2018年8月17日金曜日

レーザーを顕微鏡下で使ってみるセミナー


吉田歯科診療室の大きな特徴でもある《レーザー》と《顕微鏡》を組み合わせた治療が、歯科医師向け実践セミナーになりました。名付けて《Microscopic Laser Dentistry Course》です。


実はクローズドな内輪での実習会としては実績があるのですが、このたび京都でご開業の山田國晶先生からの依頼で、正式なセミナーとして開催させていただきました。

私が主宰することはめったにないのですが、久しぶりにやってみました。場所はもちろん当診療室です。


当診療室の個室診療室3部屋にはそれぞれ顕微鏡が配備されていますので、各部屋にレーザー(半導体・Er:YAG・CO2)を1機種ずつ配置。顕微鏡を観ながら豚顎骨にレーザーを照射し、違いを実感していただきました。


受講者全員分の防護メガネをメーカーさんのご協力でお借りしてきました。


私がメインで使っている半導体レーザー。数社から新製品が出ておりますが、サファイヤチップの優位性は歴然。他社の半導体レーザーをお使いの先生も驚いていました。


二人一組になり、豚顎骨に3種類のレーザーを照射してゆきます。


こちらはエルビウムヤグレーザーの部屋。認可品では歯や骨を削れる唯一のレーザーです。インプラント周囲炎治療のために、今後仕様頻度はさらに増えるでしょう。


顕微鏡からのビデオ画像は、大型モニターに映し出されます。


山田先生の熱のこもった解説付き!


こちらはCO2レーザーの部屋。日本だけで売れているCO2ですが、その特性は顕微鏡でよく観察して行うとよく解ります。


すでに複数のレーザーのユーザーである山田先生も、比較実習には驚いていたご様子。


実習が終わり、ヤッターという表情のお二人。メガネとマスクで本当はわからんですけどね。



最後にお約束の記念写真をパチリ。


終了後は隣のイタリアンレストランを無理に開けてもらって懇親会。

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さて、実はレーザーの教育とはいまだに大学でもほとんど行われておりません。やったとしても国家試験対策で教わる程度と、たいへん心もとない状態です。

そのレーザーが、この4月より健康保険に大幅に導入されました。それは喜ばしい事なのですが、理論や安全管理も含めた正しい使い方が普及しているとは言い難い状況が続いています。

私も所属する学会で研修事業にずっと携わってきておりますが、回数も場所も限られ、なかなか思うように開催できません。

そんな思いを汲んだのか、以前より山田先生よりレーザーの実習会をやってくれとい言われており、この度やっと実現の運びとなりました。

指定された日は8月11日、つまり土曜・祝日・お盆という悪条件だったのですが、受講生をスパッと集める山田先生のお人柄に感動しました。

実習をされた方はお解りいただけたと思いますが、レーザーとは意外にも大雑把な機械です。その切れ味を顕微鏡で確認すると、手技の改善はかなりあることが解ります。

私はたまたまレーザーも顕微鏡も早くから導入し、併用した治療をやってきましたが、一般治療と同様にもう裸眼では怖くてできません。

日本で最も普及しているのがCO2レーザーですが、これは最もレーザーらしいレーザーである一方、もっともザックリ感が強いレーザー。顕微鏡を併用することで、繊細な使い方ができると思います。

それから最近は光学印象といって、歯の型取りをカメラ(立体スキャナー)で行う動きが活発ですが、この時にじゃまな歯肉をどかすのには半導体レーザーが最適です。しかしこれは顕微鏡をみないと不可能です。

エルビウムヤグレーザーも、歯が削れるとはいうものの、その切削面はゴソゴソで無駄な照射も多いもの。それを減らすにも顕微鏡は最高に有効です。

今回の受講者6名には、全員それらを感じとっていただけたと思います。

このセミナーはご希望があれば今後も開催して行こうと思います。顕微鏡下で3種のレーザー比較をやってみたい方、ご連絡ください。3-6名で承ります。

今回の反省点を活かし、さらに良いセミナーにしてゆこうと思います。

山田先生、受講生の皆様、たいへんお疲れ様でした。ぜひ明日からの診療にご活用ください。