2010年5月31日月曜日

「もしドラ」と「週刊ダイヤモンド」を読み終えて



なんとか両方とも読み終わりました〜 慣れない読書は疲れます。この程度で疲れるとはレベル低すぎです。


さて良い所はありがたく受け止めるとして、たったこれだけの所までの判断ですが、ドラッカーの言う「マネジメント」は小さな医療機関には当てはまらない所がずいぶんあるなというのが正直な感想です。世間とのギャップを感じます。

おそらくドラッカー自身もそれが解っているからこそ「非営利組織の経営」という本を書いたのだと思います。私達は普段営利企業の方との付き合いが圧倒的に多いので、考え方のギャップに悩む事が多いのですが、もしドラと週刊ダイヤモンドを読んで皮肉にもそれはさらに明解になりました。

例えばキーワードの一つに「良い所を伸ばす」というものがあります。良く言われる「選択と集中」ですね。ちょっと古い記事ですが、実例としてはこんなのがあります。

(日経BPネット)

これはとても良く解ります。しかしそれは大きな営利組織にのみ通用する話し、小さな歯科医院ではそんな事を言ってられません。自分が得意な事ばかりしていたら、苦手だけど必要な事、例えば経理や人事・書類整理なんかはできません。人に任せたり外注するにも限度があります。

しかしそれは経営を行う上でのベースで、技術(医療)とはその上に乗っかって行くものだと思っているのでやらざるを得ません。しかしそれに時間を費やすのは無駄だとドラッカーは述べています。

また「顧客から始めよ」という言葉も、それは顧客が正しい判断力を持っている場合にのみ通用するわけで、顧客(患者さん)が間違ったものや無理な事を望んでいる場合は通用しません。ところが歯科医療とはそのような場合の方が多いのです。

例えば電動歯ブラシ、ずいぶんいろいろ使ってみましたが、結局手で磨いた方がいいし早いというのが私達の見解です。なのに企業は売りたがる。広告宣伝が功を奏し、消費者は不必要なものにお金を使わされている事に気づきません。

営利企業にとっては「売れる商品は良い商品だ」という理屈が成り立ちます。では売れる歯ブラシは医学的に見て良い歯ブラシなのでしょうか?とてもそうとは思えません。だからLIONもSunstarも、スーパーで売る一般用と歯科医院用ではまったく違う商品をラインナップするのです。ずいぶん消費者をバカにした話しだと思いますが、企業経営とマーケッティングを全うに行えば、これは必然です。私はいつもこのギャップに悩むのです。


歯科医療とは往々にして患者さんに不本意な治療を受け入れてもらわなくてはなりません。つまり顧客の意向を曲げるのです。

私達は専門家として真実を解りやすく伝え、命を守る方向に導いて行かなくてはなりません。しかし得てして患者さんは健康や環境を消耗する方になびきます。その方が楽で楽しいからです。そしてそこが人の弱さであり、商売の目のつけどころでもあるわけです。タバコはその典型です。

顧客の言う事ばかり聞いていては、消費者に迎合ばかりしていては、病人が増えるという産業構造に誰も言及していません。医療と商売の大きな違いはこういう所にもあると思います。

顧客が求めている事がすべて正しいという理屈は、見えざる敵が相手である慢性疾患の治療には通用しません。患者さんの意見を曲げてでも命を守る事も必要になります。子供の治療はだいたいそうですが、大人だってあまり変わりません。納得していただくためにはやはり難しい知識が必要で、それを解りやすい言葉で伝えたとしても、腹の底から納得していただけるような事はありません。

ではどうしたらいいか、言葉は悪いですが、患者さんを騙すしかありません。この医者の言うことなら信じてみようと思わせる「真摯さ」が実は一番大切なのではないでしょうか。

医療は専門性が高い分野です。いくら私達が「患者さんのため」と思っても、それはなかなか伝わらず、しかたがないと諦められたり、時としてはありがた迷惑に受け取られてしまいます。

私はオープンセミナーなどで良く話すのですが、歯医者で「歯を抜かれた」とか「神経を取られた」と何の疑問も持たずに患者さんが言うのは、歯科医療がいかに専門性が高く理解しがたい行為なのかの象徴です。

私達は本当は「歯を抜いてもらった」「神経をとっていただいた」と言われたいのです。歯科医師は必要があってしかたなく歯を抜くのっであって、抜きたくて抜いているわけではないのです。

人々は健康を求めてはいます。しかし今ある何かを犠牲にしてまで健康になりたいと考える人は以外に少ないものです。そして何か大きな病気をしたりすると考えを改めたりします。しかし命に直接かかわる事の少ない歯科の病気で、大きく考えを改める人はまだあまりおられません。


マネジメント」にはこうあるそうです。

専門家は専門用語を使いがちである。
専門用語なしでは話せない。
ところが彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる。

そこでマネージャ役が必要と言う事です。そしてここで言う専門家とは歯科医師である私の事、マネージャとは最近言うトリートメントコーディネータで、それが歯科医院に必要という理屈が昨今の経営ブームの一端だと思います。

しかし説明には時間が必要です。私達に時間があっても患者さんにも時間がなくてはなりません。またその時間が一致していなくてはなりません。これは日常の診療の中では意外に難しい事です。

日を改めて説明のため来院いただくと、予告していたにもかかわらず「今日は治療をしてもらえないんですか?」と不満げな顔をされる方がおられます。未だに治療とは一方通行なのだなと思ってしまいます。

説明をして「こんなに説明をしてもらえたのは初めて、ありがとうございました」と言ってくださる方は多いのですが、そうではない方もまだいっぱいいらっしゃる。ではありがたみを解っていただける方だけにフォーカスすれば良いのでしょうか。これはこれで難しい問題です。


ドラッカーの言う「顧客から始めよ」や「強みを生かすことは組織特有の機能である」という言葉を真に受けると、それはインプラントしかやらない歯科医師が増えることを良しとすることになります。それは違うと思うのですが、そういう歯科コンサルさんが多いのはこのせいではないかと思います。

一方で「非営利組織の経営」には「強み・ミッション・価値観をマッチさせなくてはならない」という一文があるそうです。顧客である患者さんの価値観とマッチさせる事が医療機関では必要という事です。しかしそのためには表現力が必要です。

私はいつも「表現力なき技術(医療)は無意味である」と思っています。技術が社会に還元される事がなく、技術のための技術であってはならない、あくまで技術は人のためにあると思っています。ですからこの点はとてもよく解ります。

私達は患者さんが気がついていない問題を、まるでコーチングのように「気づかせて」あげなくてはなりません。自分が何を間違って今ここに座っているのかを一番よく知っているのは、たぶん本人です。

しかし自分の健康でありながら、それを医者や健康食品に丸投げする文化が続いている、そんな状態をいったいどうマネジメントすべきなのでしょうか。

患者さんが望まない治療でも積極的に行なう事がその人のためになる場合の方が多い、しかしそんな事ばかりしていたら患者さんは来なくなり、技術は社会に還元されません。表現力にも限界がある、やはり「真摯さ」しかないでしょうか。


思いつくままに書いてみたので読みにくい文章になってしまいましたね。

まぁとにかく営利企業の方々がドラッカーの考えに傾注してゆく中、私はまだ明快な何かを見いだす事ができません。

答えがあるのかどうかはわかりませんが、悔しいのでこれからも少しずつ探って行けたらと思っています。

それからもしドラですが、これは今スタッフも読んでいます。ディスカッションをするのがタノシミです!

2010年5月30日日曜日

新しい顕微鏡を試す・10[総括]

Leica M320F 12D、ライカが満を持して発売しただけあって、今の歯科用顕微鏡市場をかき回す存在になる事は確実です。まず見た目のカッコ良さ、そしてブランドイメージで買う先生は多いのではないかと思います。

また超明るいツインLEDや内蔵HDカメラは、ケーブルレスのすっきりとしたデザインと相まって先進性を大きくアピールしています。

私は撮影の関係でハロゲン球を最大輝度で使うことが多いのですが、そうすると早いと一ヶ月で球切れしてしまいます。LEDの寿命が60,000時間というのはうらやまし話です。

レンズ性能は言うまでもなく文句なし、しかもアポクロマートになりました。

伝統の前面グリップの良好な操作感は現存するどの顕微鏡をも寄せ付けません。これからの顕微鏡のベンチマークが誕生したと言っても良いかも知れません。

しかししかし、それだけに弱点も目立ってしまいます。ざっと挙げますと、
  • 支柱部の回転が悪く、出し入れが不便
  • フォーカスリングの滅菌ができなく、輪ゴムで対応するしかない
  • 撮像範囲が狭く、記録には気を使う
  • HDと言うわりに、カメラ性能が貧弱
特に撮像範囲の狭さはこれから患者さんと情報共有をしようとうする歯科医院では役不足、早急な改善を望みたいものです。

本機のカメラはハイビジョンではなく、HDと表示されています。HDとはHeigh Definition、つまり高画質という意味です。どの程度高画質ならそう名乗れるのかは知りませんが、ハイビジョンの時代においてはもの足りない存在です。SDと呼ばれる640×480に対し左右に40ずつ伸ばしただけ、これをHDと呼ぶのもどうかと思います。

720×480というサイズはよくDVDに用いられてきたサイズで、日米のNTSCと欧州のPALの両者に対応しやすいという利点があったのだそうです。そういう意味で採用されたのなら、ちょっと時代遅れという感が否めません。

しかし総じて秀逸、CarlZeissもうかうかしていられません。新製品ですから、これから改良もどんどん進む事でしょう。期待してます!

***

さて、今回カタログやメーカーの説明だけでは解らない、重箱の隅をつっつくようなマニアックな記事を書いてしまいました。もちろんそれにはワケがあります。

私もそうでしたが、初めて顕微鏡を導入するにはそこそこの覚悟が必要です。数百万円の投資、経営的に大きなリスクが伴います。せっかく買ったのに、オブジェになっている事もけっこうある、つまり使いこなせない先生が少なからずおられるという事です(そういう方が「ルーペの方が便利だしそれで充分だ」とおっしゃる傾向にあるのは誠に残念ですが)。それは無駄なことです。

私の所は異なる種類の3台の顕微鏡が稼動しており、設置や操作には一通り慣れているつもり、今回お借りしたM320もすぐに使えるだろうと思っていました。

ところが実際に持ってきてもらうと、設置場所・視度調整・モニターの接続などに思いの外てこずり、当初充分な検証ができませんでした。

実は顕微鏡を借りるのは無料ではありません。数万円の試用・設置料がかかる事が多いのです(そのまま購入すれば試用・設置料はかかりません)。また試用期間は充分とは言えず、設置で迷っているだけで期間が過ぎてしまいます。もちろん初めて導入する先生に、最初から使いこなせるはずはありません。評価までするにはあまりに遠いのです。まして、都市部以外の先生には実機に触れる機会は限られています。

またM320は対物レンズが200mmと250mmの二種類が用意されています。購入をご検討の先生は見え方や使用感に注意して選択する必要があります。

「あれこれ迷って無駄な時間を過ごさずに、できるだけじっくり患者さんと向き合ってほしい、そのためにも細かい情報まで発信したい」というのが今回の掲載の趣旨です。安い買物ではありませんので、充分検討していただきたいのです。オブジェにならなければ、一生使い続ける相棒なのですから。ご購入を検討なさっている先生の参考になれば幸です。

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歯界良好:新しい顕微鏡を試す INDEX

2010年5月29日土曜日

iPadを持ってみる

やはりたいへんな騒ぎになってしまいましたね、iPad君。下の写真は27日(木)朝8時過ぎ、すなわち発売24時間前のApple Store GINZA前の様子です。

この時点で並んでいる人は4人でしたが、、、昨日の発売の様子はご存知の通りです。


で、一夜明けて今日5月29日はこんな感じです。


入り口は人だかりで、入れるのかな?といった混みようです。けど入れます。しかし中は、、、

当然の事ながら、皆さんiPadに夢中です。触っている人は皆その場を離れようとしません。あの〜、後ろがつっかえているんですが〜。。。

で、私は5秒だけ触ってきました。というより、夢中でいじっている人に頼み込んでちょっと持たせてもらいました。「意外に重い」と聞いていたのですが、普段MacBookを使っている私にはやはり軽い軽い!大きさも、なるほど適切だと思います。

しかし電車の中で立って吊革につかまりながら使えるわけではありません。落したらたいへんですしね。本を読もうとしたらやはりポケットに入る新書サイズか、丸められる雑誌が私には合っています。

というわけで、私は興味はあっても今のところ買おうとは思いません。しかしすでに歯科医院での導入も紹介されています。早いな〜


最近のレントゲンはデジタルなので、デジカメ感覚で使えます。しかしiPadではファイルを直接開けるわけではないので、転送には多少時間がかかるはずです。どうするんでしょうね?私はiPhoneでDropBoxEvernoteを使っていますが、転送がスムーズというわけでもありません。FilesLightなどのサーバーソフトが現実的でしょうか?

じつは昨日雑誌編集の方とちょっと食事をしていたのですが、どう使うのかは解りませんが、その会社ではすでに4台のiPadを発注しているのだそうです。やはり研究のためでしょうか?

ここで妙案!歯科の商業誌をiPadに入れてもらえたらたいへん助かります。というのも歯科商業誌は写真をきれいに印刷するために、かなりしっかりした紙を使っています。そのためとんでもなく重く、場所もとるものなのです。

それに歯がいろいろ写っているので、カフェや電車で広げる事もできません。重いのと相まってどうせ外には持ち出しません。これはいいゾ!

しかし商業誌というのは広告宣伝費で持っているようなものなので、たぶん実現しないでしょう。けど単行本ならなんとかなると思います。それが実現したら購入を考えようかなと。写真なんか大きくできますからとってもいいと思います。

産業構造が変り流通経路も変る、SONYとGoogleが手を組みAppleを追う、ドラッカーの言うイノベーションが続きます。しかしそんな中でも時代や機械に振り回されないよう、一応冷静に振る舞っているつもりです。いつまで続くかな〜。

LOISDAAR


甘いものシリーズです。camlog インプラントでおなじみのアルタデント社の営業Iさんがお見えになり、いただいてしまいました。ゴチです。ボロボロ崩れてたいへんですが、ウマいものはウマいです!

私はcamlogユーザーではありませんが、初診でいらした患者さんで、すでにインプラントをお使いの方の修理やメンテナンスは可能な限りやれるようにと、普段からいろんなメーカーの営業さんと話しをするようにしています。

で、今回初めてアルタデントさんとお仕事をしましたが、まったく安心です! レントゲンから予想されたサイズのパーツを複数用意していただき、その中から必要なものだけ使い、あとはお返しします。

どこのメーカーさんでもこのような柔軟な対応をお願いしたいのもです。Iさん、アリガト!

新しい顕微鏡を試す・9 [動画サンプル]

続いてLeica M320 動画サンプルです。実画像から大幅に画質が落ちていますので、ご参考程度にお願いいたします。

左上第二大臼歯近心に発生したカリエスの治療です。第一大臼歯のクラウンを外したら発見されたものですが、形状からして形成時にダイヤモンドバーがひっかかったために誘発された可能性が高いカリエスです。

右上にはタイムカウンターが記録されます。なお録音はできません。



こちらはオレンジフィルターをかけた状態です。もしかしたらホワイトバランスなどを調整すればもっときれいに写るのかもしれませんが、とてもそこまでできません。。。。。


HDとは言っていますが、この画像サイズは誠に残念です。また撮影範囲が狭いので、撮影にはちょっと気を使います。

別症例で半導体レーザー使用中の撮影をしてみたのですが、残念ながら画面が完全に真っ白に、すなわち露出オーバーとなり使えませんでした。Nd-YAGレーザーでも同様の結果になるかもしれません。

次回はやっと最終回、総括をしてみようと思います。

新しい顕微鏡を試す・8 [静止画サンプル]

Leica M320からの臨床撮影サンプルです。まず静止画から。やはり被写界深度が浅いので、一般の口腔内写真撮影とはだいぶ写りが違います。

なおウェブ用に画質を落してありますのでご了解ください。この画像は1600×1200 72ppiですが、実際には2048×1536 96ppi です。


もちろんライカ、見え方には文句のつけようがありません。根尖孔部も良く見えます。ハロゲン球に慣れた眼にはLEDは白く見えますが、これはハロゲンがオレンジっぽいだけです。ホワイトバランスを調整すればまずまずの静止画が得られます。

なおどんな顕微鏡でもそうなのですが、必ず接眼レンズを調整して自分の目とカメラのピントと合わせておかなくてはなりません。

新しい顕微鏡を試す・7 [電源スイッチ]


こちらでカバーを開けた状態の写真をアップしていましたが、カバーをすればこんなにスッキリ!M320のコダワリを感じます。これを使いにくいと言ってはいけませんネ。

新しい顕微鏡を試す・6 [リモコンとモニター画面]

ライカM-320にはリモコンが付属しています。撮影はもちろん、再生や各種セッティングが画面上でできるようになっています。

カメラ情報の画面です。V01.61 とありますが、バージョンアップはあるのでしょうか?タノシミです。フレームレートは24.88とありますが、実際に撮れる動画は30fpsです。

この画面から各種セットアップを始めます。

ホワイトバランスはちゃんとやっておかないと、ヘンな色の撮影しかできません。

露出も場合によっては自動では難しい場合があります。しかしこのへんは懲り出すと切りがありません。撮影のための診療にならないように注意したいものです。

モニター解像度の設定です。

静止画撮影時にモニターにその写真が表示される時間設定です。3秒のままで良いと思います。
残念ながら日本語の設定はありませんが、問題ありません。

ライカファンは迷わず表示状態にしましょう!?

肝心なブラウザー画面です。

で、実際に動画を表示させるとこんな感じです。

2010年5月26日水曜日

速報・オープンセミナーは6月15日12時より

オープンセミナーを再開します。次回は6月15日(火)12:00より約1時間です。

「知ってる人は悪くならない」をテーマに、これから治療を受けようと思っている方にも、すでにメンテナンスに入っている方にも、どうしても知っていていただきたいお話をいたします。詳細が決まりしだいまたお知らせいたします。

2010年5月24日月曜日

新しい顕微鏡を試す・5 [撮影範囲]

ライカ M320 はすでにお試し期間が満了になりお返していますが、少しずつ使用感をアップして行きます。今回からは実際にモニターに繋いでみたり、撮影をしてみた状況をアップしてゆきます。

5回目は「撮影範囲」です。さて下の図ですが、去年の名古屋での顕微鏡歯科学会に出席の方は何だかお解りだと思います。これがLeica M320の実視野(青)と撮影範囲(赤)です。皆様の評価はいかがでしょう?


これは残念ながら、あまりに撮影範囲が狭すぎます。実際に使っていると、術野がちょっとでもセンターから外れると、モニターから逃げてしまいます。

また後からアップいたしますが、静止画の撮影範囲はこれより上下に若干広がった範囲で記録されます。いずれにせよ実視野に対する撮影範囲はかなり狭く、記録にはそうとうな注意が必要です。

ご参考までに、下の写真はCarlZeiss Opmi pico mora の実視野と撮影範囲です。撮影範囲の四隅が実視野をわずかにオーバーしていますが、これが現実的ではないでしょうか。

もともと丸い視野を四角く切り抜くというのは無理のある話しで、どの程度に収めるかは好みの問題です。私は四隅がケラレても良いので、正方形の撮影範囲が良いと思います。しかし時代は横長ハイビジョン、もはや無理でしょうね。トホホ...

2010年5月23日日曜日

FC東京 vs アルビレックス新潟

5月22日(土)晴のち曇。私はこの日恥ずかしながら初めてサッカーを観に行きました。ヤマザキナビスコカップ第3戦、FC東京 vs アルビレックス新潟、場所は地元の駒沢陸上競技場です。


実はこのゲーム、駅でビラをもらって始めて知りました。駒沢にJリーグが来る事はありませんが、今回はナビスコカップ、例外的に開催されたようです。土曜日ならなんとか行けそうでだし、なにより新潟戦じゃないですか。残務整理もそこそこに、帰り道に立ち寄ってみました。


うーん、やっぱりいいですね。当り前ですがテレビと違います。少々蒸し暑いですが、解放感たっぷりで快適です。しかし困った事が、、、

ご存知のように私は新潟出身。すでに東京での生活の方が長いのですが、新潟への愛着は薄れていません。どっちを応援したらいいんだ〜!

妥協案としてほぼ中間の席を確保して、どちらの味方ともつかない振りをしようと思っていました。しかーし甘かった!ホームゲームなので周りは当然FC東京のサポーターです。

さて競技場に来て初めて感じたのは、チームと地元との一体感・ファンを大事にしようというJリーグの姿勢です。実は患者さんに元日本代表の方がおられたまに話すのですが、百年構想が理解され、ファンとともに企業がCSR(会社の社会的責任)の一環としてスポンサードできるような文化にまで日本がなるのはまだまだだと。

しかしこの会場を見る限りではサポーターレベルは成功、企業の皆さんには景気もたいへんでしょうがよろしくお願いしたいものです。読売のようにお金はあるのに投げ出さないでほしいものです。ちなみに新潟のスポンサーである亀田製菓は最高益をあげているそうです。凄いぞ、柿の種パワー!

肝心のゲームですが、0-0のまま後半ロスタイムに入り、途中出場のFC東京の大竹が終了間際にゴール!劇的な幕切れでした。目の前で見るシュートはいいですね!世の中ワールドカップ一色になりつつありますが、もちろん他の選手だって頑張っています。応援して行こうと思います。え、どっちをって?


PS1:新潟が応援にSmoke On The Water 使っているのは旧友兼患者のK君から聞いていて知っていましたが、東京も使ってますね。定番なんでしょうか?


PS2:新潟のオレンジカラーは日本海に沈み行く美しい夕日をイメージしていると言われていますが、実は柿の種を現しているとも言われます。また新潟にはオレンジ色のLOWSONがあり、これはアルビレックス新潟のために造られたと言われています。新潟に行ったらぜひ探してみましょう!それから夕日は本当に奇麗ですよ!

新しい顕微鏡を試す・4 [フォーカスリングの滅菌]

たいへん残念ながら、M320に進化しても対物レンズのフォーカスリングの滅菌はできません。このままでは手術に使えません。私がM715でどうしているかと言うとこうです。


幅広の輪ゴムを巻く、これが一番です。ただ、カッコ悪いです。何か貧乏臭く見えます。。。

Leica さんは早急に滅菌できるカバーを造る必要があると思います。

新しい顕微鏡を試す・3 [脚の形はどうだ?]

お伝えいたしましたように、M320の脚はCarlZeissのpicoやLeica M715に比べて高さがあります。測ってみると、今私が使っている状況から置き換えると、ユニットを下げたときにぶつかります。顕微鏡の導入はこんなところにも気を使わなくてはなりません。


ケーブルやチューブが多く、足回りの複雑さは移転してもなお悩みの種です。写真はM715の脚ですが、このきゃしゃで特殊な形状が設置を可能にしているのは皮肉です。こうでなければ旧日本橋の診療室に顕微鏡は置けず、私の顕微鏡歯科治療はスタートしていませんでした。

ちなみに写真のガラス瓶はエキストラ吸引装置のトラップで、外科や根管治療で威力を発揮します。すごい便利です。一から設備を造る方にお奨めです。

新しい顕微鏡を試す・2 [Eye-Fiカード]

へそを曲げたM715のために頓挫していたLeica M320 検証の続報です。前回はいっぱい並べすぎて不評、、、小出しにして行きます。まずは注目のEye-Fiカードです。


Eye-Fiカードとは、無線LAN通信機能を内蔵したSDカードです。無線LANに繋がっていれば、撮影した画像が直ちに指定したアルバムサイトやコンピューターに転送されます。私は普段口腔内撮影用のCanon EOS 40D にアダプターを介して使っています。


お伝えしましたように、M320にそのまま入れて問題なく転送されました。思いっきり便利です。M320をご使用になられる方はその恩恵を100%受ける事でしょう。

ただし私が使っているのは初代のカード。静止画しか転送してくれません。ところがタイムリーな事に、動画転送もできる新製品が発売になったばかりです。


転送速度が上がり、エンドレスモードも備え、とても良くなったようです。うまく使えるといいのですが心配もあります。

というのはこのM320、なぜかSDカードをフォーマット(初期化)する機能がありません。初めて使う方はどうするのでしょう?もしかしたらエンドレスモードは使えないかもしれませんので、お買いになった方はちょっとご注意を。

私はたまたまCanon Power Shot G-11 というカメラでフォーマットしたカードを入れていました。中に[100LEICA]というフォルダが造られ、その中に静止画も動画も入ります。


巧みの逸品 エレベーター

エレベーターと言っても、あのエレベーターではありません。


この見るからに怪しげなモノ、実は歯を抜く!ためのエレベーターという道具です。そんなものをいちいちblogに載せなくてもとお思いでしょう、しかしこれはタダモノではありません、感激ものです。


2年ほど前、とある外科系の学会にでかけていた私に先輩から電話があり「展示会場に良いエレベーターがあったら教えて!」との事。ふだんエレベーターなんて気にもかけていなかった私ですが、改めて物色してみると、それはそれはいろんな形のものがあります。

で、私が目を着けたのがこの写真、ドイツUSOTOMED社のもの。一目見ただけでピンと来ました。これはイイゾ!その場で写真を撮ってメールで先輩に知らせると、すぐに発注してくれとの事。

その後先輩と話すと、これが本当に良いらしい。とにかく手に馴染む、力をいれずにスッと抜けると言うのです。フフフ、私の目には狂いはなかったと嬉しくなります。

抜歯に限らず歯科の治療は無駄な動きはせず、スマートにささっと行いたいものです。その方が早く、痛くなく、患者さんも私達も楽なんです。鈍ければ逆に痛いんです。道具は大切です。

ところが先輩曰く、あまりにこのエレベーターの使いこごちが良いので他の先生がこればかり使い、消耗が激しいと言うのです。自分が楽しみに使おうと思った時にはすでにボロボロ、もう一本買うと。ソコマデイイノカ・・・

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ならばとういう事で、私も一本揃えててみました。うーん、なるほど、いいです。



下段がずっと使っていたエレベーターで、実は先輩のお下がりです。上段がUSTOMED社のもので、ナス型のグリップが手の掌に馴染みます。そして人さし指の位置がサッと決まります。こういうのを人間工学的に優れていると言うのでしょう。

しかし改めて考えると、お下がりのエレベーターは手入れは全くしていませんでした。というより、手入れをしている人はほとんどおられないと思います。必要性そのもが重要視されていないだけでなく、専用の特殊な砥石が必要だからです。

で研いでみると、あーやっぱり全然違います。良いものをメンテナンスしながら永く使うという私達のコンセプトを思い出させられます、恥ずかしいです。

しかしこのグリップ感だけはどうしようもありません。ドイツ人の方が手が大きいと思いますが、この馴染みは不思議です。直接手に触れる部分の探求心は、日本人はまだまだなのではないかと思います。モノヅクリ大国ニッポン、まだまだやる事はいっぱいあるぞ!

なおUSTOMED社の製品、日本ではオーラスさんで扱っています。小さな会社ならではの暖かみを感じる会社です。

あさくさ 梅源


おごそかな出立ち、これはいったい?


完全手作り受注生産の、あさくさ梅源さんの甘納豆でした!ありがとうございます!ホームページを拝見すると、きんつばにも挑戦してみたくなります。困ります。

***

前々から不思議に思っていたのですが、甘納豆とはいわゆる納豆とはぜんぜん違いますよね。実は甘納豆は甘納糖の誤りなのでは?

そういう納豆も実は変ですよね。豆腐と名称が逆です。つまり豆が納まったたのが「とうふ」、豆が腐ったのが「なっとう」です。中国でもそう言うので4000年の歴史の中で入れ替わっちゃったんでしょうか?

甘納豆を食べながら、どうでもいい事を考えてしまいます。

Leica M715の秘密

M715の中を開けてはじめてわかったのですが、この機械は古いだけあってアナログ感覚も抜群です。照度調整は電圧を変えているのかと思ったらこの通りでした。

【全開】

【中間】

【全閉】

これは手で覆っているのとまったく同じ!エコな時代に反しています。なにか顕微鏡の進化の歴史を見ているような、、、

最新型のM320のLEDに対しこのM715はハロゲン球、しかも90Wと弱目です。それでも充分な実用明度なのはシンプルなレンズ構成にあります。鏡筒角度調整やカメラが無い分だけ明るいのです。

歴代衛生士にはこれが一番見やすいと言っていた者もいたのはそのせいでしょう。まだまだがんばってもらいます。もう壊れないでね!!

へそを曲げた Leica M715

機械にも心がある、私はそう信じています。新しい機械を買うと古い機械が動かなくなる、そんな経験はありませんか?

試用中のM320に嫉妬したのか、M715の電源が入らなくなりました。照明がつかないだけでなく、うるさく回っていたファンも動きません。


これはヒューズが切れたかと思いましたが、切れてません。すると怪しいのはスイッチ本体。メーカーに電話をしたのですが担当者がいないそうで、その後何も言ってきません。待ってられないし、しかたがない自分で治すか、、、


フタを開けるとこんなです。十数年前の機械なので、アナログです。これなら素人の私にも解りそうです。

電源スイッチ本体を取り出しテスターで導通を診ると、しっかり壊れていました。これは交換です。しかたがないので、秋葉原まで部品を探しに行くはめに。ちなみに私はアキバ系ではありません。


さすがに同じ部品は見つけられず、ちょっと小さな代替品を買って付けてみましたが、すきまがあいてしまいました。これが本当のスキマスイッチです。

スイッチは¥130、電車代往復で¥320。本当に修理に来てもらったら数万円かかるのでしょうか?電話がなかったのを喜んでいいのか、複雑です。

***

昔から良くありますよね、修理屋さんが来ると何事もなかったように映るテレビ・2台目の車を買うと1台目の車の水温がやたらに上がる・保証期間が過ぎるとすぐに壊れるソニー製品(ソニータイマーと言うそうで私も一度痛い目に合っています)などなど。。。

まぁただの偶然なんでしょうが、機械に感情移入し擬人化してしまうとこうなるのでしょう。機械なくしてなりたたない現代社会、大切に使っていこうと思います。