読売新聞に連載中の「医療ルネサンス」という記事があります。
たぶん1985年頃から続く長大なシリーズで、当初からなかなか良いことを書く記者さんがいるものだと思い、記事の切り抜きを保存したりしてきました(今も100枚ほどあります)。
時を経て10年ほど前、懇意にしている歯科コンサルタントさんのご紹介で、その記者さんと知り合いになることができました。で、そのまま患者さんに(^^)
記者さんの名前は渡辺勝敏さん、今は読売新聞メディア局専門委員として、主に医療サイトであるヨミドクターの編集に携わっています。
で、その渡邊さんが本を出しました。タイトルは「歯医者さんのかかり方」と直球ド真ん中です。
なぜか、読売新聞社からではないんですね???
で、そのヨミドクターで去年、渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」という連載があり、こちらでもご紹介いたしました。そう、当診療室も取材に協力し、二回登場しています。
お気付きの通り、この本はその連載に過去記事を加えて再編集したものです。
連載が始まる前、渡辺さんは「歯科は何とかしなきゃいけないなぁ」とおっしゃっていました。広く医療界を見てきただけに、重みがあります。
氏自身も過去、著名な先生にも治療していただきなかがらも、いろいろ思う事があったのでしょう。歯科は医療のなかでも一般医科と大きく異なり、特殊な場に置かれている、特に日本は、と。
本のp27にも書いてあるように、歯ブラシのかけ方というのは意外に難しいのです。気がついていただけるまでに時間はかかりましたが、やっと正しい事を書いてくれる本が世に出た事が素直に嬉しいです。
新型コロナウィルスの影響でなかなか歯科医院に行けない人が多いと思いますが、普段の自己管理(危機管理と言ってもいいかも?)の重要性が今ほど理解しやすい時期はないと思います。
東日本大震災の時も同じように自己管理の重要性が言われていたと思いますが、何か変わったかと言えば、ぜんぜんですよね。
ですから今私たちは改めて歯磨きのステップアップをすべての患者さんにお願いしているわけです。
そしてぜひこの本を読んで、何が間違っているのか、ではどうしたら良いのかを知っていただきたいのです。
以下は本の帯からの引用です。
学校や職場では歯科検診が行われ、比較的安価に歯科を受診できる環境があるのに、どうも日本人は歯の取り扱い方法を間違えてきたらしい。歯磨きをしているのに、きちんと磨けていない人は多い。だから虫歯を繰り返し、歯周病はひそかに進んでいく。虫歯が進んで神経を抜く治療を受けると、6割が失敗して再発しているのが現実だ。保険の価格設定が安く、治療で手抜きをする傾向がある。定期検診、虫歯の修復、神経を取る、歯周組織を回復する、矯正、インプラント……その実態を知った上でしっかりと歯科医を選んで受診したい。記者が自ら取材し、自ら体験し、お伝えする新常識。
こんな良い本がたったの¥840で読めるなんて、素晴らしいですね!
まだまだ外出がしにくい日々が続くと思いますが、この機会にこそこのような良書に触れることをお勧めいたします。
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