2013年3月17日日曜日

RGPの椅子を買いました (^o^)

2月のALDに行った時に、診療用の新しい椅子を調達してきたのですが、やっと届きました。RGP社の The 400-D  を2脚、ごらんのようにキノコのような面白い形です。



椅子は毎日使うものですから大切です。今までは開業以来16年使ってきた国産の安いもので我慢してきましたが、ガタもきたし座面も破けてきた事から買い替えを検討していました。

ちょうど去年アメリカの学会に行った知人の先生がこれを買ったので、試しに座りに行ってみたところ、オー、これはいい!

歯科治療用の椅子は座面が少し前傾すると具合が良いのですが、これはそれが調整できます。もちろん高さや背面角度も調整できます。それが一本のレバーで簡単にできるのがスバラシイ!二分割の背面の当たりも気持ちいいです。その背面も上下調整できます。

Room-A にはド派手な赤。

Room-B にはシックな紺。

一脚$792ですが、アベノミクス効果で円安となり、送料や通関手数料もありそこそこの金額になってしまいましたが、満足度はかなり高いです。オンラインストアもあり、もちろん日本から購入する事もできます。4台買うとディスカウントになります。

色は地味なものばかりでちょっと面白くありませんが、赤はかなりいいです。ただし赤はオンラインでは買えないようです。

なおオプションで肘当てもあるのですが、私は歯科治療は基本的に脇を閉めて行うものと思っているのでこれは不要です。先の知人の先生も買ったものの、結局使っていません。

あとは耐久性ですね、壊れたらどうしようかと。そのようなリスクを無視できる先生にはなかなかオススメです!

どこか輸入代理店やってくれないでしょうかね?コレ、売れますよ!座ってみたいという方、ぜひお申し出ください。

2013年3月16日土曜日

Alta:進化する半導体レーザー

2月に行ったALDでの話です。

去年ALDに行った先生から話は聞いていたのですが、驚くべき性能の半導体レーザーが既に市販されているとの事で、この度実際に試用することができました。なるほど、他のメーカーがこの装置に追いつくのは、ちょっと難しいかもしれません。



その名は「Alta」、新宿のあのビルではありません。デザインはもう一つですが、性能はまさにビックリ!半導体レーザーの欠点を見事に解消しています。

半導体レーザーの欠点、それはチップ先端の状況で温度が刻一刻と変化する事です。チップはどうやっても発熱します。レーザーが組織に吸収され切開されるより先に、すでにチップ自体が高熱ですので、その熱伝導主体で切開されます。しかしそれが不安定で、温度管理が難しいのです。ですから同じ出力であっても切れすぎたり、まったく切れなかったりという現象がおきます。

その欠点を補い安全を確保するために、私は世界で唯一フットペダルで出力を連続可変できる、しかも冷却装置が着いた半導体レーザーを長らく使ってきました。これはこれで素晴らしいのですが、どうしても装置が大きく複雑になってしまいます。これだけ大掛かりな半導体レーザーは、後にも先にもこの装置しかありません。半導体レーザーの世界の流れとは、性能はそこそこでいいから、小さく軽く安くすることなのです。

しかしAltaの考え方はまったく違います。なんとチップ先端の温度を測り、それをフィードバックしてレーザーの出力を自動で連続可変します。つまり先端温度は一定、そんな事ができるのか!?


上の写真は、赤がAltaのチップ温度、青が出力をあらわしています。横軸が時間です。

最初は赤が低いのですが、これは温度を500℃に設定し、鶏肉を切開している時のものです。青が出力ですが、微妙にコントロールしながら温度をほぼ一定に保っています。

途中から温度設定を700℃に変えたので、赤い線が上がっています。そのため出力が一瞬上がっていますが、すぐにフィードバックされ出力が下がり温度が一定に保たれています。

半導体レーザーは切開すると炭化物がチップに付着します。炭化物は黒いのでそこでさらにレーザーが吸収され温度が上がります。出力が一定では温度はどんどん上がって行き、切れすぎる事になってしまいます。

ところが炭化物がポロッと剥がれると、温度は一気に下がります。つまり切開ができない。しかしそうこうしているうちにまた炭化物が付着しはじめ、切れ出す。この繰り返しが使いにくさの原因です。


半導体レーザーは最初からチップが熱を持つ事を前提に使わなくてはなりません。ならば積極的に発熱するように最初から先端を加工した方が管理が楽です。Altaはその行程が標準化されています。

上の写真はその様子で、黒い錠剤が入ったケースの裏からファイバーを差し込み、炭化物(レーザー吸収体)を付着させます。この状態でレーザーを使い始めるわけです。この行程をInitiationと呼ぶそうです。なんか宗教的であまり良くは聞こえませんが。

こうして温度管理されたレーザーによる切開は極めてスムーズで、炭化層は最少で非常にスッキリしたラインを形成します。試しに一瞬エアで冷却すると直ちに出力が上がり、温度を上げます。しかしエアを止め温度が一瞬上がったと思うと瞬時に出力が下がり、一定温度を保ちます。信じられない精度です。

現在フィードバック時のレーザー発振は連続波だけなのだそうですが、今後は断続波でも可能となるそうです。

さらに驚いた事に、このレーザーは将来的にはハンドピースを交換して、半導体励起のEr:YAGレーザーになるとの事です。私が知る限り、その方法では歯が削れるまでにはならないのですが、できるのだそうです。これもちょっと信じられませんが、とっても期待しています。

このAltaは日本でも薬事認可をとり、正式に販売したいとの事です。半導体とはいえ、Altaは日本ではまだ歯科用では認可がおりた事がない980nmですので、そのハードルはたいへん高いと思います。ぜひがんばってもらいいたものです。

未認可の並行輸入レーザーを何ら知識を持たずに使っている方が多いのですが、どうせ使うならこれくらい安全に配慮されたものを使っていただきたいものです。

久しぶりに素晴らし機器と出会う事ができました。これからも注目して行こうと思います。がんばれAlta!

2013年3月14日木曜日

走りながら考える・為末 大 著


早い人なら4時間くらいで読める本ですが、やっと読了。しかしアスリートの言葉ってのは、どうしてこうも面白いというか、心に響くのだろう?読書嫌いの私も、この手の本は大好きです。

知人のY先生の患者さんであるという事もあり、為末さんの話や活動はいろいろ注目していたのですが、ラジオ版学問のススメに出演しているのを聴いて、すぐにこの本買ってしまいました。番組は無料で聴けますので、ぜひダウンロードしてみてください。面白いです!


アスリートがピークを過ぎてからどう立ち向かうか、努力をしても報われない現実とどう向き合うかなど、リアルで落ち着いたものの見方がとっても共感できます。

私は自分の仕事をアスリートに準えて考えた事があり、このブログにも書きました。


陸上短距離は本当に競技中に考えている時間はほとんどないと思いますが、長距離や球技などは試合中にいろいろ考えながら体を反応させて行かなくてはなりません。そういう意味では医療の現場は正に「走りながら考える」です。

私は別に歯科医師の中で一番になる事はあまり意味があるとは思いませんが(そういうランク付けを商売にされている方もいるのですが)、いらっしゃっている患者さんにとって一番でなくてはなりません。本書にも「日常の中には実行できる小さな挑戦がたくさんある」(p202)とありますが、そんな事をコツコツやっていって、何か小さな花開いたら嬉しいですね。

いろんなヒントが詰まったこの本、お薦めいたします。しばらくフロントに置いておきますので、お手に取ってご覧になってみてください。

走りながら考える人生のハードルを越える64の方法

為末 大:著
価格(税込):¥ 1,575
発行年月: 2012年11月
判型/造本:46並製
頁数:216
ISBN:978-4-478-02287-0
ダイヤモンド社

2013年3月11日月曜日

自由診療の疑問に答える 4月13日(土)はオープンセミナー


久しぶりのオープンセミナーです。4月13日(土)の土曜診療後の17:45からのスタートです。

今回のテーマは自由診療の疑問に答えるです。

自由診療というと、ただ値段が高いだけで保険と何が違うのか良くわからないという方が多いと思います。 それから吉田歯科診療室は自由診療専門の歯科ですが、これは保険併用の時代と何が違うか?実はこれも制度の問題がクリアになった事で、まったく違う診療をやっているのです。 

たとえば、今どこの歯科医院でもインプラントを勧める機会が多いと思います。ところが私たちは必ずしもそうではありません。 「神経をとりましょう」「歯を抜きましょう」と言われた場合も、私たちにはちょっと待ってくださいと言えるのです。

実は自由診療専門の私たちには健康保険併用の歯科医院ではできないオプションがたくさんあるのです。 今選ぶべき治療は何なのか、知られざる健康格差について、その違いを顕微鏡からの動画などを用いて明らかにします。 

自由診療はどこの歯科医院でも同じではありません。ぜひ慎重に選んでいただきたいと思います。今回のオープンセミナーではそのためのお手伝いをいたします。無料ですのでぜひいらっしゃってください。詳しくは以下までどうぞ。

2013年3月8日金曜日

世界らん展 日本大賞2013

ちょっとご案内が遅れてしまいましたが、先頃開催された世界らん展 日本大賞2013に、当診療室の患者様が出展。担当のWDさんが突撃してきたときの写真です。毎年見ていますが、ほんとうに立派ですね!

《写真はクリックすると拡大します






2013年2月28日木曜日

3/10,17日曜日に「歯の相談会」をやります

日曜日に、専門家にきちんと訊いてみよう

3月10日(日)と17日(日)に、こんな相談会をやることにしました。日曜日というところが重要で、以下のような希望にお応えするための時間です。
  • 診てもらいたいんだけど、平日はなかなか時間がとれない 
  • 今やっている治療がどうも心配だ 
  • インプラントにしなくてはならないと言われたが本当にそうなのか訊きたい 
  • 一度顕微鏡できちんと診てもらいたい 
それから自由診療化した事でちょっと私たちの敷居が高くなってしまい、本当は診てもらいたいんだけど金額的に躊躇していた方にも朗報です。下記のように破格で顕微鏡による診査や相談が受けられます。

この相談会では、今お持ちの疑問をどうぞすべてお話ください。お口の中を顕微鏡からのリアルタイムの画像をいっしょに見ながら、自由診療の専門医として新しい方法をご提案いたします。通常の方法では発見が難しいムシ歯や歯周病が明らかになります。

なおこの相談会では治療やレントゲン撮影はできません。レントゲンやCTなどの資料をお持ちの方は当日ご持参ください。

予約やお問い合わせは、以下のお電話かメールにて承ります。

電話 03-3248-0418 
メール info@y-dc.org 

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歯の日曜相談会
日曜日に、専門家にきちんと訊いてみよう


期日:2013年3月10日 (日)・17日(日)

時間:10:00 ~13:00

定員:1日3名限定(予約制)

費用:¥5,250(30分)

場所:吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニック
   東京都中央区銀座3-11-16  銀座Saliceビルディング2F



抄録:動画でみる半導体レーザー治療の実際


2月24日に開催されました日本レーザー歯科学会教育研修会、私が担当した分の抄録を掲載します。

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動画で見る半導体レーザー治療の実際

日本レーザー歯学会 評議員 研修委員会委員
東京都中央区開業
吉田 格

本講演では半導体レーザーの中で医療用として最も一般的な 810nm の機器について、動画を用いて解説する。810nm レーザーは生体に照射すると理論的には深部にまで達し温熱効果が発現する。しかし臨床では必ずしもそのとおりの効果が現れるわけではないので、まずその実証用に2本の基礎実験をご覧いただく。

1本目は、レーザー照射中の光ファイバー先端の温度変化について記録したものである。新鮮切断後の光ファイバーを用いて赤外線カメラで撮影すると、照射数秒後に250度を超える温度上昇が認められる。これはファイバー先端でレーザーが屈折や乱反射を繰り返し一部が熱に変換される現象で、いわゆるホットチップという状態になった事を示す。

2本目は、卵白中に新鮮切断後の光ファイバーを浸漬し、照射後にどのような変化が現れるかを記録したものである。待機時はファイバー先端から漏斗状に広がる赤いガイド光が観察される。ガイド光はこの後照射される 810nm とほぼ一致した照射域であることが解っているので、赤色の動向がほぼそのまま 810nm 照射域と考えて良い。3W 連続波を照射すると3秒後よりガイド光は徐々に収束しだし、9秒後には完全に消失、それと同時に卵白は激しく沸騰しだす。810nm は本来卵白にはほとんど吸収されないにもかかわらずそうなるのは、ホットチップからの熱伝導により生じたものと考えるのが自然である。また卵白の沸騰は赤色ガイド光の消失と同時に生じた。これはファイバー先端でレーザーが集中的に吸収され、周囲への照射量が待機時に比べ極端に減少した事を示す。

以上を踏まえ臨床での効果を考察すると、適用時はホットチップ化している事を前提とした方が現実的である。この状態でチップが軟組織に触れると先端に炭化物が付着し、色素依存性である本レーザーはそこでさらに吸収が促進されて行く。結果的に組織透過量は理論値より減少する。

引き続き臨床ビデオを供覧いただく。まず最もよくある軟組織切除について、支台歯マージンの歯肉整形と粘液嚢胞摘出術などで解説する。半導体レーザーは切開・創部止血凝固に優れており、支台歯やインプラントのマージン周囲の歯肉に対し安全に細かな整形が可能である。

しかしファイバー先端温度はその状況により変化し一定ではないので、術中は照射条件の変更を念頭に置くべきである。また半導体レーザーに限った話ではないが、照射中は組織の冷却などを充分に行い、治療対象部以外への熱伝導が最小になるよう配慮しなくてはならない。

また半導体レーザーのもう一つの代表的な使用法であるLLLT(Low Level Laser Therapy)についてもご覧いただく。LLLTはホットチップではない810nmレーザー本来の作用であり、疼痛緩和・組織賦活に対しどのレーザーより実績があり有効である。

以上を参考に、臨床に半導体レーザーを有効に取り入れていただければ幸甚である。