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2011年1月16日日曜日

歯内治療の研修に行ってきた

な、なんだ、この半透明の怪しいモノは!新種のサカナか?いやいや、違います、、、


よく見ればこれは「歯」、正しくは上顎第一小臼歯、もちろん模型です。それにしてもリアルだなぁ。

しかし中の神経+血管がスケスケ、実物はもちろんこんな半透明ではありません。なぜこうなっているかと言うと、これを使って「歯の中の神経を取る(抜髄)」という実習をするんですね。そのための専用模型です。機械を使って内部の赤い部分をきれいに取りきる練習をします。

昔は本当に抜歯した歯を用いて実習を行ったものですが、さすがに最近はそうも行かず、ならばという事でこんな模型ができたワケです。外観だけならともかく中身までとは、、、良くできています。

実はコレ、先週の日曜日に行ってきた歯内治療の研修で使ったもの。講師は日本大学松戸歯学部の辻本恭久教授、いつも学会でお世話になっておりますm(_ _)m


この模型の歯をさらに顔つきの模型にセットし、患者さんに見立てます。ラバーダムというゴムシートを張り、その状態で顕微鏡で覗きながら削り、最後は中にキッチリ詰め物(根管充塡て言います)までします。


朝の9時から18時まで、ほぼ休憩なしのビッチリな研修でしたが、たいへん楽しく終える事ができました。

とにかく最近この歯内治療のやり治しの依頼があまりに多く、最新の考え方やテクニック・機材調達の必要性に迫られていました。まさにタイムリー、辻本先生、たいへんありがとうございました。今度遊びに行きます!スタッフの皆様も、長時間に渡りありがとうございました!

この研修は毎月行われているそうです。ディープな歯内治療の神髄を学びたい意欲あるドクターにお勧めです!

Dr.三橋を厳しく見守る辻本教授!


2011年1月13日木曜日

久しぶりの抜髄(神経は取らないという選択肢)

よくある歯の治療の一つに「抜髄」というのがあります。髄を抜く、つまり歯の中の神経(歯髄)を抜く(取る)と言う事ですね。聞いただけで恐ろしいです。。。

歯が痛いので神経を取る、実はこれはしかたがない事です。感染が成立し痛みが出てしまった歯の神経は、もう二度と元にもどる事はできません。これは取るしかありません。

ただし神経を取っても、歯本体はまだ使えます。きれいにくり抜いてあげれば立派に使えます。それがよくある歯の治療というものです。簡単ではありませんが、ちゃんとやればそこそこ使って行く事ができます。

けど取らないに越した事はありません。神経とは言いますが、実際には神経+血管。これらが無くなると、つまり抜髄した歯には水分の供給がなくなります。枯れ木のようになり、脆くなります。補強のために芯を入れたり、冠を被せるのはそのためです。

しかしやはり神経をとった歯を一生使い続ける事は難しいようです。感染が再発したり、被せものが取れて虫歯が広がる、歯本体が折れる、などなど患者さんから見れば理不尽な事が日常的におきています。

ですから私は「神経をできるだけ取らない治療」を推進しています。顕微鏡と水酸化カルシウム、この組み合わせは通常神経を取らなくてはならないと思われる歯に新たな可能性を提供します。条件は「まだ痛みがたいして出ていない時」に限られますが。

既に私たちの所でこの方法で救われた歯は何十本にもなっています。設備と時間、そして有能なスタッフがいれば、是非ごチャレンンジしていただきたい治療の一つです。ですから去年私が行った抜髄は10ケースもありません。保存できるケースがかなり増えて来たのです。



ところが先日、この抜髄をとっても久しぶりに行いました。場所は私の診療室ではありません、他の所でです。もし私の診療室であったなら、保存にチャレンジしたかもしれません。しかしそれはそこではできません、やむを得ないケースでした。とっても残念ですがしかたがありません。泪を呑んでやるしかない、それが患者さんのためなんですね。

神経を取らない選択肢があります。それはうまく行かないかもしれません。しかしチャレンジし甲斐のある事です。歯を抜かずに残せる機会が増えているように、神経も抜かずに残せる機会が増えています。患者さんにはそれぞれいろんな都合があるものですが、あまり短絡的にならず、無理のない範囲で可能性を追求できる余裕が欲しいものだと感じます。

しかし「神経を取る」とは、普通に考えてもあまりに恐ろしい言葉ですね。しかも歯科にはそれしか手がなく、年間何万本もの神経が抜かれているとは異常です。内科で「頭が痛いんですが、、、」と言って、頭の神経を抜かれる事は絶対にありません。ムシ歯とはそれほど恐ろしい病気なのです。