7月12日に「顕微鏡とファスティング」という、普通では考えられない組み合わせのお話をしてきました。両者を取り持つのは、もちろん「インプラント周囲炎」です。
インプラント周囲炎の治療は、インプラント周囲の骨や歯肉を破壊から再生に転じるために、あらゆる事を考えなくてはなりません。その一翼を担うのが分子栄養学に基づく栄養療法でした。
去年その栄養療法のお話させていただいたときにちょっとだけファスティングの話をしたら、ずいぶんウケが良かったので、今回このテーマとなりました。
インプラント周囲炎の患者さんにファスティングを進めた事はありませんが、ファスティングを学ぶことは栄養療法の理解が深まります。すなわちオートファジーやミトコンドリアなど、細胞機能を廻すことが重要ということです。
生命体は飢餓にはある程度耐えられるようにはなっていますが、飽食に耐えられるようにはなっていません。プログラムされた細胞機能を取り戻すのにファスティングは非常に有効です。
痩せるためにファスティングをとりいれる方が多いと思いますが、細胞機能をあるべき姿に戻すことで、結果的にバランスが良い体型になるというのが正しい考え方です。
流派がいろいろあり、インスリンを悪者として考えるか・ファスティング中の蛋白脂質制限をどう考えるか・糖質をどのように使うか…など様々な考え方があります。しかし私が考えるにどれも有効であり、対立関係にはありません。適宜自分の体調やライフスタイルに合わせ、無理なく取り入れれば良いと思います。
講演終了後はいつものお寿司屋さんで、すでに在庫切れとなった「響」をいただきながら、楽しく意見交換をさせていただきました。
またお土産として、入手困難が続く「ロイテリヨーグルト」が1人1袋(1人1個じゃないですヨ)が配られ、たいへん喜んでいただけました。
来年以後はどうなるかはわかりませんが、今後も歯科臨床と栄養の繋がりについて模索し、発信して行こうと思います。
横浜口腔インプラント研究会の皆様、たいへんありがとうございました。