2012年2月12日日曜日

レーザーは安全に「売って」ほしい

東京マラソン近し!今日はその時用のサングラスのご紹介 ‥‥‥ではありません。これはレーザー治療をする時に眼を保護する特殊なメガネです。カッコいいでしょ!?


ちょっと珍しい、歯科で良く扱う4波長すべてをフィルタリングする、つまりこれ一つで全て事足りる逸品です。日本でも扱ってくれないかな〜


実はレーザーの安全使用についての公演の話をいただきまして5月に広島に行く事になりました。ここ何日かはその抄録などを書いていたのですが、この写真はそれ用のもの。

何故レーザー治療時にはメガネが必要なのか?それは治療で使うレーザーは赤外線なので眼に見えません。しかしいろんな所に反射して、どこから眼に入ってくるか解りません。ものすごい強力な光なのに、眼に見えないので眩しくもありません。だから怖いんですね。

眼に見えないから怖い、そういうものは世の中にはたくさんあります。細菌とか放射線なんかもそうですよね。教えられてもピンと来ない、けどそれが何か体に影響を及ぼした時に始めて「しまった!」と思う、それが人間です。教育は大切です。

私はコチラに書いたように学会でレーザーの安全講習会を手伝っていますが、これは歯科医師やスタッフさん向けのもの。で、いつも思うのですがコレだけでは足りない。実はそれを売るメーカーさんやディラーさんにも勉強してもらわないと困るのです。

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前置きが長くなってしまいました。何があったのかというと、先日某大手メーカーで展示会があり赴いた時の事です。

そこは総合メーカーで、歯科領域のほぼ全ての製品をラインナップしています。新社屋となったそこは確かに素晴らしく、顕微鏡が設置された研修室など実に良くできています。

そしてそこには一台のレーザー治療装置もありました。で、なんと社員が突然レーザーのスイッチを入れ、メガネもせずにまだ何もご存知でないであろう若い歯科医師に向けて照射のデモンストレーションを始めてしまったのです。周囲にはもちろん多くの人が普通に居ます。

私は最初は気がつかなかったのですが、その光景を見たときに「これはマズイ」と思ったのですが、止めに入る勇気もなく、誘ってくれたディラーの社長に頼んで注意を促してもらいました。

歯科医師は大学でレーザーの教育を受けていません。レーザーについて始めて教わるのは、実はメーカーさんやディーラーさんからの場合がほとんどです。その人が間違った知識を持っていると、たいへんな事になります。専用メガネをするのは最低限の安全対策です。それすら守られない現状をどうしたら良いのでしょう?

メーカーは売れればそれでいい、特にレーザーは利幅も大きく売りたがる人が多いのです。ならば勉強をしてほしいし、安全に売ってほしい。何かあった時に被害に遭うのは患者さんであり、責任をとるのは歯科医師です。インプラント同様、日本はそうならないような仕組みがないのです。

私たちはメーカーさん抜きでは仕事ができません。是非我々といっしょに勉強に参加して欲しいと切望します。

PS:東京マラソン、走ってみたいな〜 実は今回同級生が新潟から参加、近隣のこのホテルに宿泊する。応援しよう!