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2018年8月7日火曜日

富士山頂に行って来た

富士山頂の剣ヶ峰にて 赤いのが私 笑顔の影に下山の恐怖心が(^^;
昨日(8月6日)は休診をいただき、完全に仕事を離れ、日曜日から富士山に行って来ました。幸いにも好天に恵まれ、日本最高峰の剣ヶ峰に到達、よい思い出となりました。

登山は趣味でも何でもないのですが、たまたま山に連れて行くのが好きな人が歯科医師会におられ、誘われて行って来ました。

富士山は今を去る事47年前!小学校4年生の時に、家族四人で登ったことがありました。その頃は子供用の登山靴なんて簡単に手に入らず、私だけオニツカタイガーの靴で登ったものでした。

今思えば、よくあんな靴で登っていたと感心してしまいます。とにかく下山の須走は足首が痛くて、かなり苦労して下山した辛い記憶が残っています。須走には当時有料の馬がいて、それに乗って降りているを見て、人生で初めて本気で羨ましいと思ったものです。

またその頃の富士山はまさに「ゴミの山」でした。五合目あたりは一面空き缶だらけで地肌はまったく見えず、子供ながら「なんて汚いところなんだ!」と驚いたのを覚えています。ということで、富士山にはあまり良い思い出はありませんでした。

しかし年月が経ち、仕事で乗る東海道新幹線から富士山を観るたびに、いつかもう一度あそこまで行ってみたいなと思うようになりました。

ということで、良い機会なので、膝が心配でしたが行って来ました。


延々と続く登山道 上に行くと緑はまったくなくなります

47年前は河口湖口からでしたが、今回は御殿場口から。五合目とはいえ標高は低く、登山距離はけっこうあります。

世界遺産に登録されただけあり、ゴミはなく綺麗なものです。といっても石コロというか瓦礫というか、荒涼とした雰囲気は独特です。上にゆくと緑なんてないですから。川も流れてませんからね。

登山に備えて4月からBFR(血流制限)トレーニングをしてきたおかげか筋力としてはギリギリセーフ、膝の腱もギリギリ、問題は集中力です。

一歩一歩安全に踏み込み、次はどこに足を置けばよいかを無意識のうちに瞬時に判断するのを何時間も続けるのは、かなりのビタミンB群を消費するはずです。
富士山は山小屋が充実しており初心者にも安心です 珍しい眼鏡顔の私です

登山中ちょっと視線をそらして山肌を見ると、そこは急斜面ですから平衡感覚がなくなりフラつきます。もうわき目もふらずに行くしかありません。こんな時も、きっと頭の中では大量のビタミンB群が消費されている事でしょう。

登りは体力勝負ですのでCoQ10とBCAAを使い、疲労や紫外線などのストレス対策にビタミンCとアスタキサンチンも使いました。

とにかく登りは「ミトコンドリアよ廻れ〜」と言い聞かせながら、8合目の山小屋に到着。ホット一息です。山小屋って初めて行きましたが、面白いですね。
山小屋から見た影富士 夕日で雲海に富士山の影が写ります

下山は疲労に負けないよう、集中力が勝負です。ここでもビタミンB群は大量に使われていることでしょう。

しかし靴に石が入ったり紐がほどけたり、服装の選択を誤り途中で着替えたりと、これらが意外にも体力を消費することがわかりました。

やはり準備が大切、それが登山の大半を占めるのですね。栄養の知識が無ければ、ちょっと剣ヶ峰までは行けなかったのではないかと思っています。

DentalNutrtion.jp では富士登山で使ったサプリメントを紹介しています。

夕飯はカレー食べ放題!
夜はさすがに寒い!炭火がありがたい
**

さて普段は旅行と言えば仕事がらみでPC持参ですが、今回は完全に仕事から離れ、頭の違う部分を使うことができました。

登山は辛くたいへんですが、登ぼった満足感というのはイイですね。さすがに標高3000mを越えると、平地では絶対に見れないほどの満天の星空を見ることができます。天の川を見たのは何十年ぶりだったでしょう。星って、こんなにいっぱいあるものかと、とっても不思議な気持ちになりました。

八合目の山小屋から見た御来光
しかし山頂の剣ヶ峰まで行ったときは、満足感というより、怖くて早く帰りたいという気持ちが先にたちます。とにかく事故がないよう集中力を切らさずに降りれるのか、そればかり心配して、日本最高峰を楽しむような気分ではありませんでした。

結局帰路は一回転んでしまいました…レギンスが切れて、スネから出血してしまいました…

山に詳しいひとに言わせると、富士山は登山ではない、ピクニックだそうです。確かに道はある程度は整備され、ルールさえ守れば初心者でも日本最高峰にまで辿り着くでしょう。しかしあの瓦礫のような斜面を延々と登り続ける、荒涼とした殺風景なところを集中力を切らさないで行くのは、ある意味修行です。

御来光を拝んだ後は山頂目指して赤い山をひたすら登ります

噴火口に到着 47年前の記憶が蘇ります

47年前には行けなかった剣ヶ峰へ 40分待ちです 風が穏やかでまったく寒くない

下山後半は砂走りでしたが、疲れもあり集中力が勝負です

***

さて、今日(8月7日)の東京は、小雨が降りけっこう涼しいです。昨日までは平地は猛暑で、富士山は文句のない天気だったのがウソのようです。まるで今回の富士登山が終わるまで雨が待っていてくれたような気がします。

今回は登山を楽しむことはできましたが、余裕がなく最高峰に立った満足感はありませんでした。これから写真を見て沸いてくのでしょう。

そしてこれから新幹線や飛行機から見る富士山は、今までとは違ったものになるでしょう。あそこに立ったんだ、ってね。それが今から楽しみです。少しは自分に自信がついたかな?

今月末は福岡行きの飛行機に載りますが、その時に見えたら、泪がでるかもしれません。右側の座席がとれたらイイナ!

外国の方も多く訪れるゾ
今では外国人も多く訪れる富士山、日本人なら一度は登っていただきたい。ただし、準備は万端に。山はそれが8割だと痛感しました。

また行きたいかって?うーん、それはちょっと微妙ですけどね〜 f^_^;

《追記》
よく考えたら、小学校四年生は9歳、48年前の誤りでした。


=== 晴れてよし 雲ありてよし 富士の山 ===

写真は実家に置いてある登頂記念の置物、山頂で買ってもらったものです。刻印は昭和45年8月9日、K.Iとは兄と私のイニシャルです。



2016年3月21日月曜日

隠れ栄養失調の読み方・ 3 BUN(尿素窒素)


AST と ALT」からのつづきです。

BUN(またはUN=尿素窒素)という項目も、よくある検査の一つです。一般的には腎臓のフィルター機能がうまく働いているかを診る指標で、フィルターが詰まっているような状況では血液中のBUNが上昇します。

だいたい22以上になると、ウーーーームという事になるのですが、こちらも前項のAST ALTと同様に「それ自体が何なのか」という使われ方がされていません。ということで、栄養医学療法はそこに着目します。

総蛋白のところで書いたように、私たちの体は新陳代謝により、常に新旧が入れ替わっています。古いタンパク質が分解され、同時に新しいものが造られ、置き換わります。

その過程で最終的に「BUN=尿素窒素」というものが造られ、腎臓から排出されます。

腎臓の機能が正常ならば、BUNはフィルターで分別されてオシッコになって出て行きます。フィルターがおかしければ(腎臓の機能が低下していれば)血液中にいつまでもBUNが残っており、数値が上がったままになります。

すると腎臓の機能が正常ならば、BUNの数値はタンパク質をどれくらい動かしたか、つまり代謝量を反映することになります。数値が低ければ代謝量が少ない=活性が低い=不定愁訴が出やすい、という事になります。私たちはその原因がどこにあるのかを探します。

大きな病気がなければ、一般的にBUNが低い原因には以下のことが考えられます。

  1. 単純にタンパク質を食べる量が少ない
  2. 食べるタンパク質の種類が悪い(必須アミノ酸の欠如)
  3. 胃炎腸炎で吸収率が低下している
  4. 高齢で吸収率や利用率が低下している
  5. ビタミンB群不足

筆頭はそもそもの食べる量の不足ですが、では何でもいいからタンパク質を食べれば良いかというとそうではなく、必須アミノ酸が全て含まれている事が重要です。これについてはまた別に書く事にしましょう。

それから、せっかく良いタンパク質を食べているのに、胃炎や腸炎で消化吸収が悪かったり、高齢者で利用率が落ちているとBUNは上がりません。ですから高齢になるほどタンパク質は食べてくださいという事になります。

当然よく噛まなくては消化吸収は落ちますし、歯が悪い人は食べる量が少なかったりで、そのまま利用率の低下となります。

それから胃にピロリ菌がいると胃炎で消化が悪くなり、タンパク質が吸収されにくくなります。

そしてもちろん、前項で書いたビタミンB群の不足です。代謝が落ちるので、当然BUNも下がります。


BUNはだいたい18あると安心ですが、残念ながら低い方しか診たことがありません。私が今まで診た一番低い方は7で、さすがにいろいろな不定愁訴をお持ちで、結局通院が途絶えてしまいました。

7ということは腎機能を診るための基準値も下回っているのですが、内科では何も言われなかったそうで、さらに婦人科で不妊治療も受けておられました。栄養療法に詳しい婦人科の先生に言わせれば、無茶な話です。当然歯科治療も厳しいはずです。

では逆に高い方は、以下のような事が考えられます。
  1. 本当に腎臓が悪い
  2. 低栄養や過度なストレスで、体が筋肉などを分解してまでも必要なタンパク質を確保している
  3. 胃腸から微少な出血が持続している
  4. 甲状腺機能亢進症
  5. 脱水
  6. スポーツ選手などで意図的に高タンパク・高ビタミンにしている

たとえば、一見普通そうな方が初診で来て、BUNが22を越えていたら腎臓の機能を疑った方が良いでしょう。

本当に腎臓が悪いと困りますので、クレアチニンという項目と合わせてeGFRという数値を算出します。これが50以下だと確かに腎臓の機能障害が強く疑われますが、そうでなければBUNはそのままタンパク質の代謝量の指標としていいようです。

タンパク質を食べる量が少なすぎると、体は筋肉を分解してまでしてタンパク量を確保しますので、BUNが上がってきます。ですから食事内容を知る必要があるのです。

また意外なのは、胃腸炎で出血が持続している方。出血した血液の良質なタンパク成分を腸で再吸収していますので、タンパク質を食べている以上の値が出てきます。

おもしろいのが6番目で、筋肉増量など意図的に栄養を入れている人は21くらいにまで上がります。私も意図的にビタミンB群を摂っておりますので、21まで上がった事があります。もちろん何の問題もございません。

タンパク質は体を作る原材料で、食いだめができないので、毎日きちんと摂る必要があります。だいたい体重1kgあたり1~1.5gは必要です。

誤ったダイエットや糖質制限でタンパク質量が不足している方はBUNが落ちてきますが、たとえばBUN が9の人は、体重1kgあたり0.5gのタンパク利用量なのだそうです。必要量は1.0~1.5gですから、これでは1/2~1/3という低栄養です。

牛肉の20%がタンパク質だと仮定すると、体重50kgの人は1日に250~375gの牛肉をたべないと十分な代謝量に達しない事になります。

歯科口腔外科においてタンパク質の代謝は、傷の治り・免疫・神経伝達などに直接影響します。BUNは総蛋白・AST ALT などと合わせ、隠れ栄養失調の状況を早めに掴む事に有効です。

特に歯周病治療やインプラントをご使用の方には、その長期維持の指標として、必ず把握しておきたい項目です。

もちろんBUNも上がる要因と下がる要因が同時にくるとマスクされますので、他の検査値と合わせて注意して読んでいく必要があります。

次回は意外な盲点である「鉄」について書いてみます。

追記:栄養療法に関するさらい詳しい情報は姉妹サイトDentalNutrition.jpに記載されています。