2016年が間もなく暮れようとしています。今年も無事にこの日を迎えることができたことに感謝いたします。
今年も当たり前のように多くの人との出会いや別れがありましたが、いずれからも例年になく多くの事を学ばさせてもらいました。しかし残念ながらそれは、人はどうやって「難しく」なって行くのかがありありと分かる一年でした。
歳を重ねるごとに背負って行くものが増え、そのために自己を見失って行く人にいろいろな局面で接してきました。
例えば子供の受験や親の介護に本人の病気がぶつかる、健康状態がギリギリだったことに気がつかなかった方は一線を越え、それこそ不定愁訴を連発します。もちろん歯の治療どころではありません。
それがひと段落して通院が再開できる方はまだ良い方で、多くの方はいろいろなことを諦めざるをえない…そんな方のために自分ができることは何だろうと、深く考える時間が例年になく多くありました。
しかし、答えはいたってシンプルでした。それは患者さんも自分も「栄養状態」を改善する、ただそれだけです。
それは単純な糖質制限やMEC食の実践ではなく、消化吸収の状態の改善・メチレーション状態の把握・重金属や有害物質の解毒など、今主流の医学とはだいぶ目線を異にしたアプローチをせざるをえない。
ですから来年は、この膨大な情報をもう少し整理して歯科・口腔外科ならではの栄養医学療法を提供できればと思っています。
しかしそのために必要な人員補強が今年もできなかったことは、最大の反省点です。二人の秘書兼歯科衛生士にとても感謝しています。
今年はメインホームページの刷新・DentalNutirition.jpの開始・週一のメールニュース配信など、表面的な変更が目立っていたかもしれません。また出張も多く、あいつは何をやっているんだと思った方も少なくないかもしれませんが、見えないところでそんなことをずっと考えていました。
「難しく」なる前に、いかに救うか。ただムシ歯を修復するのではなく、嚙める入れ歯を造るだけでなく、疾病に至った過程から生体としての歪みや社会との関わりを読み解き先手を打つ、それがこれからの医療ではないでしょうか。
生意気な事を言っていますが、今のこの「難しい」世の中や人々を変えるには、医療や健康情報が正しい方に向くことが一番簡単で効果的ではないでしょうか。そして自由診療専門医である自分にだからできる事が多いと実感しています。
さて吉田は今、京都にいます。母を新潟から連れ出しての3度目の正月旅行です。母もまた「難しく」なってしまった一人ではありますが、その母も含めて来年はどれだけの人を難しくなくせるか、まだまだチャレンジは続きます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2016年大晦日
吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニック
代表 吉田 格