何気ない日常に、実は健康や病気の秘密がたくさん隠されています。このBlogは東京銀座・吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニックの吉田格が、日々何を見て聞いて考えているのか、診療中にはお話しできない事をお伝えして行きます。
2017年6月9日金曜日
マグネシウム入り歯磨き剤
マグネシウム入りの歯磨き剤があると聞いて検索すると、通販があったので買ったのがちょうど1ヶ月前。
ところが細胞環境デザイン学に行くと、なんとそこにこの歯磨きが剤が!あれれ、なんとココが販売元でした…
マグネシウムは体内で300以上の酵素反応に関わる重要ミネラル。簡単に言えば細胞に火をつけるマッチのような働きをします。ミトコンドリア内ではATPの産生に深く関与しています。
ところがこのマグネシウム、年々摂取量が減り続け、疲れや不定愁訴の大きな原因になっています。
マグネシウムはカルシウムとのバランスが大切で、マグネシウムがなければカルシウムは暴走し、心臓発作の原因にもなります。
なのにカルシウムが重要という話ばかり先行しているので、全体として低栄養が加速します。
ではマグネシウを飲めば良いのかというと、そう簡単ではありません。実はマグネシウムの腸からの吸収量はとても少なく、毎日三食コンスタントに微量ずつ入れ続けるしかなく、なかなか必要量に達しません。急ぐ時は静脈注射も必要です。
しかし実はもう一つ手があります。それは皮膚から吸収させること、これを経皮吸収といいます。
実はマグネシウムは経皮吸収量が意外に多いこと知られています。そのためエプソムソルトという入浴剤が売られており、私も常用しています。
また似たような理由で、マグネシウムは口の中の粘膜からも吸収されると考えられます。舌の下に薬を置いて全身に吸収させる舌下錠というものがあります。よく心筋梗塞の発作時につかうニトログリセリンは、この原理です。
ということで、日常的にマグネシウムを舌下吸収させる目的で、歯磨き剤に加えるというのはとても良いアイディアだと思います。
正直申しますと、一般的な歯磨き剤は成分的にあまり褒められたものではありません。最近歯磨き剤へのフッ素添加量の上限が1000ppmから1500ppmに増加し喜んでる方が多いのですが、私はあまり賛成できません。
さて、受付ではこのマグネシウム入り歯磨き剤の販売がスタートしました。価格は通販と同じ税抜き¥1,500です。これを高いと思うか、安いと思うか?その効果を考えたら、私はリーズナブルと思います。