 節電が当然な今日でなくとも、こんな事に電気を使っていいものだろうかと思いますよね。手で削れよって。

でこの類いのものはまだ製品としてあるのだろうかと思い検索すると、いやいや、あるんですね。驚きました。買う人がおられるようです。

この写真の電動鉛筆削り機は実は私のもので小学校低学年の頃誕生日に両親から贈られたもの、つまり既に40年が経過しています。見ての通りナショナル(現パナソニック)製で、その未来的なデザインと、当時としては斬新なターコイズブルーの本体は眺めているだけで満足感に浸れます。カッコイイ!当時テレビコマーシャルでは、

「削〜れる〜 と 光が走る!」「たった二秒できれいに削れる!」

と唄っていたものです。未使用の鉛筆をたった二秒でトンガリ状態にし、その過程を上面の5つのランプで表示します。今思うとなんともムダな…

しかしこれを見た友人のウケは最高で、皆鉛筆を突っ込んではおもしろがり、ムダな鉛筆削りをしては「スゲー!」と感動して行きます。そして家に帰ってお母さんに「新しい鉛筆がなんでこんなにもう短くなっちゃうの!?」と怒られます。そう、面白い事と相まって削りすぎてしまうのです。

その後シャープペンシルが登場し、鉛筆の役割はちょっと変わった所に移ったように思います。私はあまり鉛筆は使いませんが、実用品というよりはちょっとオシャレなデザイン用品という感じでたまに登場します。4Bくらいの柔らかいものでクロッキー帳に図を描くのはアジなものです。

今でも学生は鉛筆を多用すると思いますが、さてどうやって削っているのでしょう?かなり前の事ですが、小学生に切り出しナイフで鉛筆を削れるよう練習させたら、保護者が危ないから止めるようにとクレームをつけた事で激論がかわされました。

ずいぶんくだらない議論だと思っていましたが、そんな事が問題になるからいまだに電動鉛筆削り機なんかがあるのかもしれません。鉛筆ひとつ削るにもいろいろな方法や考え方がある、これは認めなくてはなりません。

診療でいろんな人のお相手をする私には、その人がより良くなるよう多用する価値観を許容できるようでなくてはなりません。いろんな存在は認めなくてはなりません。

幼少の私に両親がどのような思いでこの機械を買ってくれたのか、おそらくたいした意味はなかったのでしょうが、こんなことを40年後の私に教えるためではなかったのかなと、ふと思いを巡らせてしまいます。

けどやっぱり、電動は…


2011年6月20日月曜日

みかづきのイタリアン

先月学会の打ち合わせで新潟に行ったのですが、やはり気になってしまい、わざわざコレを食べてきました。こちらでもご紹介した謎のB級グルメ、新潟名物「みかづきのイタリアン」。昔と変わりません。

新潟の人はこれをイタリアのものと洗脳されています。純粋な中学生だった私もその1人。いったいどこがイタリアンなんだ〜!?

しかしなつかしい味です。まぁ焼きそばを連想していただければ良いのですが。今はバリエーションも多く楽しませてくれます。新潟に行ったら是非ご賞味あれ!

Leica M-320 再び・6【総括】


Leica M-320 の総括です。機械というものは出始めはまだ未完成、出荷後に小改良が施され一年くらいかけて良くなる、自動車なんか見てると良く解りますよね。一年でパーツがずいぶん変わったりします。そして顕微鏡も同じだなと思います。

実はこの一年で良くなったなと思ったのが各部の動き、特に支柱の回転です。去年のものはどう調整してもスムーズに動かず、顕微鏡の出し入れに苦労したものです。治療の全行程に顕微鏡を用いるわけではありませんので、出したり引っ込めたりします。それがスムーズに行かないと、なかなか使う気にはなれません。そこが変わったのが一番だと思います。

反面残念なのがやはりカメラの撮像範囲、改善はありませんでした。Leicaとしてはこれで問題がないと思っているのでしょうか。だとしたらまったく歯科の事が解っていない、全身麻酔ではないので患者さんというのはしょっちゅう動くもの、当然視野も偏位します。したがって撮影にはかなり慣れが必要になります。

さて本機も販売から一年が経過し、ユーザーさんからいろんな声が集まっているはずです。さらなる改良やオプションの整備に期待します。応援します。ガンバッテ!

2011年6月19日日曜日

Leica M-320 再び・5【動画】

コチラからの続きです。同じ症例を動画で見てみましょう。約200秒のダイジェストです。


原画はコチラ【YouTube】

原画は720×480と小さく、ハイビジョンの時代でありながら、5年前の平均像といった感じです。

しかしこのような動画を治療直に後患者さんにお見せできるメリットははかり知れません。オールインワンを旨とするLeica M-320であればそれがすぐにできる、これは重要です。アレコレ繋ぐのが嫌な方には最高の一台ですね。

撮影はやはり視野中央に作業中心を持って行く事に神経を使います。慣れないとすぐ隅っこに行ってしまったり、撮影範囲から逸脱します。

それから本機はオートアイリス(自動調光)で、真ん中を基準に全体の明るさが決まります。したがって真ん中に濃いものが来ると周辺は白飛びします。上のビデオでも1:06 の所で中央のエアタービンに明るさが合い、作業中心である歯は白飛びしています。本機に限らず、これは汎用カメラの仕方がないところです。

以上のような事に気をつけて撮影すれば効果的な動画を撮影する事が可能です。この症例では古いコンポジットレジンを撤去すると、中からムシ歯の取り残しが出てきたところがポイントです(0:16)。さらにムシ歯を取りきった事をお見せするのも重要です。

どんなに大きなムシ歯でも最初は小さかったはず、その時点でしっかり治療と予防が出来ている事につきると思います。さて最後は総括です。

Leica M-320 再び・4【静止画】

LeicaM-320 の静止画と動画の画質について見てみましょう。サンプルは典型的なムシ歯治療で、部位は左下の前歯です。

基本的には以前と撮像範囲は変わりませんが、対物レンズ焦点距離が250mmになった事で若干視野が変わったようです。それでも常に視野の中央に治療対象がなくてはならない事には変わりなく、ちょっと神経を使います。


これはもうどうしようもない事なのですが、動画用のセンサーで静止画を撮るこのような眠たい画像にしかなりません。一眼レフなどの専用カメラからの画像を見慣れた我々から見れば、写りはぜんぜんパッとしません。

しかし患者さんにお見せするのにそこまでの画質が必要かと言えばそんな事はなく、まったく見えず解らなかった事が目前に現れるだけで驚きです。

上の一枚目はムシ歯の存在と不完全な詰め物(コンポジットレジン)を写したもの、二枚目はムシ歯を取りきりラバーダムを装着したものです。

この二枚の写真だけでただムシ歯の存在を示しただけでなく、一枚目からは予想もつかなかった実際のムシ歯の大きさ・ムシ歯を取りきったという証拠・コンポジットレジンを使う治療の難しさ・ラバーダムを装着する事の重要性を簡単に説明する事ができます。

それから顕微鏡からの撮影は、患者さんに負担をかける事がまったくない事も重要です。一眼レフカメラなどでの撮影は、診療を中断して患者さんに口角鉤(口を引っ張る器具)を持っていただき、口に排唾管と鏡を入れて、アーダコーダ言いながら何枚も気に入った写真が撮れるまでシャッターを切り続けます。これは患者さんにはとっても迷惑です。少なくとも私には手術中はできません。

しかし顕微鏡からの撮影は、治療を中断する事なく誰かにリモコンボタンを押してもらうだけです。今自分が見ている像がほぼそのまま記録されますので、ごまかしや撮り直しのきかない一発勝負の世界、信憑性は抜群です。

歯科界では患者さんの存在を無視したかのような、アートのための写真を撮る方が少なからずおります。私はそのような写真の存在を否定する者ではありませんが、どうも行き過ぎているのではと懸念しています。少なくとも医科ではそのような事はないと聞いています。顕微鏡からの撮影は患者さんの迷惑にはならないため、とても良い方法なのではと思います。

次にこの治療の動画サンプルをご覧いただきましょう。

2011年6月17日金曜日

Leica M-320 再び・3【Eye-FI カード】


実は一番最初に試したかったのが、Eye-Fi カードで動画も転送ができるのかです。M-320の性能とは直接関係はないのですが、使い勝手に大きく影響するものでして…


で結果は見事に成功!パチパチパチ。Eye-Fi カードは偉い!


もちろん既報の通り、静止画も問題なく転送されます。クラウドに保存されますので、帰宅して見る事もできます。共有設定しておけばiPadで見る事もできます。

エンドレスモードを試したかったのですが、そこまでの容量を撮影することはできませんでした。


ソフトウェアバージョンは1.73に。次は写りを見てみましょう。

Leica M-320 再び・2【外観】


たいへんお待たせいたしました。一年前の状態から細かな改良が施されたLeica M-320 のレポートです。株式会社モリタの成島様と水野様に感謝いたします。

さて、まずは外観から。よくよく見ると、、、


対物レンズにカバーが付きました。斜めになっているのは反射を防ぐためです。着脱は容易です。


そしてボディ後端には待望のカウンターバランス(重り)が付きました。これで突然カクンと動いてしまう事が少なくなりました。


もちろん良好なグリップ感はそのまま。ところでこのグリップ、どこかで見た事があると思った方はおられませんか?答えはコチラ。実は同じ企業傘下なんですね。


賛否両論の左右グリップ。今回は付けっぱなしで使ってみましたが、まぁ慣れの問題です。しかしまるで飛行機のようで、飛んで行ってしまいそうな感じですね。


実は今回、対物レンズの焦点距離は250mm。200mmよりも断然使いやすいです。左右のグリップがタービンホースにひっかかる事もほとんどありません。


新旧 Leica 顕微鏡、15年の歳月を感じずにはいられません。さて、使用感を小出しにアップしてまいります。

2011年6月16日木曜日

ラテラル vs クレスタル

ちょっと専門ネタになります。歯科インプラント関係で最近よくある議論で、上顎洞底挙上(サイナスリフト・サイナスフロアエレベーション)という手術を「横からするか、下からするか」という話があります。去年もコチラで激論がかわされていたのは記憶に新しい所です。

今回の顎咬合学会でもそのシンポジウムがガッチリございまして、自分もいろいろ事例を見てきた事もあり、考えさせられてしまいました。


上の奥歯にインプラント治療を行おうとする時に問題になるのが、上顎洞という空洞の存在です。この空洞は副鼻腔というものの一つ、まぁ鼻の穴の続きみたいなものだと思ってください。日本人の上顎洞はその底が下方にあることが多く、インプラントを入れるための十分な骨の深さがとれない事がふつうにあります。

そこで考えだされたのが「上顎洞底挙上」という手術。詳しくは著書をご参照いただければと思うのですが、上顎洞の底に骨を造ってインプラントを入れられるようにしましょうというものです。見かけ上、上顎洞の底挙げになりますので、このような名前がついたのでしょう。



さてその手術をどこからするのかで議論が分かれるのは以前書いたとおりです。で通常は「ラテラルアプローチ」と言って、横側から骨を開けて行きます。


こんな感じになるのですが、この写真のような多房性と呼ばれる複雑な形態にも対処できます。その先にある粘膜は破かないように慎重に進めて行きます。しかし往々にして破れてしまうのが問題です。

この方法の一番良いところは大きく開けるので「よく見える」という事です。破れている事がすぐ解る、だから対処がしやすく結果として失敗が少ないのです。


一方「クレスタルアプローチ」はインプラントを入れようとする穴から直接粘膜を剥がして行きます。最近の流れはこちらです。

この方法は「簡単である」と紹介される事が多いのですが、私の見解はまったく逆です。こんな難しく恐ろしい方法があるのだろうかと。

クレスタルアプローチと呼ばれるようになったのは最近の話で、「ソケットリフト」とか「オステオトームテクニック」と呼ばれるのが今も一般的です。両者は同じ事で、オステオトームという器具で上顎洞底の骨をゴンゴン叩き徐々に骨折させ、粘膜共々上に挙げようというものです。これは患者さんにとってはたまりません。中にはあまりの衝撃に脳震盪を起こす方もおられるそうです。

実はとある講演会で、「私は200回くらい叩き、患者がフラフラで帰れなくなった事があった・・・(会場は沈黙)・・・あ、ここ、笑う所なんですが・・・?」とおっしゃっていた先生がいました。何とも恐ろしい![*1]

ラテラルはちょっとした外科の知識が必要で、誰にでもできる手術ではないかもしれません。それに比べてソケットリフトは手技自体は単純かもしれません。ですから外科の知識の少ない先生が安易に取り組む傾向にあります。したがって脳震盪以外にも、失敗が少なからず報告されています。穴が小さすぎて、粘膜を破ってしまっているのに気がつかないのです。


上の写真は私がクレスタルアプローチの再手術を依頼され施術した時の写真です。穴は直径4mm、この穴から上顎洞粘膜を剥離し、上に挙げて行きます。その後この穴にインプラントを置いて行きます。(別症例ですがサンプル動画はこちらです)

問題は写真下の穴、粘膜の奥に白いものが透けて見えますね。これは前の治療で使われた骨を補填する材料です。これは破れた穴から奥に漏れてしまった証拠で、その後粘膜が塞がった(治癒した)跡です。

実はこの症例は骨の厚みが1mmあるかないかで、難しい部類に入ります。どこのメーカーのインプラントでも適用できるものではありません。インプラントがしっかり停まる(初期固定って言います)形態の製品は少ないのです。

ところがあるインプラントメーカーさんの口演では「インプランはきちんと停まっていなくてもだいじょうぶ。緩んできたら締め直せば良い。それがウチのインプラントの特徴だ。」と豪語する所があるのです。私は以前から「失敗が増えなければ良いが…」と心配していました。それがついに私の診療室にまで訪れるとは、世の中には相当数の問題が発生しているのではないかと思います。



私は思います、便利な器具が開発された事もあり時代は確かにクレスタルだ、しかしクレスタルは危険だ。それは見えないからこそおきうる危険性に気がついていない、いや気がつく術を持たない事が問題だと。

解決策は一つ、顕微鏡を使う事です。顕微鏡を使う事で直径わずか4mmの穴からでも危険や失敗に気がつきます。そうすれば手術を中止したり、別な方法に切り替える事ができます。

別な方法とは、それはラテラルです。異常に気がついたらラテラルに切り替えて再アプローチすれば解決の道が開けます。しかしラテラルのスキルのない所ではそれができません。それが問題です。

例えば腹部外科の世界では内視鏡手術が普及しています。手術範囲の狭いこの方法は入院期間も短く、評判は上々です。しかしやはり見える範囲が狭く危険が伴います。ですから手術中に内視鏡では不可能だと判断したら、すぐに開腹手術に切り替えます。歯科口腔外科で行うサイナスリフトも同じだと思うのです。

いかなる手術も無理をしてはいけません。クレスタルが無理そうなら直ちにラテラルに切り替える用意をしておく、そしてその逆も必要、私はそのような考えでサイナスリフトに取り組むべきだと考えています。

「横からするか、下からするか」という議論は、安全性から議論しなおしていただきたいものだと思うのですが。。。

*1 さすがにゴンゴン叩くのはマズイという事で、最近は安全なドリルが数社から発売されています。しかしこれとて失敗があるようで万能ではありません。私も使い始めましたが、慎重に使わざるをえません。さすがにオステオトームは時代遅れですね。

2011年6月15日水曜日

「歯科衛生士シンポジウム」のプログラムがアップに

11月の日本顕微鏡歯科学会の学術大会の目玉とも言うべき(!?)、歯科衛生士シンポジウム。そのプログラムもアップされました。


スケジュールの都合で4月に予定されていたシンポジストから1名変更がでてしまいましたが、それでもすごいメンバーが揃いました。

11月27日(日)14:35スタート。みんなで日本歯科大学へ行きましょう!

***

【歯科衛生士シンポジウム】 

歯科衛生士が顕微鏡を使う意義はたいへん大きなものがある事に疑う余地はありません。 例えばプロービングやスケーリングに顕微鏡を用いると、肉眼では知る事もできなかった 実態に気づくものです。

しかしその使いこなしのハードルは決して低くはなく、歯科医師と同様にそれなりの練習 や慣れが必要です。また診療アシストや顕微鏡治療に必要な特殊器具の整備など、歯科衛 生士がかかわる業務は多岐にわたります。

このシンポジウムではすでに顕微鏡を目常的にお使いの3名の歯科衛生士の先生にご登壇 いただき、顕微鏡を使う事の喜びや苦労などを自由に語っていただきます。

歯科衛生士ならではの顕微鏡活用のノウハウを多くの人と共有し、この輪がさらに広がっ て行く事を願いこのシンポジウムを企画しました。討論の時間もございますので、会場か らの活発なご意見・ご質問もお待ちしております。きっと明日からの臨床がさらに楽しく なる事でしょう。

コーディネーター 吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック 吉田格

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日本顕微鏡歯科学会は11月に

4月に予定されていた日本顕微鏡歯科学会、震災のため中止を余儀なくされましたが、なんとか11月に開催できる運びとなりました。新しいホームページができましたので、以下にご紹介いたしましょう。

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ご挨拶

東日本大震災により被災された方々へお見舞い申し上げます。

震災の影響で中止とした第8回日本顕微鏡歯科学会東京大会を半年延期して開催できることを謹んでお知らせ致します。

顕微鏡歯科の普及と教育を目的 に発足した当学会も設立から8年を迎え、認定医制度も発足し、情報公開などを視野に入れ、あらたな変革期を迎えております。

2011年東京大会は「Get Visual and Open Your Dentistry!」を大会テーマに掲げ、治療の映像化を通して内容を具体的に検証することに主眼を置いた新しい試みの学会であります。

 また本大会は初めて会期を二日間とし待望のテーブルクリニックや歯科衛生士シンポジウムを行うなど、新しい時代に相応しい大会を目指しております。

震災からの復興へ向け、顕微鏡歯科という大きな流れを掴む絶好の機会になると確信しております。
大会長:三橋純  学会長:辻本恭久


大会準備室

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック
〒104-0061 東京都中央区銀座3-11-16 銀座Saliceビルディング2F
TEL:03-3248-0418 FAX:03-3248-0417