何気ない日常に、実は健康や病気の秘密がたくさん隠されています。このBlogは東京銀座・吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニックの吉田格が、日々何を見て聞いて考えているのか、診療中にはお話しできない事をお伝えして行きます。
2016年10月12日水曜日
10/22,23 日本デンタルショーにて半導体レーザーミニセミナー
日本歯科医学会のお隣で日本デンタルショーが行われますが、私はそこでまたしても半導体レーザーのミニセミナーをやります。
・10月22日(土)16:30~17:00
・10月23日(日)11:30~12:00 14:00~14:30
半導体レーザーがあれば、こんなに便利。しかも顕微鏡との合わせ技で、こんな事も!って話です。しかし、誰かのセミナーと時間が重なりそうですナ
なお22日は15時より日本レーザー歯学会による分科会プログラム「レーザーによる保存治療のイノベーション」も開催されます。ぜひ合わせてご参加くださいね!
2015年12月20日日曜日
インプラント周囲炎の外科的治療の実際
先に「インプラント周囲炎の治療には外科的治療と内科的治療の併用が必要」と書きました。では外科的とは具体的にはどのような手立てになるのかを簡単にまとめてみましょう。
その前に、一般的なインプラント周囲炎の治療とは、具体的にどのような内容なのかを挙げてみますと、
では、私たちが行っているインプラント周囲炎治療の具体例です。まずはレントゲンから。
ただしレーザー用の先端チップは消耗が激しく、この治療だけで新品を使い切ってしまいます。
辛抱強くここまでお読みいただいた方、ご苦労様でした&ありがとうございました m(_ _)m
「こんな苦労、絶対にヤダ!」と思われた事でしょう。しかしこれでも解決する保証はありません。できる限りの事をしても、細菌感染は除去しきれたわけではありません。本当に除去したければインプラントを撤去し、骨を造った後で新しいインプラントを入れ直すしかありません。もちろん場合によっては、その方が良い場合もたくさんあります。どちらが良いかは、医学的な判断と患者さんのご希望しだいです。
さてインプラント周囲炎の治療で最も重要なのは「同じ過ちを決して繰り返さない」という事です。上記の治療は、複数の原因が絡み合って生じたもので、事前に解決できることは先行してやっておかなくてはなりません。そこに内科的はアプローチである「栄養医学療法」があるべきです。
*
その前に、一般的なインプラント周囲炎の治療とは、具体的にどのような内容なのかを挙げてみますと、
- 歯科衛生士による徹底したブラッシング
- 歯科医師による噛み合わせバランス調整
- 歯肉内のインプラント周囲の超音波洗浄(金属製ではなくプラスチック製のチップが使われ、薬剤が入った洗浄液を使います)
- 抗生物質の注入と内服
- 以上を定期的に継続して行う
1と2は当然ですが、3と4はどうでしょう。残念ですが、焼け石に水です。
インプラント本体の表面は、骨と早く強力にくっつけるために「ヤスリのようなザラ目」になっています。そこには細菌が簡単に潜り込んでしまいます。
また「ネジ山」がありますので、器具を入れてもネジ山に当たってなかなか深くまで入りません。したがって、ちょっと洗った程度ではたいした効果はありません。
抗生物質は腫れた歯肉には効きますが、そもそもの原因であるインプラント表面にくっついた細菌には無力です。これは歯周病の治療が困難な事とまったく同じ理屈です。
インプラントは歯より複雑な表面構造をしています。歯でさえも難しいのに、インプラントでは、それ以上のことを考えてあげなくてはなりません。
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では、私たちが行っているインプラント周囲炎治療の具体例です。まずはレントゲンから。

こちらの写真は、右下の第一大臼歯(6番と言います)のインプラント周囲炎のレントゲン写真です。
緑の矢印が骨が吸収している部分ですが、この程度の写り方であれば、まだ「軽度」と判断されると思います。しかしレントゲンの写りとは、実際より軽症に見える場合がほとんどで、それを見越して判断しなくてはなりません。下に示す通り、実際に治療中に骨を見てみると、骨の吸収量は確かにレントゲン以上です。
こちらはCTの画像ですが、頬側の骨がなくなっている事がわかります。
今一つ不可解だったのは、インプラント周囲に白いラインが写っており、まるで硬い骨(皮質骨)のように見える部分があることです。これは何だったのかは、後で解ることになります。
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さてたいへん残念ですが、インプラント周囲炎の治療、すなわち感染源の徹底除去は、また手術が必要になります。
つまり、、、、麻酔をして、また歯肉を開かせてください、、、でないとぜんぜん届かないのです…
インプラント周囲のお掃除には、以下のように、そこそこの機材が必要です。
- エルビウムヤグレーザー
- 顕微鏡
- β-TCPパウダーと、その噴射器
- チタン製ブラシ
- PDT(光殺菌)
- PRF PRP CGF
この中でどうしても必要なのが、エルビウムヤグレーザーと顕微鏡です。
β-TCPパウダーは、できれば仕上げに欲しいところです。
チタン製ブラシは無くてもだいじょうぶですが、手術を早く終わらせるためにはあった方が良いと思います。
PDTは基本的に不要なのですが、手術でも手が届かない部分に補助的に用いる場合があります。
PRF PRP CGFはここでは詳しくは書きませんが、本人の血液を遠心分離して造られるもので、場合によってはあったほうが良いのですが、今回は使っておりませんので割愛いたします。
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さて実例です。写真つきでちょっと怖くて申し訳ないのですが、インプラント周囲炎は大きな社会問題ですので、あえて掲載いたします。このような事実が多いという事なので、もちろんそうならない工夫が最初から必要です。
治療はすべて顕微鏡を用い、細部を拡大して行われます。なお写真は、顕微鏡から動画撮影されたものです。
治療はすべて顕微鏡を用い、細部を拡大して行われます。なお写真は、顕微鏡から動画撮影されたものです。
上物(冠)を外すとこんな感じ、もちろん歯肉の上からでは中の骨の状態はわかりません。
麻酔をして歯肉は剥がし、骨を直接見てゆきます。この状況では解りにくいのですが、実はインプラント周囲に骨は無く、歯肉(本当はは結合組織って言います)に置き換わっています。
エルビウムヤグレーザーは、ムシ歯を削るときによく使われるレーザーですが、骨の整形にも安全に使えます。30ミリジュールという一番低い出力で狭い隙間を拡大しながら、よけいな歯肉を除去して行きます。また同時にインプラント体の表面も洗浄除菌してゆきます。
広く骨が吸収されている部分は簡単なのですが、狭い部分はやはりたいへんです。昔は回転器具で削っていったものですが、振動がひどくて患者さんには負担がかかっていました。またインプラント体表面を傷つけてしまい、後で移植する骨とくっつく事が障害されてしまいます。現在はエルビウムヤグレーザーのおかげで処置はたいへん楽にできるようになり、しかも清掃の確実性が上がりました。
麻酔をして歯肉は剥がし、骨を直接見てゆきます。この状況では解りにくいのですが、実はインプラント周囲に骨は無く、歯肉(本当はは結合組織って言います)に置き換わっています。
まずこれを除去するのですが、ここで使うのがチタン製ブラシです。歯肉がおおまかに除去され、インプラント体表面もある程度お掃除できます。早いです。
しかし実際には、本来くっついていたはずの骨とインプラント体の間にわずかに隙間があり、そこに歯肉が潜り込んでいるのが見えます。それをきちんと見て、取り残しがないよう確認するためにも顕微鏡が必要です。
顕微鏡で観察すると、骨の中に白い粒が入り込んでいるのが見えます。これは「骨補填剤」と呼ばれるもので、最初にインプラントを入れたときに骨が足りない部分の補充用に使われたものです。
補填剤は骨ではありませんが、それ自体が吸収され骨と置き換わる事が知られています。ただし100%置き換わるわけではなく、残ったままだったり吸収されたままで歯肉に置き換わる部分もあります。もしかしたらインプラント周囲炎が拡大する、一因だったかもしれません。レントゲンで白く写っていたのは実はこの骨補填剤が残留していたものでした。
広く骨が吸収されている部分は簡単なのですが、狭い部分はやはりたいへんです。昔は回転器具で削っていったものですが、振動がひどくて患者さんには負担がかかっていました。またインプラント体表面を傷つけてしまい、後で移植する骨とくっつく事が障害されてしまいます。現在はエルビウムヤグレーザーのおかげで処置はたいへん楽にできるようになり、しかも清掃の確実性が上がりました。
ただしレーザー用の先端チップは消耗が激しく、この治療だけで新品を使い切ってしまいます。

エルビウムヤグレーザーで清掃された後はこんな感じで、再生の障害となる歯肉の残存はありません。反対側はこのように鏡で確認します。
エルビウムヤグレーザーである程度骨の整形ができたら、β-TCPパウダーを吹きかけて洗浄します。洗浄が行きわたる形に骨が整形されている事がポイントです。狭すぎるところには、パウダーは入って行かないからです。
エルビウムヤグレーザーだけでも十分という意見もあるのですが、照射ムラは絶対にありますので、私は補助的に使っています。ただしレーザーが入らない部分はパウダーも入って行かないと思います。
さらに位置的にどうしても入らなそうな部分がある場合に限り、PDT(光殺菌)を併用しますが、今回は使っていません。
エルビウムヤグレーザーだけでも十分という意見もあるのですが、照射ムラは絶対にありますので、私は補助的に使っています。ただしレーザーが入らない部分はパウダーも入って行かないと思います。
さらに位置的にどうしても入らなそうな部分がある場合に限り、PDT(光殺菌)を併用しますが、今回は使っていません。

洗浄が終了したら、何もしないで閉じていた時代もあったのですが、現在はすべてのケースにおいて、ご自身の骨を移植します。ちょうど後ろ側(親知らずがあった所)から骨を採りやすかったので、丸く削って採らさせていただきました。
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辛抱強くここまでお読みいただいた方、ご苦労様でした&ありがとうございました m(_ _)m
「こんな苦労、絶対にヤダ!」と思われた事でしょう。しかしこれでも解決する保証はありません。できる限りの事をしても、細菌感染は除去しきれたわけではありません。本当に除去したければインプラントを撤去し、骨を造った後で新しいインプラントを入れ直すしかありません。もちろん場合によっては、その方が良い場合もたくさんあります。どちらが良いかは、医学的な判断と患者さんのご希望しだいです。
さてインプラント周囲炎の治療で最も重要なのは「同じ過ちを決して繰り返さない」という事です。上記の治療は、複数の原因が絡み合って生じたもので、事前に解決できることは先行してやっておかなくてはなりません。そこに内科的はアプローチである「栄養医学療法」があるべきです。
私たち臨床家は比較実験というものができませんので、はっきりとした科学的根拠を示す事はできません。しかし骨が再生するために必要な栄養素は解っており、免疫力も含めて予め解決しておきたいものです。
インプラント周囲炎の治療は、喫煙や糖尿病があると厳しいのですが、そうでなければ早めに手を打てば間に合う可能性があります。しかし自覚症状がほとんどありませんので、手遅れになりやすいものです。進行するとこのような治療をして、やっとどうか?というものです。
インプラント周囲炎の治療は、喫煙や糖尿病があると厳しいのですが、そうでなければ早めに手を打てば間に合う可能性があります。しかし自覚症状がほとんどありませんので、手遅れになりやすいものです。進行するとこのような治療をして、やっとどうか?というものです。
ですからインプラントをご使用の方はきちんと定期健診を受け、たまにレントゲンで診断していただいてください。もちろん残っているあなた自身の歯も。そして残念ながらインプラント周囲炎ですと言われたら、その程度を訊き、原因解決を徹底し、今後どのような処置が必要かを必ずお聞きしてください。絶対に「しばらく様子を見る」など消極策にでないよう、ご注意ください。
《関連サイト》
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治療
2015年4月1日水曜日
再根管治療の効果・2 再植術
こちらからの続きです。
顕微鏡を使い根管治療を基本通り進めて行っても、どうしても膿が止まらないなどの難かしい状況に出会うことがあります。
根管(歯の中)は複雑ですので、器具や薬剤が届かないところはたくさんあります。また細菌が歯の先端から外に漏れて根っこの周囲に定着すると、どう頑張っても歯の中からの治療では届きません。
こういうお手上げ状態になると、もう抜歯してインプラントにしましょうというパターンがほとんどではないでしょうか。
しかしもし歯の外に器具が届き細菌を除去する事ができれば、事は解決します。方法は二つ、歯根尖切除術(歯根端切除術)と再植術です。
歯根尖切除術については以前かなり書いたので、そちらをご参照ください。
歯根尖切除・インプラントにしない選択肢
歯根尖切除・インプラントにしない選択肢 2
なぜ歯根尖切除の話をしているのかというと...
歯根尖切除 vs インプラント
歯根尖切除 vsインプラント 2
で、ここでは再植術の実際について、CT画像で見ていきましょう。
左に治療前、右に治療後のCT画像を並べました。治療前にはかなり大きな病変が黒く写っています。根尖病変は舌側の歯周ポケットと交通しています。これくらい大きな病変があると、先に書いたようにすでに歯の外側に細菌が定着していることが十分予想されます。
根管治療を何回か行いましたが、やはり膿は止まらず、歯周ポケットも改善しませんでした。そこで再植術を行った結果が右の写真です。
病変はかなり改善し、骨が再生してきた状況が写っています。痛みもなく、歯周ポケットも正常になり、冠を被せて現在も経過観察中です。再植術はうまく行くと、これだけ劇的な改善をみます。
ただし抜歯する時に歯の首の部分を損傷させやすいので、最初あった骨が吸収してしまいました。それでも根の先端の骨は著しく回復、通常の根管治療だけではこのような結果にはなかなかなりません。
再植術は、理屈で言えばたいへんすぐれた治療法です。感染源をかなり的確に除去できるからで、歯根尖切除術より確実性があります。
しかし大きな問題もあります。それは抜歯をするので、その時に歯が割れてしまうリスクがある事と、歯と骨の間にある靭帯(歯根膜)が損傷し、歯と骨が癒着してしまう可能性があることです。
前者は歯そのものが壊れてしまうので、使うことができなくなってしまいます。割れないように注意深く抜歯しようとしても、できない事もあります。後者も多くのの配慮にかかわらず避けられない事があり、やってみなくてはわかりません。
再植術は歯根尖切除が不可能な、第二大臼歯などに適用されます。抜歯するというリスクがあるので、本当に最後の最後の手段です。しかしどうせ抜歯になるのなら簡単に捨ててしまうのではなく、できる事なら良いところを選んで再利用しましょうという考えに私は賛成です。
以上のように、再植術の信頼性は実は今一歩です。だから通常は歯根尖切除術が優先されます。しかし歯根尖切除術は抜歯せずに感染源を除去しようというものですから、アプローチしやすい前歯や小臼歯では可能ですが、第二大臼歯ではまず不可能ですので、再植術は重要な選択肢となります。
私は、歯を無理してまで保存する事には反対です。残しすぎて後で面倒なことになるケースは実はたくさんあります。そしてこの再植術は、無理な処置の一つと言って良いと思います。しかしどうせ抜いて捨てるなら、、、という割り切りなら良いと思います。
マスコミがインプラント批判をしたためか、無理をしてでも歯を保存しようという風潮があります。しかし何事も無理はいけません。無理なインプラントはいけませんが、無理な歯の保存もいけません。もちろん無理な入れ歯もだめです。
しかし無理ぜず安全策をとろうとすると、逆に患者さんが受け入れてくれないケースもかなりあり、私たちは良い意味での妥協点を求めいろいろなご提案をいたします。再根管治療はニーズが大きいにもかかわらず、良い結果をもたらす事が難しい分野です。しかし諦めるには早すぎるのも事実、チャレンジしてみる価値はあると思います。判断は非常に難しいですが。
私たちは可能性を信じて精一杯努力します。しかし結果がともなわないことももちろんあります。努力は保証できても、結果まで保証できない、それが医療の特殊性と言われています。理不尽と思われるかもしれませんが、それが現実です。ですから、このような面倒な治療をしなくてもすむよう過去を反省し、今あるその歯を将来同じような目にあわせない事、すなわち予防が何より大事です。
治療を通じ未来の自身について考える、その大切さが少しでもお解りいただければ嬉しいです。
追記:さらに詳しい解説はこちらでご紹介しております。CT動画もご覧いただけます。
顕微鏡を使い根管治療を基本通り進めて行っても、どうしても膿が止まらないなどの難かしい状況に出会うことがあります。
根管(歯の中)は複雑ですので、器具や薬剤が届かないところはたくさんあります。また細菌が歯の先端から外に漏れて根っこの周囲に定着すると、どう頑張っても歯の中からの治療では届きません。
こういうお手上げ状態になると、もう抜歯してインプラントにしましょうというパターンがほとんどではないでしょうか。
しかしもし歯の外に器具が届き細菌を除去する事ができれば、事は解決します。方法は二つ、歯根尖切除術(歯根端切除術)と再植術です。
歯根尖切除術については以前かなり書いたので、そちらをご参照ください。
歯根尖切除・インプラントにしない選択肢
歯根尖切除・インプラントにしない選択肢 2
なぜ歯根尖切除の話をしているのかというと...
歯根尖切除 vs インプラント
歯根尖切除 vsインプラント 2
で、ここでは再植術の実際について、CT画像で見ていきましょう。
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再植術とは字を見ての通り「再び植える」という意味です。
根管治療の効果がなけれは通常は抜歯です。抜歯すれば、原因は歯にくっついたまま除去されるので、確かに病変は無くなり骨は回復します。しかし歯も無くなるのですから、元も子もありません。
しかし再植術は一度歯を抜きはしますが、それを捨ててしまうのではなく、感染源をお掃除して、また元の場所に戻します。ですから外見上はまったく変わらず、そのまま使って行くことができます。
治療前 治療後
根管治療を何回か行いましたが、やはり膿は止まらず、歯周ポケットも改善しませんでした。そこで再植術を行った結果が右の写真です。
病変はかなり改善し、骨が再生してきた状況が写っています。痛みもなく、歯周ポケットも正常になり、冠を被せて現在も経過観察中です。再植術はうまく行くと、これだけ劇的な改善をみます。
ただし抜歯する時に歯の首の部分を損傷させやすいので、最初あった骨が吸収してしまいました。それでも根の先端の骨は著しく回復、通常の根管治療だけではこのような結果にはなかなかなりません。
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しかし大きな問題もあります。それは抜歯をするので、その時に歯が割れてしまうリスクがある事と、歯と骨の間にある靭帯(歯根膜)が損傷し、歯と骨が癒着してしまう可能性があることです。
前者は歯そのものが壊れてしまうので、使うことができなくなってしまいます。割れないように注意深く抜歯しようとしても、できない事もあります。後者も多くのの配慮にかかわらず避けられない事があり、やってみなくてはわかりません。
再植術は歯根尖切除が不可能な、第二大臼歯などに適用されます。抜歯するというリスクがあるので、本当に最後の最後の手段です。しかしどうせ抜歯になるのなら簡単に捨ててしまうのではなく、できる事なら良いところを選んで再利用しましょうという考えに私は賛成です。
以上のように、再植術の信頼性は実は今一歩です。だから通常は歯根尖切除術が優先されます。しかし歯根尖切除術は抜歯せずに感染源を除去しようというものですから、アプローチしやすい前歯や小臼歯では可能ですが、第二大臼歯ではまず不可能ですので、再植術は重要な選択肢となります。
***
私は、歯を無理してまで保存する事には反対です。残しすぎて後で面倒なことになるケースは実はたくさんあります。そしてこの再植術は、無理な処置の一つと言って良いと思います。しかしどうせ抜いて捨てるなら、、、という割り切りなら良いと思います。
マスコミがインプラント批判をしたためか、無理をしてでも歯を保存しようという風潮があります。しかし何事も無理はいけません。無理なインプラントはいけませんが、無理な歯の保存もいけません。もちろん無理な入れ歯もだめです。
しかし無理ぜず安全策をとろうとすると、逆に患者さんが受け入れてくれないケースもかなりあり、私たちは良い意味での妥協点を求めいろいろなご提案をいたします。再根管治療はニーズが大きいにもかかわらず、良い結果をもたらす事が難しい分野です。しかし諦めるには早すぎるのも事実、チャレンジしてみる価値はあると思います。判断は非常に難しいですが。
私たちは可能性を信じて精一杯努力します。しかし結果がともなわないことももちろんあります。努力は保証できても、結果まで保証できない、それが医療の特殊性と言われています。理不尽と思われるかもしれませんが、それが現実です。ですから、このような面倒な治療をしなくてもすむよう過去を反省し、今あるその歯を将来同じような目にあわせない事、すなわち予防が何より大事です。
治療を通じ未来の自身について考える、その大切さが少しでもお解りいただければ嬉しいです。
追記:さらに詳しい解説はこちらでご紹介しております。CT動画もご覧いただけます。
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