2014年12月31日水曜日

2014大晦日

間も無く2014年も終わろうとしています。皆様にとって今年はどんな年だったでしょう?

私はと言えば、いろんな人の意見に出会うことが例年以上に多くあった年でした。良くも悪くもこんな意見があるのか、こういう見方もあるのかと、驚く事が実に多かった。



気になったの、良い意見であったにもかかわらず、自分が今生きている事に何の感謝もない人が複数いた事。どのような意見でも構わないですが、その意見に辿り着いた過程に疑問があった残念な人がいた。

しかしふと気付くと、感謝なんて言葉を使っている自分が居る、いろんな意見に揉まれているおかげでそんな自分にならさせてもらったのか、これは感謝だ!少し人間が出来てきたのかもしれない!? いや自分で褒めるのはやめよう。

では来年は?もちろんさらに揉まれて研ぎ澄ましてゆく、プラス、実は新しいアプローチを考えています。裏で進めていた事があり、そろそろ実行に移したいと思っています。すでにスタッフには話してあるのですが、とても私一人で出来ないので、というくらいのものです。まだ明かせませんが、徐々に見えてくる事でしょう。どうぞお楽しみに。

さて吉田はこの大晦日は始めて東京を離れ、京都に来て鰊蕎麦なんぞ食べております。普段とは違う空気がもたらす新たなインスピレーションを持って、2015年は1月5日スタートです。皆様、素晴らしい新年をお迎えください。


吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニック

2014年12月28日日曜日

この先に見えるものは本当にあなたの未来ですか?

日本臨床口腔外科医会・11

こちらからの続きです。


顕微鏡を用いた歯科診療は
自分の診療スタイルに合っているか?
合っていないと思ったら今日の話はスルーか?

この講演を聴いて顕微鏡を用いた歯科治療は自分とは関係ないと思う先生、導入しないと決める先生もおられるはずです。ではこの話を聴くのは無駄になるなのか?私は違うと思います。顕微鏡により実現する世界とは何なのかは、口腔外科を専門とする先生であっても知らなくてはならないと思います。

例えば、歯内治療の研修に行ってきたという歯周病専門の先生がおられます。彼は歯内治療をやりません。ではなぜそこに行ったのか?

実は彼も歯内療法の先生とコラボしているし、そういう方達から患者さんを紹介してもらったり紹介しています。だから他科の立場や考えをある程度知らないと良い仕事ができないと言います。他者の立場を理解してこそ、自分の専門性が際立つわけです。

自分が知らないとかできないとかで、その範疇で治療の選択肢を少なくしてはいけないと思うんです。

インプラントができないから、無理な義歯で対応するとか、歯周治療がわからないからさっさと補綴してしまうとか、患者利益ではなく自己利益でしかない、これは医療ではありません。

インプラントや矯正は認知度が高いので紹介というものがよく行われるわけですが、それと同じ考え方で顕微鏡を用いた治療も紹介が行われるようにならなくてはいけないと思うんです。

モノからコトへの転換

日本臨床口腔外科医会・10

またまたえらく遅くなってしまいました、今更ですが4月20日の臨床口腔外科医会の続きです。前回の記事はコチラです。


これは顕微鏡を使う・使わない以前の話なのですが、どうも私が考えている事と世の中で思われている事の乖離が激しいので、顕微鏡を使う使わない以前のこととしてお話させていただきました。
  • まず、「良い材料や最新の機械を使えば良い治療ができる」…これは大きな間違いです
  • ですから、「顕微鏡があれば良い治療ができる」…は大きな間違いです
  • つまり、「顕微鏡がある歯科医院は良い治療をしている」…も大間違い

顕微鏡が治療をしてくれるわけではありません。するのは歯科医師です。その人がどのような考えで治療を進めているのか、顕微鏡をどのように活用しているのかが見抜けなくてはなりません。


歯科医療はとても多くの機材を使います。モノは確かに重要で、良いものを使う・使わないが結果を左右する事はあります。しかしそれだけではありません。

昔から良い治療を勧める時に言われてきた口説き文句(?)に「金を使うから良い治療で長持ちする」とか「白いセラミックスだから高い」とか、要するに材料が違うから良い治療で、それが自由診療であると言うものがありました。

しかし現実は、最終的に出来上がるモノ(材料)を変えただけで、技術や中間材料、そして造るのにかける時間が変わっていないために精度が悪く(適合しない)、結局すぐに脱落したり破損するような治療が頻発しているわけです。

そのために「歯なんかにお金をかけても変わらない」という経験をした方が少なからずおられ、歯科医療の信頼を落とす事例があるわけです。

先に挙げたコンポジットレジン修復も同様で、材料をどのように扱うかで予後がまるで変わってきます。材料の進化によってもたらされるはずの信頼性アップがなかなか現実化しないのです。

詳しくは長くなってしまうのでこちらのパンフレットをご参照いただきたいのですが、とにかく歯科医療においてモノの善し悪しは2番目か3番目に重要な事になります。…というか「悪い材料」なんて今はほとんど無いのですが。

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歯科医療において「適合」の良し悪しは「どれくらい持つか」を決定します。ですから、
  • 適合の良い保険材料での治療
  • 適合の悪い自費材料での治療
では、どちらが長持ちする治療なのかと言えば、前者になります。

時間をかけて丁寧に造れば、たとえ健康保険の材料でもかなり長持ちする治療が可能です。しかし適合の良し悪しは患者さんには解りませんし、やっている当の歯科医師でも把握することができない部位もあります。ですから一つ一つのステップを確実にこなしてゆく慎重さが必要になる、結果時間がかかるわけです。

良い治療というのは患者さんにはなかなか解りにくいものだと思います。だから一番解りやすい見える部分に、すなわちモノに目を向かせる人が多いのでしょう。

ところが困った事に、患者さんと同じような勘違いをしている「モノしか見ない」歯科医師も多いわけです。ですから私は…

モノからコトへの転換

見える価値の理解は容易
見えない価値を感じる理解力の創造


という話をしました。見えない部分、背景を読み解く力を養ってください、最近良く聴く「リテラシー」というやつです。

多くの歯科医療は最終的にモノとして提供されることになりますが、それを造るのにどれだけの労力が必要だったのか、またこれからどのような価値を生み出して行くかを考える力が必要です。残念ながら、このような思考は日本人が苦手としている事のように思います。

学校ではそんな教育はしません。社会全体が子供に与えて行くものだと思います。大人は、、、ちょっと遅すぎたかもしれません。

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日本人は特にモノに弱い人種だとききます。私も同感です。戦後の物資不足の中を生きぬいてきた世代の方々は、モノのありがたさが染み付いています。「モノが人々を幸せにする」「モノ造りの国ニッポン」というのは、そういう苦しい時代が根底にあったからでしょう。

時代は変わり、世にモノは溢れています。一部に粗悪なモノはありますが、大部分は古くなっても直せば使えるし、生きる死ぬの問題が出る程の事はそうそうありません。

しかし医療は違います。モノが悪ければどうなるか、そしてその原因はコトを評価する気持ちの欠如があるわけです。

そしてこの感覚がないまま顕微鏡を導入すると、顕微鏡はただのオブジェとなってしまうのです。


2014年12月27日土曜日

「歯の破折の診断と処置」に執筆(少しだけ…)

ちょっと前になりますが、先のデンタルダイヤモンド社からこのような書籍が刊行されました。平たくいえば「歯が割れたらどうしましょう!?」という本です。


【デンタルダイヤモンド社】

最近のこの手の書籍は、ウェブ上で立ち読みができるようになっています。便利になったものですね。立ち読みはコチラから。



で、その中で私は「直接覆髄」というテーマで書けとの命令で、4ページ書いております。

YouTubeの にもアップしてありますが、事故で歯が割れたり虫歯で神経が露出すると、神経をとる処置をするのが常識です。しかし神経は生きてますので条件が揃うと露出部分を閉鎖しようとします。そこに細菌がいるとダメなのですが、顕微鏡を見ながら神経に刺激をできるだけ与えないよう丁寧に感染部を除去してあげるとうまく行くケースがあります。

こういう治療は成功するかどうかはやってみなければ解らず、ちょっと賭けにはなります。しかし神経をとってしまえば何億払っても返って来ませんし、神経をとった歯を一生使い続ける事は実は難しいという事で、チャレンジのしがいがあるのです。

だいぶ以前から知られている治療方法ですが、成功率が低くほとんど行われて来なかった方法です。しかし顕微鏡の普及とともにだいぶ一般的になってきたのではないでしょうか。もっと普及するといいですね。


2014年12月24日水曜日

マイクロデンティストリーの現状と可能性


今年も大小さまざまなコンテンツを提供してまいりましたが、最後のトリがこちら、デンタルダイヤモンド誌1月号が発売になりました。今号から表紙のデザインが一新、これはどうもマラソン大会のようですね。


記事は連載もので「マイクロデンティストリー 拡大視野が歯科を変える」というテーマで一年間続きます。

私は全体のコーディネートをしているのですが、第一回という事で「マイクロデンティストリーの現状と可能性」と題して7ページいただいております。

この中でちょっとネタをばらすと、「拡大鏡 vs 顕微鏡」という項目があります。両者を対立関係に扱う人がけっこういるのですが、ひじょうに小さな話だと思います。両者は…
  1. ただ「拡大する」という意味においてのみ共通
  2. 観察軸が根本的に異なる
  3. 対立関係ではなく、相互補完の関係にある
とさせていただいてます。自己主張が強すぎて他方を認めない方がおられるのですが、それでは臨床の可能性を狭め合うだけでお互いマイナスだと思うのです。診療スタイルは皆違うのですから、尊重しあうのが大人ではないでしょうか。

その他ちょこっと辛口な話をいっぱい書かさせていただきました。是非お買い求めになられてください。


なおこの連載は、すでに顕微鏡を使って結果を出している新進気鋭の先生を中心に、各科別の執筆をお願いしております。お楽しみに!

2014年12月22日月曜日

ハローキティ with 日本歯科大学!


むむ、これは驚いた、さすがは我が母校!サンリオさんと提携です。

左はおなじみのデンツプライ三金さんのグッズですが、右は?スクラブと呼ばれる手術着を着たキティちゃんが実物大のエアタービンを持っています。

ご存知キィティラー衛生士のWDさんもご満悦、お求めは日本歯科大学生命歯学部同新潟生命歯学部の売店で!

Brånemark教授、逝去す


歯科インプラント治療の事実上の生みの親とも言える、スウェーデンのブローネマルク教授が20日心臓発作のため逝去されたとの事です。すでにWikipediaにも掲載されております。

http://en.m.wikipedia.org/wiki/Per-Ingvar_Brånemark

チタンと骨が物理的に結合するという不思議な現症を発見し、それを歯科に応用するという画期的な手法を生み出した事で知られ、現代歯科医学への貢献は計り知れません。

心よりご冥福をお祈りいたします。合掌

2014年12月15日月曜日

松風「歯 メイト」コラム 第2回


株式会社松風がお送りする会員制ウェブマガジン「歯メイト」のコラム「吉田格の歯界良好」の第2回が今朝配信になりました。上の画像がそのチラミセです。

タイトルは「忘年会から望年会へ」、どこかで聴いた事があるタイトルかもしれません。それが解った方はエラい!

製品紹介は発売されたばかりのビューティコアキットEX。神経がない歯の再建にかかせないコンポジットレジン製の芯材と、それを補強するグラスファイバーの芯について臨床例と私見をあげています。

歯メイトは毎月15日配信で、吉田のコラムは偶数月です。約一ヶ月後にはサイトにも掲載されますが、それまでは会員限定での公開です。

早く読めるよう無料の会員登録をしてみてはいかがでしょう?





2014年12月10日水曜日

お揃いのタータンチェック!

12月という事で、クリスマスツリーの登場です、一気に華やかになりました!



今年も女性陣の渾身の飾り付け、キティラーのWDさんの趣味が全面に出ています!今年のポイントは赤いタータンチェックの大きなリボンですが…


これはよく見れば私のフルオーダー白衣の内張りとお揃いです。で記念撮影となりました。パシャ!

本年の最終診療日はクリスマスの25日まで、26日は大掃除のため休診となります。あ、急患はもちろんお受けいたします。

忘年会真っ盛り、どちら様も呑みすぎ騒ぎすぎに注意して年末をお楽しみください!

2014年12月6日土曜日

鹿児島に行ってきた・3 日本レーザー歯学会教育研修会

コチラかの続き、鹿児島の最終話です。


で、第2回の教育研修会がスタート。会場は満席、地道な広報の成果です。午前は、東京医科歯科大学の田上教授と、同大学出身かつ地元ラサール学園出身の加藤先生が登壇!活発な質疑も行われます。


実はこの研修会の資料、すべて私のお手製でございます。経費かけられないので、地道な苦労の結晶です!

この資料の印刷は鹿児島入りの前日にやっと終わったのですが、私は知らなかったのですが、宅急便て東京→鹿児島って配送に時間がかかるんですね。という事で手荷物となりました、重たかった…


こちらは本研修会の目玉、3波長の同時ハンズオン。私はもちろん半導体レーザー担当です。入口には人数分の保護眼鏡が並びます。用意されたレーザーは7台、二人一組で実習が始まります。


 これが実習の模様、右奥で立って説明しているのが私です。ごらんのようにアイソレーションガウンに身を包み、保護眼鏡を全員がしています。机の上には豚くんの顎骨一人に一個。これを持って3つの波長の部屋を渡り歩きます。半導体・Er-YAG・炭酸ガスの3種類が同日に研修できる、、、、、いやぁやっと実現しました、日本初です!

***

さて、このような研修・実習会はなぜ日本で実現しなかったのでしょうか。そんなのは簡単だろうと思われるのではないでしょうか。理由は大きく3つあります。

1・レーザー機器メーカーのスケジュール調整が難しい
実習ですから、メーカーさんに多数の機器や機材の搬入をお願いしなくてはなりません。しかし3社の都合を合わせるのは非常に難しいのです。私たち安全講習委員会メンバーは各メーカーの講師を務めるなど繋がりが強いので可能となりました。

2・会場の都合がつかない
実はこれが一番問題。講演会の会場ならどこにでもありますが、実習付きとなると話が違います。安全上、必ず各波長一部屋を確保しなくてはなりません。部屋は充分な換気が出来なくてはなりません。また20台くらいのレーザーを一度に稼働させるため、充分な電力の確保が必要です。場合によっては電源車の確保も必要で、大幅なコストアップになります。会場は当然、人が集まりやすい場所でなくてはなりません。しかも会場費は無料で借りられるところであってほしい、これだけ条件が良い場所は東京でも難しいのです。この度鹿児島で開催したのは、これらの条件がすべて揃っていた事に他なりません。ご協力いただきました鹿児島県歯科医師会様に感謝申し上げます。

3・講師と安全管理者が集まらない
レーザー使用には、必ず安全管理者が必要です。3波長同時に行うにあたり、これを徹底させるのはなかなか難しいのです。講師の他にもレーザーに詳しい人を揃える、学会の委員でなくては人材は揃いません。

………とまぁいろいろ障壁があったわけです。レーザーは今も大学教育のカリキュラムにありません。卒業してから自力で勉強して行くもので、教育体系は最初からないのです。

今まではメーカーさんが独自に、悪く言えば「売りたいがために良い事しか言って来なかった」時代が続いて来ました。メーカー講師が正しい事ばかり言っているかといえば、実はそうでもありませんでした。

しかし、これからは違いますよという事を示す事ができたと思います。レーザー教育はインプラントのように大学で行えるようになるまではまだまだでしょう。そのためにも学会は正しい情報を発信して行く必要があります。

さて、実は今日から日本レーザー歯学会の学術大会です。今回は一般演題(会員発表)に口頭発表がなく、すべてポスター発表という「え〜!?」という状態ですが、しっかり見てこようと思います。

2014年12月3日水曜日

鹿児島に行ってきた・2 超旧友再開

すっごい遅くなりましたが、コチラからの続きです。


実は鹿児島で、とっても不思議な再会がありました。現地では多くの先生方が一生懸命準備をしてくださっていたわけですが、「その中に先生の小学校の同級生がいますヨ」との連絡をくれたのは、つい先日研修会で知り合ったN先生。当日朝にfacebookでメッセージが届きました。

私は最初いったい何の事が解らなかったのですが、準備委員の一人の名を見て「えっっっっっ!?」と思ったのです。彼はたしか小学校4年に転校してきて、その翌年くらいには新設校にまた転校していったW君。誕生日に招かれ、彼の以前の小学校の友達らと野球をしたのを覚えてます。

しかし彼が歯科医師になったとは思いませんでした。聴けば彼は東京の四大を出てから鹿児島大学の歯学部に入り、現在は今回の研修会の準備委員長をしているO先生の所に勤務している、、、、、おぃおぃ何も聴いてないぞ?

で、どうやらW君、いやW先生は「吉田先生は自分の事は覚えていないだろうから」と周りに言っていたらしく、O先生も私に何も言わなかったそう、、、えー、ちゃんと覚えているゾー!

という事で会場を探してみると、受付には小学生の頃とまったく変わらぬ顔のW先生!いや、本当に変わってない、42年ぶりとは思えない、とにかく懐かしい。

彼は一度私のウチに来た事があったらしく(つまり私は覚えていない…)大阪の万国博覧会のパンフレットや写真を見せてもらったことを懐かしく話します。

お互い準備でたいした話もできなかったのですが、またどこかで会おうと約束をします。

しかし、こんな事があるんだと、ただただ不思議な感じの中でで研修会は始まります。