2010年8月31日火曜日

自分自身と向き合う…とは


「歯の治療、それはあなたが自分自身と向き合う事から始まります」

う〜ん、なんと説教めいたイヤな言葉なのでしょう。。。しかしこれこそ私が25年間この仕事をやってきて、皆様に一番先に申し上げたい事です。

7月29日にご紹介したとおり、診療室では「むし歯治療の前に」というパンフレットを配付していますが、そこにはこの言葉が書かれています。

なんでこんな言葉を入れたのか、それは再発を防止するためです。

とにかく歯の治療は再発が多い、しかも治療は2回目・3回目とどんどん深く複雑になって行きます。そんな事を繰り返していれば晩年歯がなくなるのは当り前、しかしそれを歳のせいにしたがるのが人間です。

再発防止は実は簡単です。悪くなった原因が解決してさえいればいいんです。簡単に言えば歯が磨けていればいいんです。ですから私達はどこの歯科医院さんよりもしっかりと歯ブラシのお話をいたします。

しかしそれが「言われたからしかたがない」という後ろ向きな気持ちでは効果は上がりません。きちんと現状を把握し、大好きな自分の未来を考えてもらえるようになっていただかない事には効果はあがりません。ではどうするか?

私達は皆様に、私達が見ているものとできるだけ同じものを見て欲しいと思っています。そこで出てくるのが顕微鏡とビデオ眼鏡です。これを使う事により、皆様には私達が顕微鏡で見ているものと同じものがリアルタイムで見る事ができます。

私は患者さんの口の中を実況生中継いたします。そして実は後ろで歯科衛生士がその内容をあなたの歯の写真やレントゲンに手書きで解説を記入し、一枚の診断書としてお渡しします。


この診断書の効果はかなり高く、皆様自分の現状にびっくりされます。私達が見ているものと同じものを手に入れる、それを持ち帰って改めて自分自身を見つめ直す、するといったい何が間違っていたのかがだんだんお解りになるはずです。

悪いのはなんだったのでしょう?前に治療をした先生でしょうか?治療に制限をかけている健康保険制度でしょうか?それともただ運がなかっただけでしょうか?

いやいや、そもそも始めにむし歯にしてしまった自分が一番悪い、事の発端はやっぱり自分です。そう気付いた人のとる行動は積極的になってゆきます。そして世の中の誤りに気がついて行きます。

私達はそのような考えに変容していただく事を支援しています。治療とは歯科医院がが一方的に提供するものではありません。患者さんに積極的に参加していただけない事には、結局は再治療・再々治療が繰り返されるのです。

しかしそれらを省略して進められる歯の治療の結末を私達は毎日見ています。

どうか貴方も自分自身を見つめ直す事で、未来の自分に本当に必要なのは何かを選んでいただけたらと思うのです。


2010年8月30日月曜日

「トラブル vs リカバリー」が出版に

うーん、嫌な名前の本が出てしまいました。しかしこういう話はトラブルを未然に回避するうえでとても重要です。



共著本で、吉田も一編書かさせてもらっています。とっても簡単なネタなのですが。

この本で特筆すべきは、巻末にインプラントなどの手術同意書のサンプルがついている事。実際同意書を発行している歯科医院は数%だと思いますが、そういう実態をきちんと突いています。

医療というものは人の体に介入する技術、不慮の事態を常に想定しなくてはなりません。とても良くできているので、すべての先生にお読みいただきたい内容です。

from新潟-3

さらに続きです。8月21日の新潟は小針浜の様子です。暑いけどとっても気持ちいい、吉田はこんな所で育ちました。



ん、、、この足は?はぃ、もちろん私です。波にえぐられる砂の感触がたまりません。iPhone4の動画、けっこう使えます。けど、いいおもちゃですね。。。

口腔インプラント学会・学術シンポジウム


インプラント学会の視点での歯の保存、これは見逃せません。なんでもかんでもインプランにしてしまおうという昨今の風潮に、学会が自問自答するすばらしい企画です。場所は東京国際フォーラム、歩いて10分、私は恵まれています。


副題として「〜インプラントは天然歯を超えられるか〜」という無茶なタイトルがついていますが、そんなはずはありませんよね。天然(自分のという意味)の歯を人工物であるインプラントが超えられるはずはありません。

ただしそれは「健全な天然歯」と比べたらという意味。抜歯するべきかどうか迷うような病的な歯と比べたら、インプラントにはるかに分があります。

例えば感染源がとりきれない歯周病が進行した場合、根管治療ができない場合、歯自体が薄く割れそうな場合などが考えられます。これらを無理を承知で使うのが得策なのか、それともさっさとインプラントに置き換えるのか、シンポジストの先生方も悩み続けます。

けど結局は患者さんとよく話をして、どうするか決めるしかない、答えってきっとないんだと思います。

けど日本の傾向として、インプラント優先で考えられているのは間違いないと思います。日本は健康保険に技術評価がまったくないために(物売りとまったく同じと考えられている)、保険の範囲を超えてまでして歯の保存をいっしょうけんめいする先生が非常に少ないからです。

信じられないかもしれませんが、例えば根管治療の費用は諸外国のたった1/8の金額ででしか行う事ができないのが日本です。まともな治療ができるはずはありません、日本がインプラントに偏重する大きな理由の一つです。

だから私のところには再治療の依頼が多く、根管治療が手遅れでできなくともたとえば歯根尖切除(歯根端切除)という手術で助かる歯はたくさんあるのです(詳しくはコチラ)。

いずれにせよ、この歪な現状を再認識しようと言う今回の企画はとても意義深いものだと思いました。

ただ主催者は壇上から「多くの方に集まっていただきありがとうございました」と言っていましたが、会場が広かったとはいえけっこう空席があり、学会員は無料という太っ腹にもかかわらず参加者が少ないなというのが私の感想です。やはり日本では歯の保存に真剣に取り組む人が少ないのだなと思わざるをえない、考えさせられる一日でした。

2010年8月29日日曜日

Appleの表現力


吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニックから一番近い電気屋さんはApple Store GINZAです。

このテナントはApple Store が入る前は、確か住友銀行の支店が入っていたと思います。銀行の合併が本格化し、支店の統廃合で空いた場所に日本初のApple Store が入る、時代の流れを感じたものでした。

長年一ユーザーとしてApple社を見続けてきましたが、今では考えられないような経営危機〜マイクロソフトとの対立〜iMac以後のV字回復など、この会社の紆余曲折は企業ドラマとしてとても興味深い、とりわけSteve Jobs の考え方は今の私にも大きな影響を及ぼしています。


最近のApple社の活躍に異論を挟む人はもういないでしょう。そしてその対局として常に引き合いに出されるのが日本の企業、特にSONYへの風当たりは未だに強烈です。

カセットテープのウォークマンで不動の文化的地位を築いたと思われたSONYが、次なるMDの普及に固執したために、ハードディスクプレーヤー(iPodのこと)やネット配信という時代の流れに乗り損ねたと論評されています。

SONYだけではありません。SHARPの技術者はiPhoneを見て、ウチが本当にやりたかっと事をやられてしまったと嘆きます。国内であれほど人気があったZaurusも、恐竜の如く消滅する寸前です。

DoCoMoの社長は「iPad は高級ネットブック」とまったく的外れな発言をし、その後の株主総会で「役員全員がiPadを使い研究している」と弁明するありさま、この感覚のズレは相当なものです。

しかしジャーナリズムが日本の企業を酷評するのは、標的が日本にある方が解りやすく、今日の日本経済の低迷とリンクさせて説明しやすいからではないでしょうか。しかしそんな事はなく、海外でもAppleの戦略を理解できず後塵を拝す企業は山ほどあるのですが。

例えばMotorolaは、iPhoneが出る以前にiPod機能を内蔵した携帯電話を発売しましたが失敗しています。

HPは当時の女性社長がオリジナル仕様のiPodを華々しく発表しましたが、結局商売になりませんでした。Appleだけが先行する理由とは何なのでしょう?


「モノヅクリ」という言葉があります。日本人は特にモノが好きです。戦後物資が不足した経験から、モノが人々を幸せにするという考えは今も根底にあると思います。モノを造れば売れた、幸せになれる時代が長らく続き、政治経済はそれに基づいた構造になっています。そして日本の製造技術はトップです。

しかし今やモノはこれ以上何が必要なんだと言わんばかりに溢れています。目的意識がなく、ただ新技術を投入するだけの技術者本位の新製品が多すぎると思います。もちろんそれはそれで意味があるとは思いますが、何のために必要な技術なのかがまったくわからない、生活とは遠く離れてしまった製品が増えているのだと思うのです。

では何でそうなるのか、例えばあなたの周りにこういう人はいないでしょうか?
  • 写真が好きなのではなく、カメラが好きな人
  • ドライブが好きなのではなく、車が好きな人
  • 音楽が好きなのではなく、オーディオが好きな人
使いこなせない新技術を所有する喜びを理解しないわけではありません。技術とはそういう側面も大切です。

しかしどんなに優れた技術であっても、それが人々に理解され使ってもらえなければ社会的価値はありません。Appleにはそのための表現力があるのだと思います。

すなわち、技術を数字(スペック)ではなく、感覚で表す事が重要という事です。理屈ではない世界観が企業の業績を左右する時代が来ているのです。


Apple = Steve Jobs  という公式はやはり正しいでしょう。激情家がゆえに多くの失敗を繰り返してきたカリスマ的存在・プレゼンテーションの達人であり、彼ならエスキモーに氷を売る事もできるだろうと言われています。

彼は技術者ではありません。しかしどのような製品が人々を楽しませるかを良く知り、それを部下に造らせる達人です。他の企業経営者にこのような人がいるのかを私は知りません。

サービスはすべて人のためにある、そのために自ら道を切り開いて行く姿に私はいつも励まされます。もし彼が歯科医師だったら患者さんに何を語り、どんな治療を施すだろうといつも考えます。

さて、9月1日に行われるイベントでは何が起きるのか、Appleの次の一手に大いに期待したいと思います。

from新潟-2

新潟の写真の続きです。普段歯の写真ばっかり撮っているので、どうしてもこういう近接撮影をしてしまいますな。





しかし花って見れば見るほど怪しい形をしています。いったい神様は何を考えているんだろう。。。

2010年8月27日金曜日

携帯版 Blog:歯界良好

しばらく更新が停まっていたこのBlogの携帯版ですが、やっと改善する事ができました。専用のURLになってしまうのですが、以下からアクセスできます。


それからiPhoneにも最適化いたしました。ご利用はBloggerからお入りください。

これでやっとご利用しやすくなったのではと思います。iPhoneの方は通常のPC用ページでもご覧いただけるようになっています。ぜひチェックしてみてくださいね。